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isumi

“多様性”がもたらす非効率-千葉・夷隅地域の高速バスへの直言

1997/12の開通から14年目を迎えた東京湾アクアライン。2009/08からの普通車800円等の通行料金値下げ社会実験の期限が2011/03末と迫っており、今後注目が集まろうかと思われますが、【検証:】として注目するのはやはり高速バス。2010/11にも五井新宿線(小湊鉄道・小田急シティバス)が開業するなど、まだまだ展開を見せそうです。
そんな中、つい先日ある体験を機に、是非考えて頂きたいと思うことがありまして…まずは長くなりますがその体験から。

isumi

2010/12上旬、ひょんなことから本業で千葉県市原市と大多喜町へ往訪する機会がありました。クルマでもと思ったものの、折角ならば?と房総半島横断乗車券で小湊鉄道からいすみ鉄道へ乗継(大多喜まででも通常運賃より若干安い)。大多喜駅にはつい先日輿入れしたキハ52が早速整備中でしたね。
大多喜からは帰るばかり。そのままいすみ鉄道で大原へ出ても良かったのではありますが、どうせなら高速バスでもと同行者に提案。打合せもあったのでバス停近くのガストでしばし暖を取ったのでした-大多喜の高速バス乗場は、駅から東方に1km弱ほど離れた、R297(大多喜街道)上の「おおたきショッピングプラザオリブ」脇。周囲にはロードサイド店が集まっており、いかにも地方の“バイパス道路沿いにある風景”が展開していました…その意味で言えば大多喜駅前も古く城下町の風情を残すものの、裏を返せば活気に乏しいということもできようかと。いすみ鉄道も多分に意識してかオリブから200mほど北方に2008/08、同社として初となる新駅「城見ケ丘駅」を開業しています。

千葉夷隅地区高速バス路線図
より大きな地図で 千葉夷隅地区高速バス経路図 を表示

大多喜を通る高速バスは2系統。厳密に云えば片方は“乗継便”というスタイルなのですが、2002/04に運行を開始した上総牛久駅~大多喜・勝浦便(小湊鉄道:以下牛久接続便)がそれ。2000/12開業の羽田空港連絡バス茂原線(京浜急行バス・小湊鉄道)に接続、2003/03には茂原線延伸により横浜へもアクセスが可能となっています。
もう1系統は羽田線に遅れること4ヵ月後の2002/08に開業した浜松町・東京駅八重洲口前~小湊・御宿線(京成バス・鴨川日東バス:以下小湊御宿線)、こちらは直通ですが、2007/06に木更津金田バスターミナルに停車・乗降が可能となり、翌月に一部経由化された羽田空港連絡バス木更津線との乗換も可能となっている…というのが興味深い点、実はこれが本論のポイントにもなるのですが、それは追々ということで。

話を戻して、その時点で利用可能だったのが16:30発牛久接続便(羽田空港18:10着)と16:40発小湊御宿線(東京八重洲18:15着)。同行者とも東京城南方面へ戻るのでどちらでも良かったのですが、ぱっと見の時刻が大差なかったのと乗継は面倒との思いから鴨川日東便をチョイス。ちなみにいずれも運賃は2000円、羽田空港からの移動を考えると東京駅(もしくは浜松町駅)からのほうが動きやすくかつ余計なコストが掛からないという考えも頭の片隅にあったのでした。
というわけでちょっと早めにオリブ向かいの道路脇バス停へ-と、既に数人が待っていました。まずやってきた牛久接続便小湊車にはバック片手の男性1人が乗車、先客は数人といったところかと。次いでやってきた小湊御宿線鴨川日東車には我々2人のほか女性を中心に4人が乗車。先客も5人ほどいたほか、この先の鶴舞と高谷でも数人を加え、そこそこ乗っているなと感じました。

が、誤算だったのが木更津北ICからいよいよ高速に乗ろうかという場面。IC手前の案内板には「空港中央~浜崎橋 渋滞50分」の文字が! 原因は忘れましたが、渋滞にしては長いほうかと。必ずしも帰りを急いでいたわけではないのですが、これなら羽田でも良かったかなぁと。
…と、ここで思いつくのが、金田BTで“逃げられる”-と。しかしながら運賃は前払い、仮に「やっぱり金田BTで降ります」と申し出ても運賃差額払戻し云々で面倒臭い事になるかなと、降車ボタンを押す気にはなれませんでした。

バスは快調にアクア連絡道を進み、木更津金田ICで一旦降りて金田BTを経由-案内放送はあったもののボタンは押されず乗車もなし、こちらの思いを知ってか知らずか、ターミナルの周回を猛然と走り抜けいざアクアラインへ…往路も利用しましたが、やはりクルマは確実に増えている印象を受けますね。トンネル内は淡々と進んでいると、脇を品川行日東車が追い抜き。時間的に17:20長浦駅発便でしょうか。乗り具合まで見ることはできませんでしたが、あっちなら所定で品川18:24着…乗り移れるものならば、とも。
その品川行とつかず離れず状態で首都高に入ると、おもむろに湾岸環八降り! そのまま環八を進行、TIATを横目にしたときには、まさにここで降ろしてくれないかと…無情?にもスルー、穴守橋は渡らずに空港西入口から首都高羽田線に乗ったのでした。案内板にはまだ浜崎橋先頭渋滞表示が出ており、分岐線で湾岸線方面へ進むクルマが多いためか、昭和島JCTから先はスイスイと進んでしまいます…と、品川行は平和島出口で降りてしまいました。てっきり勝島かと思っていたのですが、こちらは勝島も越えて-と、その先で渋滞に。鮫洲の免許試験場を見下ろす位置で海岸通りを進む品川行を見送りました。
本来のコースでもある大井JCTでの流入を受けた後は、天王洲アイルをのろのろと進みます。芝浦で降りるかという期待も空しく北上。芝浦JCT手前で空いたスペースを見つけて右側車線に移り、加速しながら浜崎橋JCTを抜け都心環状内回りへ-結局、東京駅到着はなんとか18時台には収まりましたが、所定より40分遅れに。とはいえイレギュラー経路を巧みなハンドル捌きで体験させてくれた運転手氏にはまず拍手ですが、到着時の遅延お詫び案内こそあったものの迂回運行時にも何かしらの案内が欲しかったかなとも。このあたり、無線等で指示があったわけではなかったので迂回判断は運転手に任されている-ひいては常連客には半ば常態化した対応になっているのかもしれませんね。

 

さて、ここからが本論なのですが、実は訪問直後の2010/12/18に牛久接続便がダイヤ改正されました。全5往復は変わらないものの2009/01に誕生した新経路・いすみ市役所経由便4往復が1往復に減らされ、既存の松野経由が4往復に戻っています。
更に、これまで羽田・横浜行利用者のみ利用に限定されていたところ、上総牛久・大多喜が乗降対応化となり区間利用が可能となりました。現実的かはさておき、牛久から小湊鉄道線を利用して五井・千葉方面へのアクセスにも使い得るということになりましょうか…なお接続利用と区間利用では運賃が異なっています(例:牛久~大多喜間=接続運賃500円、区間運賃680円)。これは同区間では路線バスも運行されていることから、区間利用はそちらに併せられたということかと。

改めて整理してみると、乗換によりいろいろな使い方が可能となる-いわば“多様性”が非常に興味深い反面、その実態は、というと非効率になってはいまいかと…であるならば、それぞれを整理してしまえば?というのが当方の提案になります。

東京方面行小湊小湊鴨日小湊京急鴨日京急小湊小湊京成京急
安房小湊いすみ07:2507:55
御宿06:0506:10||||11:00
勝浦※04:3506:1506:0007:4508:2011:10
大多喜05:0006:4506:5008:1508:4511:40
茂原||05:00||||07:00||||09:00||
上総牛久※05:2505:3007:1007:1507:3008:4009:1009:3012:05
木更津金田BT||07:2307:40||09:1009:53||12:3513:23
~東京湾アクアライン経由~
羽田2TB06:2507:50||08:30||10:2010:30||13:50
横浜駅06:55||09:00||11:00||
東京八重洲08:2009:5013:15
東京方面行京急小湊小湊鴨日京急東空鴨日小湊京急小湊京成
安房小湊13:5015:4019:20
御宿||16:00||||
勝浦※14:0014:1016:1016:0519:40
大多喜14:2514:4016:4016:3020:10
茂原12:50||14:40||||||16:4520:00||
上総牛久※13:2014:5015:1015:0517:0516:5517:1520:3020:35
木更津金田BT||||15:3515:4317:1817:35||||21:05
~東京湾アクアライン経由~
羽田2TB14:2016:10||16:1017:45||18:1521:30||
横浜駅16:40||||18:45||
東京八重洲16:1518:1521:45
東京方面発小湊小湊京成京急鴨日京急小湊小湊京急鴨日京急小湊
東京八重洲07:2510:0012:15
横浜駅07:00||||10:1511:25||
羽田2TB||09:50||10:4511:5512:10||14:40
~東京湾アクアライン経由~
木更津金田BT||08:0510:1710:40||||12:3712:55||
上総牛久※08:0508:1008:3511:1011:5011:5513:0013:2515:4515:50
茂原08:40||||||12:20||13:30||16:15||
大多喜08:3509:0011:3512:2013:5016:15
勝浦※09:0009:3012:0512:4514:2016:40
御宿||09:40||14:30
安房小湊09:2512:25
東京方面発京成日東小湊小湊鴨日日東京急小湊東空鴨日小湊
東京八重洲15:1517:5520:40
横浜駅||17:10||19:55||
羽田2TB||15:3017:40||18:2020:2520:50||22:00
~東京湾アクアライン経由~
木更津金田BT15:5515:57||18:3518:47||21:1721:20||
上総牛久※16:2518:4518:5019:0521:3021:3521:5023:05
茂原||19:15||||22:00||||23:35
大多喜16:5019:1519:3022:0022:15
勝浦※17:2019:4020:0022:5022:45
御宿||20:1022:40||
安房小湊17:40いすみ23:05

左記は牛久接続便・茂原線、小湊御宿線と羽田空港連絡バス木更津線(一部)の主要停留所時刻をまとめたものですが、相互補完的関係がベストなところ、有効時間帯という意味でか結果的に相互に近接したダイヤ設定となってしまっています。

前提として、小湊御宿線の木更津金田停車はあくまで京成&日東アクアライン系統(鴨川アクシー号、木更津・君津系統)の1グループという位置付けであり、羽田方面の乗換が考慮されたものではないということを念頭に置いておく必要がありますが、それを踏まえても時に絶妙、時に微妙な感じとなっいるなぁとつい…。

更に注意して頂きたいのは、上総牛久の停留所が2系統で異なっていること。例えば国際線深夜便利用でも使えそうな茂原線最終と小湊御宿線の最終が5分ズレということでつい連携可能性を期待してしまうのですが、小湊京急は上総牛久駅前まで入るのに対し鴨日京成は駅の裏手先となるR297上で、そもそも接続が考慮されているわけではないとはいえ、対東京神奈川方面高速バス乗場が異なるのは勿体ないというか優しくないというか…。

その意味で言えば、実は牛久接続便松野経由と小湊御宿線はともに大多喜街道を通るわけですが、それぞれの停留所設定自体が異なっていることもなんとも微妙な。完全に同一なのは「道の駅たけゆらの里おおたき」のみ。
鴨日京成が「勝浦駅」と名乗っているものの京成サイトによると駅ロータリーではない表記。安房小湊や御宿もまた然りですし、大多喜街道上の途中停留所も互いを牽制しあっているか?のようにズレています。そういえば大多喜オリブ前も互いのポールはなんとも云い難い微妙な距離感がありましたね。

牛久接続便には運行開始後(小湊御宿線開業前)に1度乗ったことがあるものの小湊御宿線は未見のため、机上の空論になってはとも思ったので、改めて実見しておこうかなと。牛久接続便の改正状況と、木更津金田BTでの乗換可能性を確認すべく、横浜10:15→牛久駅乗継→12:45勝浦14:10→15:35木更津金田15:43→羽田空港という行程を組んでみたのですが…。
  ※なお、以下では乗継考慮を「接続」、あくまでも乗降可能を「乗換」と表現します。

横浜・羽田空港→上総牛久駅接続→勝浦(京急→小湊)

試乗日は帰省ラッシュも本格化しつつある12/28、10時前に到着した横浜駅東口BT高速バス乗場には長い行列が。10:00ちょうどの館山行日東便こそ数人の乗りだったものの、10:10発の木更津行日東便はさらりと席が埋まった。尤も、一番乗客を飲み込んだのはTDR行京成便。やはり強い。
さて、10:15発の茂原行が間際になっても現れない。先に10:20発の羽田発富士宮行富士急静岡便が登場。横浜で数人を加えるもあわせて10人行かない程度だったかと…それにしても昼行便が増えたなと。しかも羽田経由便は座席指定制となっているところ、自券機がぽつんと置かれているだけ。インターホンがつけられており人的対応もなされるようだが、不案内としてしまえばそれまでで。ベンチや自動販売機はあるとはいえ、この日は風が吹き抜けることこそなかったもののやはり寒く、夜行便含めてやっぱり人的サポートが可能なYCATへの集約をずいぶん前から期待しているのだが。
なんてなことを考えているうちに若干遅れて京急車が入線。当方のほか老夫婦と若い男性、子供3人が乗車。子供は母親の見送りがあり、やり取りを見ているとどうも先に子供だけで帰省する様子。『早く来てね~』と若干おセンチに男の子が叫んでおりました。

交通量が多いながらも巧みなハンドル捌きで湾岸線を淡々と進み羽田空港へ。到着便とは異なり空港中央出路から2TBへと向かいここで3人を加える。1TBでは乗車なく乗車9人で確定。時間帯が中途半端なことを考えれば乗っているほうだろうか。
湾岸線をしばし戻ってアクアラインへ。渡りきった先で館山駅09:00発と思しき房総なのはな号JRBK便と離合、窓側を中心にかなり席が埋まっていた様子。直後には東京駅10:20発の同じくJRBK便を追い抜き、こちらは6割弱の乗りといったところか。その後木更津袖ケ浦の平地を駆け抜け、木更津JCTを直進し2007/03に開通した圏央道を1区間、木更津東ICへ。沿線は結構起伏に富んでいた。
R410を北上し高架でJR久留里線を跨ぎ、三高交差点を右折してR409房総横断道路入り。くねくねと丘越えルートを走り抜けると牛久の集落へ。ただでさえ狭い駅前通りでは正月準備の露天が並んでおり徐行進行にて上総牛久駅前に到着、それでも10分以上の早着と相成った。ここで横浜から乗った老夫婦と子供3人、羽田からの2人が降車。「よく来たねぇ~」とは孫たちを待ち受けていたお婆ちゃん、母親にセンチに叫んでいた男の子も少し気恥ずかしそうな様子を浮かべていた。ushiku

京急車はすぐさま発車、駅横の操車スペースに待機していた小湊車が据えられ、老夫婦が乗り込んだ。『ここからの乗車もできるようになったんで、出発までしばし待ってて下さい』とは運転手氏、「あれ、そうなの」とは飲み込み早そうな御夫人で、その後御主人にあれやこれやと説明を。当方も駅でトイレを借りつつ外観等をパチリ。ところで駅舎脇には路線バス関連の掲示物が張られており、「牛久駅~勝浦駅・小湊駅線のお知らせ」の横には「お客様から質問された場合の答え方」なる掲示物も…ま、確かにそのままQ&Aになるものなので手っ取り早く掲出するのも一計だとは思うものの。
結局牛久からの区間利用者はなく乗客2人で出発。細い踏切で小湊鉄道線を渡り、R297大多喜街道を南下。直後に御宿11:00発小湊御宿線京成車と離合、窓側がさらりと埋まっていたように見受けられた。その先では2012年度完成を目指す圏央道延伸区間の工事中、この辺りに市原南IC(仮称)が設けられる予定だ。

外は寒いものの車内は暖房が効いており、冬空の中の暖かな陽射しが眠気を誘う…が、その気も吹っ飛ぶヘアピンカーブを降りれば大多喜の集落へ。丁度城見ケ丘駅に到着するいすみ鉄道大原行き単行を見やりつつこちらは大多喜オリブ内へ…そういえば運行開始当初に乗った牛久接続便は牛久行きもこのオリブ裏手で乗降扱いをしていた記憶があったが、オリブサイトによるといすみ市役所経由便が新設された2009/01に牛久行のみ大多喜街道上に移されたのだとか。なお有料の駐車スペースも確保されてはいるのだが…。
ここでの降車はなく大多喜街道を南下。定刻通りに勝浦駅前着となり、乗り通した老夫婦は駅前通りへと消えていった。

勝浦→木更津金田BT乗換→羽田空港(鴨川日東→小湊)

勝浦では1時間強のインターバル、港まで歩くと強風に海辺は大時化となっていた。年末ながら人気の少ない通りを右往左往して良心価格の食堂を発見、日替わりのハラス焼定食を頂くが、鮭ではなくて白身魚、焼き加減もも中途半端で…折角海辺まで来たので魚をと思ったのだったが、であればただいま売り出し中の勝浦タンタンメンでも食せばよかったなと。
口直しを兼ねコンビニで一息入れた後、こんどは小湊御宿線で戻るわけだが、この「勝浦駅バス停」は先に触れた通り、駅前ロータリーから100m南の路上となっていた。そもそも勝浦をはじめ大多喜街道沿線は小湊バスのテリトリー、Wikipedia鴨川日東バス記事によると小湊御宿線はアクシー号の実績を踏まえ御宿町が路線開設を鴨日京成に要請した旨の記載があり、この辺りからも微妙な関係性が見受けられるような。
さて、まずは勝浦駅前で14:00発牛久接続便を見送り。最後尾を地元学生と思しきグループが占めており、あわせて6人の乗車で出発していった。その後東京行バス停に向かうと、キャリーバック片手の老婦人が待っていた。強い西日を受けながらしばし佇んでいると、定刻からちょい遅れて鴨日車が到着。「木更津金田まで」と運転手に告げつつ乗り込むとまずは鼻を擽る匂いが! 時間的に小湊から乗ったのであろう中学生グループと思しき10人ほどの団体が乗っており、昼食の弁当をかっ込んでいたのだった。

その他にも数人の乗客があり、15人程で勝浦出発。駅前ロータリーを横目にしつつ、大多喜街道を北上して行く。JR外房線を跨いだ先で東京駅八重洲口12:15発小湊御宿線鴨日車と離合、10人強といった乗り具合に見受けられた。中学生グループは何かの合宿だったのか、弁当を食べている間は賑やかだったが、その後は一様に眠りについていた。
さて同じ大多喜街道を経由する2系統だが、勝浦~牛久間で牛久接続便は3停留所のみのところ小湊御宿線は5停留所を設置。ともに「高速」を冠称する勝浦市内2停留所(武大入口・宿戸)では乗車がなかったが、大多喜町内に入ったたけゆらの里で若者グループ6人が乗車。大荷物をトランクに入れていたので何処ぞへの旅行か帰省か。
大多喜では1人乗車。ヘアピンカーブを駆け上がった後も淡々と進み、鶴舞でも1人乗車。ちなみに関東の駅百選にも選ばれている小湊鉄道上総鶴舞駅とはだいぶ離れており、むしろ市原南IC予定地に近い。上総牛久駅ホームを右手にロードサイド店が集まるエリアを抜けるも牛久では乗車なし。県立市原高校横の交差点をV字左折し小湊鉄道線を渡ってR409へ。この際ロングダンプが先行するかたちに。丘越えエリアものろのろペース、バスの後ろもかなりの車列が延びてゆく展開となった。

高谷交差点で羽田2TB14:40始発の茂原行京急車と離合、10人には満たない数だったかと。三高交差点を直進、この前後にもバス停が3つあり、木更津北ICから高速入りすることになるのだが、それよりもこの時点で定刻からそこそこの遅れ進行となっている様子、木更津金田BTでの乗換時間は10分足らずとあっていささか気になってくる。
東横田駅前でJR久留里線を越えると、横田集落の細道で対向車との離合にも一苦労。横田で2人が乗車し、中川橋交差点で房総横断道路を離れるも、結局ロングダンプはIC入口まで先行したのであった。
薄暗くなってきた中、袖ケ浦木更津の平地を駆け抜けてゆく。時間的には本当に微妙なタイミング、袖ケ浦BT方面を見やるも乗継となる京急車の姿はなく、ほぼ先行していることが確定…果たして木更津金田ICの先にその姿を確認。信号待ちももどかしかったものの、結局お尻に捉えつつBTに停車…と、扉は開かない。京急車も乗車が多くしばし停まっているので、運転席横へ進み「降ろしてもらえませんか」と尋ねるも、『バス停この先なんで、もう少し待ってくださいね』との悠長な返事-そう、金田BT内の乗り場は2つあり、先から東京行、羽田行きの順で、羽田行きが乗車扱いをしており更にその前にもバスがいたことから後ろにつけたまでのこと。onjyukuそれは判っていたのだが…「前の羽田行きに乗りたいんですが」と言ったと同時に眼前の京急車は走り去って行ったのだった。『え、そうなの?次直ぐあるんでしょ』との返事に「30分か1時間後にね」とつい若干の怒気を含んでしまい、逃げるように降車。結局ここでの降車は当方のみ、入れ違いに3人が乗車しバスは出発していった。

念頭には抑えてはいたが、改めて確認すると次便羽田空港行は30分後、ちなみに改めて東京方面の運賃を確認するときっちり差額分となっており、そのまま乗り続けていてもなるほど損はしないようになっている。
ともあれ時間ができたので隣のアクアわくわく市場を冷やかすも、通常日没という閉店時間前に多くの店がはや閉じており淋しい限り。一方で発着便は両方向あわせると分単位といっても過言ではないくらいやってくる。その中、東京駅八重洲口15:15発の安房小湊行京成車は30人以上の乗りながら、ここで10人弱が降車。ただしその前後の東京発便からも各10人弱が降りているほか、東京行にも数人単位で乗り込んでゆくことから、改めて求心力に感じ入った次第。
次便羽田空港行は小湊車、10人ほどの乗車に3人を加え出発。アクアライン上でも地場系に加え東空交車に小田急シティ車と多彩な離合が展開されたのだった。


改めて感じられたのは対東京駅ニーズの手堅さと、羽田空港アクセスとしても少なからず機能しているという点。やはりその意味では近接した時間帯に両系統が設定されているのは非効率ではないかなと。何よりも、停留所が分散しているのはいかにも勿体ないというか。
それらを踏まえつつ、現状の改善策を提案致します。

■直言1=両路線の発展的統合を

単純に考えると、横浜・羽田~茂原線(7往復)と小湊御宿線(6往復)の相互乗継が実現すれば解決するような気もします。ポイントは乗継拠点ですが、基本的に上総牛久駅がベターかと。駅前通りはいささか狭隘で、踏切の都合上東京/羽田方面行は両系統ともいったん駅北側から廻り込む形にはなるのですが、現行でも高速車が出入しているので問題はないものと。小湊御宿線の所要時間が延びることにもなりましょうが、5分程度かと思われます。なお接続方法は東京行→羽田横浜行、茂原行→小湊御宿行の片方向接続で足ります。
これで丸く収まればいいのでしょうが、小湊が割を食らうことにもなる意味では、大多喜接続でのいすみ方面接続便を考慮すべきでしょうか。いすみ鉄道乗継も考慮したいところですが、高速バス運行状況にも左右される分、確実な接続が求められることになりましょう。快適性もポイントにはなりましょうが、少なくとも大多喜いすみ接続便は大型車である必要性は低くなりましょう。安房小湊・御宿双方向の本数確保という観点でいえば、全便を大多喜接続としていすみ・御宿方面と勝浦・小湊方面とに振り分ける(勝浦経由御宿ルートは廃止)ことも考慮されましょうか…御宿町の反応が気になりますが。

■直言2=少なくとも両路線の停留所統一化を

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統合の是非は置いておいて、気になるのはやはり両路線での停留所のズレ。少なくとも牛久以遠では現状でも相互の統一化が図られるべきかと。特に大多喜ではオリブ駐車場のP&BR拠点としての強化を考えたいところですが、現状も有料(500円/日)なところ、営業時間外対応対策等もありいささか苦慮している様子も…この辺りは大多喜町も手伝ってあげてもらいたいものですが、いいものができてしまうと今度は統合時のいすみ御宿接続便等の利用にも影響しそうで何とも言い難いような。
なお統合が成った場合、こんどは牛久から先の3停留所から羽田・横浜方面への利用ができないままとなるのですが、ここは現状通りとして考慮外にもなりましょうし、木更津金田BTでの乗継強化に期待でしょうか。ただ小湊御宿線の金田BT乗継は対羽田方面以外にも考慮したいというか-すなわち、首都高渋滞時の回避ルートとしての機能なのですが。羽田でも良いのですが、やはりベストは木更津-品川系統の停車でしょうかね。ま、それをしてしまうと東京系統ニーズが少なからず品川方面に逃げてしまう可能性もあるので、何とも難しいですね。ちなみに先述もしていますが、乗車後の途中降車変更の柔軟な対応の明確化をまずは期待したいです。現金払い戻しが厳しいのなら、路線限定利用可能な金券での払い戻しはどうでしょうか。ともあれ、気軽に降りられる環境整備をお願いしたいなと。

●すべてが変わる?「(仮称)市原南バスターミナル」の展望

えらそうに書いてきましたが、このエリアでは本文でも触れたように、2012年度に圏央道が茂原長南IC(仮称)まで延伸予定であり、市原市は市原南IC(仮称)付近に道の駅型商業施設併設の市原南バスターミナル(仮称)を整備することとしています。これが実現すると、両系統の圏央道経由化による速達化や、経路外となる上総牛久方面接続等地域バス網の再編も促進されることとなろうかと。その点を考慮して小湊は茂原線や牛久接続便の停留所を抑えているのかもしれませんし、逆に小湊御宿線がどうするかも注目されます。
その意味では、市原南BTを乗継拠点とした統合が成されればベストだな、と考えるのですが、さて-。

 

実はこの両路線の関係性については2003年段階で【検証:】BBSでも取り上げられているのですが、先述したいすみ市役所経由便新設がすみ分けの模索とも見ていたところ、2年足らずで実質もとに戻ったのはなかなか掘り起こしにはつながらなかったのかと。一見新機軸に映る牛久・大多喜での区間利用対応化も、路線バスの縮退と連動しまいかと個人的には危惧するものがあるのですが。
ちなみに小湊御宿線は8往復で開業も、2006/09に6往復に減便。2007/06に木更津金田BT停車化、2009/11には開業以来対応されていた電話・ネット予約制が廃止となっています。これを裏返すとめったに満席にはならない-ということの証左ともいえようかと。いずれも路線安定化にはいささか苦慮している様子が見え隠れするような。そもそも論でいえば、御宿町が鴨川日東に路線開設を要請した云々も、小湊が難色を示した可能性が伺えます(尤も東京駅廻りの権益は京成が持つところ、その当時は京急-小湊、京成-日東ラインが形成されており、小湊を飛び越えて京成日東ラインに話が持ち込まれた可能性もあるが)。

ともあれ、乗継スタイルは高速バスネットワーク展開としても特徴的な事例でもあり、ひいては木更津金田BTと袖ケ浦BTの微妙な関係性にも通じる面があるのですが、是非とも多様性が利便性につながる効率化を事業者にはお願いしたいと切に願うものです。ま、こちらも2012年春開業予定の(仮称)三井アウトレットパーク木更津金田が何かしら変化をもたらす可能性があるのですが…。

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圏央道高速バス

投稿者---cojp4839future氏 (2013/03/25(Mon) 00:13)

こんばんは。圏央道の高速バスについて、かなりの具体的発表がなされてきております。市原鶴舞バスターミナルの施設も完成し、同ターミナルのホームページも開設されました。

茂原~横浜線が圏央道経由となるため牛久駅・笠森を経由しなくなるほか、これまで上り1本のみ運行されていた茂原~東京線が圏央道経由に変更となり、6.5往復運行されるようです。勝浦線は京成・鴨川日東・小湊の3社運行となり、小湊が参入し牛久駅からの急行バスと統合を図るようです。急行バスの代替として、勝浦線は鶴舞バスターミナルでの乗降が可能となるようです。このような形で、今まで2社が分かれていたものがわかりやすい体系にまとまったので、バスの運行の効率化につながったと思います。茂原駅発着路線以外にもその他の路線のうわさもあるようなので、今後の動向について注視していきたいと思います。

Re: 圏央道高速バス

投稿者---そとのひと氏 (2013/03/31(Sun) 21:31)

横浜・羽田空港-茂原線の時刻が「京浜急行バス時刻表」にて発表になっていました。

横浜駅; 07:00(小湊), 10:15(京急), 11:25(小湊), 14:25(京急), 17:05(小湊), 19:30(京急), 21:30(小湊)
茂原駅; 05:00(小湊), 07:00(京急), 09:00(小湊), 12:40(京急), 15:00(小湊), 16:45(京急), 19:30(小湊)

所要時間ですが、

横浜駅→(30分)→羽田空港第2ターミナル→(5分)→羽田空港第1ターミナル→(45分)→市原鶴舞バスターミナル→(15分)→長南駐車場→(10分)→茂原駅
茂原駅→(10分)→長南駐車場→(15分)→市原鶴舞バスターミナル→(40分)→羽田空港第2ターミナル→(5分)→羽田空港第2ターミナル→(30分)→横浜駅

市原鶴舞BTで変わる?房総エリア公共交通網

投稿者---551planning (2013/04/08(Mon) 18:00)

ようやく小湊が発表してくれました。

本日より地域路線バスの発着が開始されている市原鶴舞BTがやはりキーになります。
高速バスは3路線が発着、横浜・羽田~茂原線は経路変更、上総牛久駅と笠森は廃止されますが長南駐車場を新設し2箇所でP&R対応に。本数は6.5往復のままですが全便横浜駅発着となります。
東京~茂原線は新設。小湊6往復に京成が茂原行1便運行は、現在陸廻りで設定されている京成朝1便の送り込みを営業化したものかと。小湊故か金田BTは経由せず直行、東雲車庫まで。

そして東京~勝浦・御宿・安房小湊線も経路変更、全6往復に変更はないものの、京成が譲るカタチで小湊が1往復参入。市原鶴舞BTからはやはり圏央道に乗り、金田BTこそ経由するものの上総牛久駅や横田などが廃止になるのはちと気にはなる所。そして市原鶴舞BTは乗降可能で、羽田・横浜線との乗継もここに。その代わり勝浦急行が廃止されることとなりました。
【検証:】では2010/12に「“多様性”がもたらす非効率-千葉・夷隅地域の高速バスへの直言」と題したリポートで問題点を指摘したのですが、これが一応の解決を見ることに…地域路線バス含め時刻表を付きあわせてみようとは思いますが、市原舞鶴BTが房総エリアの公共交通網を一変させる可能性を有しているか、かなり興味が湧いてきますねぇ。


最新情報は【検証:】Wiki-南房総地域都市間・空港連絡バス展開状況にて
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