【検証:】過去ログSpecial

【検証:近未来交通地図】Special032
名鉄「岐阜市内線・田神線・美濃町線・揖斐線」
及び豊橋鉄道「豊橋市内線」乗車レポート
(2003/12/29〜/30)

 本投稿は、【検証:】掲示板でもお馴染みの、TAKA様のレポートを中心に、読みやすく構成させて頂いたものです(一部文面を編集しております)。また、文中の写真はTAKA様に所有権帰属となります

下記内容は予告なしに変更することが
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 皆さんこんにちはTAKAです。今回は題名の通り名鉄の「岐阜市内線・田神線・美濃町線・揖斐線」と豊橋鉄道の東田本線を見てきました。実を言うとメインは12月30日〜1月2日の上海旅行だったのですが(友人が名古屋にいるので名古屋発)名古屋で友人と飲む為前泊を予定していて、出発前の【検証】の納会の時、「名古屋で時間が空いたらどっか見てこようかな?」と言ったら、「名鉄の岐阜を見てきたら?」 というお話しを頂いたのでお話し通り見てきました。又翌日名古屋駅集合までの時間早起きして豊橋鉄道の東田本線も比較の為見てきました。
 確かに掲示板でも名鉄の岐阜市内線・田神線・美濃町線・揖斐線の廃止に関して、『名鉄内で廃止を組合に提示して、年明けにも取締役会決議後申請』という廃止問題が浮上した時なので非常にタイムリーな見学になったと思っております。但し何分初めての岐阜&豊橋の上岐阜は約5時間、豊橋は1時間しか時間が無く井原で折返しして井原〜赤岩口・運動公園間は見て来れませんでした。そこら辺はご容赦頂き、参考程度に見て頂れば幸いです(仕事納め後の土曜午後なので参考程度に・・・)。

なんのための投資だったのか(名鉄美濃町線) ../../neotrans/log353.html
豊橋鉄道しょーと・とらっく ../../neotrans/log369.html#3

これぞ「近未来交通か!?」 上海トランスピット(リニアモーターカー)初乗りレポート 031.html

☆行程  
(12月29日) ・新岐阜13:49→関 ・関14:58→新岐阜 ・新岐阜16:12→黒野(急行) ・黒野17:00→徹明町 ・徹明町17:50→競輪場前 (その後JR岐阜駅までTAXI)
(12月30日) ・8:06発豊橋行名鉄パノラマスーパー1A席で豊橋へ その後豊橋鉄道東田本線を豊橋〜井原〜新川で試乗&見学 10:06発新快速で名古屋へ(11:00集合だったので)

☆ 名鉄「田神線・美濃町線」見学レポート

800系部分低床車 中扉・地面間に注目(関)

 12月29日、新名古屋より名鉄特急で新岐阜に乗り込みます。その後連絡橋を移動して各務原線・田神線・美濃町線ホームに移動、脇にちょこんとある美濃町線ホームには13:49発美濃町線800系が停車中。単行部分低床車だったので、慌てて乗車。すぐに発車し田神・市ノ坪と停車して路面へ入り競輪場前から美濃町線へ入ります。新岐阜〜田神間は各務原線と共用の複線ですが、その先は単線、市ノ坪・競輪場前で交換可能。田神発車時点〜日野橋間は席が埋まるぐらいの乗車率でしたが、普通は2両連接車が多いことと新岐阜〜新関間30分毎という事を考えると利用客の絶対量は少ないのではないでしょうか?

 田神線・美濃町線は市ノ坪〜競輪場前と徹明町〜野一色間が部分単線併用軌道で道路の中央に設置されて居ます。特に車の右折時に「車が軌道進入可能」になっているので右折を待つ車に頭を押さえられて、青信号1回では通過出来ません。これが全併用軌道区間で問題になって居るようです。せめて車の右折優先信号後に、路面電車進行の信号(黄色の矢印)が有れば、多少はスムーズになるのでは?

右折車に進路妨害される電車(競輪場前)

 沿線は国道・県道に基本的には平行(一部はずれているが)して居ます。平行道路は基本的に流れの悪い所はある物の流れては居ました。しかし岐阜バスには並行路線がありその上東海女子大・短大(日野橋〜岩田坂間)や国立岐阜病院(岩田坂〜岩田間)と言う様な車窓から見える地域に集客が期待出来る施設があるにもかかわらず、連携が取られている気配がありません。これらが需要に影響している可能性が有ります。
 交換駅はかなりの間隔で基本的に3駅に1駅位の間隔で(すいません交換駅のメモが無くなってしまい・・・)有り、昼間は一つ飛ばしで交換していて30分毎なので交換設備をフルに使えば15分毎運転が可能で、事実朝夕ラッシュ時は15分毎運転が行われています。又日野橋・野一色まで徹明町発の列車も乗り入れ、この時には実質的には15分に1本になっています。只それ以上の間隔では運転できないですし、軌道上・専用軌道上共40km/h程度の速度しか出していないので新岐阜〜関間で約50分強掛かります。


 乗車状況(13:49新岐阜→関・新岐阜発車時)

乗車状況(13:49新岐阜→関・新関到着前)

 田神線・美濃町線内に置いては下りは乗降が極端に増減しませんでした。いくつかの駅でちらほら乗降する形でかなりの数の客が新関まで乗車していました。その後関まで乗り折返しの列車で新岐阜に戻りましたが、上りは新関から完全漸増の形で新岐阜に向かい増えていく形でした。なお関〜新関間は関〜美濃市間廃止に伴い長良川鉄道接続の為に作った区間です。関〜新関間は歩ける距離ですが、毎時1本(半分)の列車がR=100の曲線を通り接続していますが、利用客は多くありません。


新関駅到着電車

隣接の長良川鉄道関駅

☆ 名鉄「岐阜市内線・揖斐線」見学レポート

 上記の田神線・美濃町線見学後、新岐阜に戻ってきて岐阜市内線と揖斐線の見学に向かいました。現在周知の通り岐阜市内線は岐阜駅前〜新岐阜駅前間が休止中ですので、新岐阜駅前折返しです。岐阜市内線乗り場に行ったらビックリ、道路上にロープで仕切っての乗降場になっているだけです。安全地帯は岐阜駅前以外にないとは聞いていましたが、何せ繁華街の道路の真ん中です。雨もポツリ・ポツリと降り出してきたので、何処で待ったらいいのやら・・・仕方なくパルコの軒先で待っていて700系列車が折返しポイントで折り返してきてドアが開くのを待ち信号が青になってから駆け込みましたが、そうしたらパルコの前で待っていた5〜6名が一緒になって走り込んできました。最終的には15名位になって出発です。

降車客が降車後道路を横断(新岐阜駅前)

 その後徹明町で5名乗ってきましたが(当然歩道から列車が近づくと車道へ出てくる)、その後は岐阜市内線では乗車が無く、1両編成約20名で忠節に到着です。忠節は長良川の川向こうでここから揖斐線&専用軌道になります。忠節からも5名程度乗車してきて、1両編成に25名程度が乗車して出発です。
 乗った列車は急行だったので忠節〜尻毛間の近ノ島・旦ノ島は通過です(揖斐線は急行・普通各15分毎で近ノ島・旦ノ島以外は15分毎に来ます)。忠節では3名下車5名乗車、尻毛・又丸・北方東口・美濃北方で各3〜5名下車して最後黒野まで乗車したのはわずか3名・・・意外に中間下車が多いです。


乗車状況(16:12新岐阜→黒野 忠節発車時)

乗車状況(16:12新岐阜→黒野・黒野到着前)

 帰りは普通の新岐阜駅前駅に乗り、徹明町へ向かいました。但し帰りは黒野発車時点で10名乗車しており途中美濃北方・忠節時点で17名が乗車していました。又行きと同じように岐阜市内線内では徹明町以外では乗降がありませんでした(なお徹明町でも降りたのは私一人でした)。

黒野での発車待ち状況

 岐阜市内線区間は自動車より遅いスピードですが、忠節より先は専用軌道で美濃町線より軌道が良いので60km/h位のスピードでコンスタントに走っていきます。其れは平地でバス路線に対しても競争力を発揮し乗用車に対しても有効でしょう。その点では未だ競争力が多少はあり望みがあるとも言えます。只単行はワンマン運転で有人駅は忠節と黒野のみ、設備こそ700系は綺麗な新しい車両ですが、運行の合理化は極限まで来ていると言えるでしょう(其れは美濃町線にも言えることです)。

 徹明町から岐阜市内線の最後の未乗区間徹明町〜競輪場前間に乗りました。此処は徹明町〜日野橋間(一部は野一色)折返しで、30分に1本程度の運行で、2編成で運行しています。その区間運転は500系もしくは800系の単行で運転されていて、徹明町〜梅林間が複線で梅林〜競輪場前間が単線です。
 普通ならばかなり混んでいる時間であっても良い時間に徹明町から乗りましたが、徹明町発車段階で乗客は3名で、市街地の市内線と思えない乗客・運行頻度です。全員が競輪場前まで乗り(競輪場前で降りたのも私1人)競輪場前で行き違った車両も3名程度しか乗車していませんでした。


徹明町を右折し新岐阜に向かう新岐阜行き

徹明町で発車待ちの日野橋行

☆ 豊橋鉄道「東田本線」見学レポート

 上記の名鉄の岐阜各線を見た後翌日少し時間が出来たので、中部地域にあるもう一つの路面電車である豊橋鉄道東田本線を名鉄の岐阜各線と比較の意味も兼ねて駆け足ですが見学してきました。

豊橋駅前電停 左が乗車・右が降車

 12月30日午前9時頃豊橋に着き、その足で広場に向かい東田本線の乗り場を捜しました。豊橋駅前の東田本線の乗り場はペデストリアンデッキ上から直接階段を下りてホームに入れます。又階段にはエスカレーター(片方)とエレベーターがあり、ホームは乗降分離に分かれていて、ペデストリアンデッキからもアクセスしやすく、構造上は非常に利用しやすいと、新岐阜駅前とは大違いです。それに加えセンターポール化が実施され、安全に走れる環境が出来ている豊橋駅前〜東八町間を見ると東田本線の「交通結節点改良事業」「路面電車走行空間改善事業」等にて整備されたインフラ基盤の高さに驚くと同時に、岐阜のインフラ基盤の弱さから考え利用しやすい路面電車にはインフラの整備が大切で有るとも感じました。只東八町より先の県道区間のインフラが大きく落差があるのは問題です。

 その後路面電車で豊橋駅前〜井原〜新川と移動しましたが、日曜日の朝早い段階だったので、利用客はそんなに多くなかったですが(9:08運動公園行きは駅前で7名・新川で3名乗車)それでも市役所等までの短距離乗車も意外に多く、市内線の短距離利用的な物が十分されていたと感じます。又駅行きの上りも駅に向かって斬増の形ですが、駅に近づくにつれて立ち客迄出た状況でかなりの利用客が居ました。


乗車状況上り(井原電停発車時)

乗車状況上り(新川電停直前)

 只車両は基本的に名鉄と比べると旧式で、最新型でも都電荒川線の中古車で、ここ数年700系・800系を増備している名鉄岐阜市内線に比べ明らかに劣っています(車両自体の整備はされて良い状況ですが・・・)。特に問題は車両のバリアフリーが全く進んでいない事です。かなりの停留所は安全地帯等は整備されていますが、車両は急で狭いステップが2段有りバスより乗りにくい状況です。床面の高さが同じでも多少広いステップが車体外にはみ出して居る名鉄700系の方が乗りやすい感じがしました。試乗した時にもステッキを持った老人が乗車時にステッキを投げ出して前の乗客の手を借りてステップによじ登らないと乗車出来ないと言う状況を目撃しました。これは特異な例かもしれませんが、バリアとして考えたら無視すべきではありません。インフラが良い分この問題は余計目立って感じました。
 豊橋鉄道東田本線は路面電車には珍しく運動公園への延伸を1982年に実施したかなり積極的な会社ですし、路線バスも同じ会社なので平行バス路線もありません。かなり恵まれた状況にあることは間違え有りません。只課題も有るなと思いつつわずか1時間で豊橋を後にして名古屋に戻りました。


2線区を見学して・・・ 岐阜・豊橋に残された課題 ☆

 以上稚拙なレポートですが、駆け足で訪問した岐阜・豊橋2箇所の路面電車を見てきました。比較の意味を込めて無理して2箇所廻って来ましたが、岐阜・豊橋の路面電車に存在する課題も多少は分かった気がします。私は有る意味で対照的な2線区で有るとも思います。その2線区を比較し感想を述べたいと思います。

・名鉄岐阜市内線→「お前は既に死んでいる」と言っても過言ではない?

 まずは岐阜市内線です。ハッキリ言って岐阜市内線は「揖斐線の新岐阜直通」の役割しか果たしていません。私が乗った列車は新岐阜駅前・徹明町・忠節・競輪場前の4駅でしか乗降客が居ませんでした。又設備的にも「安全地帯のない停留所」「停留所表示もハッキリしない」「軌道に右折車が進入して妨害」等、路面電車が安全にかつスムーズに運行出来る環境になっていません。市内線の走る場所は大体線路+1車線+路側帯・歩道というような状況です。確かに拡幅等は道路側の要因からして難しいのも確かです。しかし豊橋のセンターポール区間と駅前広場を見てしまうと岐阜は情けない位の設備しか無いというのも現実です。
 只現実として数えるばかりしか市内線内利用客が居ない現実を考えると、やはり揖斐線を生かす為には岐阜市内線が必要ではあるが、市内線単体ではすでに社会的存在価値はないのは明白ではないでしょうか?


新岐阜駅前(道路もバスも乗降中)

徹明町での降車後状況 安全地帯が狭く危険

・名鉄田神線・美濃町線→新岐阜直通は機能しているが、鉄道として存続させる利用客は・・・

 次は田神線・美濃町線です。見に行った日が特殊な日であることを考慮に入れても、バスで運べる位の需要しか存在しないと言う感じでしたし、岐阜〜関間でもバスの方が早い時間で結ぶことが出来るのでは無いでしょうか?朝夕15分分毎・昼間30分毎の運行間隔は確かに最低限のサービスを実施出来る間隔です。しかし周囲の状況を考えると、例えば昼間を15分毎にしても利用客が増えるかは疑問ですし、沿線の利用客を期待出来る施設(東海女子大・国立岐阜病院)との連携と言っても微妙に離れている位置関係から考えると「言うは易し行うは難し」という状況と思います。そうなると現状維持で存在意義は有るのでしょうか?
 又必ずしも良いとは言えない軌道状況や警報機のない踏切等の設備状況や交換駅の位置関係から考えるとスピードアップも容易ではありません。少なくとも隣接平行の国道・県道を走る車やバスよりスピードで優位に立てる程の速度向上はかなりの金額を投資しないと難しいでしょう。そこまで考えると岐阜市内線の様に死んでいるとまでは行かなくても今のままで良いのか?という感じは抱きました。しかし打つ手が見あたらない完全な行き図まり状態、そこが田神線・美濃町線の問題の根の深さであると思います。

・名鉄揖斐線→名鉄岐阜4線の中で一番望みがあるが・・・

 名鉄岐阜4線の最後は揖斐線です。此処が一番有望であると思います。15分間隔の運転・かなりのスピード等を考えれば、乗用車・バスに対し其れ相応の競争力があるでしょう。末端の黒野以遠を廃止していますが、乗った感じでは美濃北方までの区間はかなりの住宅密集地で、平行道路があってもかなりの人口密度を背景に現在とも今後とも其れ相応の鉄道としての活躍が出来ると考えます。
 只見た感じ「市内直通有っての揖斐線」という事になる感じがしますし、又これ以上の拡大を図るだけのことが行い辛い状況であるとは思います。市内直通を維持出来れば有る程度鉄道として生きていくことが出来るにしろ将来このままで良いのか?という事はあると思います。
 揖斐線の問題は漠然としている物の現状維持で将来の構図を如何に描くか?という事と、揖斐線の幹である岐阜市内線を如何にして存続させるのか?と言う問題があると思います。

・豊橋鉄道東田本線→設備インフラは素晴らしいが車両は伴っていない!

 最後にちょっと離れた豊橋鉄道の東田本線です。此処は一言「豊橋駅・センターポール区間のどれも素晴らしい」が「そこに運転される車両が伴っていない」という一言で全てです。今のバリアフリーのご時世の中で老人が乗車するのに人の手助けを借りないと乗れないような絶壁のステップでは本当に利用しやすい路面電車になれません。全面低床車とは行かなくてもせめて名鉄美濃町線の800系のような部分低床車で良いので、入れ替えないと素晴らしいインフラが生きません。
 後は国道部分と県道部分のインフラの落差、これはインフラ整備の制度の問題等有るのでしょうが国道を離れた瞬間に普通の路面電車になってしまい、名鉄岐阜市内線とそんなに落差が無くなってしまう所が有り、しかも安全地帯のない停留所もあるのも問題です。これは豊橋鉄道単独で何とかなる物では有りませんが、努力をする必要はあると思います。特に車両は頑張って欲しいと思います。


岐阜駅前〜新川間(センターポール区間)

井原電停写真(手前が豊橋駅・右が運動公園)

最後に名鉄の岐阜4線撤退問題について ☆

 最後に今回わざわざ岐阜まで見に行った最大の理由「岐阜4線撤退問題」について私の見解を述べます。
 これに関して現地を見てきて「致し方なし」と思います。これ維持上の劇的改善の為の投資は名鉄の一企業の努力の範疇を越えていると思います(まあ「利益至上主義のTAKA」の面目約如ですが)。

 名鉄は今まで何も努力をしていないのでしょうか?特に美濃町線改善の為に新岐阜乗り入れや新しい車両の投入等でかなりの投資をしています(過去から遡ればモ600系・モ880系・モ800系と素晴らしい車両が投入されている)。又揖斐線も700系が投入されて車両に関しては改善が進んでいると言えます。確かにダイヤ設定等で問題があったことはあるでしょう。しかし只放置して「座して死を待つ」というローカル線にありげな方策を採ってきた訳ではありません。その点に関して言えば名鉄が今まで払ってきた努力に関しては評価するべきであると考えます。
 しかし岐阜市を中心とする自治体は本当に岐阜4線を必要であると考えて居るのでしょうか?少なくとも「名鉄におんぶに抱っこ」という姿勢が見え見えのような気がします。少なくとも岐阜市内線は「道路の邪魔」程度にしか思っていないのでは無いでしょうか?(あくまで推測ですが) もし有効に使いたいと考えて居るのなら今のインフラを何とか改善する方向へ向けない限りは存続の意味はありません。豊橋レベルとは言いませんが右折優先信号のある所以外は道路右折禁止・右折優先信号にある信号の右折車以外は軌道進入禁止・右折信号後に路面電車進行の信号追加設置・停留所に安全地帯・横断歩道・歩道橋の設置等の改善策を取るべきでしょう。JR岐阜駅前は計画では豊橋レベルまで改善されそうですから、それ以外の所特に新岐阜駅前の停留場は本当に存続させたいのなら改善すべきでしょう。


運休中の岐阜駅前 地下道が閉鎖されている

新岐阜〜岐阜駅前運休お知らせ(新岐阜)

 そうはいっても現実に岐阜市内線は揖斐線の都心区間と言う役割しか存在しない状況です。今の段階で如何にすれば岐阜市内線をしない交通の一環として生かせるか?という事に対しては何とも言えませんが(只忠節が長良川の対岸にあ留野で、此処をバスターミナルにして都心区間は市内線に任せる事により長良川の忠節橋の渋滞緩和等の方策はあるような気はしますが・・・)、上記岐阜市内線に対するインフラ整備の項目は最低条件でしょう。そうしなければ、岐阜市内線は全く意味をなしませんし事実上の死刑宣告です。また岐阜市内線への死刑宣告は揖斐線にも死刑宣告になります。この様な状況で有れば名鉄としては「岐阜4線廃止」という結論が出ても致し方ないと思います。名鉄に取っては岐阜4線は既に収益的に意味が無い路線と化しているのですから・・・。後は自治体が如何なる結論を出すかです。
 只自治体とて生半可な覚悟で結論を出すべきではないです。意味の薄い?社会実験でお茶を濁す時期は終わりました。明確なビジョンとそれに対応する投資と運営策を持っていなければ存続の意味はありません。そこまで深刻に考えていないのならば、廃止した方が良いのではないかと思います。本来なら市内線が長良北町まで残っていれば又生かし方があったのですか今は廃止されてありません。岐阜市内に取りメインの軸となる路線が廃止されている現状から考えると、今残っている路線は有効活用するにも中途半端です。メインストリートに路線が無く、商業・住宅混在地域に路線が延びているだけの市内路面電車には其れだけの意味があるとは思えません。メインストリートの徹明町〜長良北町間を廃止した段階で岐阜市内線の市内路面電車としての存在価値はなくなったのです。過去に市内線のメイン路線を切り捨ててしまい、残りの路線にインフラ改善の投資はしていないと言う現状で、存続させる意味は何処にあるのでしょう。何もせずに放置してきた自治体なのですから、廃止は規定の方針と織り込み済みなのでは?(推測ですが)

新岐阜駅前を中心とした名鉄系バス会社・岐阜乗合自動車の路線図

 確かに今回の問題も地域公共交通維持の試金石たる物かもしれません。しかし自治体に今までの民間の鉄道会社におんぶに抱っこで居れば公共交通は維持されるという考えが抜けて無いのではないでしょうか?名鉄の岐阜4線は既に廃止は織り込み済み、自治体も無くても良いのでは?と思っているが、簡単に廃止させる訳にも行かないので、努力のアリバイ作りを行っていると言う構図が想像出来るのは私だけでしょうか?

 少なくともこれからもこの様な問題は出てきます。幾ら地域の有志がLRTと言っても、自治体がLRTと言っても、その運営主体がなければ仕方無いですし、其れには自治体や地域が犠牲を払わなければ出来ないことが多く出てくると思います。民間鉄道会社は当然ですが最後には収益第一です。幾ら「路線を残して」「路線を作って」と言ってもそこまで考えないと、収益の期待出来ない場所の地域公共交通維持は不可能です。それに関して、地域・自治体はコストとリスクを負う必要があることを自覚するべきでしょう。其れを分からせるには良い機会かもしれません。


 豊橋はインフラが揃っているが車両等の企業努力が足りない状況で、岐阜は企業が投資をしているが、しかし路面電車に対する社会的インフラが足りないと言うまさしく逆の状況が中部圏の都市で存在していると言えます。
 その様な形であるのなら、其れこそ岐阜4線は廃止して車両は新しい物を豊橋鉄道東田本線へ回し、東田本線の問題の車両の改善を進め、同時に市内線と美濃町線の線路後を有効に使い道路の整備を行い岐阜4線の後はバスで代行させると言うのが、社会的に見ても一番効率的な資源の有効利用法では無いでしょうか?私は岐阜4線廃止が妥当であると考えます。如何でしょうか?

2004.11.14 Update


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