羽田空港国際線チャーター便の運航増加に対応し、09/12から金・月曜日限定で深夜・早朝便が池袋・新宿(東京空港交通)、品川(京浜急行バス)、横浜(羽田京急バス)で運行されるようになりました。各地を24時以降に出発、羽田を4時台に出発するもので、済州島便などに接続しているようです。D滑走路や新国際線ターミナル等の建設も目に見えて進んでいる様子、羽田国際化の流れは加速度的に進んでゆくのでしょうか。

【検証：】Wiki－羽田空港アクセスバスデータ

そんな中、もう1路線国際線を意識したバス便が誕生しました。といっても路線バスではなく、昨今何かと話題のツアーバススタイルでの登場。ただし、その設定は戦略性に富んでいます…名付けて「大久保ライナー」。さてそのチャレンジや如何に？

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当方が「大久保ライナー」の存在を知ったのは8月上旬、たまたま別の調べ物をしていて検索に引っかかったのでした。ニュースリリースを投げたのか、結構取り上げられています。

羽田空港国際線ターミナル～大久保コリアンタウン間に大型バス運行〔羽田経済新聞 2008/07/30〕

訪日韓国人の旅行手配で実績のあるワールドナビゲーション社が08/01から羽田空港国際線ターミナルと大久保コリアンタウン・新宿エリアを結ぶツアーバスを運行するというもので、日中に運航されている羽田－金浦線と連動して6往復運行、増加傾向にある訪日韓国人と大久保地域居住の韓国人をターゲットに、バス乗り場と車内で日韓バイリンガルスタッフのサポートも行うとのこと。
写真を見ると「旅の散策ツアーズ」の三菱エアロが。ちなみに同社サイトを見ましたが大久保ライナー絡みの掲載はありませんでした。新型セレガ等を積極投入していると思われる富士セービングバスが車両を有効活用しているのでしょうか？

で、ワールドナビゲーション社のサイト(三進トラベルサービス)を見ると、「羽田⇔大久保コリアンタウンをもっと便利に！」と題されたページがあり、新宿駅西口スバルビル前を起点に、大久保(フレイザープレイス・ホフ新宿前)と東新宿(新宿アインスタワー前)を経由して羽田空港国際線ターミナルに至るというもの。「運賃」(ツアーバスなので正確には料金か？)は2000円、ただし3日前までに申し込むと1800円になります。電話かサイトフォームからの申込となり、銀行振込か郵便振替での支払い。クレジット非対応とも明記されています。そして完全事前予約制で、乗り場での当日販売は行なわない旨注記されていました。

早速フォームで割引になるよう数日後乗車の申込を実施…と、数時間後に連絡先として記載した携帯電話に着信があったもののたまたま取れず。その後メールでの返答がなく、気になったので翌日にTELしてみると女性担当者が出て、『実は都合で8月いっぱいお休みするんです。9月から再開予定です』と！申し訳なさそうに…あまり突っ込むのもと思い「9月にまた乗りますよ」として電話を切りました。

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その後、サイトでは運休中等の告知はなかったのですが、9月に入り平日午後にぱっかりスケジュールが開いたことから、そうだこの機会にと再度TEL。違う女性担当者が出て、たどたどしい日本語ながら口頭であっさり申し込み完了。『それでは当日、運転手にお名前をお伝え下さい。では…』として電話が切られそうになったので、「え？支払い方法は？」と慌てて聞けば、『9月5日まではお試し期間として無料運行しています。是非宜しくお願いします！』とのこと。うーん、ともあれラッキー。

当日13:00の出発15分ほど前、新宿西口スバルビル前へ。写真どおりの三菱エアロが待っていました。黄色いポロシャツを着た若い男性スタッフが氏名を確認。『50分くらいで(羽田に)着きます、車内は自由(席)です』と案内されます。話しぶりからもこの方がバイリンガルの様子。車内は1-2の座席が9列トイレなしと旅の散策ツアーズ仕様、座席背面に差し込まれた各種案内も旅の散策ツアーズのもので、「大久保ライナー」関連の案内はなし。カップルが一組と関係者と思しき私服男性1人が乗車、結局当方を加えただけで定刻出発となりました。

『はい、出発します』とポロシャツスタッフ氏の簡単な案内で出発、バスは小滝橋通りを北上します。右手に大久保駅前のフレイザープレイス・ホフ新宿が入る高層ビルを仰ぎ見るもなお北上、一旦中央線高架沿いの路地に入ると、淀橋市場前でなんとかUターン。再び中央線高架を潜って路側に停まりましたが、路線バスも通るものの細い通りゆえ、如何なものかとも。しかも手違いがあったのか、ポロシャツスタッフ氏が携帯電話片手に右往左往、私服スタッフ氏も加え一旦どこかに消えてしまうものの、結局誰も乗らないままに10分以上も停め置かれたのでした。
その後職安通りに入ると、まさしく「大久保ライナー」のメインターゲットであるコリアンタウンのど真ん中へ。車内ではポロシャツスタッフ氏がハングル、日本語交じりに怒気を含みつつどこかに連絡を取っています。東新宿駅上の交差点を越えて新宿アインスタワー前で再び停車、こちらも乗車はなく、すぐに出発と相成りました。

さてどこから首都高入りするのかと思っていると、抜弁天から曙橋へ、防衛省前を右折し外堀通りから新宿通りへ、そして国会議事堂を左手に見ながら、霞が関ランプからようやく首都高入りとなったのでした…結果的にはプチ東京都心部ツアーの様相に。最後にレインボーブリッジからお台場を眺めれば、羽田空港へはもうすぐです。

羽田空港に到着すると、そのまま国際線ターミナルへ。どうも運転手氏ははじめての担当ゆえか、羽田空港内の地理に明るくない様子、スタッフ氏が指示しつつ、ターミナル前の観光バス用駐車場に到着したのは14:00過ぎとほぼ定刻。カップルはそう多くない荷物片手に出国手続きカウンターに消えてゆきました。

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新宿駅西口－羽田空港間は東京空港交通が運賃1200円で頻発運行しているため勝負になりませんが、確かに大久保、東新宿となると、「魅力的な価格設定」とまでは？ながら、いい勝負にもなりそうです…ちなみに当初の2000円は高いという声が出たのか、現在は通常価格が1800円(従前の3日前予約払込時割引価格)とされています。
ただし、大久保フレイザープレイス・ホフ新宿の経由ルートには些か難もあるような。いっぽう、一般道が長い嫌いもあるような気もしますが、プチ東京観光ツアーと思えば、なかなかいいルート取りなのかもしれません。

すいません、ぜんぜん後フォローしてませんでしたが、結局昨年11/08から運休していました。金融危機でウォン安が進み、来日客が激減したといったところでしょうが、やはり根本的にニーズがなかったのかどうか…。一応再開は未定となっていますが、どうでしょうか。

三進トラベルサービス－大久保ライナー運休のお知らせ