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  • Photo:国際線TB 1F
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    時間外だとひっそり
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    案内関連は中央部に集約
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    自動券売機も2台設置
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    団体バス・レンタカー送迎車用車路
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    路線バスのりばは向かって右手奥
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    かろうじて手前だけ庇にかかるが…
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    2ブースは完全に屋外
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    見ようと思えば滑走路も見れます
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    タッチアンドゴー訓練中

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(過去ログNo.)
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新千歳空港国際線ターミナルを見る

投稿者---551planning(2010/06/30 16:00:00)

去る03/26にオープンした新千歳空港国際線ターミナルビル(TB)。これまでは現国内線TB北側に同居し、3基のボーディングブリッジ(うち1基は国内線との共用)を有していましたが、駐車場を挟んだ西側に建物を新築し完全専用化。5基のボーディングブリッジを有し延床面積で5倍となり、更なる拡張も織り込まれているとのこと。

ちなみに航空写真を見ると明らかなのですが、おそらく当初は現国内線TB南側にほぼ同等施設建設を想定していたものと思われるところ、結果的にはさすがにそこまではということと、国内線との乗継考慮もあっての結果になったものと。ただし、それにより航空自衛隊千歳飛行場側を向くこととなり、防衛上の観点から展望デッキ非設置や一部窓ガラスに処理が施されるなどの対応がなされています。

***
さて当方8ヶ月ぶりの新千歳空港。前回は夕方着とあって工事風景をじっくり確認できたわけではなかったものの、連絡通路接続部などで国内線TB側でも一部閉鎖がなされていたので工事が進んでいることは感じていました-今回はその接続部分からアプローチ、売店が立ち並ぶセンターブラザの中央部はそのまま、その先にひっそりと連絡通路への仮設エリアが口を開いています。実はセンタープラザの先、一般車専用レーン上への国内線TB増築工事が継続されており、仮設エリアは二股に分かれつつもかなり狭くなっています。
仮設エリアを抜ければ連絡通路。かつて駐車場の真ん中に屋根つきの歩行者があり、北側をA駐車場・南側をB駐車場としていましたが、双方で管理会社が別というのも特徴的-ちなみにA駐車場は千歳観光連盟、B駐車場は空港環境整備協会…は先日の事業仕分けでも話題になったトコロ。連絡通路工事でA駐車場が一部閉鎖された折にB駐車場には立体駐車場ができた-なんてなハナシもあったり…話を戻して、その歩行者通路上がずいぶん立派な連絡通路に生まれ変わりました。延長約250m幅約30m、中央には動く歩道を設置しその両脇もゆとりたっぷり、それを活用して4人乗りのヘルプカー2台が日中に随時運行中。羽田空港でも制限区域内でシニア向けの電動カートが活用されていますがそれに近い感じでした。なお利用者が少ないためか利用制限等はなさそうで、もちろん無料です。

新千歳空港新千歳空港

両側はガラス張りで外光は入るものの一部は壁やシャッターが下りたスペースが続くところもあり、なにより天井が比較的低い印象のためいささか殺風景な感じ。まぁ落ち着く場所ではないのでとも思いますが、天井が低いのはこの上階に商業施設を設置するため。シャッターの部分はおそらく上階との連絡階段、ES・EV類になるのかなと。商業施設は来春開業予定となっていますが、国内線TB増築部分とあわせ温泉施設やシネコンなども誘致したいとの話もある様子。圧倒的なニーズと存在感があるとはいえ土産物店やレストランばかりではともなりましょうし、さすが国内屈指の「おカネが落ちる空港TB」、商魂逞しいですね。

長い通路が終わると正面は国際線TB到着ロビー、まずはESで3Fに上がると出発ロビーです。連絡通路から一転高い吹き抜け、木目を織り込みつつガラスを多用した開放的な心地よいスペースです-というか出発便は午後中心のためか閑散。唯一の午前発便であるグアム行コンチネンタル航空便利用者がぱらぱらと集まりつつあるという感じで、カフェや売店も手持ち無沙汰の様子。MMCコーヒー、スノーショップとぎょれんに博品館、リフレッシュサロンと個性的な店舗ですが、制限エリア内の免税店や4Fのフードコートはかなりのスペースが取られており、こちら側は必要十分ということなのでしょうが商売的にはなかなか厳しそう。
国際線TB内での上下移動は端部に集約されており、2F到着ロビーへ。こちらも一部吹き抜けとなっており、英露中韓にて「ようこそ北海道へ」との垂れ幕が下がっています。到着口を挟んで民芸品店とノーブランドのコンビニが。ちなみに国内線TBの1F・ANA側にローソンが入っています。なお、出発ロビーともにほぼ全館で無線LANが利用できるほか適宜インターネットスペースが確保されており、到着ロビーでは北海道案内スペースとなっていました。

新千歳空港新千歳空港

1Fはカーブサイド。島的な感じになっており、道道側に路線バスと一般送迎車用の乗降スペース、エプロン側に団体バス・レンタカー送迎車用スペースが確保されています。中央部に案内所と路線バスの自動券売機等が集約されていますが、さすがにこの時間帯は案内係は不在。新千歳空港
ところで道道側の乗降スペースですが、ちょうどTBが覆いとなっている中央部に一般車・タクシーゾーンがあり、その両側が路線バスのりば。北側は降車スペース、南側が乗車スペースで、ブースは3つ。手前2ブースが札幌市内方面(中央バス・北都交通)と千歳アウトレットモールRera行無料バス、奥1ブースが苫小牧・登別・室蘭・浦河方面(道南バス)と帯広(北都交通・おびうん観光)、定山渓(北都交通・じょうてつ)および千歳市内・支笏湖方面路線バス(中央バス・あつまバス)が出発するのですが、手前1ブースはようやく庇が掛かる程度で、2ブースは完全に屋外!ちょうど花壇が整備中で綺麗な花に飾られ晴天に映えていましたが…冬季を考えるとこれはないのではと。ちなみに違法駐輪対応警備兼と思しき係員が1人いらっしゃいましたが、ベンチや物が置けるスペースがあるわけでもなく、屋内にもベンチ等は最低限な感じ。なによりも、丁度バス乗り場横には屋内EVがあるのですが、連絡する出入口は中央付近に寄っており、遠回りな印象も受けてしまいます。せめて中央部にもう少しずらすことはできないのでしょうか?それかバス停上部までの庇追加でしょうが…。

公共交通との動線という意味ではJR駅へも遠いです。現在国内線TB増築工事中ということもありますが、JR駅から国際線TBへの最短ルートは改札口正面のEVで2Fセンタープラザに上がって連絡通路へ向かうものですが、このEVは1基しかなく、基本的にはEV両脇のESを上がり、いったん国内線出発ロビー手前に出た後に連絡通路方面へ向かう感じに。逆ルートでは下りESが同じ場所にないことから基本的に階段を下りるか、国内線到着ロビーに廻りこんで下りESを使うかという感じでしょうか。
無論、無料連絡バスを走らせるような距離感や利用率ではないことは重々理解するものの、今後通路上に動線を表示する等の対応が期待されようかと。まずは国内線TB増築後にどう変わるかをチェックしたく。

さて、国際線TB1Fの路線バス乗り場南側の先には管制塔、その袂にはバス待機スペースが。北都交通のバスが並んで、運転手氏がフロントガラスの清掃作業を行うなどのんびりした風景。目線を右手にやれば航空自衛隊千歳飛行場の滑走路、丁度訓練機?がタッチアンドゴーを繰り返して爆音を響かせていました。
ちなみにこのバス待機スペースと国際線TBの間辺りには、将来的にホテルが整備される計画も-実現すれば路線バス乗り場屋外問題?も解決するやも知れませんが、「滑走路が臨めないホテル」の造りがこんどは気に掛かるところ。駐車場を見ての宿泊や食事というのも味気ないでしょうしねぇ。ちなみに現時点では国内線TBに188室を有するホテルコムズ(2008年三井アーバンホテルから改称)がありますが、さて。

新千歳空港

***
ざっと駆け足ではあったものの初見の感想としては、国内線TB増築・連絡通路3F商業施設完成後を楽しみにしたいというところでしょうか。そもそも当方自身が海外に縁遠い上、ましてや新千歳出発というシチュエーションが想定できない分、どうしても国内線利用者からの視点になってしまうのは致し方ないのですが、転用される旧国際線スペースを拡充しても、国内線TB、特に制限エリア内はどうしても狭い印象が抜けないというか。
話によると国際線TB制限エリア内はかなりの充実振りの様子、無論滞在時間が異なるのではあるのですが、特にANAでは道内乗継を強化するタイミングもあり、羽田2TBのようにとまではいわずとも、先端までそれなりのサービス・リラックススペースが確保されるような国内線制限エリア内になってもらいたいなと。

2008年度には年間83万人の利用を数え、100万人突破も現実味を帯びている国際線利用状況からしても過大投資とまでは言い切れませんが、まさに今後その真価が問われましょう。特に無くなって久しい欧米線・豪州線が復活できるかがひとつのポイントになるでしょうし、羽田国際化を眼前に成田や関空の動きが活発になるところで、対アジアへのインバウンドアピール策をどのように打ち出すかも外せないところです。
その意味では各種情勢を睨みつつ、国際線発着制限の更なる緩和や深夜帯発着枠拡大をより深く検討する時期に来ているとも思われますが、これはまさに国防と密接に絡むところだけに…。

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やはり「終わりの始まり」となるのか-ANA“新千歳空港ネットワーク”の幻影

投稿者---551planning (2011/01/20(Thu) 06:57)

“鶴丸復活”が話題となった前日の2011/01/18、ANAは2011年度グループ航空輸送事業計画を発表しました。2010年度の発表では『2010年度第3四半期(10月~12月)の受領に向けて着々と準備が進んでいます』と記載されていた“待望”のB787は、折りしも同日にボーイングから納入延期が正式発表されるに至り、『2011年度早期の運航開始に向けて準備を進めています』とトーンダウン。それでも、成田~成都線開設など中国・アジア路線の強化、UA&COとの太平洋間ネットワークJV開始等と羽田再国際化に続く転換期にある国際線事業に加え、九州新幹線全通やJALの路線縮小動向に即応したピンポイント増便等の国内線事業ともども、『需給適合をすすめ、収益性のさらなる向上を図る』との戦略的な文言が並んでいます。

-その中で気になったのはこの一文。

また、北海道内ネットワークについては、2010年7月より千歳発着に集約(ハブ化)し、道外との乗り継ぎ需要の増加が図られていますが、その後の需給環境や季節波動等を踏まえ、2011年6月より便数・機材・ダイヤ・運航時期の最適化を行い、利用率の向上と乗継利便性の向上を図ります。

NKA時代から30年以上に渡り歴史を築いてきた丘珠空港を2010/06限りで離れ、「新千歳ネットワーク」と大々的に銘打ってから半年余り。手堅いとはいえ低減傾向にあった利用率に加え結果的にジェット化がならず機材的にも限界が近づくなどの陳腐化が背景とはいえ、丘珠空港の存続論も道と札幌市の思惑も交差する最中での移転は物議を醸しました。2003年から丘珠線開設により一部競合関係にあったHACがJAL再建と連動して経営問題が浮上し道内航空そのもののの今後がより不透明となる状況を横目に、結局ANAは賭けに出た-むしろ道内路線撤退に向けた「終わりの始まり」では、とも一部で囁かれすらしたのですが、果たして数字は正直なようで。

新千歳移転は機材大型化(DHC8-Q300から-Q400やB737への移行)も理由のひとつでしたが、釧路線や女満別線で搭乗者増につながったものの搭乗率では採算ラインの65%を下回り、釧路線では25%、函館線では30%に。既存便をあわせ2往復化された稚内線は逆に機材小型化により搭乗者数は13.5%も減らしたほか、函館線は両市内間移動だけで見るとJR-H特急利用と時間差が狭まったことにより21.3%も減少しています。それはHACの丘珠~函館線が搭乗者数が6割弱も増えたのとは対照的です。

記事中「搭乗率の低さは『ある程度は織り込み済み』『現時点では減便などの議論はない』」との全日空札幌支店コメントが載せられていましたが、舌の根も乾かぬうち?に結局2011年度計画では6月から函館線が5往復(土休日4往復)から3往復に削減(機材は不明)、また2003年から稚内線廃止に伴い通年運航化されていた利尻線が夏季季節運航化されるようです。いっぽう、女満別線が2往復から3往復に増便されますが、こちらも機材は不明。
なお、既に道内路線からは撤退した-Q300(A-Net→ANAウイングス所有は5機、うち4機使用)のうち2機が退役する一方、-Q400が3機導入との話もあります。

ところで、新千歳からの対本州路線は羽田線が暫定1往復、中部・関西線が実質1往復それぞれ増便、唯一の対四国路線で2007/10に休止となった松山線の復活といった話も。関空絡みでは函館・旭川・女満別も季節によって便の増強となるほか、別にADOも3月から念願の帯広~羽田線を就航するほか、新千歳~羽田線を1往復増便する予定となっています。日経によると堅調な国内ビジネス客のほか旺盛なアジア訪日客の獲得も目指している由。その意味では新千歳から全道へとのネットワークは今後も重要になると個人的には思うのですが…。

要経過観察?

投稿者---551planning (2011/08/19(Fri) 10:22)

「新千歳ネットワーク」移行から1年、半年経過時点では全国紙でも記事になっていたのですが、折しも06/04に奥尻空港でHAC機が重大インシデントを起こしたこともあってかあまり記事になっていない様子(尤も、当方もちと忘れていましたが)。

搭乗者数は増えた一方、増便や機材大型化により平均搭乗率は36.1%と前年比14ポイント減に。記事では路線毎の詳細は出ていませんが、08/11発表分までのANAグループ実績から盛り込んでみたところでは、37.0%・前年比8.9ポイント減(2010/06までの新千歳~稚内線を含めての数値)となっています。

路線別では函館線の落ち込みが大きく、稚内線でも減少。利尻線は搭乗者数こそ減っていますが搭乗率は若干上がっており、天候的な部分なのかなと。残る釧路・中標津・女満別線は搭乗者数が増えていますが搭乗率はそれぞれ低下、これは機材大型化によるものでしょう。函館線の2万人以上の減を釧路線の3万人、女満別線の1万人増で取り返しているという感じでしょうか。

なお、ANAセールスでは2011/04からスカイホリデーで道内2区間利用商品を新規設定、新千歳を経由して別空港へ、また道内2空港を経由した3点間旅行もできるように。『好評頂いている』として下期も継続され、『新千歳空港を起点とする道内空港を結ぶANAグループ路線網を活用した、広がりのある旅をご提案いたします』との由。かつてエアトランセを利用して3点間旅行を企図したことがあった当方としては、ANA党としても道内旅行プランニングの楽しみが増えますな。


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