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さくら

Go Far West! 本土最西端の紀

乗り物旅好きにとって憧れのひとつに“極所探訪”が挙げられるのではないでしょうか。中でも日本の東西南北最端へのアプローチは初級とこそ云わないものの中級クラスのハードル感?でもあり、チャレンジした人も少なくないのでは。
とはいえ、ひとくちに最端といってもこれまたいろいろな基準があるもの。地理的な端部であれば宗谷岬や納沙布岬がよく挙げられますが、波照間島とともにあくまでも「一般人が到達可能な場所」であり、択捉島・南鳥島・沖ノ鳥島が“正式”な-というのもこれまたそこそこ知られた話でしょう。
鉄道駅で云えば、稚内と東根室は万人納得も、沖縄都市モノレール開業(2003/08)により最南端と最西端についてはいろいろと注釈が付くように…「駅」とすれば赤嶺と那覇空港ですが、いわゆる二条のレールのとするならば西大山でありたびら平戸口となります。更に最西端については松浦鉄道転換(1988/04)によりはじめて非JRの端部駅誕生となり、JR-Qは佐世保駅をJR最西端と称しています。

ところで、その佐世保市にはもうひとつ「最西端」があるのをご存知でしょうか…旧小佐々町(2006/03編入)の神崎鼻(こうざきばな)は、沖縄を含む島嶼部を除く“日本本土最西端”にあたります。本土端部としては宗谷岬・納沙布岬は云うに及ばず、佐多岬も自転車等での日本列島縦断などで(かつて通行を受け入れなかったロードパークの存在とともに)名前こそ知られた存在かと思いますが、いかんせん神崎鼻はさほど…かと-当方自身、2007/01の松浦鉄道完乗後にかなり気になる存在となったというのが正直なトコロ。今回、熊本訪問の折に足を伸ばしてみました。

改めて最西端駅-たびら平戸口駅/佐世保駅

先述の通り当方は2007年に松浦鉄道を完乗、その際たびら平戸口駅で降りて田平公園から平戸大橋を眺めたものですが、十数年前に訪問していた佐世保駅が高架化されていたのにも話には聞いていたとはいえ改めて驚き…コンコースの端にそこそこ立派とはいえちょこんとJR最西端のモニュメントが据えられていましたが、かつての風情を思い起こせば…なんてつい思ってしまうのは都会モンの身勝手というものでしょうね。
今回のたびら平戸口駅訪問はクルマでとなりましたが、2年半前とはほとんど変化なし。開業時からの在来車も一部はまだまだ頑張っていましたが、前回訪問直後に新型車両が運行を開始、駅舎内の鉄道資料館で販売されている各種グッズにも見て取れます。2002年のお召し列車運行にあわせ駅設備も一部整備された-とのことではあるものの、味わいあると云えばさもありなんながら、うら寂れた感じから現状の厳しさが伺えます。

たびら平戸口駅佐世保駅

佐世保市街地を走ることもあり転換当初は積極的な新駅開設等により黒字を確保、優良3セク鉄道のひとつにも数えられてきた松浦鉄道ですがここ10年程は赤字基調となっており、乗車人員も2000年をピークに漸減し2008年度には年間300万人割れ。「ミラクル清峰」ブームを受け2007年に最寄駅名を改称した県立長崎清峰高校が2009年センバツで悲願の全国優勝を遂げる-といった話題もありましたが、2003年のハウステンボス破綻をはじめ景気低迷や社会情勢の変化などもあり、特に観光客の確保に苦しんでいるとも。今年こそ龍馬伝で長崎が注目を集めてはいるものの、ハウステンボスも2度目の経営再建にとりかかったところでもあり県北までその流れはなかなか伝わってきていない様子でした。
市街地が続く佐世保~佐々間では終日20~30分間隔の高頻度運行が確保されていますが、西九州道佐々佐世保道路整備が進展しており、今年03/20には弓張岳を貫く佐世保みなとIC~相浦中里IC間が開通、4月からは福岡と佐世保を結ぶ高速バス「させぼ号」も一部佐々バスセンターまで延伸しています。佐々佐世保道路は今年度中には佐々ICまでの延伸も予定されており、広域流動の変化が松浦鉄道にどのような影響をもたらすのかが気懸かりですね。

本土最西端-神崎鼻

佐世保からR204で佐々町に入り、県道18号を更に西へ。再び佐世保市を進むこととなりますが、平成の大合併で北に大きく拡大した佐世保市は、住民投票で合併せずを選択した佐々町を結果的に取り囲む状態に。r18も佐々町のほかは全て佐世保市内になっています。途中真新しいトンネルを2つくぐりますが、昨年に開通したとのこと。そのほかのルートも幅員があり、比較的走りやすい印象です。
多くはないものの所々に神崎鼻公園はこの先との案内表示が出ており、楠栖小学校のしばらく先で大きな看板を左折してしばらく下ると「日本本土最西端のまち」とのプレートをつけた照明灯が並ぶ集落に。神崎天主堂を擁する静かな漁村を進むと漁港の傍らに看板があり、その先の丘上が神崎鼻公園となっていました。

坂道となっている遊歩道をしばし、右手に下る階段を下りると、狭い場所に日本本土最西端の碑がありました。独特なデザインの碑ですが、それにしてもロケーションが予想外というか、まさしく岩場の途中にあり、『本日は西海の潮騒と澄み切った青い海を心行くまでお楽しみください』と入口案内板に書かれている通り景色こそ良いものの、心行くまでに長居する場所ではありません…遊歩道を更に登ると丘上には、1991年に当時の小佐々町が稚内市・根室市・佐多町(現南大隅町)と交流盟約書を結んだ記念の「四極交流広場」という広々としたスペースがあるのでそちらで…ということにもなるのでしょうが。
神崎鼻 更に云えば、海上には平戸島やその他小島が望まれるため、最西端!という雰囲気というか制覇感というか、印象が薄まるのも惜しまれるところ。集落から公園入口までのアプローチもさしたることはないというか、至って普通の漁村という感じな上に若干迷いやすく、公園入口も防波堤横というシチュエーション…こればかりは致し方ないのですが。
とはいえ、夏休みとはいえ平日午後の中途半端な時間でも、クルマや自転車でやってきた数組と出くわしましたので、やはり最端への想いというのは多くの人を魅了してやまないのだと改めて感じ入った次第。

公園入口には「最西端訪問証明書をさしあげます」との案内がありますが、配布場所はクルマで10分ほど戻った小佐々行政センター、先程真新しいトンネルで抜けた場所の旧道部分とのことで省略。
r18に戻り平戸方面へ北上しようとすると、すぐのところにバス停がありました。西肥自動車(以下西肥バス)神崎入口バス停-ここが本土最西端のバス停となるわけです。両方向に木製のしっかりした待合小屋もありました。佐世保駅前・佐々BC~大加勢・江迎BCを結ぶ路線バスが終日ほぼ1時間間隔で運行されているため、公共交通アクセスのハードルこそ高くはないですが、バス停から最西端までは徒歩で往復1時間を見る必要があり、更に訪問証明書を受領したいとなるとかなり厳しいかなと。残念ながら集落内に目ぼしい飲食店等はなく、辛うじてバス停傍に売店があるので食料は事前確保が無難です(公園入口には飲料自販機あり)。

橋で結ばれた日本最西端-平戸島・宮ノ浦

遣隋使も寄港した記録が残るという、古くから対外拠点・海外貿易港として名を馳せた平戸島。戦国時代の南蛮貿易によって頂点に達しましたが、平戸大橋江戸幕府の鎖国政策によってその栄華は幕を下ろしたものの、その後も西方の重要拠点としての地位を保ちつつキリスト教をはじめとする西洋風俗が現在に至るまで残っています。
1977/04/01、架橋により本土と道路で結んだ平戸大橋は、1991年架橋の生月大橋とともに今年4月から無料開放されました。今夏には県が整備してきた千里ヶ浜海水浴場が「鄭成功記念公園」としてオープン、また今年はポルトガル船来航460周年・ポルトガルとの通商条約締結150周年にあたるほか、市が20年以上を費やしてきたオランダ商館跡復元整備事業が来秋に向けいよいよ大詰めとの報道も先日なされるなど、平戸観光は大きな局面を迎えているともいえましょう。

ところで神崎鼻について調べていると、平戸島の南端・宮ノ浦漁港の存在を知ることになろうかと-神崎鼻からさらに西に20km弱、“橋で結ばれた日本最西端”と称し、船や飛行機等を介さずに陸上交通機関で辿り着くことが可能な最西端となります。陸上交通機関、としたのは単にクルマだけでなくバス路線も通じているため。納沙布岬とのバス旅を敢行する人も少なくないようで…ともあれ今回はクルマにてアプローチします。
平戸大橋を渡りR383を南下します。地図で見る以上に大きな平戸島、まずは海岸沿いを進めば今年オープンしたという千里ヶ浜鄭成功記念公園、その先に鄭成功児誕石があります。当方寡聞にして存じなかった鄭成功なるは、至極カンタンに云えば江戸初期・明末期の華僑軍人といった感じで、その後清朝に対抗すべく台湾にて鄭氏政権を樹立しています。またの名を“国姓爺”、「国性爺合戦」と書けば、人形浄瑠璃や歌舞伎の演目として耳目にされたこともあるのでは。

本土最西端
より大きな地図で “本土最西端”マップ を表示

その後島の中央を進むルートとなりますが、「日本最西端24時間コンビニ」なる看板を発見! ファミリーマート平戸紐差店がそれで、平戸島内には2軒、生月島内にも1軒のファミマが存在…ちなみに真の日本最西端コンビニは沖縄県伊良部島、やはりファミマの宮古伊良部店となります。ファミマは宮古島市内に複数店舗があり宮古鏡原店が日本最南端コンビニとなる様子、どちらも24時間営業!
ところで平戸島内のコンビニとするならYショップ平戸草積店がファミマ平戸紐差店のちょっと先にあり、それゆえ「24時間コンビニ」と看板に入れたのでしょう。ただし“橋で結ばれた本土最西端”ならファミリーマート生月店のほうがさらに西にある感じ。ちなみに本土最西端とするなら西田平駅に程近いデイリーヤマザキ平戸田平店となるようです。

さて、コンビニがなくなっても集落はそれなりに続き、津吉町にはスーパーも。しかしその先の志々伎町で国道が終わり、志々伎湾を横目にくねくねとした県道19号線を更に進めば、平戸大橋から1時間弱のドライブにて宮ノ浦漁港に辿り着きました。時刻は丁度夕暮れ時、港の西端は消波ネットが高く聳え眺望はあまりといった感じでしたが、夕陽が穏やかな漁港を照らし出しはじめていました。

宮ノ浦宮ノ浦

「宮の浦」バス停は港の入口付近にありました。平戸方面からは平戸高校前、志々伎で段落ちとなっており、ここまでやってくるバスは1日6.5往復。おっ、時間的に丁度平戸営業所行終バスがやってくる頃ですね。そういや先程宮ノ浦手前の峠道の日陰でバスが停まってましたが、ダイヤ的に30分程待機していた様子。ちなみに宮ノ浦からはすぐ沖の高島までの航路がありますが、定期船ではなく釣船による渡船となっています。バス停周辺には五島方面への瀬渡しも手がける釣宿も数軒あり、立派な魚拓も貼られていました。
バスはr19を下りてくると漁港内で折り返し、停留所前でしばし停車…と、小学生の集団を乗せた渡船が着岸。親たちがクルマに乗せて行きましたが、バスへの乗車はなし。校外学習か何かだったのでしょうかね。
バスはカラで出発、これから2時間近くをかけて島内を北上してゆくことになります。そして静かになった漁港を夕陽が更に染めていったのでした。

宮ノ浦

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