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海部観光

「お客様がライバル」都市間バスの新価値を創造する海部観光~2路線実乗から

バス業界にとって激動の年となった2012年。04/29関越道事故を忘れることは決してできませんが、結果的に「新高速乗合バス制度」移行へのカウントダウンは大幅に早まることとなりました。加えて先般発表された所謂400kmルール(夜間貸切バス交替運転者配置基準)など各種安全対策の強化もあり、新高速バス移行はおろか現行の高速ツアーバス実務から降りる中小貸切事業者が後を絶たないとも…最終的には全国規模の数グループを中心とした移行になるのではないかとも聞き及ぶところです。
そんな中、この会社の存在感はどうでしょうか-海部観光、社名は知らないという方も「マイ・フローラ」(以下MY Flora)という愛称はどこかで聞いたことがあるかも知れません。“現代の寝台特急”を標榜し昨年4月末から東京~徳島・阿南間に投入された車両ですが、大型バス1台にトイレ付独立2列12席のみという大胆というべき構成は、趣味界に留まらず各種メディアでも多く取り上げられたものです。折しも高速バスにおけるプレミアムシート戦略が多彩化しつつあった頃ではありましたが、その独創性ゆえか追随するところはなかなか現れず。最近になって中国バス高速路線バス「DREAM SLEEPER」(なかなか挑戦的)やイルカ交通高速ツアーバス「雅(みやび)」(ん…こちらは丸パクリ?!)が出てきたのは【検証:】でも取り上げた通りです。

海部観光では現在阿南・徳島から神戸、大阪、東京の3系統4路線を催行中のところ、新高速バス制度に対してどのように挑むのか-一介の素人が不躾ながらも、ひょんなことから同社打山会長・山元ゼネラルマネジャーに直接話を伺う機会を得ることに!さすがに当方だけでは心許なかったので百戦錬磨の第4セクター様に“同行二人”賜ったのですが、まあ貴重なお話が出るわ出るわ…いくらネットの片隅といえど全てを書く訳にはいかないなと。というわけでかくいう当方、これまで利用機会がなかったことから今回2路線に乗車しており、その記録を中心に同社の今後を探ってみることとします。

本編の前に同社について整理しておくと、もともとバスドライバーであった現会長が一念発起し1996年に創業、旅行業から一般貸切事業者、マイクロバス3台から大型バスを多く抱える規模にステップアップしてきました。阪急交通社(trapics)の貸切運行などを担ってきたところ、2005年に大阪・京都方面への高速ツアーバスに参入、翌2006年末には東京系統も開設、その後自社予約サイト立ち上げなど足場固めを着実に進めてゆきます。

同社にとって2011年は飛躍の年に-4月の東京系統MY Flora投入の前には3月に大阪系統を6往復化、7月には大阪系統の一部を神戸経由化するとともに、会長が最も拘る安全面については12月に貸切バス事業者安全性評価認定制度を県内事業者で初認定。更にコーポレート・ステイトメント「徳島の先頭を走り続けたい」を掲げた2012年に入ると、4月に東京系統へ独立3列トイレ付27席「MY Repeat」投入、7月には神戸系統単独化、そして9月には徳島駅前に「BUS OASIS」開設、10月までに大阪・神戸系統の3列化…等々、まさに矢継ぎ早な展開となっています。

 

MY Flora 東京→阿南

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My Flora

11/14(水)20:30過ぎ、東京八重洲ヤンマービル前へ。まだ“出発ラッシュ”時間前とあってか比較的静かというのは、前日と打って変わって急に冷え込んだため通る人も少なめということもあるだろうか。声を張り上げていた男性係員にチェックを受けしばし、十数人が降りた平和交通THEアクセス成田到着便を見送ると、入れ替わるように白地にピンクをあしらったSHDがしずしずと現れた。これまでも数度この風景は見ているが、いざ乗るとなるとさすがに気持ちも高ぶってくる。
男性係員のチェックを受けたのは当方と帰省然とした女性の2人のみ。『靴をお脱ぎ下さいね、お座席は向かって右側7番です…初めて御乗車ですか?』と運転手氏から確認があり、着席して体勢を整えているうちに出発となった。一応定刻21:00発だが八重洲からは2人だったのだろう。すかさず運転手氏が現れて座席周りの説明を受けるが、当方の前に座ったであろう女性にはなかった。
まさにこの日の午後に首相から「16日衆議院解散」が飛び出した国会議事堂をちらと遠目に見て、新宿通りから新宿西口スバルビル前へ。こちらも定刻から30分以上前の到着となったが乗客の集まり良く15分早発に、女性2人男性1人を加えてこの日は当方含め計5人と少なめか。出発後マイクでの案内放送はあったがやはり座席周りの説明は省略されており当方以外全員がリピーターというのは興味深いなと。

『高速道路に入りますと消灯します』との案内があって初台南入路から首都高C2へ。大橋JCTで軽くGを感じれば、後は東名へとまっしぐら…カーテンを控えめに開けてしばし夜景を眺めていたが、追越車線メインのアグレッシブな走りを展開、路面状態によっては座席、というよりも“設備”の軋み音も防ぎ切れないが、それでも防音性は高いと云えるだろう。
しばし液晶TVでサッカー日本×オマーン戦を視聴。ちなみに地上波(NNN系)とBS-1、映画(当日はダイ・ハード3)が視聴可能だが、地上波とBSは切替不能なので3つの放送しか楽しめないのは残念なところか。さすがに深夜帯は消していたが、翌朝の地上波はやはりNNN系の四国放送(1ch)が映っておりこの切替もどうしているのか気になる。

ウトウトしながらも日本勝利を見届けたところで外を見ると、丁度大井松田ICから右ルートに入るところ。22:45頃に足柄SAで1回目の休憩となったが、ちょうど大型バス駐車スペース近くのトイレが改修工事中ということでぶらりと散歩。さすがにこの時間は人気も少なくなっていたが、路線バス駐車スペースには新宿21:20発駿府ライナーしずてつジャストライン便が10人程にて停車中。更に大型バス駐車スペースに戻ると、ルミナス号下電便、エディ1号徳島バス便、ドリーム高松号JRSB便と賑やか。徳島行の2者の間にJRSB車がサンドされる形にもつい得も言われぬモノを…。
さて、自席に戻ってめいいっぱい座席を倒す。座席自体はJR系プレミアムシートと同種かと思われるが、やはり個室ということで後席に遠慮する必要がないだけで意識的にも違うものだ。ちなみに液晶画面にチルト機能はないので座席を倒しての視聴には向いていない。御殿場JCTからは当方初の新東名だが、さすが路面状態が良いだけにすっと眠りに引き込まれ…。

夜行バスでは眠りの浅い当方も、01:00前に三ヶ日JCTから東名復帰を辛うじて記憶した後は、新名神土山SA付近通過まで完全に寝落ち。02:30過ぎに甲南PAで2回目の休憩となったが、当方の他に降りた乗客は居なかったものと。PAもトイレ以外は完全に闇の中、寒さもあって早々に車内へと戻った。
ところで交代運転手の仮眠場所は?との質問がTwitterで寄せられたのだが、足柄SAまでと松茂から先は運転席2人乗務、その間は交代でトランクスペースの仮眠室に潜り込むのを確認した。車内と直接結ばれた経路はなさそうだが、審査はパスしておりそもそもの乗車定員からも“規格外”であることは確かかも。ちなみに同社では、点呼時義務化となって久しいアルコールチェックについて、『しないと思うでは、お客様の安全を担保できない』ために乗務員交代時にもチェック! 昨年から義務化された検知器についても携帯電話連動の「遠隔地対応アルコール濃度測定システム」をいち早く導入しリアルタイムな把握管理も実現しているそうで。

My Flora

再びの深夜走行は瀬田東JCTからも名神に進むのを確認して再び寝落ち…04:30前の明石海峡大橋通過を朧気に眺めたが、大鳴門橋通過は最初の降車地・松茂到着案内放送の前だったろうか。松茂には05:10過ぎの到着、交代運転手が仮眠室から現れて新宿から乗ったスーツ姿の男性をお見送り、まだ真っ暗な中をクルマに乗り換えていった。
その後徳島駅前には05:40前の到着、新宿からの女性2人が降車。到着前にBUS OASIS待合室でシャワー無料利用可能-との案内放送もあったが、降車は向かいの道路上とあってその時点で場所までは判らなかった。
阿南市は小松島市を挟んだ徳島市の南方、日亜化学工業や王子製紙の工場などがありビジネス利用もあるのだろうか。同社では当初からP&Rでの拠点を展開してきたところ、エディ号東京線が2009/11からの延伸というのも興味深い。この日は阿南那賀川での降車はなく、営業所のある阿南津乃峰には06:20過ぎの到着と結局40分の早着に。八重洲で乗った当方と女性が降りると、運転手のお2人方はホッとした表情を浮かべたのだった。

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  • Photo:BUS OASIS
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松茂

■松茂&鳴門ウォッチ

この後、阿南営業所にて貴重なお話の数々を直接伺うこととなるのだが、さすがにアポイントメントまで時間があったのでJR-S牟岐線で徳島まで戻って、井笠ウォッチから飛んできた第4セクター様と合流しレンタカーをピックアップ、先ずは同社松茂パーキングおよび徳島とくとくターミナルを実見することに。
とくとくターミナルは2003/04の開設、専用の有料駐車場は230台だが、あっという間に周辺地に民間駐車場が乱立する一大拠点に。松茂パーキングも若干離れた場所にあるものの、土休日を中心に高速乗合バス利用者の利用も少なからず流れてくるそうで「ツアーバスのお客様以外の方も駐車できます」と案内には抜け目ないが、ツアーバス利用者の待合スペースは吹きっ晒しなのはちと物足りないところ…同社でも当然認識しているものの、当初はR11沿いにあったのが2008/09の現在地移転までに“いろいろとあった”上、利用好調によりバス折返スペースを削る形で当初の倍以上となる100台弱規模に拡張したため整備が追いついていない由。
ところでとくとくターミナルの主要施設は徳島方面側にあり、各方面への利用時は歩道橋を渡って向かい側へ。バス停には待合所が設置されていたが、トイレ等がなく利用者からも改善要望が出ていたところ、今年8月にトイレ・空調設備を整えた上、物産館内にあった券売所も同地に移転されている。ちなみに券売所はやはり徳島バスとJR四国バスの並立となっており、さほど広くなかったスペースがごちゃごちゃとした印象も…実のところ、鳴門JCT(仮称)から南進予定の四国横断自動車道整備によっては松茂は松茂PA(仮称)への移転ないし通過となる可能性があったところ、徳島空港連絡機能を含め松茂PAにSICが設置されることとなり、とくとくターミナルの継続使用が決まっての投資になったのではというハナシだそうで。

高速鳴門

時間的に微妙ものの、ちらとだけでも…という当方の無理強いで向かったのが高速鳴門BS。BS施設は1987/05開設だが、本領発揮となったのは1998/04の明石海峡大橋開通により文字通り鳴門の、いや徳島、四国の玄関口となってから。2002/04には高速下のr42沿いに発券所や待合室を備えた「鳴門市観光情報センター」が整備されるとともに、結構な坂道にはスロープカー「すろっぴー」が設置されたのだった。当方も翌年実見したが、黄色い箱が上下する姿はなんともユーモラスというか…あれ、箱が変わってる!
急ぎ乗り込んでみるとまだ新車の香りが…乗り合わせた係員氏が聞くともなしに『今日から運行開始ですヨ』とはなんというサプライズ。今年8月に初代が故障し、開業10年ともあって車両交換となったようで。青いボディの側面には鳴門の渦潮と鳴門市マスコットキャラクター「うずしおくん」がアクセントに。背も高くなった上にガラス張りで見晴らしも良くなり、乗車時間は90秒と短いものの、鳴門市長のアナウンスが流れるなど工夫されてますなぁ。

■BUS OASISを見る

今回の訪問理由の1つが今年9月にオープンしたばかりの徳島駅前「BUS OASIS」実見。高速ツアーバス系は待合スペースを設けるのが積極的だが、さて同社のテイストはどうだろうかと-阿南営業所にてじっくりとお話を伺って一旦辞去後、徳島移動後に訪問すると「向こうのスタッフに伝えてありますので」と仰られていた山元GM自ら出向いて頂いており直接施設案内、更に別件で来られていた打山会長も加わって引き続きのお話を伺ったりとまた恐縮至極…待合施設、シャワースペースにレストルーム、県産品に拘った内外装-等々詳細については下記リリースで先ず詳細を御確認頂くとして、ここに至るまでにも紆余曲折が…「涙なしには語れない」なんぞ書くと大袈裟かもしれないが、やはり記するのも躊躇われる話なもので。

BUS OASIS

同地は徳島駅BTから100m弱南東方向の徳島駅前第一ホテル脇。紆余曲折の末ここを折返スペースとするも予約カウンターは道路向かいと離れていたところ、直ぐ隣りの老舗洋装店跡に目を付け、会長自ら直談判にあたって賃貸借契約に成功! MY Floraを手掛けた地元建築家氏をはじめ“地元パワー”を結集して総額3000万というコンバージョンを敢行、多用された県産杉の木製ルーバーが印象に残る一方でベランダや階段の手摺などに洋品店時代の面影もしっかり感じられる、ともに素材を活かした空間となっていた。
建物は3階建てで細長な作り。一般開放は2Fまでで、1Fがカウンターと待合スペース、壁伝いにベンチが伸びる簡素なものながらクッションカバーには藍染を使用、奥に男女それぞれ専用の脱衣室・シャワー室があり、洗面台の水受けには大谷焼が使われている。シャワー室へは一旦屋外に出る必要用があるのだが、そこも待合スペースとして整備されており中庭然とした雰囲気でちょっと不思議な感じも。室内の螺旋階段を上がると2Fはレストルーム、小振りなスペースに高機能マッサージチェアがどんと3台置かれている。さすがに説明を受けながら使うのは遠慮したが、夜行便到着後に使ってみたいと思わせるシロモノ…想定も夜行便到着客が次の移動までのひとときに使ってもらえればというものだったが、出発客の利用も多いそうで。

同社にとってなんといっても大きいのが、受付機能の統合により当日利用受付が可能となり出発間際の飛び込み客にも対応できるようになった点だろう。実は当方も徳島泊予定が諸々により変更、最終神戸便に乗車することとし窓口手続きを体験。藍色の制服を身に纏った女性係員に、にこやかでいてテキパキと手続き頂いたが、チケット1枚にならないところはやはり高速ツアーバスだなと。係員嬢はバスの誘導も担当、誘導棒を手にきびきびと対応している姿はなかなか様になっていた。なお受付前にはGPS連動か運行便の位置情報が地図表示された画面も据えられており、勿論利用者もチェック可能、2Fレストルームにも置かれている。無論規模的な部分もあろうが、サイトやTwitterでの運行情報発信も多彩かつ積極的だ。

 
BUS OASIS

My Express 徳島→神戸

  • Photo:My Express
  • My Express
  • My Express
  • My Express
  • My Express

BUS OASIS見学後、再び井笠ウォッチに戻るという第4セクター様をお見送りして、16:30過ぎに再び移動。やってきたのは16:40発最終大阪便、今夏導入というヒュンダイ・ユニバース。ちなみに阿南からの乗り具合は判らなかったが、徳島出発時点では5人程だったかと。ところで17:15発最終神戸便、阿南営業所の時点で『今日は…もしかしたら貸切?』とも云われていたのだが、その後も待合室に残る人はおり、結局当方含む3人にて徳島出発となった。My Expressやってきたクルマは西工SHD、ナンバーで調べると阪急バスからやってきた11年選手の由、内外装ともに特段くたびれ感はなかったものの、席はご自由にと云われ座ったカブリツキ席はさすがに足元狭しとな。
案内嬢の誘導によりバックを決めて出発、阿波エクスプレス大阪号NJRB車を前に見ながらの進行に。R11はかなり渋滞していたが吉野川大橋を越えると流れ始めた。恐らく乗車予定はなかったと思われるが松茂にもきっちり寄って、17:50過ぎに鳴門ICから高速入り。バスもそうだが大型トラックも数多く行き交う道を突き進んでゆく。

暗闇に渦潮も見えるわけなく大鳴門橋を通過し淡路島へ、昼間はダイナミックなパノラマが展開するが、夜だと洲本の灯が目に付くくらいだろうか。やはり大型トラックが多いこともあり追越車線を巧みに使いつつ順調な走り。18:25過ぎに室津PAに到着、10分超の休憩となったが、播磨灘の遠望も効かず、施設もファミリーマートのみということで早々車内に。ちょうど京都行土佐電SHDと高松エクスプレス京都号京阪車に阿波池田からの阪急車が加わって4台並びとなったが、他の3台はそれぞれ軽く15人以上は乗っているであろう盛況の様子。
乗客は早く戻ったものの、きっちり予定時刻まで待って出発-ふと見上げると下り線を僚車が走り去っていったが新神戸16:45発便だろうか。こちらも再び快調な進行、洲本BC18:15発と思しき淡路交通車を華麗に抜き去ると、いよいよ眼前には神戸の夜景、そして明石海峡大橋が! 渡り切った先の高速舞子BSもちらと横目にして舞子トンネルへと突入した。

垂水JCTをぐるりと廻って第二神明から阪神高速へ。たまたまの経路取りだったのかこの先は左側車線を大人しく?進行。明石海峡大橋直前で抜き去った陸の港西淡18:10発と思しきみなと観光車にもさらりと抜き返されたが淡々と進み生田川出路から一般道へ…とここで信号待ちに引っ掛かり、三宮・日新信用金庫前には19:20過ぎと定刻から5分延での到着、2人が降りて当方貸切にて最終コースへ。My Express
神戸系統単独化において課題だったのが発着場所、三宮は駅から目と鼻の先ともいえるR2上とはいえ「駅前」ではない以上やはりインパクトに乏しいようで、同社が導き出した解答はANAクラウンプラザホテル神戸への乗り入れ-この件に関してもエピソードがあるのだが、そういえば未だ新神戸オリエンタルホテル時代に神戸空港~有馬温泉間の無料連絡バスが立ち寄っていたっけ。それはマイクロバスだったが、いざエントランスへの最終コースはというと窮屈な坂道の上に客待ちタクシーやら業務用車やらで難易度高!それでも運転手氏、涼しい顔で取り回して19:35過ぎ、無事到着と相成ったのだった。ちなみに折返は20:45発予定、ココで暫く待機となるのかな?


これだけの実績を積み重ねてきて、何故路線転換しなかったのかと単刀直入に聞いてみたところ、徳島側での知名度や乗降場所等それなりに地保を固めたとなった2008年以降、大阪系統については真剣に路線申請を検討。大阪側での乗降場所をまさにシラミ潰しに当たり、各方面に打診したもののまさに梨の礫だったとか…挙句2009/03以降の所謂「1000円高速」によって需要動向が見えにくくなったことから一時ペンディングとし、車両面の充実を優先させたそうで。まさに共同運行というスタイルが一般的である現状はなかなかに厳しいということなのだろうが、先般国交省から「高速ツアーバス等の高速乗合バスへの移行のための高速バス停留所調整ガイドライン」が示されているが、同社としては来年に向け改めて種々アプローチを実施中、できる限りの早期移行を目指す方針の由-新神戸はまさにその一例と呼べるのかもしれない。

現状、同社の課題としてはやはり関西・首都圏での知名度。徳島側では着実にリピーターを掴んでいるのは実乗からも見受けたが、「My Flora」はまさに広告塔的な役割を果たしたとはいえまだまだ関西・首都圏からぐいと引き込むまでの流れにはなっていない様子。07/28催行開始の神戸系統は09/01に加え12/17にも時刻変更と探りを入れている段階とも思われたが、今夏に全便3列化を果たした大阪系統が昨年より成績が良かったそうで、すぐさま神戸系統も3列化する辺りはさすがだなとも…その意味では関西・首都圏側に対して「徳島の良さを伝える」ような戦略が求められるのではと愚考する。サイト面もそうだが、『バスに乗車してから降車するまでだけではなく、その前後にも気を配り、より深く、広がりのあるサービスをお届けしたい』という思いを実現させたBUS OASISという“箱”からの展開にも期待しておこう。

My Express

打山会長のお話の中で一番印象に残ったのが、『お客様こそがライバルである』というもの-お客様に満足頂き、再び選んで頂くためには何をすべきか。『バスは劇場でありドライバーは俳優である』との思いから“一流の乗り方”を提供するとして、車両戦略や乗務員教育をはじめとする各種安全対策に努めてきたとの熱い思いは、実乗においても確かに感じられたのでした。
地方に軸を置く事業者としての高速ツアーバスから新高速乗合バスへの転換、まして激戦区ゆえに新価値を想像してきた海部観光の今後を、【検証:】としてしかと拝見してゆく所存です。無論、今回はあえて触れなかった同業他社動向をも交えつつ-。


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