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トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート2010-02

徳山駅

まちわびて、500系。

2010年2月28日、12年3ヶ月間に渡り東京~博多間を疾走してきたJR-W500系「のぞみ」が定期運用から撤退-東海道新幹線での乗車は過去帳入りする。
出張などがほとんどない本業の当方、私的中心の東名阪間移動はどちらかというと極貧の18きっぷ在来線移動か、さもなくばエアーでひとっ飛びや「エクスプレス早特」(しかもカード持ちの同行者に乗っかるスタイルで、IC早特になり終了…)での始発最終で、という感じで、500系にまともに乗った記憶はない。1度山陽新幹線内で区間利用したかどうかという感じなのだが、さあ残り1往復という段になってくるとえらく気になる存在となってきたのだった。

というわけで、半ば衝動的に動いたここ3ヶ月間の拙い記録を残すことで、「500系のぞみ」の記憶を留めておきたいと思う。題して、500系を追いかけて-いや、どちらかといえば待ち伏せて、か…そう、『まちわびて、500系。』

FOCUS:01 東海道新幹線-残照

静岡駅

その端緒となったのは、昨秋にたまたま借り出された2度の愛知出張。1回目の訪問地が三河安城、幸か不幸か?帰路のこだまが丁度静岡で、運用終了目前の「のぞみ28号」を待避することとなり、下手の横好きながら折角なので…軽い気持ちでパチリとやってみたことにある。

静岡到着後、デジカメ片手にいそいそとホーム終端へ。御同輩?もおらずまったりとした雰囲気の中で車掌に会釈。と、一呼吸置くか置かないかのうちにのぞみ28号がやってきた。傾きつつある夕日を浴びながらサッと駆け抜けてゆく500系…まぁタイミングは正直微妙だったものの、車体をギラリと照らし出した夕陽がそこそこ良い感じにしてくれた…かなと。

で、翌週は朝イチでの名古屋往復となり、午前中で用事が済んだものの時間調整、もちろん帰路はのぞみ28号をチョイス。ついに東海道区間での最初で最後の乗車体験である。
当然ながら?まずは「のぞみ29号」到着をチェック。御同輩が1人先着しており、微妙なポジショニングで待ち構えることになった上に、東京方は架線柱など設備が入り込んでくるのであまり良い感じにはならず。それでもなんとかW8編成を迎え入れた。
昼食後、いよいよのぞみ28号到着を待ち構えるべく、指定席は15号車だったにもかかわらず新大阪方へ向かうと、さすがに先客2人。スーツ姿ながらコンデジ片手の当方を警戒?してか、『500系ですか?』と話しかけてくる御同輩。『乗ってかれるんですか…羨ましいな』当方は邪魔しないように後方で待機することに。その後、更に家族連れまでやってきて賑やかに。子供がせがむので見に来たとのこと。
名古屋駅 『そろそろ来るわよッ』とお母さんのほうが乗り気?の中、足取り軽やかにW9編成が入線。なんとかパチリとやったあとは、すぐさまホームを戻って、それでも足らずに車内を歩いて自席へと向かったのだった。

で、自分の中ではあまりに短期間に300系・700系(三河安城往復こだま)、N700系・500系(名古屋往復のぞみ)と立て続けに乗ったことになるが、すでにさんざ云われているように、500系の室内居住性が劣ることを改めて実感。壁面のカーブは云わずもがな、落ち着きを醸し出すともされていたシックな内装も暗く淀んだ感じがするなど 、N700系と比べてしまうと寄る年波はごまかせない感じを受けたのであった。
それでも、エクステリアはやはりピカイチ。N700系への進化の過程で複雑化した前面だが、700系・N700系にもそれぞれの良さはあれど、近未来感というか、次世代性を感じるのは、いまだに500系に勝るものはないだろう。多分に統一感に拘るJR-Cにあって新幹線といえば白地に青線を覆すグレー基調のカラーリングも異質までいかない個性を醸し出すに適したものだったのではないか。

東京到着後、撮影組の人垣を分けながら眺めていると、名残惜しさが募るもの…こうなると、やはり300km/hを体感したくなってくる。最近の運用ではほとんど300km/hを出すことがなくなってきたとも見聞きしたものの、最後の1往復のうち「のぞみ6号」は一応確実性が高いらしい。チャンスを伺っていたが、結果的には1月中旬に博多→徳山間乗車で実現させたのだった。

FOCUS:02 山陽新幹線-疾駆

冷え込み厳しい博多駅の払暁、九州新幹線受容れ工事もたけなわの中、ホーム先端で待機していたのは女性警備員。夜通し勤務だったのだろうか…御苦労様、である。その傍に立っている、500系用の「乗車口案内板」ものぞみ6号1本だけの記述となっており、改めて寂しさを感じさせる。
残された数少ない中でも同じ1日の始まりを告げるかのようにすべりこんできた500系はW1編成。ハードワークを更に印象付けるかのように、車体には波打つように霜?がついていた。

のぞみ6号のぞみ6号 自由席に乗車したのは3両あわせてもほぼ用務客20人ほどと、平日ながら若干拍子抜けの感も…定刻に博多駅を発車、さていつ出るかと情報装置を見ていると、発車後10分足らずであの文字が…
  ただいまの速度は300km/hです。
  We are now travelling at 300km/h.

写真に収めるもちとブレた。

霧の筑豊を突き進み、明るくなってきた小倉では博多と同じほどの乗車があり、新関門トンネルを潜り抜け本州へ。小倉出発後は若干時間がかかったが、2度目の表示も確認。最後尾に乗車も300系のような動揺を感じないのはさすがアクティブサスペンションのなせる業か。徳山までの短い時間ながらその乗り味を身体に刻んだのだった。

さて、徳山からは新下関への移動に乗車の「こだま723号」は図らずもV5編成…8両化されこだま専用として更なる活躍を続けることとなった500系、それに新たな魅力をということで設置されたのが「お子様向け運転台」。8号車の端部、乗務員室との壁に運転台の写真を貼付け、擬似運転台を設置したもの。平日朝とあってガラガラ、子供の乗客もいなかったことから、ちょっと触らせてもらう。さすがにソファに腰掛けるまではしなかったが、擬似とはいえなかなか楽しめるつくりだった…ところで01/12放映のTX系「日経スペシャル ガイアの夜明け」で取り上げられていたが、1400万を投じたとか。現在就役のV編成5本中3本に設置済みとの事、「総額」でと考えたいが…。

こだま723号こだま723号こだま723号

新下関で改めて編成全体を見てみると、半減以上にかなり短くなってしまった印象を受ける。しかしながら、鋭い先頭部のおかげで、その存在感はひとつも縮んでいない。パンタグラフの変更および周辺処理の変化等もあり、最高速度も285km/h化されたとのことだが、実乗では変わらぬ力強い走りを感じられた。
こだま使用8連車両では最多の座席となるだけに、通勤対応や他客期対応などでフレキシブルさが求められることにもなるが、『こだま指定席往復きっぷ』を活用して、G車をほぼそのまま転用した指定席車両でのんびり山陽路を楽しんでみるのも一興かもしれない。

新下関駅

新関門トンネルへと消えてゆく500系こだまを見送って、当方最後の500系のぞみ乗車体験が静かに幕を下ろした-のではあるが、もうひとつチャレンジしようと思っていたことが心残りとなり…実は元日に計画していたのが、関ケ原大雪による東海道新幹線徐行運転に阻まれる形で涙を飲んでいたのだ。残りわずかとなった中で最大のチャンスを狙うとなると-。

FOCUS:03 山陽新幹線-光跡

西明石駅 02/10、西明石駅-この日は事前発表されている500系使用の予定臨最終日、「のぞみ6号」と「のぞみ152号」が20分以内に続くとあって、ド下手ながらも通過風景を狙ってやろうと思ったのだ。なお西明石駅にしたのは、そのほかに撮ってみたいものもあったため。
しかしこの日は早朝から濃霧、JR神戸線も減速運転で遅延発生との情報から、予定よりも早めに駅へと向かったところ、丁度V編成使用の「こだま737号」が出発するタイミング。あとで時刻表を見れば、丁度N700系との並びが撮れたのかも。ただそれにしても霧が濃く、ある意味幻想的な出発風景にもなったのだった。

気象条件もあるのかこの時点では御同輩は少なかったのだが、さすがにそうは問屋が…ということで刻々とその時が近づくにつれ、下りホームには柱毎に人が居並ぶようになっていった。当方も下りホームで何本かの通過で予行演習した後、いったん上りホームへ。新横浜始発の「ひかり493号」が「のぞみ99号」「のぞみ1号」を待避する、N700系の“競演”なのだが、遠征組は当方くらいとみえて移動してきた人はおらず…おかげでゆったりと楽しませてもらう。
のぞみ99号はタイミングをミスって、ホーム端部にたどり着く前にシャーッと横を駆け抜けていったのでブレブレとなってしまったが、それが奏功してのぞみ1号についてはキッチリ収めることができ、われながら会心のデキかとも…それにしてもこの光景は2008年3月改正で「新横浜始発ひかり」が誕生してからのものだが、日常の光景となる日も、もはやそう遠くないのだろう。

西明石駅

さて、ひかり493号を見送ってから再び下りホームへ。霧もだいぶ晴れてきて薄日も射す感じに。300系「ひかり466号」が滑り込んでくるといよいよそのとき。更に増えてざっと50人ギャラリーが身構える中、のぞみ6号があっという間に駆け抜けていった。
その後ひかり466号の出発風景を見送るが、新幹線高速化の先駆者である300系も廃車が進んでいる。東海道新幹線内ではこだま運用が700系主体に移りつつある状況、現段階では臨時のぞみで奮闘するなど脇役ならぬ縁の下の力持ち的な存在となっているが、さすがに来年とは云わないものの、九州新幹線全通・直通運転開始による山陽新幹線車両体系の激変を超えた再来年以降の動向が、ということになってくるだろうか。

西明石駅 この後発着列車が途切れるため、ホームにはギャラリーのみとなり、不思議な静寂に包まれた-まさに固唾を呑んで「もう一瞬」を待つばかりという状況の中、当方はここで上りホームに移動。のぞみ152号通過は待避列車がいないシチュエーション、同じアングルもということで判断したのだ。緩やかにカーブしているため接近が判り難いリスクはあるものの、そこは下りホームで待つギャラリーを見ていればなんとなく判る感じに…と、一斉に身構える感じとなり、当方も体勢を-500系が再び、曇天の中を鮮やかに駆け抜けてゆく。
振り返り、去り行く姿を見つめれば、丁度下ってきたN700系と離合-引導を渡したというべきか、新時代の到来というべきか、印象に残るシーンとなったのだった。

01/05、東京駅での昼下がり、到着風景をウォッチした際、多数のギャラリーの中に子供連れ、一家総出という姿の多いこと。丁度Uターンラッシュ時期ということもあったにせよ、500系の存在感を改めて印象付けられた光景であった。

西明石駅 ビジネスニーズに応えるべく組まれている東海道新幹線のダイヤ構成からすると、やはり異端な存在は、特に運行支障時の即応的対応の際には取り扱いに苦労することになるだろうし、なんといっても先頭車前扉がないことは明白なネックといえるだろう(今となって思えば、1997年の就役当時はのぞみへの自由席設置をイメージできなかったのかもしれない、とも云えようが)

とはいえ、繰り返しになるが「近未来性」を強く感じさせた車両が東海道新幹線で見られなくなるのは、やはり寂しさとともに東海道新幹線の“画一性”の特異さを思わずには、という気にさせられてしまうのは、なんともはやなところであり、山陽新幹線や東北上越筋の多彩さが魅力に映ってしまうところにもなろうか。
ただし、500系が志向した“魂”は700系・N700系に着実に引き継がれており、時速300km/h超を伺うという意味でE5系にも流れているといえよう。300系とともに引き上げられたSHINKANSENスピリットは、2010年代に拓かれる新たなステップへ移行する-その通過点が、まさしく500系のぞみ退役なのであろう。であるならばこそ、魅力的な存在をこれからも長く記憶に留めおきたい、そう思う。

 
西明石駅

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