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(過去ログNo.)

〔九州〕機材変更に賭ける「天空の橋」

投稿者---551planning(2001/06/08 01:33)

「オリエンタルエアブリッジ」(ORC)…壮大な名前の会社である。
県やエアーニッポンが出資する第3セクター・長崎航空(NAW)。1980年から長崎と壱岐・五島という離島路線を担ってきた。使用機材は9席のアイランダー。そんな航空会社が飛翔の時を迎えている。
きっかけは機材の変更。ANKがYS後継機として導入するDHC-8を投入、一気に39人乗りのキャパシティとなる。社名も3/1からORCに変更、DHC投入の7/15からは、一昨年ANKが撤退した壱岐―福岡線を本格的に受け継ぎ定期便とし、さらに長崎―鹿児島線も開設、都市間航路も受け持つこととなる。
 こう書いてくると結構業績が良さそうに思われるかもしれないが、約6億円に上る累積赤字解消を目指し、まさに退路を絶った「背水の陣」というのが正確か。最新鋭機への投資はリスクを伴おうが、鹿児島線だけでなく壱岐―大阪線や長崎から韓国済州島・釜山方面への路線開設をも模索しているとされ、機材変更に賭ける意気込みを大いに買いたいところである。

業績好調といえば「天草エアライン」(AMX)を挙げなければならないだろう。既にこの板でも紹介されているが、天草空港開港とともに熊本線・福岡線をDHC-8で就航、この3月で1年が経過したが、平均利用率72.7%と、採算ラインの65%を大きく上回る予想以上の成果。搭乗者数10万人も秒読みである。
本来の主目的であった県庁・熊本市内との「距離短縮」よりも、福岡便のほうが高需要になったという理想と現実がある中、県をはじめとした公共団体の出資が8割にもなるという3セク形態でも異例の高バックアップ体制に支えられ、今後の安定飛行も期待できそうである…むしろ虎の子の機材1機という状態が気にかかるほどだ。

離島路線という多分に政策的な運航からの脱却で存亡を賭けるORC、天草という可能性高い観光地域をバックに地元密着を打ち出したAMX。東京―那覇線参入を目指すレキオン航空、宮崎ベースを考慮するスカイネットアジア航空といった新規参入組の動向も見逃せない…混沌の中から、活力が生まれてくるだろうか。

〔九州〕島内コミューター航空会社再編の可能性は?

投稿者---551planning(2001/11/25 02:31:25)

11/22、新たな航空会社が国内定期航空路線を就航開始した。壱岐国際航空(IIA)の福岡-壱岐線(毎日3往復)である。社の設立から3年を経ずしての就航、時代も変わったものだ…。

同社の発足理由が99年のANK福岡-壱岐線撤退を受け、「ジャストサイズ運航計画」を掲げてコミューター航空の可能性に挑むというもので、機材の韓国での整備などのコストダウン策や、一方で人材育成ビジネスも手掛けるなど、小回りの効く意欲的な事業展開に映る。

「ジャストサイズ運航計画」とは、需要予測に対して機材の選定、運航体制等を必要最低限に抑えて目的路線を単独で行い、コミューター航空での最大の問題とされてきたコスト割れを避けることを最優先した立案システムです。
さらに、他路線との複合計画は避け、必要ならば別会社の設立により人材や機材の不適合に因るコストパフォーマンスの劣化を防ぎます。 (以上、同社HPから一部引用)

しかし、本業においては一足先にオリエンタルエアブリッジ(ORC 旧長崎航空)が同路線の再定期化を7月に成しており、皮肉にも地元基盤のコミューター会社2社競合となった。ただ、ORCが2往復(および長崎便2往復)であることを考えれば、壱岐としての利便性は格段に向上したともいえる。ORCの普通運賃¥6,000に対し、IIAは通常¥7,000ながら就航記念価格として¥5,000としており、ORCも早期予約割引の値下げを実施、価格競争の動向が気になる。
IIAとしては1年内に5往復に増便し、初年度は乗客4万人、売上高2億3,800万円を目標値に掲げている。さらに数年内に保有機を2機とし、福岡~松山・北九州~松山・北九州~宮崎のいずれかに定期路線開設を模索するという。
ただし、1便単位が39人乗りDHC8のORCが搭乗率30~40%と低迷しており、半分である19人乗りドルニエ機、朝夕の有効時間帯就航の利を強調しているとはいえ、巡航高度に至るのはしばし様子見かもしれない。

九州では長崎のIIA・ORC、熊本の天草エア(AMX)、鹿児島県が資本参加するJAC、沖縄のRACと地元密着コミュータ会社があり、さらに宮崎ベースのスカイネットアジア航空、東京-那覇線参入を狙うレキオン航空、そして「先輩格」スカイマークは東京-鹿児島線参入を決めているなど、新規参入会社も集散する地域となっている。JAL-JAS連合傘下のJTA・HLQの動向も見逃せない。
福岡という核、および地方都市も人口集積が他地域より高いこと、さらに離島路線も抱えるなど、コミューター航空が育つ土壌はもともとある地域だけに、小回りの効く会社が上手に事業展開すれば…という思惑が覗く。さらにORCやIIAが「将来構想」とする韓国・中国・台湾などを巻き込んだ近中距離国際線市場も魅力的ではある。とはいっても各社とも事業基盤はまだまだであり、競合路線で体力消耗とは笑い話にならないと思う。

以前同タイトルで北海道の場合を検討したが、こちらはいわゆる(当時の)大手3社の傘下企業が、という前提があった。九州の場合は…血気盛んに映る魅力的な、端から見れば危なっかしさもある会社が揃うだけに、良い方向に向いてくれれば将来大化けする可能性があると思うのだが…。


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