【検証:】空港論過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<ニッポンの空(港)論>
(過去ログNo.421)
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新興航空会社の参入による運賃値下げと周辺への影響−九州を例に考える−
 投稿者---CHIP氏(2002/03/31 23:36:12)
 
http://plaza23.mbn.or.jp/~norimono_land/
新興航空会社の参入による運賃値下げと周辺への影響−九州を例に考える−
└Re:新興航空会社の参入による運賃値下げと周辺への影響

 4月18日からスカイマークエアラインズが東京−鹿児島線に参入する事はご存じのことと思います。このような新規参入があると付き物となってきた割引運賃の値下げですが、予想通り、東京−鹿児島線でも実施されることになっています。こうなると当然起きてくるのが、直行便で行くよりも割引率の高い路線を使用し、そこから鉄道やバスを利用した方が安く、またこういった路線は便数が多く便利な事が多いのです。特に東京−九州を結ぶ路線では顕著に現れていると思います。例えば、東京−佐賀線や東京−熊本線の場合、東京ー福岡線を利用し、博多から特急「かもめ」「つばめ」等を利用した方が安く便利です(JR九州の2枚・4枚きっぷはほぼ片道運賃で往復できる画期的な切符ですね )。

 このような事態は今後大きくなっていきそうです。少なくとも8月には東京−宮崎線にスカイネットアジア航空が参入します。すると、割引率が高くその上便利な路線と前者の関係で割高感が浮き彫りとなる路線に二分されてきます。前者の路線は東京−福岡・宮崎・鹿児島・沖縄(沖縄はレキオス航空参入時)、後者は東京−北九州・佐賀・長崎・熊本・大分となります。こうなると、やはり、前者の路線特に福岡線などの利用者が増え地方空港が衰退していくことも充分考えられます。佐賀空港などは特にその傾向が見られます。このような二分化と今後の東京−九州線について討論しましょう。

Re:新興航空会社の参入による運賃値下げと周辺への影響−九州を例に考える−
 投稿者---ジョー万太郎氏(2002/04/17 01:52:31)

 九州に関しては、飛行機で一回しかいったことがないので、あまり詳しくないが一言いいます。
 たとえば東京から大分や長崎などへ行く場合、運賃と直通の利便性、どちらをとるかを考えれば直通のほうを取る人が多いように思われます。今回、航空便に参入した鹿児島や宮崎は固定的な需要が見込まれるからではないかと思います。しかし、多数の航空線の発着する福岡は二つ政令指定都市を抱えるなど九州の中ではきわめて人口が多いからできることであり、鹿児島などの都市はあまりにも経営などに影響を及ぼすようであれば、早期の撤退なども考えられます。
 また、福岡へ行きそこからバスや鉄道のルートは、通や地元民は知っていても、初旅行客などの一般客には浸透しにくい側面があります。確かに、空港政策が利用者数の弱肉強食的になっているところはありますが・・・

福岡空港の移転に反対します。
 投稿者---福岡空港移転反対聯盟氏(2002/04/02 12:51:57)
 http://www2.neweb.ne.jp/wd/press/
福岡空港の移転に反対します。
└とはいえ現状は不満
 └福岡は今の板付がベストであることは事実だか
  └蓆田・板付の滑走路は天然の良港
   └Re:蓆田・板付の滑走路は天然の良港
    └Re^2:蓆田・板付の滑走路は天然の良港
     └Reply
      └福岡からの欧米線が成立するのか
       └基本認識の一致と展開の不一致?
        └横レス・関空の「沈下」について
        └滑走路の延長・増設
         └滑走路の延長・増設は吟味も必要
          └政策の整合性
          └Re:滑走路の延長・増設は吟味も必要
新福岡空港なんて要らない
└佐賀、北九州、新福岡…天秤に量るのはカンタンだが

 板付飛行場の廃港と玄海沖での埋め立て空港の建設に反対します。

とはいえ現状は不満
 投稿者---551planning(2002/04/04 12:38:54)

 聯盟様初めまして、貴サイト拝見致しました。
 福岡空港問題、確かに微妙ですね…。

 成田以後、あるいは大阪空港騒音訴訟以後、「都市空港整備」は大きな転機を迎えました。事実上の拡張不可能状態となり、郊外移転での解決は広島のようにねじれ現象をもたらし、関空・中空の海上空港では莫大なカネがかかるという袋小路にあるといえます。
 その中で福岡板付は稀に見る対都心部直結空港として発展し続けているのは皆様御存知の通り。特にSKY新規参入以後の価格競争により九州のゲートウェイとしての役割は一層堅固なものとなりました。裏を返せば佐賀空港のように「1県1港政策」の破綻の象徴事例ともいえるでしょうか(コレはスレッド違いですね、あちらでじっくりと)。

 ただし3000mに満たない滑走路、3つのターミナルに分散されていて乗継空港としては不便、国際競争力、特に対アジア圏として有望ながら対応能力は?というジレンマにあります。事実日本で見ても韓国仁川経由の流動は確実に生まれており、一方で福岡発着の国際線はさほど伸びを見せていません。
 海上空港を否定するのはカンタンですし、現に当方もできれば現有空港の機能アップを期待したいところですが、地元誘致派の言う「玄海」…もとい「限界」もこれまた事実。さらには佐賀や新北九州のように近隣空港もできるというねじれ…ひとつはこれらを巻き込んだ輸送力適応化も策なのでしょうが、やすやすと出せる見解ではなさそうですね。
 いずれにせよ、単なる反対なら誰でもできます。やはり対案を見せなければ…皆様の御意見もお待ちしております。

福岡は今の板付がベストであることは事実だか
 投稿者---とも氏(2002/04/05 13:08:42) http://town-m.vop.jp/

 ともです。私もサイト見ました。

 私は基本的に福岡はいまの状態でよいと思っています。騒音問題も言われているわりにはたいしたことも無く、逆に自衛隊を北九州やそれこそ佐賀に移せばスペースはできますし、発着枠も増やせます。
 比較的小型機が多いということもあり、ターミナルの再構築(今の第一などは場所を無駄にとっているだけで使いにくい上に非効率)さえできれば十分でしょう。

 アジア線に関しては、福岡はもっと伸びる余地があると思われます。しかし、その場合にも3000mあれば十分ですし、香港、韓国、台湾、中国がターゲットの福岡のスペックとしては十分でしょう。
 貨物便の北九州移管などの方策で当面はしのげるのではないかと思います。

 海上空港の是非に関しては、いろいろいわれているほど海上空港がダメということも無く、関空は実はあの程度沈むことは最初から設計条件にあったんですから(ターミナルビルを油圧ジャッキで支え、沈下に対応できるようにに最初からなっている。)、「不等沈下」などと言うからいかにも手抜きのように思われますが、最初からある程度許容しているので、問題ないのです。
 手抜きをするから土建屋は信用できないと思われるのはかまわないのですが、そういう実情もあることをご承知置きを。(もし沈下を全く認めないなどという設計をした場合、すぐに地盤が破壊し、周辺地盤の隆起などが発生します。)

 とはいえ、福岡の場合、そういった技術的問題は別として、現状の空港で十分ではないかと考えます。海上空港が無駄とか土建屋云々ということは別にして、玄海埋め立てなどどうやるつもりなのか、理解できません。
 もし、福岡市が本気でやるのなら、博多湾内しかありません。それなら出来るでしょう。市内アクセスも変わらないですし。地理的条件的にも空域も問題がありませんから。工事費もそこそこ抑えられます。

 九州内は空港が乱立しています。このままコンセプトの無い運行が続く限り、こうなるのでしょう。航空行政はもちろん、各県の行政、県民の姿勢、航空会社の姿勢が問われているんだと思います。

 それでは

蓆田・板付の滑走路は天然の良港
 投稿者---福岡空港移転反対聯盟氏(2002/04/27 10:44:34) http://www2.neweb.ne.jp/wd/press/

対案について:
 対案は既におります。単なる反対などではありません。
 有明空港国際化案、現福岡空港拡張案、補助飛行場増設案 などです。現在の2800mの滑走路は、それぞれ南北に600mづつ延長することができます。それによって、現行の滑走路を4000mにすることができます。
 用地収用に関しては、北側は既に完了しており、障碍となるのは、その中を突っ切って走っている道路です。
 南側も用地収用は既に半分が完了して折り、残りも田んぼです。人家は殆どありません。何度も現地調査の上、確認済みです。

 関空が欠陥空港であることは、
   全体の沈下に関しては、沈下速度が予測の2倍であること
   不等沈下については、ジャッキによる補正では追いつかずひび割れがひどい
ことなど、議論の余地はないものと思われます。

 博多湾内での建設など、論外です。
 現在の福岡空港、即ち、蓆田・板付の飛行場は天然の良港です。http://www2.neweb.ne.jp/wd/press/interair/ 等を御覧ください。博多の主要空港の位置は、あの場所以外にはありません。

 騒音問題に関しては、飛行場を建設以前からすんでいる人以外は、訴訟を起こす権利がないと考えます。http://www2.neweb.ne.jp/wd/press/urban/ を御覧ください。

Re:蓆田・板付の滑走路は天然の良港
 投稿者---とも氏(2002/04/27 23:16:26) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 対案に関しては議論があるでしょうが(有明国際化、雁ノ巣補助飛行場こそ私なぞ無駄としか思えませんが。)、福岡の都市規模、都市特性、周辺状況を考えれば、あえていえば滑走路の延長だけです。
 問題は北側に市街地があることで、香港並みのタイトな飛行環境であることは事実ですが、他国であればなんら珍しいものではなく、問題はないと思います。
 滑走路に関しても、なぜ4000mにする必要があるのかです。北米線をいまさら飛ばすのか、ヨーロッパ線を飛ばすのか。そこまでは考えていないはず。であれば3000mあれば十分で、大した改良ではありません。

 私がなぜ否定的なタイトルにしたかといえば、簡単な話です。九州全体の空港整備論を考えずしてということです。
 福岡は今のままでよい。これは私は以前からの主張です。ただ、他の九州内空港の位置づけがはっきりしないことが問題なのです。そこを考えていくと、福岡は今の板付がベストだが、九州内路線展開をどう考えるかをはっきりさせなくてはということです。

 関空が欠陥空港であるかどうかについて、議論の余地は十分にあります。
 私のような土木や建築技術を学んできた人間からいわせれば、関空のあの程度の沈下なぞ、大騒ぎするレベルではなく、十分対処可能なものです。そのために安全率があり余裕がある設計をしているのですから。ひび割れも問題のあるものと無いものがあるので、それを一緒くたにすることは非常に危険です。
 確かに予想以上のスピードではありますが、結果的に最終沈下量で収まっているのなら問題ないといえます。
 間違えてはいけないことですが、関空にせよ羽田にせよ、計画が甘い、設計が甘いといえるのなら、その工学的な立証をすべきなのです。それをしない以上、単純に事象だけを捉えて欠陥などとはいえません。(もしそれが認められるのなら工学など不要なものということでしょう。)
 関空は海上空港そのものが欠陥(それを言うのなら福岡の市街地北部も危ないということ)ということではなく、その計画過程に不明確さがあること、伊丹の廃港を反故にしたことが問題であって、海上空港を否定するのなら、長崎も羽田もみな否定することになります。

 私が博多湾内を考えたのは皮肉です。本気ではありません。要は福岡の良港さを認めているまでです。
 書いている通り、福岡空港を改良するとしたら選択肢は限られています。しかし、その限られたもので十分なのです。
 福岡空港をアジアとの国際空港で考えるのなら今の状況でよいのです。
 すなわち、移転の必要なぞないということです。

 自衛隊を佐賀(有明)に移し、国際線貨物を北九州国際で受けられれば、十分福岡は都市内国際空港として成立できます。
 そんなに国際アクセスを充実させたいのなら成田線を増やせばよいのです。
 国内線ターミナルは現在位置で改築、国際線も今のままでなにも問題は無いのです。あとは自衛隊さえ移転できればスポットも簡単に整備できます。
 ヘリポートなぞ、なんとでもなります。ただし、立体ヘリポートはできません。福岡空港のヘリポート機能を満足させるのなら、立体化は不可能です。
 今の福岡空港の国際線ターミナル付近には十分余裕があります。あそこを使えばよいのです。

 騒音問題に関しては、飛行場を建設以前からすんでいる人以外は、訴訟を起こす権利がないと考えます。

 基本的には同意します。が、それが許されないのが日本の現状なのです。
 東京外環、小田急連立を見てください。計画段階で居住していない住民が「聞いていなかった」とか「今の状況が好き」という理由で反対しているのです。
 これは大きな問題なのです。福岡空港だけの問題ではありません。

Re^2:蓆田・板付の滑走路は天然の良港
 投稿者---福岡空港移転反対聯盟
(2002/04/28 10:38:18) http://www2.neweb.ne.jp/wd/press/

 滑走路を4000mにするのは、欧米線を考えてのことです。
 滑走路は、余裕をもって造るべきで、ぎりぎりはいけません。アジアの・・などというセコイ考えはしません。
 そのような考えには、断固反対致します。

 滑走路の延長予定地はあそこだけ市街化されていません。北側は葦原、南側は田んぼです。
 葦原より北、田んぼより南側は、市街化されてますが、延長予定地のみ、無人地帯なのです。
 滑走路延長なんて、できるときにやっとかなきゃいけません。その必要が生じてから、需要ができてからじゃ、遅すぎます。需要ができてからじゃ、とっくの昔に市街化されています。市街化される前に延長してしますのです。
 「需要ができてから空港を造ろう」なんて発想をするから、日本は航空後進国になったのです。
 滑走路なんて、できる時に片っ端から造っとくべきです。アメリカやカナダでは、自宅の敷地内に滑走路があります。

 千歳はもう二本斜めに造って、計六本にすべきです。日本の中心空港は千歳とすべきです。
 成田なんて、Washington, D.C. 並みの首都の国際空港です。東京はなるほど、首都であるのみならず、人口も最大ですが、首都近郊の国際空港を、中央の国際空港とするのには反対です。

 長崎は、元々あった島を崩したもので、地盤がしっかりしてます。
 まじめに議論しているときに、皮肉を言ってはいけません。

Reply
 投稿者---Yagiri氏(2002/04/28 22:06:57)

 ビジョン無く余裕を持たせる工事こそ無駄な公共工事。欧州や米国への直行便が本当に福岡から必要かどうか吟味が必要。北九州からの直行と成田経由があれば十分ではないでしょうか。

 延長予定地は居住不可能とするような土地の利用規制をしておけば今のところ十分と思います。

 また、日本の中心空港を千歳とするのは愚策でしょう。直行便志向が高い中、圧倒的多数を誇る東京・首都圏発着の利用者にとって、千歳乗換は成田に比べ致命的に利便性が低いと言わざるを得ません。東京近くに日本のハブ空港があるのは極めて合理的と考えます。成田は、十分に東京に近い。

 皮肉なんか誰も言ってないと思いますが。

福岡からの欧米線が成立するのか
 投稿者---とも氏(2002/04/29 01:25:22) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 ビジョン無く余裕を持たせる工事こそ無駄な公共工事。欧州や米国への直行便が本当に福岡から必要かどうか吟味が必要。北九州からの直行と成田経由があれば十分ではないでしょうか。

 そういうことです。
 欧米線、すなわち洋上なり大陸横断なりをする便が就航するほど福岡に需要があるのでしょうか。
 ないでしょう。まず。アジア線で十分というのは福岡を卑下したわけではなく、単純に、福岡はアジアに目を向けたビジネス運営を目指しているのは衆目の事実であるからです。

  >滑走路の延長予定地はあそこだけ市街化されていません。北側は葦原、南側は田んぼです。
  >葦原より北、田んぼより南側は、市街化されてますが、延長予定地のみ、無人地帯なのです。

 延長予定地は居住不可能とするような土地の利用規制をしておけば今のところ十分と思います。

 まさに。
 延長予定地とかかれていますが、本当に延長予定地なのでしょうか。騒音被害防止のための緩衝帯も含んでいませんか?
 都市計画上の整合性が図れますか?空港予定地ではなく特定空港法による安全帯及び騒音防止のための緩衝緑地帯とされていませんか?

 千歳をハブにするか否かは航空会社が考えるべきことで、航空行政として誘導策はあっても、強制できるものではありません。
 まさに直行便指向が強いこと、首都圏というバックボーンがあるからこそ成田が北東アジアのハブ空港になっていることを考えれば至極当然。成田を国際空港とすることが正解といえます。

 首都の空港を中央空港にしないということですが、東京は首都でありかつアジア経済の中心地です。経済の中心地にこそハブ空港機能は保持できるのであって、カナダがバンクーバー、モントリオール、トロント、アメリカが国際線ハブはロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク、ドイツがフランクフルト、オーストラリアがシドニーということを考えればすんなりご理解いただけるはず。
 千歳をハブにすることそのものは賛成できる部分も多々あります。ただ、それと福岡の4000mの話は別です。

***
 皮肉めいた書き方をしたことはお詫びします。
 が、関西空港を海上空港として批判されるのなら、他の海上空港を批判するのと同じことです。
 まず、基本的な問題をクリアにすべきであって、海上空港はダメと断言できるのですか?
 土木工学なり地盤工学を学ばれた方なら、関空が沈むこと自体不思議でもなんでもないでしょう。それが現実です。
 専門家ではないのでしょうからあまり突っ込むことではないと思いますが、少なくとも安全性に落ち度があるわけでもなく、補修がされても機能として保持されているのなら問題はないのです。
 もし、滑走路が波打ち、まったく使えないのならまだしも、オーバーレイ(舗装を上からすること)により平坦性は保たれ、支障なく運用されています。
 ということは問題はないといえるのです。

 私は福岡空港移転には賛成しかねます。ましてや玄海灘沖など無駄です。しかし、福岡空港の機能の議論なくての反対論は絵に描いたモチです。
 私から言わせれば有明空港国際化なぞ北九州空港はおろか玄界灘以上に無駄です。福岡にそこまでの経済力があるとはおもえません。

 まずは、福岡空港の機能として何が求められるのか。国内線幹線空港としての現状のほかに、欧米も含めた国際線空港としての機能が本当に必要なのか、そこを考える必要があるのでしょう。

基本認識の一致と展開の不一致?
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/04/29 03:10:12) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ちょっと議論が紛れてますが、皆さん福岡空港が現在の板付にあることがベストという認識では一致していると思います。

 それを前提として、福岡空港を拡張するかどうかですが、福岡空港が強みを発揮する国際線はアジア関係であるということは容易に想像できます。
 となると無理に4000mクラスにする必要はありません。
 なお4000mクラスを必要とする欧米線ですが、関空の現状を見れば明らかな通り、日本第二の経済圏である関西ですらあのていたらくです。いわんや地理的特徴とも関係が薄くなる福岡で成立するとは到底思えません。
 厳しい見方をすれば、成田空港暫定滑走路の開業でアジア線がごっそり移動した関空の現実を見ると、福岡も韓国や台湾、中国といった近隣地域に特化した国際空港がせいぜいだと思います。
 福岡(に位置する)空港をどのような空港として運用するのか、というグランドデザインを抜きにしてはこの問題は語れないと思います。

***
 ハブについては、「東京(首都圏)」という最終目的地を擁する成田の特徴を無視して国内にハブをおいても失敗するでしょう。
 成田線を見ると、各社ともハブ&スポークの例外といえる直行便を欧米の主要都市との間に設定しており、東京が最終目的地であることがわかります。(さらに欧米各社はそれを足がかりに東アジアへのハブにもしている)

***
 関空の土木的な問題ですが、もし問題になるとしたら、想定される沈下を「超えた深さで(速さでは無い!)」沈み込んだ場合です。
 逆に速くても、予定の沈下に達して落ち着いたら、予定より早く完了したということでそれは問題ではなく好事でしょう。
 目的に齟齬が生じたら問題ですが、これはあくまでプロセスに過ぎません。それが想定の範囲内であれば、そんなに騒ぐこともないと思います。

横レス・関空の「沈下」について
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/01 23:32:53) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ちょっと横レスですが、関空の沈下問題について公式HPでのデータを紹介します。

http://www.kansai-airport.or.jp/introduction/mecha/index.htm

 開港50年間の沈下量につき、建設前の平成2年に埋立土砂自体の圧縮幅0.5mを含めて11.5mの沈下を予測していました。一方平成13年12月時点での実績は11.9mと0.4m上回って沈下しています。
 平成13年1年間の沈下実績は0.19mと前年の0.22mに比べて0.03mの減少であり、これは年間0.03〜0.04mずつ沈下速度が減少するという見込み通りの推移です。
 これにより、最終沈下量は12〜12.5mと推測しており、その範囲内であることを関空側は強調しています。(最終沈下量が0.5〜1m増えているが、予測にはある程度の幅があるという説明であり、実際そこまでの精度を求める話ではないであろう)

 この計算に従い、向こう5年の沈下量を求めると、年間0.03mの減少ベースで12.4mに至りますが、その時の年間沈下量は0.04mとなり、7年後以降の沈下はほぼ無くなる計算です。(沈下速度の減少幅が小さくなって続く可能性はありますが、現状は等差で減少していると見て良いのでは)

 関空の「標高」は滑走路エリアで3.3〜4.9m、タンク地区の1.8mとターミナルの2.6mがやや低いです。ジャッキアップは不同沈下対応ですから、均質に沈下し切った前提ではジャッキアップを使わないで済む標高ですが、確かに予測の残り0.6mを織り込むと、タンク地区は1.2mとやや低いようで、ターミナルと合わせて対策が取られています。

滑走路の延長・増設
 投稿者---福岡空港移転反対聯盟氏(2002/04/29 10:42:00) http://www2.neweb.ne.jp/wd/press/

 滑走路の延長・増設は「その必要が生じてから」では遅すぎます。
 10年・20年後と云う近い将来の需要予測に基づいてやるものではありません。少なくとも50年・100年後の最大限の可能性を考えて造るものです。できれば、200年・300年後まで考えるくらいでちょうどよい。
 日本は土地が少ないので、土地収用が極めて難しい。だから、その時点で必要がなくても、造れるときに造っておく。
 悪名高き農道空港を再活用して、自家用飛行機の飛行場を増やすべき。

滑走路の延長・増設は吟味も必要
 投稿者---CHIP氏(2002/04/29 21:20:17) http://plaza23.mbn.or.jp/~norimono_land/

 50年後・100年後を考えるというのは過激すぎませんか?
 100年もすれば当然、飛行機の機種もがらりと変わっているでしょうし、滑走路を必要としない航空機が開発される可能性も考えられます。
 人口の分布を大きく変わることすら予想されます。(今後は人口が減少すると共に超高齢化社会を迎えることで航空機需要が減る可能性が十分考えられる。)
 また、見込みで建設するというのも現状では税金の無駄遣い扱いされるだけです。

政策の整合性
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/04/29 23:14:54) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 福岡空港の位置づけが、アジア太平洋地域へのゲートウェイというのであれば、滑走路の本数を必要とする方向に働く、離発着頻度が高まることはあっても、滑走路の延長方向に働く遠距離路線の増加には向かわないはずです。
 また、今後の技術向上は、大量輸送とともに、空港という巨大装置産業の効率を高めるべく、離発着距離をいかに短縮するかという方向に働くはずで、それを考えると遠い将来を見据えた投資も慎重にあるべきです。(縦長ではなく横長並列の構造が将来の主力になるかもしれない)

 さて、九州においてどの空港をどう運用するかという航空政策のデザインもさることながら、中長期的な将来を見据えるのであれば、単に運輸政策にとどまらない政策の整合性を取ることが必要です。
 つまり、福岡と東京の間で頻繁に人(やモノ)が行き来する状態が今後も続き、さらに昂進するのか。現状の政策を見ると、実際の移動を伴わずに遠隔地との取引が可能なビジネスモデルを模索していますね。(いわゆるIT化です)

 移動で一番問題なのは、ただでさえコストの相当部分を占めている人件費という固定費が「死ぬ」ということです。
 日本経済を再生させよう、国際競争力を高めようとする時、国内移動の効率化という対症療法よりも、移動しないで済むという抜本的対策のほうが肝要であり、実際、その方向に社会が動いています。
 もし、IT化といっても人が面と向かうリレーションシップが重要というのであれば、IT化政策のほうを改めるべきです。(私は本音では後者だと考えます)

 長期的に考えるのであれば、そうした政策の整合性から考えるレベルの話になります。特に航空の場合は、遠隔地の拠点間輸送に特化した輸送形態ですから、鉄道や道路のように、様々なレベルの輸送を担う、いかに社会が変わっても無くならないであろうレベルとは違いますから。

Re:滑走路の延長・増設は吟味も必要
 投稿者---とも氏(2002/04/29 23:16:00) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 難しいところですが、空港などの社会資本は20年〜30年程度の将来を見据えて計画を行うのが本来でしょう。将来を目一杯考えても50年でしょうね。それを例えば20年で見直すようなことでしょうね。
 100年後を見据えるのも結構ですが、そこまでの需要予測や政策判断ができるのかです。(100年後の経済予測などだれができるのかです。)

 100年後に手戻りにならないようにというのはよいとしても、構造物の耐用年数自体がそこまで考えていないのですから、そんな超ロングスパンで考えるものではないでしょう。(そんなスパンなら作り変えたほうが良い)

---
 福岡空港の滑走路延長の必然性は本当にあるのでしょうか。
 数十年後のために延長するというのは理にかなうとはいえません。
 向こう10年なり30年なりの現実的スパンで見た場合、欧米線に関しては悲観的です。50年後なら可能性はありますが、それでもどの程度のものかですね。
 貨物便は成立が考えられますが、それこそ福岡市内などという「好立地」を使うのは好ましいこととはいえません。北九州のように、陸海空のマルチモーダルハブになる空港を拠点にすることが良いかと思います。新北九州なら、海運、陸路でのアクセス性も高く、工業地帯である北九州だけではなく、四国、中国地方からのアクセスも期待できます。

 では福岡はといえば、やはり国際線、特にアジア路線に特徴を見出すような展開でしょうか。特に需要が今後明らかに伸びるであろう中国、韓国、香港、台湾線については相当期待できます。
 地方からこれらの各国への内外ハブとして、アメリカのマイアミやヒューストンのような存在になるのが一案でしょう。

 さらには、九州内拠点空港として、九州内各地と全国各地のハブ機能を持たせ、九州内はコミューター機材でシャトル的に高頻度運航を行うということも考えられます。

 こういった機能で考えると、滑走路の延長は安全面からの確保としての3200mクラスへの延伸はあるとしても4000mは必要なく、それよりも滑走路からの高速脱出誘導路整備などの策が必要といえます。

 まずは、福岡をハブにした航空会社の成立、そしてアジア路線の充実からの東アジアのサブハブとしての位置づけが図れるかでしょう。
 福岡の競争相手は成田でも関空でも仁川でもなく、同じようなコンセプト展開を考えている仙台、那覇、プサンです。こういった空港と対峙するには滑走路の長さではなく、使いやすいターミナル、アクセスです。そういった面を考えていかなくてはならないと思います。

新福岡空港なんて要らない
 投稿者---きりん氏(2002/05/02 20:54:06)

 なぜ福岡空港の離発着回数が伸びたのか、そういう分析もせずに新福岡空港ですか。あえて言いますが、欧州や北米やオセアニア便、いやそれどころか東南アジア便、それどころか東北、北海道便(特に北海道便が壊滅的な打撃を受けているのに新福岡空港ですか)すら維持できない空港が天文学的な金をかけて滑走路2本ですか。
 アジアとか言う前に羽田や大阪などで乗り換えずに直接にいけるような対策でもするべきですね。

佐賀、北九州、新福岡…天秤に量るのはカンタンだが
 投稿者---551planning(2002/05/12 23:38:12)

 5/11に北九州市で行われた政府のタウンミーティングで、石原信晃行革担当相がこう発言されたそうですよ。

注目記事紹介 http://moomoo.gaiax.com/www/moomoo/t/a/trafficmap/diary.html

 まずもってこの報道しか確認できておらず、ここから推測で語るのは危険な側面もありますが、単にこのニュースに触れての所見を記すことをを御了承の程。

 1県1空港政策は当方も批判するところであり、佐賀空港についても存在意義が問われるところですが、地元でならずとも現にあるものをただ単に「いらない」とだけでは済まされない気がします。ではいっそ廃港にするのか、それとも他の活用方を見出すのか、そこまで含めての「いらない」でなければ政治家の真を問いたいです。造ってやったんだから、後は自分たちでちゃんと考えろでは確かに正論とは申せ、われわれ俄か評論屋には許されても、政治家としては誰もついてこないのでは?
 リップサービスかも知れませんが、確かに北九州空港は現空港の実績があるといえ、『北部九州の基幹空港』といえるのは何処なのか、その上での福岡空港問題をどのようにお考えに成っているのかを是非お伺いしたいところです。既に当スレッドでも是非が問われていますが、当方は純粋に「無い物強請りの我侭」と断じることはできないと考えます。それだけに交通論は難しいのです。

 丁度1年前、国民が期待した「聖域なき構造改革」。確かにこれまでの問題点が湯水のごとく出てきたわけで、それを総浚いするのはすぐには無理とは理解する面もあります。しかしその場その場で取られてきた政策が現状において100%誤りであったにせよ、きちっとした評価を下さすに掛け声倒れのまま来ているのはもはや誰の目にも明らかになっています。
 このタウンミーティングでも言及されたそうですが、この見識を問うべき行革担当相の下で取り組まれる道路公団改革、まさに目が離せない、と改めて言わざるを得ないようです。

ANA Connection
 投稿者---551planning(2002/05/12 23:17:36)
 
http://www2.gateway.ne.jp/~planning/project/traffic.htm
ANA Connection
└Re:ANA Connection
└「エアレール」と「周遊きっぷ」
└名を捨てず実を取る?

 JALのサイトには「日本航空の主張」というページがある。日本の航空行政の中でのJALの立場を詳細に記したページで、長きに渡って準国策会社という企業形態にあって、特に2度の大事故を経験した過程で批判が集まった同社の特異性をその背景としつつ、規制緩和の波に最も揉まれたのがJALそのものにあった中、明確に(行政に対する)強いメッセージ性を有していたのは、数多くの交通企業のサイトでも稀な存在といえた。

日本航空の主張 http://www.jal.co.jp/keynote/

 そのJALも今やJASと統合再編の道を進む。一方で規制緩和の寵児というべきANAはJAL+JAS連合に真っ向から反旗を翻し、社長はことあるごとに持論を展開、自サイトでも主張を載せていた。表向き「規制緩和と逆行し、寡占化が進む」としていたが、本音としては赤字基調の国際線を支える強力な国内線ネットワークが国際線ネットワークを持つJALと真っ向勝負となることでの消耗戦を恐れて、ということができるだろう。事実JAL+JAS連合はJASはおろかJALの体力低下を補う、いわば弱者連合という側面を否定できない。JALブランドの手っ取り早い国内線進出深度化をANAは恐れたのではなかろうか、それにしてもその動きは「らしくない」というか姑息というかにすら見えた…なお、ANAサイトの「主張」は公取委の承認の前後にいつの間にかなくなっている。

***
 4/18の成田空港暫定滑走路オープンを彩ったのは成田初参入となった国内ローカルエアライン=名古屋ベースの中日本エアライン(NAL)、仙台ベースのフェアリンク(Fair)の小型機。その胴体にはこう書かれている…ANA CONNECTION。
 両社とも親ANA的関係にあったにせよ(意外と知られていないが特にNALは名鉄資本つながり)、独自色の強い会社でもある。NALはフォッカー機、FairはCRJと50名程度の機材で地方間ネットワークを形成しているが、両社とも順風満帆とは云いがたく、NALはいまだに確固たる主力ルートを持っておらず、季節運行で需要模索に追われている。Fairに至っては当初目論んでいた羽田進出が果たせずに西の拠点を目指した広島西を放棄せざるを得なかった。
 そんな中、ANAの提案は両社にとって「渡りに船」であったのではないか…ANAとしても低コストで成田ネットワークを確立できるという意味で利点が多い。翻ってJAL系ではJ-Airが名古屋線で参入したに過ぎず、JASに至っては連合後国内線専業化されるというのに全く動きを見せなかった。福岡線はJALとANAのダブルトラックになるなどANA系の動きが目立っている。

 さらにANAは5/9、2ヵ年のグループ事業戦略を発表、「新創業宣言」と自ら謳い、ANAの事業持株会社化、ANK・AJX便のANA便名・提供サービス統一を図るなどANAブランドの強化に努めている。

「ANAグループ基本戦略構想(2002〜03年度)」骨子 http://svc.ana.co.jp/pr/02-0406/02-042.html

 ここでANA系航空会社をまとめると下記のようになる。

全日本空輸 ANA 国際線 国内幹線 B767 B777 B747
エアージャパン AJX 国際線(関空発着アジア/リゾート)   B767
エアーニッポン ANK 国際線(台湾) 国内準幹線 B737 A320
エアーニッポンネットワーク ANN?   国内コミューター線(丘珠発着・伊豆諸島路線) DHC-8
エアー北海道 ADK   北海道コミューター線 DHC-6
日本貨物航空 NCA 貨物専業    
         
中日本エアラインサービス NAL   国内コミューター線 Fokker50
フェアリンク FRI   リージョナルジェット CRJ100・200

 ANKがローカル線といっても100席超の機材がメインであるため、ANAがリージョナルラインの方向をどのように見ているのかが気になるところ。事業戦略では「ネットワークの保管並びに低コストスキームへの代替リソースとして他社との提携を活用」するほか、「伊丹空港におけるプロペラ機用の発着枠を活用し、新会社の設立を含めた事業展開を検討」としている。
 ただしANKもYS-11代替のDHC-8運行会社として100%子会社エアーニッポンネットワークを設立しており、現在大島線のみの羽田ベースの路線移管も十分予想できる。「適材適所」がどこまで通用するか、JAL-JAS連合のローカル運行会社の動向を横目にした展開になるのだろうか…一方で地方にスポットを当てた嚆矢のNAL、リージョナルジェットに果敢に挑むFairが、さらには北海道庁主導で前交渉が行われているというADOをも、「ANA Collection」にただ収まってしまうのかが気になるが。

 JAL+JAS連合が生む力、それはANAをも確実に巻き込もうとしている。SKY・ADOが開いた規制緩和後の競争ありきの航空業界動向を、利用者がより望む方向へシフトさせてゆくかどうか、第二幕の幕開けをわれわれは注視する必要が大いにあるといえよう。
 今年創立50周年を迎えるANA。「たった1/2世紀という思いです。」という言葉の裏にこの50年先、100年先の自社像を描ける力を感じる、といっては大袈裟だろうか…。

Re:ANA Connection
 投稿者---とも氏(2002/05/13 13:06:24) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 ANA系各社の方針、なるほどなかなか考えられているなというのが、率直な印象です。
 特に便名のANAブランド提供は、今の日本において忘れられている「案内・サービスのシームレス化」であって、利用者からすれ全日空のネットワークを使っているのであって、それがエアーニッポンであろうがフェアーリンクであろうがさほど関係は無く「ANA」ブランドで通しのイメージでの利用が出来ればよいので、利用者サイドの良い施策と思います。
 デルタはデルタコネクションとしてスカイウエスト航空を、アメリカンはアメリカンイーグルを、エアーカナダはACコネクションとしてファーストエアーを同じように使っていますし、これらは実際使ってみると、言われなきゃわからないものでもあり、サービスも本来会社と同様で、差を感じません。

 小型機を使っての国際線連絡路線(フィーダー)は、各地で見られるシステムであり、日本でも成田の今回の2社、古くはJ-AIRの関空−広島西など存在しています。
 ただ、今の日本の運賃体系がこれら接続便を利用しにくい体系になっていることも問題です。
 一般的に使われるツアー運賃の場合、スカイホリデーやI'LLなどの航空会社系のツアーであれば、地方空港発としてプラス1万円などで国内線を使えますが、格安航空券などは東京発しか設定が無く、使えません。
 そこで、例えば国際線でJLやNHを利用する場合、接続するコネクション便を大幅に割り引くことが出来れば、これら地方フィーダー路線も安泰でしょう。
 しかし、今の運賃体系では難しいものがあります。
 こういった細かい面も成田のハブ化形成に重要なポイントと思われます。

 自国民が自国会社を積極的に選択できない現状を改善するには、航空会社の努力は不可欠です。仁川に負けているのは空港ではなくネットワークなんですから。

 まとまらないですね、相変わらず。ではでは

「エアレール」と「周遊きっぷ」
 投稿者---551planning(2002/08/17 13:28:10) http://www2.gateway.ne.jp/~planning/project/traffic.htm

 全日空「超割」と鉄道線1日乗り放題券が合体した「エアレール」。2002年3月からJR九州とのタイアップでスタートしたこの企画(JR-Qは「九遊きっぷ」を発売)、全日空の今年度下期の超割企画が発表されたことを受けて継続設定が発表された。
 そして新たな「エアレール」タイアップが実現!なんと「はやて」八戸延伸で東北観光一大キャンペーンをまさに張らんとするJR東日本だ。

全日空プレスリリース
JR-Q http://svc.ana.co.jp/pr/02-0709/02_jr_02.html
JR-E 
http://svc.ana.co.jp/pr/02-0709/02_jr_01.html

 九州の場合は九州外全国の空港からの計299路線が対象となっているが、東日本の場合はさすがに羽田も、というわけには行かず、名古屋・小松・大阪・広島・福岡・那覇からの11路線が対象、「東北遊きっぷ」乗り放題区間も南東北・北東北に分かれている。
 現実問題で云えば、九州の福岡や宮崎のように鉄道至近の空港が東北の場合ないだけに、その移動ロスが生じよう。特に設定路線の過半が仙台発着であることを考えれば、連絡鉄道完成後の魅力がより増すという展望もひらけようが、「超割」ではレンタカーもバーゲン価格となるだけに、機動性を考えると九州のそれと違いチョイスの幅が狭くなる。新幹線自由席も乗り放題ながら、東北遊きっぷが北東北と南東北、リンクしない2区間に分かれており、仙台で入って青森から帰るという芸当もできないのは考え物かもしれない。

 航空会社は鉄道取り込みに注力している。JALはJTB・JR-Eと共同サイト「えきねっと」を立ち上げているほか、JALサイトからJR指定席予約が可能になっている。JASもナイスウイングで片道鉄道利用の旅行商品「エアトレ」を企画している。
 鉄道のほうも「みどりの窓口」での航空券発券が当たり前のようになってきているが、航空へのアプローチはまだまだといっていい。JR-Sの「松山/高知空港アクセスきっぷ」にしても、さらにはJR-Eの東京モノレール傘下策も空港へのアプローチに過ぎない。地場での商品開発は熱心でも、「航空+鉄道旅行」の売り込みに欠けているといってもいいだろう。
 その象徴がJR「周遊きっぷ」ではないか。以前の「一般周遊券」「ワイド/ミニ周遊券」が統合され、往復券とゾーン券の3点セット構成で選択肢が広がったと思いきや、飛行機利用も片道のみ、おトク感の強かった「ワイド周遊券」では旅行出発後の経路選択が多彩だったのに事実上不可能に、そもそも発券にも多少の混乱がいまだまま見られるという状況、さらにはそれを補うかのように各社から独自商品が出るという余計に分からなくなってきているのは非常に残念でならない。
 その間隙を突いて、というわけではないだろうが、新しい囲い込みといえるANAの施策は非常に巧くできていると思わず感心させられる。とともに、さらにANAは1日1万円乗り放題も実施予定とあらば、「旅行」スタイルにおいてもはや航空優位、そして「ヒコーキに乗ること」を鮮明に印象付けるものとも映る。

「周遊券」今昔 http://www2.gateway.ne.jp/~planning/project/traffic/log045.htm#2

 ANAとJR東日本では、今回は秋に東北地方をご旅行されるお客様を対象に商品開発をいたしましたが、今後ともお客様にとって魅力あるサービスをご提供できるよう努めてまいります(ANAリリースより)

 利用者からするといまだ未知の領域である「鉄道利用での航空マイレージ加算」の日が近いことを期待したい。すでに地方ではタクシーでできているのだから…反対から云えば、鉄道会社でのマイル的ポイント制度の取り入れが進んでいないことを示している。JR-Hや近鉄、京王での話は聞くが、学生など若年層対象に区切られていたり、クレジットカード会員であることがいまだ主体となっているのである。

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 余談ながら、先の文言、首都圏=羽田アクセスターゲット、を伺わせる様な文言とも…はさすがに誇大だろうか?

名を捨てず実を取る?
 投稿者---551planning(2002/10/24 01:04:58) http://www2.gateway.ne.jp/~planning/project/traffic.htm

 ANAが羽田−青森線(1日2往復、うち現在1往復休止)から来年4月下旬を目処に撤退すると報道された。驚いたのが代わってSKYが参入すると…。

東奥日報http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/1023/nto1023_9.html
ANA http://svc.ana.co.jp/index.html
SKY 
http://www.skymark.co.jp/

 JASがナイトステイで6往復に増便する中、もともと後発(94年ダブルトラック化)としての肩身の狭さでもあったのか最大3往復も今は昔、12月の東北新幹線八戸開業を目前にしてJJ連合との競争力強化=羽田枠の整理を狙った策は11月の羽田−山形線廃止に次ぐものであり、さらに大橋社長は記者会見で他の数路線の撤退検討も明らかにしているという。
 一方SKYはかねてより地方路線の積極参入を表明しており、まずはメインの福岡線の増便を手始めに羽田競争促進枠活用のチャンスをうかがっている。先日の運賃設定に対する公取委見解を錦の御旗に、「国内航空運賃の二極化」を掲げ、この青森線でもANAベースからの引き下げを明言しており、他路線への触手含め今後の展開が見逃せなさそう。

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 一方の見方をすると、JJ連合に対してANAが新規参入組をも巻き込んだ「緩やかな連携」戦略の方向性を着実に進めているのではないか、という気もしてくる。JAL系色の強い石垣線参入や、伊丹プロペラ機枠をタテマエにDHC8-400新規導入によるA-Net西進作戦も同型機導入を決めているJACへの牽制とも取れる。
 山形、石見などでANA(ANK)の施策は地元自治体を中心にそれなりの反発を招いてきた。今回の青森の場合、需給面からということもあろうが「後釜」を用意したことで、「名を捨てず実を取る」スキームが成立してしまうのではなかろうか…「第3極」を目指すSKYとの関係、はてさて今後どうなってゆくのであろうか。

2004.11.14 Update


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