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深夜急行バス

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栄

名古屋栄発深夜バスを見る~名駅の様子も少しばかり

7月4日(金曜日)から、地下鉄東山線におきまして、「毎週金曜日」および「休日の前日」の最終電車の時刻を45分間、延長いたします。最終電車の時刻延長により、名古屋の地下鉄は「日本一遅くまで走る地下鉄」となります。
なお、東山線栄駅の終電時刻は、上りも下りも午前1時1分と。上りも下りも、栄は午前1時1分発と。きんトレ101金曜日のトレインですので、「きんトレ101(いちまるいち)」と覚えていただければと思います。と書いてありますが、何だ、これは。金曜日のトレインの101かね。1時1分ということだな。
  (当局:はい)
割と覚えやすいと思いますね。1時1分に、最後、出ると。栄で一杯飲んでいただいて、1時1分には間に合うようにということで、地下鉄に下りてきていただければありがたいということです。
終電延長による公共交通の充実化を、街のにぎわいづくりといった地域経済の活性化につなげてまいりたいと思います。それでは、制服のおとっつぁんにご説明をいただきます。
  (当局:<中略>)
「きんトレ」というと、普通は筋肉トレーニングのことですけれど。まあ、ええけれど。そのギャグか何か分かりませんけれど、筋肉トレーニング101ということで、ぜひご利用くださいと。栄で遅うまで一杯飲んで遊んでちょうだいということです。
商売の皆さんにも、ちいとでも商売が盛んになるまち・名古屋ということで、精いっぱい名古屋の方もご奉仕させていただいたということです。

2013/12、東急や福岡市交通局が一部終電を繰り下げる中、名古屋市交通局でも東山線で12/20と/27の2日間、通常の栄00:16発星ヶ丘、岩塚行の後に00:39発藤が丘、高畑行を試行。そして上記の通り、2014/07からは加えて栄01:01発星ヶ丘、岩塚行も設定されての本格継続となりました。上記定例記者会見では記者とのやりとりも諸々興味深いのですが、45分繰り下げによって「1900万円の経費増」との試算も(おそらく2014年度の40日間運行で、かと)…余所者には常に威勢のいい印象すらある河村名古屋市長がどことなく他人事のようなのも気にもなるのですが、ともあれ『確かに赤字は赤字なのですが、まちが活性化していって、お客さまの増加が見込めればいいかなと』する交通局の意気を買いたいですし、各種データ等による客観的判断も今後何かしら出てくるものと期待します。

ところで名古屋圏では、1990/12から市営深夜バスが2系統運行されているほか、通勤高速バスの先駆的存在でも知られる三重交通東名阪道近距離系統で90年台から、追って東濃鉄道と名鉄バスの近郊系統で2000年台から深夜便が設定され、現在では三交3便、東鉄1便、名鉄2便が運行中。これらも気になっていた当方、2014/11に泊まる機会が!無論金曜ならば言うことなしだったものの月曜に…それでは近距離高速深夜4便が出る栄・オアシス21の状況から、一旦名駅に移動して太閤通口の深夜の風景を眺めた後、こんどは栄・噴水南バスターミナルから出る市営バス2系統をと、可能な範囲で詰め込んだ次第です。

  • Photo:オアシス21
  • オアシス21
    東京行2便が並ぶ
  • オアシス21
    多治見・可児方面への東鉄便
  • オアシス21
    愛知学院大学前行名鉄便
  • オアシス21
    基幹2号系統には行列ができた
  • オアシス21
    小牧・桃花台方面への名鉄便
  • オアシス21
    ネオポリス行三交便
  • オアシス21
    大ラスのJRTBドリームなごや

オアシス21

■23:00-23:45 栄・オアシス21

11/17(月)、オアシス21に到着。完成から12年を経てもなお印象の強い大屋根-水の宇宙船は21:00までの営業とあって既にライトアップは終了、残念というより薄気味悪さも?早々に半地下のバスターミナルに降りると、こちらも予想以上に閑散としていた。ショップの営業も22:00まで、23:00以降の出発便はこの日、夜行便・近距離深夜便・市営バスが各4本ずつの計12本とあっては致し方ないのかもしれないが、これも月曜深夜故かと飲み込む。
直線的なスペースには10バースが設けられているが、高速系統は南端の8~10番に集約されている。23:08発のドリームなごや・新宿2号は出発後、次は:15発の新宿行京王東便と:18発の青春ドリームなごやJRTB便が相次いで入線、それぞれ数人が乗車した。なお、週末は:15発で徳島便が加わる。

京王便と入れ違いに現れたのは23:22発桂ヶ丘3丁目行東鉄便。余所者には耳慣れない行先も、中央道多治見ICから北方に5km弱、岐阜県可児市郊外に1970年台から造成された桜ヶ丘ハイツとの直結路線で名鉄バスと2001/10開設、深夜便は2003/07から運行されている。この便と後の名鉄2便は名鉄BC始発で伏見町と錦通本町を経てこのオアシス21に現れるが、東鉄便は先客2人に3人を加えての出発-うち1人は運転手氏に「桃花台行く?」と聞いて、運転手氏が丁寧に教えていたがそのまま乗車していった。
次いで23:27発愛知学院大学前行名鉄便が入線、こちらは名古屋高速2号線東山トンネルを抜けた先の名古屋市名東区と日進市方面を結ぶ短距離系統で2003/05開設、深夜便は2005/10からの運行。日中は時間2~3本とすっかり定着しているが、深夜便も先客8人に4人を加えての出発と、実見4便の中で最多乗車であった。
この間23:25発の栄24稲西車庫行が2人、:30発四軒家行はさすが基幹2号系統の貫禄というか10人が乗車。市営バスラストは:39発の幹栄2新大正橋西行で3人を乗せていった。

残るは3便、23:37発は桃花台東行。2002/04に名鉄BC・栄から小牧駅までを結ぶ路線として開業、2005/02のセントレア開港を受けセントレア~栄~小牧駅・桃花台東間に経路変更も長続きせず、2005/10からは名鉄BC・栄~小牧駅・桃花台東に再編、この際深夜便も設定された。翌2006/10の桃花台新交通ピーチライナー廃線に伴い増便改正、2007/03からは一部便が明治村まで延伸されるなどの変遷を経ている。この日は先客1人にもう1人を加えての寂しい出発だった。
ちなみに東鉄便に桃花台へ行く乗客が乗り込んだ-と記したが、そちらは中央道桃花台BSに停車する便で、桃花台東からも徒歩圏内。栄出発は15分差も、桃花台BS着は23:50、桃花台東には小牧経由とあって24:34と大きく差がつくが、自宅最寄如何ではそうともいえないことになるため、東鉄運転手氏はその旨丁寧に教えていたというわけ。それにしても東鉄近距離高速3路線をはじめ長野方面の中央道高速バスなどを含めると実に平日170本が発着、ピーチライナー車庫跡地にはBS利用者用送迎ロータリーに名鉄協商のP&R駐車場も整備されるという、なんとも因果なことになっている。

さて、東鉄便出発前からスタンバっていたのは近距離高速深夜便のラストを飾る23:45発西桑名ネオポリス行三交栄桑名高速線深夜便。先にも触れたように通勤高速バスの先駆け的存在で、三重県桑名市の大山田団地と名鉄BCを結ぶ名古屋桑名高速線が1985/04に運行開始、翌年の東名阪道と名古屋高速5号線との直結以降一気に波に乗り、栄系統や四日市(桜台・三重団地・湯の山)路線開設と拡充。深夜便設定は名古屋桑名高速線で1992/06、名古屋桜台高速線で1995/10、そして栄桑名高速線で1996/12からとなっており、それぞれ名鉄BC・栄からは高速に直行する。この日は、早くから座って待っていた数人が待ちわびたように乗車したほか、出発間際に駆け込んでくる人もいて総勢10人での出発となった。
大ラスの23:48発ドリームなごや6号には男性1人が乗車、既にオアシス21の管理スタッフがBT内を見廻っていて出発と同時に閉める由、当方も出発を待たず退散することとした。

ここで栄からの終電を整理しておくと、

<栄/栄町>
地下鉄東山線藤が丘行/高畑行00:02
(00:39)
星ヶ丘行/岩塚行00:16
(01:01)
名城線瑞穂運動場東行00:02新瑞橋行00:12
ナゴヤドーム前矢田行00:02大曽根行00:15
名鉄瀬戸線尾張瀬戸行23:45喜多山行00:00
<久屋大通>
地下鉄桜通線野並行00:08今池行00:24
中村区役所行00:23

といったところ。無論広域への帰路を考えると、23時台前半には栄を出ることになるだろうか。
栄から唯一の郊外路線である名鉄瀬戸線も、当方が改札前に行った時点で喜多山行終電を残すのみ…というか森の地下街とのシャッターは降ろされていて、地下鉄駅との通路のみがわずかに開いている裏路地然な状況に唖然と…地下鉄駅では名城線ホームも見たが、月曜とあって酔客は少なめ、家路を急ぐ人の多くがスマホとニラメッコ…寂寥感すら覚えるような。

栄/名駅

栄00:02発の高畑行車内は着席定員ほど、00:07着の名駅でも半分も降りなかった印象-というのもこの時点でJRは00:20発高蔵寺行と大府行を残すのみ故。早仕舞いな印象も受けるが、栄基準だと豊橋・常滑方面は金山、中央線方面は千種へ出ればいいということにもなる。

地下鉄東山線藤が丘行23:57
(00:33)
星ヶ丘行00:07
(00:55)
高畑行00:07
(00:43)
岩塚行00:20
(01:05)
桜通線野並行00:03今池行00:19
中村区役所行00:28
名鉄本線急行津島行00:01特急名鉄岐阜行00:07
特急東岡崎行23:57急行金山行00:13
鳴海行00:01
犬山線新鵜沼行23:41急行新鵜沼行23:59
常滑線太田川行23:43急行知多半田行23:59
JR-C東海道線新快速大垣行23:56大垣行00:02
区間快速豊橋行23:57大府行00:20
岡崎行23:59
中央線多治見行00:05高蔵寺行00:20
関西線亀山行23:56
あおなみ線金城ふ頭行23:36稲永行23:57
近鉄名古屋線急行近鉄四日市行23:40富吉行00:00
  • Photo:太閤通口
  • 太閤通口
  • 太閤通口
  • 太閤通口
  • 太閤通口
太閤通口

■24:15-25:00 名駅・太閤通口

当方は真っ直ぐ太閤通口へ…そこには予想外の熱気が待ち受けていた。「ゆりの噴水前」には人人人…高速ツアーバス時代からの受付ポイントだが、この日はというと00:30発の大阪梅田行ウィラー便、大阪・神戸行JAMJAM便と00:45発東京池袋桜交通便がなお受付中。眼前を00:15発新宿・TDR行ウィラー便と横浜・新宿行キラキラ便、東京八重洲行と新宿行の2台組の旅の散策便が走り去った。

名古屋駅の高速バス乗り場は、広小路口先の名鉄BCと太閤通口のJR名古屋駅BTを軸に、広小路口ミッドランドスクエア前のイルカ交通、太閤通口ビジネスホテル新名前の日本中央バスとビッグカメラ前の大阪バス、そしていわゆる移行組が利用する、広小路口から名駅通を南に10分ほど歩いた先の名古屋駅南ささしまライブと、太閤通口北方の新幹線高架脇の駅西口、そこから更に西方に5分弱進んだ則武1丁目、太閤通南口から徒歩2分程の名古屋VIPラウンジ-とまぁ実に9か所にも分かれている。ウィラーのようにささしまライブ、駅西口、則武1丁目の3か所に分散したり、青木バスや杉崎観光バスのようにミッドランドスクエアのバス停を活用するなど様々、利用便それぞれで十分な事前確認が必要だが、意外にもひとまとめにした情報提供は乏しかったりする。下記サイトはまさに手弁当で毎月更新されているものだが、ただただ頭が下がるばかり。

ラストの桜交通(インフォマティック)便まで見送ったが、女性を中心に旺盛な需要、多くが満席近くでの出発となったものと。いわゆる既存組よりも1時間ほど遅く出るというのもニーズを掴んでいるのかどうか。

さて、噴水前の受付担当者も引き上げ、人通りもめっきり減る中、当方は悴む手を缶コーヒーで暖めつつなお待機…太閤通口にはあと2本バスがやってくる。しかも、移行組が入りたくても入れない?JRBTに-というかこのロータリーは市管理かと、中央部の駐車場が住宅都市局都市計画部交通施設管理課運営だし。太閤通口のJRBTは御記憶の方も多いように、桜通口の名古屋ターミナルビル建替に伴い2010/12に移ってきたもの。太閤通口ここにはそれ以前から名古屋市営バスが入っていて、2000/01の名駅25号系統非経由化後から長らく深夜2号系統の2本のみ…深夜1号系統とともに1990/12から平日深夜に運行されているが、栄から東西に地下鉄東山線沿線をカバーするもので、ともに終点から栄を往復する運行は特徴的だ。
定刻00:55発なのだが直ぐには現れずちと焦ったものの、01:00を過ぎてやってきた。てっきり貸切かと思いきや、スーツ姿の若い男性が乗車していた!北側のガードから桜通口前のモニュメントを横目にして、ミッドランドスクエア脇のバス停に停車、もう1人加わる。この後は錦通を東進するも乗降なく、5分遅れのままで栄・噴水南バスターミナルに到着。ちょうど深夜1号系統とほぼ同着となったが、向こうも数分遅れての到着、こちらよりも多く降車した様子。

栄・噴水南バスターミナル 25:30■

到着したバスは一旦向かい側に移動して小休止。BT周辺は灯の明かりが乏しいが、それでもよく見れば10人以上が佇んでいた。程なくして自然発生的に列が形成されると、1号系統にはあっという間に20人以上に。当方と2号系統で現れた2人も並んでいた…噴水南さすがに乗継需要は?と思っていたものの、あるものですなぁ。

需要をそのまま反映して、深夜1号系統は当初からの2往復(藤が丘23:55/00:35発→栄00:45/01:30発)が維持され大型車での運行も、2号系統は1往復(高畑00:35発→栄01:30発)で中型車となっている。ちなみに“きんトレ101”運行日には1号系統の1往復目が運休となる。
バスは出発3分前にようやく入線、待ち侘びた人々をドンドンと飲み込んでゆく。結局1号系統には30人弱で立客も、2号系統には7人が乗車して定刻同発となった。月曜深夜のこの時間にしては乗っているな、というのが率直な感想、あと丸1年で四半世紀たる実績は重いものと。そういえばこの深夜便だけでなく、オアシス21でもそうだったが、OL然とした女性の姿が目立ったのも印象的な。
当方もその気になれば千種・今池あたりまで…とも考えたが、さすがに遠慮。機会があらばきんトレ再訪時にでもチャレンジしてみたい-としておきますか。

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Re: 名古屋栄発深夜バスを見る~名駅の様子も少しばかり

投稿者---yanagi氏 (2014/12/08(Mon) 21:40)

お疲れ様です。

以前、栄→藤が丘で深夜1系統の2便目に乗車した事があります。
奇しくもレポートと同じ月曜夜、栄から乗り込んだ乗客数もほぼ同一でした。

栄を発車して、あとは千種、今池で若干乗り込んで漸減かと思いきや、栄~今池の利用など途中での乗り降りも多く、まさに地下鉄的な利用がされて、藤が丘では10人ほどが降りました。

終電が早い街での意外な深夜利用の多さに驚きましたが、すっかり定着している様子。
「地下鉄とほぼ同じ路線を走る」のは日頃バスに乗らない層でも分かりやすいのでしょうか。
鉄道との同一経路とする分かりやすさは、深夜または終夜バスを今後展開するにあたっての、ひとつの手法ではないかと思います。


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