tw
top

  • Photo:山口宇部空港
  • 山口宇部空港
  • 山口宇部空港
  • 山口宇部空港
  • 山口宇部空港
  • 山口宇部空港
  • 山口宇部空港

トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート20

“来年を見据えた”中国地方の空港連絡バス2題。

2011年下期、山口宇部空港と広島空港からの空港連絡バスに新顔登場!ともに試験的運行ですが、どうやら来年開港予定の “あの空港”の存在が意識されているような…双方を実見する機会があった-いや、機会を作ったので報告をば。

山口宇部空港

“国体護持”的路線の行末は? 山口宇部空港~湯田温泉・山口駅線■

山口宇部空港連絡バス
より大きな地図で 山口宇部空港連絡バス を表示

「現時点では」県内唯一の空の玄関口である山口宇部空港。長らくANA系のみの運航だったところ、2002年にJALが参入し羽田線がダブルトラック化、その一方で同年新千歳線が運休後、そのまま羽田線単独空港となっています。今年4月ダイヤからJALが4往復となりANAと合わせて9往復、場所柄ビジネスニーズが強く、ANAが2012/01からB787投入とのホットニュースも。

ところで、空港連絡バスは宇部市交通局が宇部新川駅へ急行・新山口駅へ特急を(2011/12現在各9往復)、サンデン交通が下関駅へ山口宇部有料道・山陽道経由で(同8往復)運行してきたところ、今年08/12に新路線が開業。県都・山口市中心部とをダイレクトで結ぶ路線で、防長交通&中国JRバスにより6往復が設定されています。

朝イチのANA便で到着、平日ゆえやはりスーツ姿の人が目立つ。到着ロビーに出ると目の前に案内所がありその横に連絡バスの自動券売機があるが、当方は山口県共通バスカードを所望。今や貴重となりつつある磁気カードで1000円券からプレミア付き、下関駅までは1400円なので切符を買うより100円オトク…その自券機は案内所に向かって左手前にあるので注意のこと。当方は後行程も考えて2000円券を購入、山口駅線でも使用可能だ。
出口から近い順に3番(新山口駅行)・2番(宇部新川駅行)・1番(下関駅行)と並び、その奥に観光周遊バス「おいでませ山口号」の乗り場から山口駅行が出発する。その横は国際線ターミナルとなっているが定期便はなく観光情報プラザとして活用中-もともと1980年完成の2代目(国内線)ターミナルで、現ターミナルは2000年完成の3代目。
と、まずは下関行サンデン便と宇部新川行交通局路線車が入線、下関行にパラパラと乗車が。そして新山口行交通局便が入線、サンデン車と同じ西工ボディだが、前者がすっきりとしたホワイトベースなのに対し後者はイエローベースに赤と空色の波線が入り「空港特急Skyliner」の銀文字がなかなか個性的。そしてやってきたのが中国JRバスのいすゞガーラ、どうしても堂々として見えてしまうのが面白いというかなんというか。

新山口行と宇部新川行が先の発車、追って下関行と山口行が出発。新山口行と下関行が双方20人弱の乗り、宇部新川行は乗車なく、こちら山口行は男性ばかり4人が乗車。先行した下関行を追うと下関07:25発サンデン車と離合しつつ山口宇部有料道路入り、次いで山口駅07:53発の新山口駅・宇部・小野田経由の博多行「福岡・山口ライナー」JR九州バス便とすれ違った。いずれもスモークが濃く乗り具合を確認することは出来なかったが、高速バス路線が複数設定されていることを実感する。ちなみに山口から中国道経由の下関線を、宇部・小野田からは小倉線をそれぞれサンデン交通が走らせているが、停留所などそれぞれビミョーなズレがあったり…。山口宇部空港
所々に料金所跡があるのは本線料金所が集約されたためだが、山口県道路公社廃止に伴い来年4月には全線無料化となる由。宇部JCT~嘉川IC間は2001/03の山陽道宇部下関線開通時に4車線に拡幅されR2小郡BPとともに山陽道の一端を担っている。ここで山口駅08:21発の防長交通便と離合、専用車なのか真っ白なボディの側面に山口宇部空港⇔山口駅と青文字で大書されていた。

嘉川ICから北は2011/07に供用開始したばかりの区間、まさしくこれが本路線開業最大の要因というべきものだが、対向2車線かつ無料開放されていることもあるのか交通量はこれまでの区間より比較的多め。確かに昨年新山口駅周辺を自走した際にはちょうどR9小郡改良工事の終盤でかなり混んだのだが、ダブルで効果が出ているのかも。
トンネルを抜けると中国道を跨ぐが現時点ではJCTの整備中、更に進んで朝田ICで終点となり、ここからは旧道のr204を更に北上。維新公園前でまず1人を降ろし進むは中原中也の出身地としても知られる湯田温泉街、湯田温泉通で1人が降車。更に進むと県都中心部へ。センタービル前で1人が降りると左折、右手には特異な塔で知られるサビエル記念聖堂が。ちょうど20年前に焼失し再建されたのが1998年、もはや周囲に溶け込んだ存在のようだ。
県庁前に立ち寄るも降車なく、駅前通りの銀杏並木を潜ると山口駅終点。当方ともう1人を降ろすとバスは駅前で小休止、10:06発便で2人を乗せ再び空港へと戻っていった。


開業時点では来年3月末までの運行とされており、山口空港ターミナルビルのリリース記載の一文が全てですが、10月に開催された「おいでませ!山口国体・山口大会」アクセス整備の一環というのがその正体といったところ。ただ空港勤務者誘導策か定期券が設定されるなど継続運行の可能性も? はてさてどうなるでしょうか。

山口宇部空港

ところで山口宇部空港では空港乗合タクシーが3路線設定されており、2007/11からは空港内に3社共同で案内所を設けるなど積極的ですが、うち大隅タクシー「空港エクスプレス」は山口市旧市内および湯田温泉が対象エリア。運賃は2300円、前日18:00までの事前予約制ながらドアtoドアはやはり魅力かと。むしろバスは湯田温泉通~県庁間が1400円、山口駅が1500円。新山口駅までが870円、JR山口線乗継で山口駅まで1100円というところからしてちと割高設定かなという気も…乗合タクシーにある程度配慮したものかもしれませんが、いちげんさん的にはどっちつかずの印象を受けてしまいます。
少なくともバス路線としてはなかなか厳しい様相、単純に新山口駅系統の一部延長辺りが落とし処ともみますが-その意味では是非秋吉台方面等を含めた延長スタイルに期待! あ、これは当方がたまたま次の移動先がそうだった(かつ接続が微妙だった)ということもあったりするのですが。

■リエッセ怪走も…萩・石見空港連絡バス

山口県内の空港連絡バスでは、2006/03の北九州空港移転に伴いサンデン&西鉄バス北九州が下関・門司港系統を設定。山口宇部空港利用促進を図る地元行政とのスッタモンダも取り沙汰されたことがあったが、結果的には利用が伸びなかったのか2011/03限りで運行終了となっている。石見空港
あともう1つ“越境路線”があり、それが萩BCから石見空港・益田駅を結ぶ路線。石見交通と防長交通がそれぞれ1往復を担当している。石見空港は1993/07に開港、2002/03に「萩・石見空港」との愛称名を定めるなど活性化を図るものの厳しい利用状況が続き、1997/07から基本2往復体制だった羽田線が2002/12に1往復化、更には2011/01には伊丹線が廃止されている(その後2011年夏季には季節運航)のだが、バスは現在も2往復が維持されている様子。ただし実質的に羽田便接続の午前運行にシフトしているようだ(防長交通サイトでは記載あるも、石見交通サイトにはなし)。

空港見学を目的に当方が乗ったのは2010/01、伊丹便が夕方運行だったので午前・午後とバランス良い?ダイヤの頃。石見&防長での運行というのは承知していたが、萩BC(セソターではないっ!)に現れたクルマを見て驚いたーリエッセではないか! 直前に広島行高速バスと津和野行快速バス(中型車)を見送っていたことと、続々人が乗り込んでいくのにしばらく戸惑いが…当方が記憶する本土主要空港でのリエッセ空港連絡バスは2002年夏に岡山空港~津山線金川駅間のシャトルバス実験で見かけた中鉄バスくらいだろうか。後で調べると、羽田線接続の石見交通便では中型車以上が使われているようだが、やはり伊丹線は利用が低迷していたのか防長交通便は基本リエッセだっだそうで。
とはいえ東萩駅でも数人が乗車し、座席はかなり埋まるほどの乗りに。ここからはR191を北上、日本海をしばし眺める。萩市から阿武町に入ると1991/10の実験施設からとなる“道の駅発祥の地”道の駅阿武町がある。

石見空港

空港連絡ということで主要停留所のみの停車だが、奈古駅前までにバラバラと降車、宇田郷で婦人1人と当方を残すだけ。そして再び萩市内となった須佐駅前で婦人が降りると当方のみに…次の江崎本町で婦人1人が乗車し全区間貸切は免れた。この旧須佐町・田万川町エリアは益田経済圏といったところで、石見交通も須佐まで路線が延びている。
そろそろ夕景となってきた日本海をしばし見つめつつ島根県入り、R191と別れ山陰線を潜ってしばし、石見空港に到着。当方のみ降車、伊丹便は到着前で乗車なく、婦人は益田駅まで乗り通していった。空港内にはパラパラと人が集まりつつあったが、到着した伊丹便から益田駅行連絡バスに乗り継いだのは2人だけ。駅から折り返してきたリエッセには乗車がなかったのだった。

 

  • photo:広島空港
  • 広島空港
  • 広島空港
  • 広島空港
  • 広島空港
  • 広島空港
  • 広島空港
広島空港

早くも次につながりそう! 広島空港~宇品線&平和大通り線■

広島空港連絡バス
より大きな地図で 広島空港連絡バス を表示

1993/10の広島空港移転から運行されている広島空港リムジンバス。当初設定されていた尾道線は渋滞に阻まれ2009/10に廃止、そこそこな距離を下道で進んだ呉市交通局単独による呉線も2011/03限りで運行終了と書くと先細り感が否めない感じも?
独り気を吐く広島線は5社共同運行も統一デザインを採用、当初1系統だった広島BC系統と広島駅新幹線口系統を2003/04に分離し、高頻度運行により山陽道では目立つ存在となっていますが、その山陽道こそがネック。特に1000円高速開始後には大渋滞による定時性への影響が強く懸念される事態となったことから、2010/08から「広島空港リムジンバス運行状況メール配信サービス」がスタート。鉄道では同種サービスがポピュラーとなっていますが、バスでは類例がほとんどないのでは?

そんな中、利便性向上として2011/12~2012/02の3ヶ月間、広島空港リムジンバス社会実験が実施されることに-平和大通り線・宇品線の2路線を設定するもので、『つながる。ダイレクト広島空港。』のコピーも気合が入っています。
平和大通り線はその名の通り広島駅新幹線口系統を延長するもの、宇品線は広島高速をまさしく宇品までダイレクト、終点のグランドプリンスホテル広島では3日間無料のP&Rが実施されています。

運行本数は平和大通り線が3往復、宇品線が5往復。当方の都合もあり、朝イチの平和大通り線空港行便の白神社始発場面を見送って、GPH広島から宇品線に乗り空港まで向かうこととした。まずは広島BCでPASPYを購入、2008/01導入開始でICOCAとの片乗り入れ(ICOCAでバス等利用が可能、PASPYは鉄道非対応)も行われているご当地ICカードだが、個人的に全国共通化が進む現状で買い増す主義ではないものの、空港連絡バスでも使用可能で10%割引は魅力だ-ちなみに広島線であれば2360円となる往復割引がある(2路線とも同じ片道1300円なので使用可能か?)も、PASPY利用のほうが20円おトクとなる。
広島BC最寄りの紙屋町交差点から鯉城通りを10分少々歩くと平和大通りとの交点である白神社交差点へ。白神社(しらかみしゃ)は戦国時代前の創建と伝えられ、海上の岩礁に白紙で航行安全の目印を立てたところから始まるとされる由緒ある神社、被爆遺構を伝えていることでも知られるが、周囲はすっかり高いビルとなり500年前ここが海であったことは想像できない。
平和大通り上のバス停には真新しい空港行のポールが建てられていた。10分前にリムジンカラーの広交車が到着。神社横にあるANAクラウンプラザホテルからキャリーバック片手の人がパラパラと乗り込み、最終的には7人が乗車して出発。平和大通り上にはあと2か所バス停が設けられているが、三井ガーデンホテル広島至近のお隣・小町バス停では乗車はなかった模様。ともあれ、時間的にちと中途半端かなとも思っていたのだが、まずまずといったところだろうか。

路面電車で広島港へ移動、電停では総勢10編成あるGreenmover maxが最大3編成タムロ…1号線集中運用故の光景だが、大屋根とのマッチングは絶妙だ。時間があったのでここから徒歩でGPH広島へ。2008年に1度宿泊したことがあるがいろんな意味で“プリンスやなぁ”と思った記憶がある。ちなみに今回、ホテルでは先述のP&Rによる周辺住民等へのアプローチの他、空港からホテルまでの片道利用がついた「リムジンバス付きプラン宿泊プラン」を用意するなど気合が入っている様子。
広島空港 バス停でしばし待機していると、こちらも広交車が入線…ちなみにGPH広島へは広島駅南口から紙屋町を経て広島バスが路線を伸ばしており、ホテル横の山腹に操車場を持っているが、広交車はホテル横のP&Rスペースの脇で待機していた。GPH広島ではやはりキャリーバック片手の人など5人が乗車。この日は月曜日、先程の平和大通り線もそうだったが概ね私服姿でゆったり帰る観光客だろうか。広島港で1人を加えると運転手氏は無線で乗車連絡、09:40空港発1便は港まで1人・GPHまで2人が乗車した由。

ここからは直ぐ広島高速へ。宇品入路から3号線で宇品大橋を渡り、仁保JCTから2010/04開通の2号線を北上。直後に潜る橋は東洋大橋、1965/12に架橋されたマツダの工場間連絡「私道」だ。防音壁が高く広島市街の展望はイマイチだが、眼前にイオンモール広島府中が見えてくると山陽新幹線をぐわんと潜る。そういえばこのイオンにはMOSDO1号店があるんだっけ。その先にはJR貨物広島車両所、奥には山陽新幹線の広島支所も広がるが、この先の1号線は山肌を縫うルートに。2006/10に山陽道と直結し、広島駅新幹線口系統の所要時間短縮を実現した経路だ。広島港からここまで20分足らずだが、空港まではまだ35kmある。
山陽道に入るとさすが高速バス銀座、リムジンバスを中心に福山線ローズライナーや芸陽バスなどと離合が続く。車内はマッタリムード、前面上には見えるラジオの文字情報が流されているが、合間に入る宣伝ではJAL・ANAに加えて「最速3時間48分!!」を売り込むJR-Wと競争の激しさが伺える。あ、このリムジンバス宇品線の告知もP&Rを含めしっかりなされていた。
山陽道も20分強で駆け抜ければ最終コース、広島空港には定刻より5分ほどの早着。直近には12:55発の羽田行ANA便があるがさすがに接続的には微妙で急ぐ人はなし。その次は1時間空くので、ターミナル内も昼下がりの穏やかな空気感に包まれていたのだった。


両路線ですが時間設定が中途半端な気がしていたものの、少なくとも当方実見時では期待が持てそうな気がしました。
まず平和大通り線ですが、広島駅・広島BC双方から微妙な距離感のあるエリア、しかもシティホテルが揃っていることもあり、加えて既存の広島駅新幹線口系統の延伸スタイルということで難なく進みそうかと。むしろ現状3往復とずいぶん控え目なのが引っかかりますが…既存停留所を活用しているためいちげんさんにはピンと来ない感じもありますが、副称で最寄りホテル名等をつけてあげるのも一考かと。無論、できればホテル玄関まで乗り入れることですが、まさに平和大通りでは幅員がゆったり取られているがためバスの出入りにはちとしんどい面もあるのかなと。
それこそ平和大通りを真っ直ぐ進めば西広島駅(己斐)に至るわけで、広島駅新幹線口を介さずR2に出て東雲出入口から広島高速に至る単独系統すら、という色気も出るのではとも思ったりしますが、素人考えですかねぇ。広島線が5社共同運行という辺りから調整が難しいのかもしれませんが。

次いで宇品線、こちらは5往復、空港行早朝便も2本設定されるなど、ホテルだけでなく宇品地区からの利用を伺っているのかなとも思えますが、P&Rの意欲は買うものの位置的にちと奧まり過ぎているきらいもあるかなと。航路連携もあるのでしょうが、路線成立にどれだけ寄与するかと。市内における定時性確保は期待されるので、個人的には元安川沿いに市役所方面に上がってみるのも…とも思ったりしますが、うーん…ま、まずはプリンスホテルの頑張りに期待でしょうかね。

■やはりハードルが高い?…高坂BS乗継を考える

広島空港到着後、市内ではタイミングがなかったお好み焼きで昼食。ちょうど沖縄からのANA便に加え羽田からのJAL・ANA便が相次いで到着し、到着ロビーが一気に賑やかになったのだが、流れの大半は広島線へ。13:20~14:10まで広島駅行が6本、広島BC行が4本出発してゆく。いっぽう13:15発の三原行はタイミング的に若干早く1人だけ、そして13:35発の福山駅行トモテツ便には4人と寂しい限り。
当方の広島空港初利用はちょうど10年前、やはりトモテツ便で午前便ということもあったがもっと乗っていたような気が。
高坂BS 岡山空港の機能強化に伴う「ももっちライナー」(2006/09開業、ただし利用が伸びず2008/01廃止)なんてのもあったが、やはり2003/10以降の「のぞみシフト」進展による新幹線との競合が大きいものかと。
ところで10年前は高坂BSでリードライナーに乗り継ぎ、神辺から井原鉄道に乗ったのだが、今回は乗り継ぐ人はなし。乗継専用という珍しい高速上BSなのだが、ちょうど当方訪問の翌日にこんな記事が…。

Webからは記事が落ちているので要約すると、讀賣記者が尾道から空港に行こうとしてフラワーライナーに乗ったものの、気付けば中筋駅まで来てしまった…というもの。空港から尾道に行こうとして迷ってしまったという三原出身のジャーナリストの話を交えつつ、それぞれ事前にネットで検索していたのにいざ乗るときに判り難いという展開で、自身で運転手に確認すべきであったとしつつ『反面、旅客が増える年末年始を控え、利用者本位の案内になっているかどうか、陸海空全ての運送事業者に再点検を望まずにはいられない』と結んでいる。注目すべきは中国バスへの取材で、年に何度か誤乗があり、『「目的地に輸送できなかった」責任から、運賃を受け取らないよう、運転手に指導している』由。ちなみに讀賣記者の場合は、中筋駅から空港へ向かうバスの運転手が運賃の一部を返してくれたそうで…中国バスは広島線には絡んでいないので、共同運行社としても何らかのルールがあるのではと思われるし、すなわち誤乗がそう珍しくないということなのだろうか。

広島空港

ジャーナリスト氏が間違えた理由として記事にも付けられていた写真と同じものがこれ。空港ロビーには自券機の手前に各方面への運行案内表示が立派に置かれているのだが、先述の通り尾道線は2009/10に廃止となっているところ、文字を隠すように三原か白市までバスで出てJRへ、という貼紙がなされている。その一方、空港サイトでは高坂BS乗継も触れられており、尾道・因島という文字がそちらに入っているので判り難いというわけ。讀賣記者もここを見たものの、「乗継」であることに気付かなかった由-国内の空港サイトでのアクセスページについてはまた一言あるところだがそれは又の機会として、確かに広島空港サイトを見るとそうかなぁとも思うが、まさにココがバスに乗り慣れているかどうかで大きく変わってくるポイントだろう。
乗換検索系の路線バス対応が競って進められている現状、事業者としての情報発信の質量が問われつつあると考える一方で、それこそ各地で児童生徒向けの「バスの乗り方教室」が行われている時代、まさしく手取り足取り教えてあげなければならないのかな…という思いにもとらわれる。ま、この辺りはボタンの掛け違いというか、事業者側のもう一押しでかなりカバーできるのではとも思われるのだが。

先に触れたように周辺環境の変化もあり、高坂BSの存在が開港当初と変容してきたという現状も。個人的には高速バスと空港連絡バスのそれぞれのネットワークのマッチング-言葉を換えれば効率化ということになるのだが、高速BS上乗継を推奨したいなと思っている分、なかなか難しいのかなと考えさせられたのだった。

 

地元にとっては長年の夢であった岩国基地軍民共用化-岩国錦帯橋空港の開港が2012年度に予定され、ANA羽田線の就航も決定しています。山口県にとっては県内2番目の空港となり、広島市からの距離は広島空港とほぼ同距離、宮島等観光流動への効果も期待されようかと。その一方で山口宇部空港と北九州空港でそうなったように空港間の競争激化、特に新幹線という存在も絡んで混沌としてくるかもしれません。
広島空港リムジンバス社会実験はまさにそれを見据えた一策だと思われますが、山陽道の信頼感という根本は変わらないものの、市内アクセスの多様化は評価できますし、チラ見ながら利用者がついていることも感じられたのは今後が楽しみです。
となると岩国空港アクセスがどうなるか。岩国駅・錦帯橋方面は当然として、宮島方面や徳山方面を考えると山陽道岩国ICまでの距離感が…となれば鉄道との連携が!と思うのですが、JR-Wは2012/03ダイヤ改正で広島都市圏ダイヤの更なる減量化を発表。岩国空港の発着数がさほどでないということがあるにせよ、空港と絡めた展開がなされるかは望み薄な気もします。

山口県全域に目を移すと、山口宇部空港から秋吉台や萩・津和野方面へのアクセスが乗合タクシーに限られているのが公共交通流動の弱さを感じさせるのですが、その意味で岩国空港のインパクトも限定的になろうかと。国体にあわせ高規格道路整備が進められたとはいえ全県ネットワークとしてはこれも大きいものとは云えず、インフラ整備のバランスの難しさを改めて思い知らされます。とはいえ出来るものは活かさねばなりません。その一石が山口宇部空港~山口市内線ということになるわけですが…来年の動向がまず焦点となりましょう。

厳しい広島/残った山口

投稿者---551planning (2012/03/15(Thu) 15:20)

予想に反して結果は逆だったようで…。

去る2月末まで3ヶ月間の社会実験運行が行われていた広島空港リムジンバス。すわ延長運行?なんて気にしていたのですが特段情報なしということでもしやと思っていたら、平和大通り線で2.8人、宇品線で2.7人と当方としては予想外の低調だった由。勢圏の狭い宇品線はさもありなんと思いつつ、平和大通り線が意外な気も。PR不足や帰還中のホテル利用低迷等が要因との分析がなされているようですが…今年も秋の観光シーズンに別路線で社会実験予定との話もあるようですがどうでしょう。

で、こちらも特段情報がなかった山口宇部空港~山口市内線ですが、航空ダイヤ連動の03/25改正が中国JRバスにて発表されており、6往復のまま継続運行の様子。県や市サイトなども浚って見たのですが利用状況は不明…広島空港ともども、次は岩国錦帯橋空港オープン時が注目ですね。

おしい!広島空港リムジンバス社会実験…次はまさかの発着点!

投稿者---551planning (2012/05/10(Thu) 11:54)

続報というか確定報。

結局3往復の平和大通り線が1507人=行3.3人/発2.3人、5往復の宇品線が2456人=行2.8人/発2.6人という惨憺たる結果。ただし、ホテルチェックアウト時間の空港行は5.0人・4.0人と利用があり、ジャンボタクシーでの運行を民間業者に働きかける由。少なくとも平和大通り線は既存路線の延長スタイルなのでさほど抵抗はないのかなとも思ったのですが…それにしても前回2路線で県・市から各1千万とは、社会実験とはおカネが掛かるもんですな。

で、広島市サイトを見ると、今秋予定ありとされていた別路線概要が!

運行予定は9~11月で4往復、広島空港から西風新都を経由して広島高速4号を駆け下り観音エリアに向かう計画。その発着点は-「広島西飛行場」。今年末で廃港・ヘリポート化が決定していますが、ここに持ってくるのは用務需要を見越しているのかどうなのか…。

山口も厳しかった

投稿者---551planning (2012/05/14(Mon) 14:05)

やっぱり厳しかったんですね…え、下関線も?

(下記別記事にて)既報の山口宇部空港「乗得バスキャンペーン」に絡めた記事ですが、山口駅線は採算ラインが7~8人/便のところ山口国体時で4人、最近は3人程度の由。試験運行は8月末までとのことですが…。驚いたのは下関線も5人程度だとか、高速経由のため採算ラインも15人程度となるので厳しさが判ります。いつも見ているのが朝イチ便ということもあるのでしょうが、平均するとそんなに少なくなるんですかね。
やはり理由はカンタン、駐車場無料ゆえ。『空港への連絡バスはすべて厳しい状況。キャンペーンを通じて利用を呼び掛けたい』と県担当者は話しているそうですが。

テコ入れも新たな懸念点が

投稿者---551planning (2012/10/15(Mon) 22:14)

1年間の試験期間を超えていた空港連絡バス山口線ですが、リポートで『単純に新山口駅系統の一部延長辺りが落とし処ともみますが』としていた当方としてはようやく、といったところなのですが…。

10/28からで、新山口駅経由化により山口駅からは8分延着という関係性に。なお、山口駅~新山口駅間の区間利用はできません。
そこで1点気になるのは同区間に設定されている宇部市交通局特急バスとの関係性-運賃は同じ870円、空港発は到着便を待つ形になりますが定時では宇部市交便が基本早め設定のところ16:20発と21:15発は完全バッティング、空港行に至っては06:35・11:40・15:30発が完全バッティング、17:35発は3分後に宇部市交便がという微妙な関係性に…バス停位置等で宇部市交が優位とは思われますが、この辺りの整合性というかをどうするでしょうかね。

上に戻る▲

忘れた頃に「平和大通り線」誕生!

投稿者---551planning (2013/02/19(Tue) 11:12)

非常にびっくりすると同時に、何だか嬉しいですねぇ。

広電が広島バスセンター線のうち4往復を平和大通りまで延伸。2011年の試験運行時は広島駅新幹線口系統の延伸でしたが、今回はBCから鯉城通りを南下後平和通りを東進して駅前通りに入った先の平塚町までの4停留所に停まります。沿線10ホテルによる「広島平和大通り活性化ホテル協議会」が昨年4月から検討してきたそうで、7割程度の客室年間稼働状況から1日あたり宿泊者200~300人が空港利用者と試算、PR次第で採算が取れると判断したもの。年間7~8万人の利用を見込み「今回は行政に頼りきりにならず自ら動いてホテル利用客・市民の利便性を図りたい/目指すのは4往復の黒字化ではなく本数アップを目指したい」(TSS)と会長の鼻息は荒そう? 各紙とも触れているように試験運行時は平均2.8人と惨憺たる結果だったのですが、個人的にはリポート時に筋自体は悪くないのではとしていただけに、至って勝手ながら何だか擽ったい心境であります。

惜しむらくは運賃が200円アップの1500円となる点でしょうか。赤字が出た場合には各ホテルが規模負担となるためもあるのですが「ホテルの強みを生かし、宿泊客に直接PRしていきたい」とのコト、であるならばバス停名を変える(副称等付ける)などの別の方策もお願い出来ればと思います。

上に戻る▲


宇部近辺の都市間バスの「変化」から

投稿者---551planning (2012/05/04(Fri) 17:54)

久々に山口宇部空港サイトを見たら、いろいろとネタが出てますねぇ。

前者はいろいろパターンを変えつつしばしば行われているもの。これまでは北九州空港との競合から下関線が中心だったところ、山口/新山口線や宇部市内線も対象となり、飛行機に乗らなくてもバスに乗れば応募可能とハードルが下げられています。
で、後者なんですが、当方も昨年試乗した山口線との連動企画。7月末までP&Rができるというものなんですが-添付図には「バス停まで徒歩7分」の文字…蛇足ながら空港駐車場は夜間閉鎖ながら1500台無料となっています。

宇部地区都市間バス
より大きな地図で 宇部地区都市間バス を表示

***
ところで山口線の試乗記で、中国JRバス&JR九州バス「福岡・山口ライナー」(以下FYL)と山口からの下関線、宇部小野田からの小倉線というサンデン交通2路線を紹介しつつ『停留所などそれぞれビミョーなズレがあったり…』と記していたのですが、今春に一部変化が。
先にルートを紹介しておくと、サンデンの山口~下関線は小郡IC~小月IC間で中国道経由、美祢・美祢西の両ICにもバス停があります。いっぽうFYL(左図赤線)は新山口駅新幹線口・宇部新川駅を経由し宇部ICから、宇部小野田からのサンデン小倉線(同青線)は宇部新川駅から市街地寄りの宇部中央を始発として小野田ICからそれぞれ高速入りするルート。ちなみに空港連絡バス下関線は、山口宇部道路を北上して宇部JCTから小月ICに向かうカタチとなっています。

さて変化その1ですが、FYLの04/01増便改正。6往復から8往復と2往復増えるのですが、うち1往復は「たいよう号」の夢破れ?2度目の転身となったJRQB虎の子の真っ赤なDD車による山口直行便。中国道を進んで53分もの時間短縮、美祢ICにも停まります。また山口駅05:07発便も新設。宇部は経由するものの新山口駅には寄らず山口宇部道路を直行することで時間を稼ぎ、博多BTには08:30前の到着となります。
片道宇部まで2500円、山口まで3000円のところ4枚回数券では1枚あたり12%引き、そして7日前までの期間限定早期購入割引「早売7」で全区間1540円と爆安設定も。「山口ライナーでイコーヨ!」と誘っていますが、増便設定は11/30までの期間限定。延長されるかがひとつのポイントになろうかと。

変化その2は、サンデン宇部小野田~小倉線の05/31終了。もともと2003/07からサンデン&西鉄共同運行による12往復での試験運行だったのが翌年にサンデン単独6往復となりそのまま推移。2007/08からは、それまで越境路線ということでか使えなかった山口県共通バスカード(他社局発行分?)も使用可能になるなど利便性向上策も取られていたのですが微妙だったようで。

宇部地区都市間バス

実は当方、昨冬の訪問時にちょうど利用したのですが、夕方に宇部湾岸線の“ダブルデッキ構造橋”厚東川新橋を実見後に福岡まで向かう際、FYLの宇部新川駅17:11発(博多BT19:35着)ではちと遅く、鉄道でも微妙に時間を食う感じだったところにこの路線の存在を発見! 宇部中央までは微妙な距離感も、厚東川大橋西詰の東割バス停までなら歩けなくもないなぁということで即決となったのでしたが、16:40発便は宇部中央で5人、東割で1人、流川では乗車なく、小野田市役所前で3人を乗せて計9人。個人的にはこの時間にしては、とも思ったのですが。

ちなみに宇部新川~小倉間はJRで1150円のところ1000円、当方は新幹線に乗り継いで博多まで向かったのですが、それだとJRでは2250+940(自由席特急券)=3190円が1000+1110+940=3050円と若干おトクになったり…ま、これは小倉~博多間のJR-Wと-Qの運賃差が絡んでいたりするのではありますが。ともあれ、FYLの通常運賃2500円と比べて定時性が読めそこそこ快適という意味では面白い選択肢だなと改めて思ったりもしたのですが、小倉駅での乗降場所が駅ビルから1ブロック離れた「小倉駅入口」というのも勿体無いかなとも…始発地は紫川の先、ちょうど2003年にオープンした室町リバーウォークとなっており、現行ダイヤも日中主体という辺りを含めて小倉中心部接続ありきということだったのでしょうが。

***
ところで、空港連絡バス下関線は先に触れたように小月ICから下道経由。これがそこそこ時間を食う印象の上、少ない利用機会において利用の大半が下関中心部だったことからするとせめて下関IC経由の速達便なんてのを期待したりするのですが…ちなみに運賃はというと片道1420円-去る04/18から、同社15年ぶりの運賃改定により20円値上げされています。これだけでも同社環境の厳しさの一端が伺えますが、「他社競合路線や高速バスは運賃据置」といった辺りを見るにつけ複雑な心境を覚えたり。
小倉線の設定は試験運行からのスタートや“戦略的”な運賃などからして地元要望からとも思えるところ、空港連絡バスや2001/10運行開始のFYLを含めた路線展開というのは考えられなかったものかなと。確かにそれぞれ性格が異なる上、事業者の絡みなど微妙な点もいろいろあるわけですが…。その意味では、去る3月ダイヤ改正におけるJR-W小野田線減便“修正”-なんてのもあったわけで、地域として深刻に考えなければならない局面にあるとしても過言ではないと思うのです。


ご意見は【検証:】常設板までお気軽に!

上に戻る▲

アクセス解析

Valid XHTML 1.0 Transitional

正当なCSSです!



copyright © 1998- Unlimited Liability Company 551planning All rights reserved.

テンプレートのpondt