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  • ※調査 2012←2010
  • バス 36%←41%
  •  直行バス 15%←22%
  •  大型バス 13%←11%
  •  マイクロ  7%← 7%
  • なお大型バス・マイクロバスの多数は周辺ホテル・民間駐車場送迎、インバウンドと思われる

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成田空港連絡バス

成田空港連絡バスの新潮流? 二子玉川線/千葉線直行便から

経済誌でも今や珍しくなくなった交通系特集、週刊ダイヤモンド2013/07/20号の特集も「鉄道新発見!」。その「都市鉄道の新潮流」なるパートで羽田、成田と関空アクセスへの言及があったのですが、成田についての記述を一部抜粋すると-

現在、成田空港までの交通機関のシェアは、京成電鉄が28%、JR東日本が14%、バスが36%、自家用車が10%。鉄道以外の手段のシェアも高い。今後は高速バスや自家用車との競争も激化しそうだ。
高速バスは、駅や線路の制約を受ける鉄道に比べると、需要に応じて増便しやすい。
今後、航空需要の増加に応じてバス路線が増えれば、発着点が多く乗り換えいらずのバスが選ばれる可能性がある。
また、昨年から東京駅~成田空港を片道900円で結ぶ格安バスが運行を始めるなど、料金面での競争も激しさを増しそうである。

記事に言及がないもののシェア数字の出典は、NAAが2012/07に発表した「成田国際空港アクセス交通実態調査について」の出発旅客数からのようですが、これは2012/03/09(金)の調査数字、成田スカイアクセス開業こそ反映されているものの、国内線LCC就航や「格安バス」等の数字が入る前のものである点は注意が必要でしょう。なお、個人的にはこの際8%だった国内航空機のシェアがどうなるかも注目なんですが、毎年実施ではないので今年は発表されないかな…。

ここ数年の成田を取り巻く環境を思い返せば、リーマンショックによる世界的な航空不況や東日本大震災・福島原発事故の影響、2010/10の羽田“再国際化”と成田自身の発着枠拡大、LCCに象徴されるアジア圏“航空大移動時代”突入とまさに激変。交通アクセスでも上記調査でスカイアクセス効果で京成が伸長した一方、直行バスが大きくポイントを落としており※、それ故【検証:】でも成田LCBの動向とその波及効果に注視しているわけですが、改めて“バスが選ばれる可能性”を問われると、格安バスについてその後段で言及されている点を含め、さてどうかな…とも思ったり。ざっと羽田と成田の空港連絡バスネットワークを比較してみると、新規路線開拓の余地が果たしてあるのかなと。こと対首都圏広域路線については、国内航空規制緩和とともに一気に花開いた羽田よりも、好景気を挟んだ海外旅行ブームとその定着の過程における成田のほうが一足早く開拓してきた感もありますので。

前置きが長くなりましたが、この2路線の動向は今後に向けた“新潮流”となるでしょうか…「新路線」二子玉川線と「新価格」千葉地区線のうち早朝便を実見してみました。

  • Photo:二子玉川線
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「ニコタマ⇔ナリタクウコウ=ニコナリ」 二子玉川線

-その情報は6月下旬から見聞きしていたものの、公式リリースは運行開始4日前とバタバタに。07/04の東北道バス事故等を受け、新規路線認可が土壇場で一旦ストップとなった-というウワサもあるようだが、東空交の他路線ダイヤ改正が06/20に発表されていただけに当方自身も半信半疑…むしろ形態自体に、これまでにない違和感を覚えたというほうが大きいか。
東急が渋谷とともに総力を挙げて“超開発”中の二子玉川にいよいよ成田線が開業!「Nicotama!Narita!ニコタマからバスで行くナリタ。」は渋谷地区線の延伸・東空交単独から東急参入による共同運行化というものだった。両社Webサイトでの統一デザインバナーからも気合いの入りようが伺える。

渋谷成田線はマークシティ開業にあわせ2000/04に東空交単独で開業、少し遅れて/07には羽田線が東空交・東急・京急の3社相乗りで開業しているが、成田線はそのまま単独だった。改正前空港行9/発13便運行に東急が5往復加わり行14/発18に、ただしうち東空交の3往復は渋谷止で二子玉川には入らない。
ちなみに東急バスは1998/10のたまプラーザ羽田線で空港連絡バス参入、2000/07には新百合ヶ丘羽田線も運行開始、そして2003/04の新百合ヶ丘線で成田空港路線も開始。2008/07開設の中山・センター南成田線と成田側で組んでいたのは京成だった。いっぽう東空交とは2004/04にやはり京急と3社相乗りで日吉線を開業させたものの、2009/11末で廃止に至っている。その辺りから、今回の形態の違和感を察して頂けるだろうか…想起されるのは羽田~池袋地区線で2012/05の池袋駅西口経由化・増便改正に際して国際興業が参入したこと。“利害の一致”でこうしたスタイルが増えてくるのかもしれない。

それにしても、二子玉川との経路は云わずと知れた渋滞懸念のある首都高3号線ルートな上に、終日人車で溢れる渋谷地区を経由するとあっては、定時性という観点からさてどうなのだろうか…と思いつつ、開業3日目の午前成田発便に乗車してみた。
ニコナリ先ずは08:05発東空交便を1TB南ウイングにて見送ったが、外国人を中心に10人ほどで出発していった。乗車するのは09:05発の東急便。2TBで6人、1TBで11人を加えて出発。やはり外国人が多い印象。クルマは本路線用に増備されたという新車、トイレ付のため新羽営業所所属の横浜ナンバーとなっている。

新空港道に入り運転手氏は無線交信、東関道を快調に進むが早くも新木場先頭渋滞との情報表示、どうなることやら。時間的に成田に向かう東急便が目に付くな…っと、先夜からの徹夜がたたってうとうとしているうちにあっという間に舞浜カーブを抜けて詰まりつつあるところだった。所定は11号台場線からC1外回りに向かうルートのようだが、開業初日の成田11:35発東急便では似たような状況に無線確認の上9号深川線からC1内回りを使ったそうだが、この日はなんとか荒川湾岸橋を渡ったと思いきやまさかの新木場出路降り! 当方が聞きそびれたのかもしれないが、特段無線交信および車内案内はなかったような…R357新木場駅前交差点を突破すれば速度も上がるが、見上げる湾岸線のほうが流れているような気も-と、東雲交差点を右折し晴海通りへ、更に東雲一丁目交差点を左折して有明コロシアム方面に…なるほど、台場入路から首都高復帰というわけか。E233系埼京車やエルガハイブリッドと当方初見な遭遇もありつつ、予想通りレインボーブリッジに駆け上がると、普段羽田路線で見慣れた道も逆行とあって新鮮に映る。外国人グループもお台場の光景をカメラに収めていた様子。

ニコナリ

浜崎橋JCTからC2外回りは渋滞もこれは十分想定内、3号線は流れていて高樹町出路からの下道も都バスに囲まれたものの然程難なくクリア。工事中の東口ロータリーを見やってガード下を潜ると、その身をくねらせるようにしてセルリアンタワー東急ホテルに到着…下道迂回があって定刻5分延とは御見事であるが、のりばには大勢の待客、定刻10:40発の成田空港行便が10分弱遅れで当便の後ろについたようだった。
外国人グループなど7人が降車、再び身をくねらせて外に出ると、道玄坂を駆け下りてマークシティ・渋谷エクセルホテル東急で6人降車。こちらは地上5階だがやはり窮屈なロータリーを1回転、富士急車や東急車、道玄坂では青屋根のJRTB車と離合するなどこちらの目には楽しいが運転手氏は気を抜けないことだろう。ニコナリ

車内に残ったのは4人、池尻入路から再び3号線へ。手前の池尻大橋では40分近く遅れていると思しき虹が丘からの通勤高速バス10号をちらと見たが、やはり上り線はベタッと渋滞中。下り線はスムーズに流れあっという間に用賀出路へ。さてココからが難関と思った環8からの瀬田交差点も思った以上にスムーズで、高島屋S.Cで車内に数人を何とか確認した11:20発便と離合すれば、結局到着はジャストタイムと相成ったのだった。
二子玉川ライズのバスロータリーは成田線開業に伴いのりば変更が行われ、5番のりばが羽田・成田線専用に。羽田線開業から丸4年、日々その姿を益々変えてゆくことになろう同地に、成田線は新しい風を吹きこむことになれるだろうか。

意外にも?迂回経路を使いながら定時運行だったので言う事なし!…とはさすがに行かないかな。言ってしまえば設定ダイヤが寝ているとも云え、実車距離101kmの調布線が直行で約90~130分のところ、二子玉川線は84kmで約120~155分。無論渋谷経由故の設定なのだが、渋谷~二子玉川間だけで所要30~40分が確保されており、空港行に至っては基本40分見当。更に渋谷地区で10分かかることを考えれば小1時間ロスすることになるといっても過言ではないかと。
無論、単独での設定は採算性でリスクがあったのかもしれないが、だとすれば直行で溝の口始発というのはどうだろうか。確かに溝の口駅周辺道路は狭隘なので入る余地がないかもしれないが、早朝・深夜の一部便だけでも渋谷系統と分離するカタチで…と思うのだが。

 
  • Deta:成田空港発始発便
  • 05:41 成田スカイアクセス
     (土休日05:46)
  • 05:57 ※東成田駅発芝山鉄道
  • 06:03 京成本線
     (土休日06:14)
  • 06:11 ※東成田駅発京成本線
     (土休日06:09)
  • 06:30 新百合ヶ丘行京成便
  • 06:52 JR成田線
  • Photo:千葉線早朝便
  • 千葉早朝直行バス
  • 千葉早朝直行バス
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戦略的な「キャンペーン運賃」と意欲的?な「早朝直行バス」 千葉地区線

京成バス・ちばシティバスと成田空港交通が共同運行する千葉地区線。1980年代からの老舗路線で、回数券も設定されており「通勤にも便利!」とも呼びかけられていたが、05/16に一部便のメッセ中央バス停経由化と空港行早朝2便の5~10分前倒しダイヤ改正が行われたばかりのところ、08/01に再度改正へ-行18+平2/発17から2往復増便、うち空港行始発について稲毛海岸駅から現行より53分早く04:35発が新設され、2TB05:30着で早朝発LCC接続をウリに。そして何よりの注目点が「キャンペーン運賃」として200円値下げし海浜幕張から900円、千葉中央からも1000円に。併せて回数券も値下げされるとともに、10枚綴りから4枚綴りとしてグループ利用にもと訴求している。「キャンペーン」の期間は現時点で明示されていないが、成田空港連絡バスにおける全日における運賃値下げはほぼ初なのではないだろうか。

ところで05/16改正に併せ、成空交が単独で興味深い展開を見せている-それが「早朝直行バス」。成田空港からの始発便は左表の通りで、JRについてはかなり遅めの設定。そこで「鉄道よりも朝早く千葉駅へ到着します!!」と銘打ってJR千葉駅行直行便を設定したのである。出発時刻は2TB05:57、1TBは開館直後の06:02…出庫回送の営業化にしても、どんな層をターゲットとしているのか。空港勤務者プラス深夜到着便“孤立組”救済の意図かとは思うものの…。

千葉早朝直行バス

二子玉川線乗車から数時間時間を巻き戻し、早朝の成田2TB。05:30前後の超早朝便到着が一段落するも、周辺ホテルや民間駐車場、業務用車が続々と現れ、徐々に賑やかな朝の風景となってきたが、ターミナル内は超早朝便と深夜便、そして前夜からの泊まり組でまだ出発時刻を迎えていない人々がそれぞれまどろっこしそうに時間が過ぎるのを待っている。
さて、右は2TB1F中央部にあるバス時刻表。以前も指摘したが、東空交系と京成系に分かれているのは百歩譲って、「京成グループリムジンバス」と書かれていながら、成空交主体の鎌取線や酒々井PO線などが記載されていないのはどうも…そして今回の千葉駅行早朝直行バスも当然ながら記載なし。まあ、千葉地区線は千葉中央駅終着でJR千葉駅には入らないので別路線である、という認識なのだろうが、益々その存在を知られることはなくなるのではとも。それがよりハッキリしているのがバス停で、千葉線が京成所管の2TB12番のりばを使うのに直行便は成空交所管の13番から、1TBに至っては中央部の5番/南ウイング端、東京シャトル/THEアクセス成田が使う隣の30番のりばと-しかも時刻表は1便のみということで黄色で目立つとはいえベタッと貼られただけ。おそらく空港内で早朝直行バスの存在を示しているのはコレだけと思えば…そして、待っていればちゃんとバスが現れるのがまた泣かせてくれる。

やってきたのは同社標準というべきエアロバス、他社では急速に数を減らしている感のあるKaNaCカラーも同社では何時まで残るだろうか…さてこちらも同社標準の方向幕は社名表示となっており、フロントガラスに「JR千葉駅 JR Chiba Sta.」と書かれた紙が差し込まれていた。千葉早朝直行バス
2TBを定刻出発、1TBも外には人影がなかったが、中央部には前夜から1泊したと思しきグループも…とはいえ乗車はなく予想通りの貸切に。直行便ゆえ車内放送はおろか肉声案内もなかった。東関道を淡々と進み、宮野木JCTから早朝から交通量の多い京葉道へ。穴川ICを降りるもそのままR16を直進、みつわ台入口の交差点を右折すると、何処に行くのかエアポートバス2台組の後ろについてしばし、高品交差点で見送り佐倉街道に入ればそのまま一直線。千葉駅前ロータリーに気持ち早着となったが、時間的にそのまま千葉中央駅06:55発便に充当されるのだろうか、足早に走り去っていった。

早朝直行バスについては…やはりターゲットがイマイチ見えないというか、あくまでも救済措置的な部分が大きいのかもしれない。“表向き”6時開館のままである1TB経由を考慮しての時間設定なのかもしれないが、であるならば芝山千代田始発なり空港周辺ホテルなり、後ろの時間に影響するものの富里BT経由なり、やり方はあるのかなとも。
そしれ今後の注目は千葉地区線の「キャンペーン運賃」。期間が指定されるのか、はたまたこの文字が取れるのか…“超早朝便”に加わる始発便も、稲毛海岸から京成千葉、もしくは現時点で発着がないにせよJR千葉駅からとなれるかどうかについても早朝直行バスの行末と含めて気に掛けておきたい。

 

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LCB以外では久々のネットワーク拡大。

投稿者---スカイアクセスライナー氏 (2013/07/12(Fri) 22:52)

この7/16改正から東京空港交通の渋谷から成田空港線が延伸し、東急田園都市線の二子玉川からになります。また、同時に東急バスが参入しますが、LCB以外では久々のような気がします。3000円のままでのネットワーク拡充は吉と出るか、凶とでるか?一度この路線に乗ってみたい気がします。LCC以外の需要も当然、まだあると思いますし。

一応補足

投稿者---bluewing氏 (2013/07/22(Mon) 20:56)

こんばんは。

一応補足なのですが、成田空港交通&千葉中央バスの鎌取線は路線バス扱いです。

ですので、路線バスが発着するポールで客扱いをして、運賃も車内清算で行なっています。
と言う事で、実はカウンターでのチケット発券も行なっていません。

PO便はカウンターが関わるので載っていないのは謎なのですが。。

カウンター使用の有無が理由になる?

投稿者---551planning (2013/07/22(Mon) 21:18)

bluewing様、御指摘有難うございます。故にTHEアクセス成田もTB内に掲出しない(できない?)ということになるわけですかね。

でもそれで本当に良いのでしょうか?というのがイイタイコトというか、では酒々井POもイオンモール成田も何のためにシャトルバスを走らせているのかと。まさに仏作って…ではないかなと。
そもそも今やデジタルサイネージ時代、京成・東空交カウンターともデジタル表示を導入しているわけですが、NAAも広告ばかりでなくてバスアクセス案内でそういったものが用意できないものなのかとも。この辺りはバス停の所管然り、羽田にも通じる“既得権益”ってヤツだなぁとつい感じてしまうのですが。

Re: カウンター使用の有無が理由になる?

投稿者---スカイアクセスライナー氏 (2013/07/23(Tue) 02:26)

こんばんは。

私なりの考え方として、それぞれのカウンターを一纏めにした(平和交通も含め)『成田空港総合バスチケットカウンター』とした方が良いのでは無いかと思いますね。そこの案内所で、酒々井POやイオンモール、東京、千葉県内からの深夜急行バスを含めた全路線のPRもしたり、案内したりと。

因みに、補足ですが、今の京成カウンターでは、酒々井POの片道乗車券は発売していません。成田空港~酒々井POの往復乗車券や、成田空港~酒々井PO~東京駅、浜松町までの乗継割引乗車券の発売のみになります。


ご意見は【検証:】常設板までお気軽に!

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