【検証:】過去ログSpecial

【検証:近未来交通地図】Special022
名古屋の通好みな異色バス巡り

(2003/08/30)

 本投稿は、【検証:】掲示板でもお馴染みの、エル・アルコン様より当BBSに御投稿頂きました文章を、読みやすく構成させて頂いたものです(なお一部文面を編集しております)。

 なお、【検証:】では掲示板投稿に限らず広く皆様からの御意見・レポート等を御紹介致します。自分ではホームページを持っていないけれど、意見が結構纏まっている…という貴方、各種ご相談に応じますのでお気軽に管理人までどうぞ!

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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 7月の三連休明けの火曜日早朝の名鉄小牧線小牧駅頭。神戸へ帰る途上、休みが取れたので名古屋近辺のバス行脚を志し、「ムーンライトながら91号」から地下鉄を乗り継いでやってきました。夏の日差しが早くも照りつけるなか、人気もまばらな駅構内を眺めているうちに6時25分頃ピーチライナーが到着。ラッシュにはまだ早いとはいえ、降車客はわずか14人。流れを見ると小牧線に6人、バスに4人、残りは街に消えましたが、上飯田線開業で利用者が増えたという話を聞きますが、これでは流動を云々するレベルではありません。
 バス乗り場には6時半の高速小牧線栄・名鉄バスターミナル(名駅)行きが入線しましたが1桁の乗車。ピーチからのバス乗り継ぎは高速が2名、支線跡を辿り岩倉へ向かう路線に2名でしたが、高速バスはこれから市街地を回っていくだけにどうなるんでしょうか。
 6時32分のピーチライナーで桃花台西へ。今日の乗り歩きに用意したのは名市交と名鉄バス、名鉄小牧線、ピーチライナーに利用出来るSFカードのトランパス。今回購入した3000円券には300円のプレミアもついています。発行元は名市交の「ユリカ」と名鉄の「SFパノラマカード」に分かれるわけですが、実は「ユリカ」はゆとりーとラインに乗車可能というように細かい違いがあり、地下鉄からスタートしたこともあって今回は「ユリカ」を使っています。
 そして夏の一日を費やした試乗の始まりです。

日本初!ガイドウェイバス開業〜バス先進地・名古屋の交通斜め乗り記〜 ../report/021.html
リポート・名古屋の中量交通機関巡り 
../../neotrans/log322.html#4

名古屋「都市圏高速バス」のりある記 ../report/035.html
名古屋の実力派高速バス乗車記 
../report/035.html#2

●桃花台バス(朝コース)

 ピーチの乗客はわずか5人。車内の数少ない広告の一つがこれから乗車する桃花台バスを運行するあおい交通による乗合タクシー「ミゴン」のポスター。春日井駅からの桃花台バスの終了後をサポートする運行は知っていましたが、平日夕刻以降、桃花台センター駅から小牧市東部地区を対象にも運行しているようです。運行は平日土曜とも(休日運休)20分ヘッドで、土曜は21時台、平日は22時台から間隔が空き、平日最終が0時10分、土曜が23時57分は立派です。運賃は桃花台バスと同じ300円でバスと乗車券が共通です。
 笑えたのは、「基本コースはありますが、お客様により最短のコースを走ります」というくだりで、乗客の自宅前まで行くのですから、フレキシブルな運行が推測出来ます。

 さて桃花台西で降り、4車線の基幹道路を桃花台バスの停留所へ向かいます。道すがら観光タイプの桃花台バスの回送とすれ違いましたが、イメージしていたのとは違う大型車の登場には驚きました。
 桃花台バスの運行は朝昼晩でルートが異なり、朝は春日井駅へ向けての3コース、昼は両方向で1コース、晩は桃花台への1コース(昼とは異なるルート)と実に多彩です。今回選んだのは桃花台の真ん中を縦貫するBコースで、住宅地の外れに位置するコンビニの駐車場に間借りしている池之内が始発です。
 朝のBコースは6時半が始発で50分、7時、10分、20分、30分、50分、8時半の運行。ちょうど6時50分のバスが出るところで、こちらは路線タイプのバスでした。1本見送った7時発は観光タイプ(12列定員60人)で、300円前払いです。料金箱はアクリル製の簡単なもので両替機もありません。まあ常連はミゴンとの共通回数券を使っていますが(春日井線のミゴンは回数券3枚=900円)。
 利用者は親しげに運転手と挨拶をしており、皆さん顔なじみのようです。見ているとキス&ライドでの利用も目につきました。

 桃花台の中を抜けていくわけですが、道路には各コースの運用に就くバスが待機しています。ただ利用のほうが拍子抜けで、池之内から私を入れて5人、古雅3丁目から2人、東部市民センターが6人、桃花台東が3人の16人どまりで、大型車両使用から想像した利用が無かったです。もっとも、春日井に着いてから名古屋都心への時間を考えると心持ち早いわけですが。
 桃花台を出てローカルな雰囲気の大草で右折するのですがここが難所。右折信号が無いのがネックです。周辺利用を狙った大草からの乗車は無く、これで春日井まで直行です。丘陵上の桃花台から田園地帯を抜けて春日井市街へ向かいますが、桃花台から田んぼを抜ける道が幾つかあるわけで、通勤のクルマがそうした道々を連綿と走っています。そして沿道には観光貸切を宣伝するあおい交通の看板も。
 途中目だった渋滞も無く7時25分に終点の春日井に到着。駅前には入れないようで駅から少し歩く場所に停留所がありますが、名古屋造形大へのシャトルバスの発着場も兼ねたターミナル(「桃花台バス乗降場」の看板あり)が確保されており、広いとは言えないに駅前広場にいれるのとどちらが良いのか...
 駅までは3分程度。バスが発着するロータリーの脇、高蔵寺方面の線路沿いには送迎車用のブースが確保されており、あおい交通の運行する企業向け送迎のマイクロバスが何台も並んでいました。

 それにしても桃花台のメイン流動がピーチではなく春日井へのP&Rやキス&ライドだったという状況に、住民が組合を作ってあおい交通に運行を委託して始まったこの路線、組合員の専用乗車券による利用限定で他所者が利用できなかったのが、半年で路線化(欠損補助規定のある4条路線)されています。桃花台バスについては会員制時代から情報としては知ってましたが、まさか大型車を使うほどのレベルとは知りませんでした。それだけに小牧市と春日井市にまたがる地理的環境があるとはいえ、自治体主導ではなく住民主導で成長し、かつ欠損補助規定があるとはいえ事業として成立するところに、コミュニティバスの枠にとらわれないモデルとも言えます。

 で、上飯田線開業と値下げで梃入れを図るピーチライナーにとっては、これからも苦しい戦いを強いられるのでしょうね...

●ガイドウェイバス

 さてお次はやっぱりガイドウェイバス(GWB)。春日井から高蔵寺への移動ですが、実は通好みな移動手段として春日井市のコミバス「かすがいシティバス(はあとふるライナー)」がこの区間を結んでいます。ただまだ運行していない時間帯ゆえ試乗は後の機会にして電車で移動。名古屋きっての通勤線区でもある中央西線のラッシュ光景を垣間見ましたが、313系に211系5000番代、はては113系が10連を組んでいますがどれも結構乗っています。高蔵寺では15分後の始発待ちもおり、なかなかの光景です。

 高蔵寺からのGWBは7時42分発の大曽根行き。乗客は7人と電車や駅の混雑とは別世界の様相で発車します。前に乗った時にはどうして?と思うほど乗ってきた土岐川を渡った最初の停留所の東谷橋も今日は数人。守山区志段味地区の地道を行きますが、こまめに乗車がある一方で高蔵寺乗車組の降車もあり、また途中乗車途中降車もあるわけで、流動は複雑です。
 上志段味で課外活動なのかソフトボール部のユニフォームを来た女子小学生の大群が乗車。引率の教師2名を含めて21人です。車内は俄かに賑わい、というか停留所で乗ろうとして時ならぬ?混雑に見送る人も。本数があるので出来る芸当です。

 前回は難渋した志段味支所付近の渋滞も無く、58分頃の荒田でバス専用レーンが登場。吉根(きっこ)付近では満員の車内を見て見送るほうが多いです。
 そして小幡緑地のモードインターに到着。ここからはガイドウェイ区間です。
 川村でその小学生集団が降りましたが、支払の際、バスカードで払おうとしてなかなか受け付けず、結局5分程度停車。後続車が見える有り様ですが、制限速度厳守のためにどうにもなりません。
 砂田橋の手前の乗客は35人。地下鉄乗り換えの砂田橋で10人降りましたが、大曽根までの乗り通しが多かったです。
 大曽根到着は8時22分。川村での遅れを引きずった5分遅れですから実質定時で、都心部のガイドウェイ区間、そして郊外部の専用レーンなどのサポートの組み合わせの有効さを示しています。

 この時間、支払はバスではなくコンコースの改札口とのこと。改札口にはバスの料金箱がそのままあるわけです。
 改札や駅舎には利用者500万人突破感謝の垂れ幕が下がっていました。

●基幹バス

 次は基幹バスです。大曽根はGWBに地下鉄、JR、名鉄瀬戸線が集まる要衝ですが、各駅とも微妙に距離を置いており、かつバス乗り場も路上に分散しており、分かりにくいです。大曽根の少し南に位置する古出来町に吹上11系統のバスで向かい、基幹バス乗り場に立ちました。

 今回は基幹区間の引山を越えて四軒家まで乗車するので名鉄車を待ちます。程なくやってきた長久手行きに乗車しました。
 ラッシュと逆方向なのでスムーズですが、反対側もまず流れています。古出来を出てすぐ見つけたのはバス停レーン手前に警察官が立ち、バスレーン走行の一般車が停留所区間に入らないように誘導していること。本当は専用レーンの時間のはずで、切符を切って良いはずですが。

 車内は座席数を確保したタイプ。2人掛けのハイバックシートが並びます。
 名鉄ゆえか、車内広告に「どっちで行こう?鉄道と高速バス」という比較広告が各方面を題材に並んでいるのはご愛敬でした。
 谷口から先、東行きは片側2車線のうち1車線を基幹レーンにしており、一般車は1車線の割当。茶屋ヶ坂からは基幹レーンは専用ではなく優先になり、両方向とも片側2車線のうち1車線が基幹レーン。信号も矢印制御では無くなり青信号表示。右折車線も基幹レーンを跨いでレーンの右側と様変わりです。
 引山のターミナルで基幹区間は終了。名古屋方面行きは引山で満席と基幹バスの人気がうかがえます。そして古出来から20分ほどで四軒家に着きました。


●インターバル●

 降車の際、藤が丘方面の乗り継ぎを聞くと妙に懇切丁寧に教えてくれました。行くと名鉄バスの停留所の先に本数の多い市バスの停留所がありどうやら市バスの方が便利という含みで案内していたようです。その本地住宅からの市バスは満員で立ちました。とはいっても藤が丘駅はすぐ。実はここから愛知学院大などを経由して名古屋高針高速バスの始発地、南高上に向かうつもりでしたが、大学行きのバス停は長蛇の列。大学での接続がタイトだったので諦めて、別案のルートで向かうべく、地下鉄に乗って星が丘に向かい、名東区域を通り日進市へ向かう名鉄バスを目指します。

 三越もあり名古屋東部のサブターミナルになっている星が丘は、東名高速線も停車する要衝です。地下鉄から案内に従って上がると真ん中にコンビニがあるアイランド形式のバスターミナルがありますが、これは市バス専用。名鉄は路上停留所で、ここも乗客不在の縄張り争いです。
 9時55分の五色園行きバスに乗車。東名阪を越えて新興住宅街を進みますが、ここで思わぬアクシデント。名古屋行きの高速バスを迎え撃とうとして降りた門木にどうも延着していたようで、反対側の停留所は何処と探している間に反対車線を高速バスが走り去りました。
 結局こうなったらと、南高上まで炎天下、日進市香久山地区の住宅街を歩きましたが、バスは20分ヘッドと高を括っていたら意外と距離がありました。

   
●名古屋高針高速バス

 停留所に着くともう10時25分の発車時刻。南高上での乗車は私だけ。香久山地区での乗車も少なく、結局名東区内も含めて10人でした。香久山地区の住宅街の様子や、星が丘からバスというロケーションを考えると高速バスが敬遠されているというより、平日の昼前という時間帯が悪いようです。

 東名阪までの区間、さっき乗った系統とは違うルートで進み、20分ほどで名古屋高速の高針ランプへ至りました。
 上がると東名阪からの乗り継ぎ用の本線料金所、すぐ3120mの東山トンネルに入りました。トンネルを抜けても掘割区間で、明かり取り程度なのでずっとトンネルというイメージです。四谷ランプ、春岡ランプとも内側分岐、合流であり、トンネル区間という状況を考えると苦しい構造です。特に春岡ランプはカーブ区間であり、事故が心配です。

 環状線のどこで降りるかと思っていたら、環状線に合流する手前の吹上西で降りてしまいました。そのまま下道を走り11時2分に栄到着。あまり堅いことは言わない、というか降車停留所があちこちにあるせいか、信号に引っ掛かった地点で脇に寄って降車扱いはスマートな扱いでした。バスはこのまま名鉄バスセンターに向かいますが、帰りの栄はオアシス21から発車ということで、乗車の向きを間違えたかな?と思いました。

●高速黒川・名古屋空港リムジン

 名城線で北区の中心である黒川に移動です。今度のターゲットは名古屋空港リムジンバス。それも謎の「高速黒川」から乗車です。
 黒川交差点の南、警察署と北区役所の間の黒川ランプの螺旋状構造物、その「芯」に名古屋高速のネックスプラザがあるのですが今日は休館。その脇に高速バス乗り場とあり、階段を上がると高速黒川のバス乗り場です。
 エレベーターもあるんですが、外部からの案内が見づらいのは欠陥です。といってもここから出るのは太閤通口から出るリムジンが毎時1本停まるだけ。立派な設備なのにお寒い利用状況です。

 構造としては二段式の上下線から分岐した乗降車線が並行した部分にUターン路のようにバス専用路を設けてバス停にしています。対面には公団の緊急車両基地があります。本線への戻り口には遮断機があり、一般車両が入り込んでも出られないようになっています。
バス停は立派ですが本数が無く、汚れた空調の無い待合室とどうも荒れた印象。11時33分発に乗ったのは私だけでしたが、リムジンには地上の黒川始発便もあるわけで、もう少し使われていても良いはずですが。
 リムジンは18人の乗客。豊山南ランプが最寄りですが、別料金区間(しかも特定区間に先般指定されたのに)を嫌って楠ランプで降りてしまいました。そのくせ北部市場の渋滞でひどく時間を食ったのだから洒落になってません。定時性が重要なリムジンくらい、ケチらないでほしいです。結局空港には10分以上遅れて12時過ぎの到着でした。

●とよやまタウンバス

 名古屋空港からはまたまた地道なバス行脚。空港の西側、豊山町役場から豊山町のコミバス「とよやまタウンバス」に乗車します。このコミバス、豊山町域を回るというより、南北に縦貫し、かつ北は小牧市役所、南は名古屋のど真ん中県庁前に至るという都市間コミバスです。どうしてこんな路線がというと、詳しい経緯は不詳ですが、名古屋−小牧間をR41名犬バイパス経由で運行していた路線バスが使命を高速小牧線に譲る形で廃止になり、あおりで豊山町域からのアクセス路線が消えたことが原因のようです。
 運行委託先は桃花台バスと同じくあおい交通。実は桃花台も小牧市ですから地元の引き受けとも言えます。

 空港からとよやまタウンバスの走る道まで当初は空港から西春行きの路線バスで出ようかと思ってましたが、地図を見ると国内線ターミナルの真横にどうも外部への出口があり、それを使うと役場まですぐのようです。空港の出入りというと成田空港はともかく厳重な警戒の印象がありますが、いざ現地に立つと日本第三の国際空港とは思えない簡素なターミナルで、横断歩道をいくつか越えるとあっという間に外に出てました。
 空港からものの10分程度で豊山町役場に辿り着きましたが、バス停を見て呆然。小牧まで全線試乗は無理なのでここから県庁前までと思って、あおい交通のHPで12時27分、その次が13時47分というところまで確認していたんですが、目の前のポールに掲出された時刻表は県庁前行きが13時37分、小牧市役所行きが12時43分です。

 写し間違えを疑うにはあまりにもかけ離れた数字に愕然としましたが、とにかく1時間以上来ないことは確かです。この後の予定がここで頓挫したのも事実で、取り敢えず小牧市役所まで試乗し、小牧で善後策を考えることにして、炎天下で待つのもなんなので役場のロビーで休みました。
 どうしてこういうことがと言いますと、実はあおい交通がとよやまタウンバスのページのメンテを怠っており、平成15年4月1日の改正(黒川や青山の折り返し便を廃止して全便県庁前と小牧市役所間の運行にした)が抜けていたのです。豊山町のHPではその内容での改正告知がアップされており、ダブルチェックを怠った私の手抜かりでもありますが、事業者がウソの時刻を掲出しているのは大問題です。

 さてやってきたのは後部にリフトの付いたマイクロ。とはいえ「小牧−豊山−黒川・県庁」と表示やイラストもいっちょ前に入っており、コミバスというより拠点間輸送の装いです。車内は正座席17、補助3の20人乗りです。拠点間輸送なのでお値段も区間制でそれなりにしまして、県庁から小牧が500円というのをはじめ、小牧市内、豊山町内相互間の100円から300円、400円、500円の区間制。ただ豊山町民のみどこまで乗っても200円と言う回数券を10枚綴り2000円で発売しています。

 バスは地元の方と私のみ。市街地の外れでR41に入りしばらく走り、また外れて滑走路がよく見える地道を走り小牧市街へ。市民病院から駅とは反対を向いて市役所に着きました。
 小牧市役所に着いたはいいんですが、名古屋行きの高速は時間があり、小牧駅行きも市民病院から市役所への間ですれ違ったばかりで時間があります。結局とよやまタウンバスで県庁前まで出ることにしましたが、意外なことに小牧13時20分発のバスは乗ってきたバス(13時着)の折り返しではないんです。車内にあった時刻表を見ると、どうも2台のバスが40分前後の間隔で雁行しており、その2本セットが行くと1時間半から2時間空くと言う不規則な運行です。しかも平日と土曜の運行で休日はありません。

 帰り便は小牧市役所こそ私一人でしたが、市民病院で5人乗ってきました。名古屋(小牧)空港が見えるあたりでは自衛隊のC-130輸送機が編隊を組んでおり、ここが軍民共用であることを思い出させます。豊山町域では小牧からの乗客が降りる反面、こまめに乗ってきます。豊山中学校では6人の大量乗車など、結論から言うと17名の乗車で正座席が全部埋まったのです。
 ただ、これは名古屋市内美園座であった五木ひろしショーへ向かうご一行が大きく、しかも豊山町民向けの特別枠があったようで、顔なじみがあちこちの停留所から三々五々乗ってきたという感じでした。

 豊山町内はR41の東側を走る地道を行きます。バイパスが出来るまではこれがメインだったのでしょうか、旧家も目立ちます。東部市場のあたりでR41に戻り、あとは黒川までノンストップ。小牧、豊山ではこまめに停まっていましたがそこからは名古屋への速達モードと、なかなか異色の存在です。官庁街を回り込んで県庁前に到着。独特の造りの愛知県庁と名古屋市役所の並びを前に停まるコミバスとその停留所にはミスマッチと一言では言えない独特の雰囲気がありました。

●かすがいシティバス(はあとふるライナー)

 中部の駅百選にも選ばれた城門造りの市役所駅から地下鉄に乗り、大曽根から中央線で春日井へ戻りました。ようやく朝できなかった春日井市のコミバス「かすがいシティバス・はあとふるライナー」の試乗です。
 今回の試乗プランを聞いた春日井在住の知人がそれならこれもと言われたコミバスで、当地ゆかりの三蹟・小野道風にあやかった「書の町かすがい」にちなんだ専用塗装の車両があるのですが、やってきたのはなんの変哲も無い前中扉の小型車。委託先の名鉄春日井営業所のノンステで、堂々とカードリーダーを持ちながらカードは使えませんと繰り返していました。

 15時7分の地域連絡線・高蔵寺行きは最大で4人程度と利用は冴えません。もっとも、市街が広がるR19沿いのエリアではなく、中央西線の東側の新興住宅街と言うか神領駅のあたりなどは区画整理が進むエリアを走っており、開発途上のエリアの足付けに市が用意した格好です。これも開発が進めば利用が進むのでしょうね。名古屋への通勤圏としてはいい位置ですし。
 高蔵寺到着は15時29分。もちろん両駅間移動なら中央西線ですから所要時間はあまり意味が無いですね。
 なお、かすがいシティバスにはこのほか施設を巡るコミバスらしい路線もあります。

●桃花台バス(昼コース)

 さてまたまた桃花台バス。こんどは昼コースの試乗です。
 113系の快速で春日井に戻り、先述の乗り場へ行くと16時10分発を待つ乗客がそこそこいます。そこへやってきたのは名古屋造形大のシャトルの観光タイプの大型ですが、どこかで見たようなデザインです。あとで写真を見ますと、朝の桃花台バスはもともと名古屋造形大のスクール塗装であり、造形大の文字を隠す白地と、「桃花台バス」の名前のマグネットプレートを貼っていたようです。

 乗り場の片隅には「ミゴン」の乗り場「ミゴン停」が置いてありました。「みんなでワゴン」とあり、どうもこれが「ミゴン」の由来でしょうが、その響きからかキツネのイラストが添えてありました。春日井からの便は平日最終が0時48分、土曜が23時56分とこれも頑張ってます。桃花台発ではルートはあるが最短を、という表記がユニークでしたが、こちらも負けじ?と、「ミゴンへの乗車は乗車券(筆者注:桃花台バスとの共通乗車券3枚)のみとなりますが、乗務員が車内で乗車券のバラ売りも(1枚ずつ)いたします」って、結局現金も扱うってことでしょ。
なお、こちらは桃花台バスルート上のフリー降車とあり、自宅送りはないようです。

 さて待つ人もかなり増えてきましたがやってきたのは朝、春日井駅で企業送迎で見かけたマイクロです。桃をアレンジした「桃花台」マークが入っていますが、よく見るとマグネットプレートでした。
 気になるのは車側の「あおい交通」の表記。右側面はありがちな右書きなんですが、これを英文表記でやるのがぶっ飛んでます。
でっかく「AOI」そして「AOI TRAFFIC」と堂々と右から書かれても、一瞬何のことか分かりません。「桃花台」のプレートが左書きだけに統一感もないですし、造形大シャトルの大型車は全ての表記が左書きなんですよ。

 バスは正座席21、補助席5の26席ですが、なんと満席です。客層は時間帯もありますが高校生や若者が中心。このあとは30分待ち(この前は40分前)だけに待たずに乗り込んだ結果ですが、造形大シャトルとの兼ね合いもあるでしょうが、朝並みの大型化も考えて良いかもしれません。
 春日井を出ると朝コースとは違いR19に入ります。これは春日井リビンから市民病院を経由するためで、通勤時間と違い春日井市内のポイントも目配りしたルートです。
 もっとも乗降はなく桃花台に至っており、朝とは違うルート(大草は通らない)で横合いから桃花台に入りました。

 桃花台に入るとばらばらと降車が始まりました。かつてはフリー乗降だったようですが今はだいたい2分間隔で停留所を置いて乗降させています。私も3つ目の桃花台東で降りました。ここはピーチライナー終点の桃花台東駅のループを潜った先です。

●名古屋多治見高速

 当初の予定では桃花台BSからあの桜ヶ丘ハイツへの名古屋多治見高速に乗り継ぎ、7月から延長したばかりの桂ヶ丘に行く予定でしたが、豊山での一件があり諦め、逆に桃花台から名古屋へ高速バスで戻ることにしました。
 案内に従って街区の路地からBSに出るとなんと出たばかりで1時間近い待ちです。名古屋多治見高速と中央道特急バスの2系統が停まるのですが、芸の無いことに毎時25分頃に相次いで発着というダイヤ。仕方が無いので桃花台BSから名古屋多治見高速の下りから8人が降りたといった感じの中央道バス模様を眺めて過ごしました。

 待ち人が2人になり17時28分、なんと名鉄2台、東濃1台の3台で到着。先頭は伊那線超特急、2台目は飯田からの鳥居松(春日井)経由便で後ろが早いと言われて3台目の名古屋多治見高速に乗車。車内は7人と閑散、小牧JCTから小牧IC、そして名古屋高速と進んで栄、名鉄バスセンターに順調に至りましたが、名鉄バスともどもETC装着には驚きました。

2004.11.14 Update


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