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【検証:近未来交通地図】  特別リポート2006-1101
神奈川県に見る都心部中距離直行バスの可能性
京浜急行バス神奈川中央交通
(2006/11/18)
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 【検証:】では以前より、首都圏を中心に中距離直行バスについてその可能性に期待し、先駆的事例を紹介してきました。羽田空港アクセスバス、東京湾アクアラインバスが好調ななかで、鉄道ではカバーできない、あるいは意外な拠点直結性によるニッチ市場がまだまだあるのでは?と思いつつ、規制緩和時代に突入した事業者の生き残り策に強く惹かれたためでした。が…

・TDL−新宿駅線(JRバス関東・京成)2000.04開業最大18往復→現在7往復
・東京駅−三郷・吉川・松伏線(JRバス関東)2000.10開業最大18往復→現在下り2便
・東京駅−江戸川台線(JRバス関東・東武)2001.07開業最大14往復→廃止
・横浜−台場線(京急)2001.08開業12〜14往復
・新横浜−溝の口線(東急)2001.12開業 
・横浜−幕張線(京急・京成)2002.10定期化→廃止(臨時運行に戻る)
・千葉−銚子線(千葉交通・ちばシティバス)2002.11定期化最大8往復→現在平日2往復
・千葉−君津・東京湾フェリー(金谷港)線
 (千葉中央バス・日東交通・天羽日東バス)
2004.12開業9往復→廃止

…というように、現実はあまり芳しくない状況に。まぁ、三吉松線や江戸川台線はTX開業がインパクトともなっているのですが、大宮−つくば線(2005.12開業も3ヶ月で廃止、2006.10から会社が変わり大宮−つくば・土浦線が開業)などのような例も出ています。
 そんな中、神奈川県内高速バス2路線が相次いで開業しました。設定の妙と今後の可能性を探るべく、早速試乗してきましたのでその報告を。


■「独り立ち」への試金石 〜 横須賀西部地域−横浜(YCAT)線(京浜急行バス)

大手私鉄でも後策となった京急のバス事業完全分社化は2003年10月。羽田空港を抱え、夜行バスでも先駆的とそれなりの恵まれた環境を保持するゆえともいえましょうが、とはいってもやはり経営は苦しく、地域分社化によるコストカットなどの再編を経て、今後は独立事業者としての施策が注目されるところです。当初は夜行バスの動きが多かったように思いますが、2002年10月からの横浜−羽田間直通電車運行に対し、需要を見極めつつダイヤをこまめに調整してドル箱のYCAT−羽田線を維持させている点も注目に値しましょう。川崎−TDL線開業など直行バスへの色気も感じられてはいましたが、ついに鉄道への挑戦を開始する路線が誕生することとなりました。それが11/16開業の横須賀西部地域−横浜(YCAT)線です。
三浦半島は言わずもがな同社系列の独占地ですが、相模湾を望む横須賀市西部地域は鉄道路線と距離がある上、アップダウンを伴う地形的制約もあって道路交通が未だ強固とは云いがたく、公共交通としてバス頼みとなる反面、定時性への信頼含め、どうしても乗車時間が長くなる嫌いがありました。今回の路線は横浜横須賀道路を経由し、横浜駅と直結することで速達性と利便性をウリとするもの。2ルートで平日6往復/土休日3往復とはいささか控えめなスタートとも思われますが、さて。

土休日は3往復と限られるため、消去法で横須賀市民病院10:30発便をチョイスすることに。まず横浜→(京急特急)→横須賀中央→(路線バス)→横須賀市民病院で向かいましたが、乗換を除いた移動時間は電車30分+バス30分の1時間程。渋滞の名所である衣笠十字路などスムーズであったこともありますが、反対方向の道路はまさに衣笠十字路を頭に1kmほどの渋滞。ノロノロと行き交う横須賀駅方面行路線バスの多くが立ち客満載でありました。
さて、市民病院駐車場の一角にあるバス操車場には、側面窓上に「横浜駅(YCAT)−高速経由−横須賀(西地区)」との文字入りの、お馴染みシーガルカラーの三菱エアロバスが待機中。京急はこの類の文字入れが好きですが、わざわざ専用車を充当しているのでしょうか? と、更に1台やってきました。

時間前にバス停へ。横須賀・逗子・三崎口方面の路線結節点ながら庇すらないポール停留所ですが、既に待ち客10人以上。数台路線バスを見送るところを見ると、どうやら横浜行き目当ての様子…と、腕章を巻いた社員が登場、『横浜行きは間もなく参りますので』と声掛けすると、直ぐに質問する人がパラパラと。事前告知の程は不明ですが、路線バス前面に幕が掲出されているところなどから地元の注目はそこそこあるようです。
バスが到着し早速乗車開始。実は12月末までの限定で開業記念割引運賃となっており、片道1200円のところ現金払いで700円、更に往復乗車券も1000円ということで、件の社員から往復券を購入する人も多く見られました…なお、往復乗車券は期間限定ですが、3000円・5000円の回数券が設定されるほか、来年以降は京急グループ系バス定期券やふれあいパス所持者は200円引きとなる由。
結局20人が乗り込んで出発。運転手と運行指令の無線のやり取りを聞くと、一応続行車を用意していた様子。林・一騎塚・武山といった途中停留所でも数人ずつが乗り込み、総勢32人で続行車は不要でしたが、個人的には予想以上の乗りと見ました。圧倒的に女性が多く、親子連れも目立ちます。

最後の北武バス停で添乗してきた社員が『じゃ安全運転で!』と運転手に声掛けして降車。トンネルを潜り、衣笠ICから横浜横須賀道路に入ります。順調な流れの中、ゆったりとした安全運行で三浦半島中央部の稜線部を進みますが、ところで、横横を走る路線高速バスは恐らく初めてでしょうか。
釜利谷ICで進路を右に取り、首都高湾岸線へ。この路線が開業に至った最大の要因は同線開通と迂回ルートとなるであろう狩場線の渋滞緩和でしょう。広々とした3車線をゆるゆると進めば、港南台行空港連絡バスと離合するなどもう慣れた道。ヨコハマベイの一大パノラマを楽しめば、中心街を潜り抜けてみなとみらいから横浜駅前へ。お見事ほぼ定刻に、まず横浜駅改札口前で乗客の2/3が降車、そしてYCATでは成田空港行きに乗り継ぐ利用者もいたのでした…。

改めて、近々の成長を感じさせる路線でした。たった1便乗っただけではあるとはいえ、現時点で衣笠IC経由と、逗子IC経由の2ルート3系統が設定されていますが、YRP方面や三浦縦貫道経由の油壺・三崎方面も検討課題になって然るべきとすら思われます。ま、休日ニーズであることを差し引く必要もありましょうが、横浜が身近になることには平日も変わりないものと思われます。個人的には逆の発想で横浜側からの対三浦半島(南部)への観光需要喚起につなげられるのではとも思うのですが、さて。

1点気になるのは価格面。鉄道+路線バスルートでは350+370=720円ということで、まさに割引運賃は狙った設定であることを伺わせるのですが、せめて片道1000円にならないでしょうか。先に「鉄道への挑戦」とはしましたが、利用層を見る限り、クルマ利用からの転移可能性が高く、相乗効果で公共交通利用を育ててもらえればと実感させられた次第です。

■フクザツな新幹線アクセス 〜 本厚木−新横浜線(神奈川中央交通)

県広域を占める神奈川中央交通、こちらも地域分社化による路線網再編を行う一方、ツインライナー導入や横浜市営バス路線委譲などの注目すべき施策が続いていますが、高速バス系統はさほどという印象が強いかと。横浜・町田・厚木などこまめに乗客を拾う形での夜行バスを数便手がける程度だったのが、一気に花開いたのが羽田・成田空港アクセスバス。田村車庫でのP&Rも好調のようです。そして今回、自ら『さあ、新しいアクセスバスの、スタートです。』とするのが田村車庫・本厚木駅−新横浜駅線です。
「のぞみ」アクセスを考えると、厚木市と新横浜駅は町田での乗換が必要となり、必ずしも便利とはいえない状況にあります。新横浜アクセスバスの先輩・溝の口線も目から鱗的路線でしたが、あちらは第三京浜を上手に使ったところ、こちらは東名&保土ヶ谷BPという、“何かあったら地獄を見る”ルートであるところが気になります。厚木進出企業を意識した路線設定ということでしょうが、ただそれだけでは心許ないというか、『新横浜からは七沢・飯山・宮ヶ瀬・大山をはじめとする自然豊かな丹沢大山国定公園へのお出かけに大変便利なバスとなっております』を謳っているところは、いささか苦しいような…どうでしょうか。

威容を見せ始めた駅ビル建設工事が佳境を迎えた新横浜駅。駅構内はあちこちに工事区画が設けられており、昼時とあって利用者でごった返しています。バスターミナルも狭められており、周辺への企業アクセスバス乗り場指定場所も移設されて、港北NTにあるIKEA行の青いバスが走り去っていったあとに、それより明るいライトブルーのバスが到着。本厚木駅を11:00に出た便がほぼ定刻着でしょうか、数人が足早に駅へと消えて行きました。
4番のりばでしばし待つと、待ち客が次第に増えてきて、いささか期待…も、先発となる横浜市営バス便が遅れたためと判明、ごっそりと乗り込んだ後入線しましたが、結局当方含め恐らく全員が試乗組の3人が乗車しただけでの発車となりました。まぁ、昼時というところで予測通りというか、貸切にならなくて良かった…。というのも添乗員つきの2人体制となっていたためで、その添乗員氏が開口一番『本日東名渋滞のため、迂回ルートを取りますので御了承下さい』と。早速来ましたよ。ちなみに運賃(本厚木まで1000円、田村車庫まで1200円)は前払い、羽田−本厚木線では田村車庫利用者に本厚木到着後別途差額の200円を徴収するスタイルでしたが、今回は人数の少なさもあってか自己申告制?となっていました。ちなみにこちらは2枚綴りの回数券で1800円也。
クルマは日産ディーゼル−富士重工ボディで、元祖廉価版観光バス。というか、企業送迎用をそのまま転用してきたようで、各席に灰皿がついたまま(もちろん使用不可)。車内にくたびれた感こそないですが、ほぼまっさらな運賃箱だけが異様といったところでしょうか。

定刻出発となり、環状2号線を南進。交通量は多いですがあまり閊えずに流れています。結局、新桜ヶ丘ICで保土ヶ谷BP入り。どうやら普段は横浜青葉ICから港北NTを抜けてくるようですね。さて、保土ヶ谷BPは早速の渋滞…も、南元宿での自損事故車処理中の見物渋滞で、その後は比較的流れて一安心。出発から35分で横浜町田ICから東名入りとなります。やはり東名も渋滞中、海老名SAもかなりごった返しているようです。終始外側車線を走行、途中で横浜12:20発の相鉄自動車河口湖行きが追い抜いていきましたが、時間的に確かに若干遅れている感じでしょうか。ざっと15人ほどの乗りと見ました。
厚木のシンボルの高層ビルが見えてくる…と、当方東名この区間久しぶりということもありましたが、圏央道とのJCT工事が結構進んでいるのには驚かされました。相模川上でも1車線増やす工事が行われており、厚木ICを頭とする渋滞緩和が期待されます。
厚木ICを降りて、R129を一旦南進、脇道からIC脇を北に進んで、そのシンボルタワー・厚木アクストへ。空港アクセス系統が寄らないのにこちらが寄るというのも企業狙い感を強めますが、当然空振り。もと来た道を再び戻って今度は県道酒井金田線を北上、ソニー厚木テクノロジーセンター横の旭町四丁目バス停を通過した後、左折すると正面に小田急ミロードが見えて、手狭な駅南口になんとか停めての到着。なお、空港アクセス系統などは北口ですのでご注意を。当方含め2人が降り、足早に田村車庫へと向かっていったのでしたが、時計を見るとあらお見事のほぼ定刻着でありました。

控えめ京急と異なり、こちらは9往復でのスタート。ほぼ2時間毎の運行ということで、探りを入れる意味もあろうかと思われますが、どうでしょうか。所要約70分と弾いていますが、安全策でこれ以上載せても直行便のメリットが薄まってしまう気もしますし、なんともなところ。ちなみに小田急〜横浜線経由では乗換時間を含め60分前後、530円となります。その意味で、本厚木駅利用としては、厚木アクスト経由であることが取り付き道路の関係上いささかタイムロスにも思われてしまうのがちと悩ましいかと。

まぁ厚木来訪者に対して新幹線からのアプローチの「近さ」をどうプロモートしてゆけるかがポイントと考えつつ、実のところは空港アクセスバスニーズ同様、早朝・夜間需要への特化に収斂されてゆくのではないかと見ますがどうでしょうか。直行ニーズとしては相鉄〜東急連絡線の潜在需要見極めにもつながるところであり、今後を注目してゆきたいと思います。


横浜−横須賀西部線
 投稿者---荻窪塚氏(2007/01/25 01:24:59) http://www.geocities.jp/aqiine/line.html

お久しぶりです
私は以前からこのような路線や三浦縦貫道開通後横浜−三浦市街直通のバスがあったらよいなと思っていました。

この勢いだと終日30分ヘッドでも採算ベースに乗りそうですね。
ただ、京急としては鉄道本体の運輸収入減少及び横須賀西部から中央へのローカルバスの乗客減少につながりかねないので難しいところだと思います。

しかし昨日は対岸の房総半島の岩井パーキングバスストップから行きは千葉駅まで乗ったのですが日中は乗客皆無ですが朝7:45発だったので25人は乗ってました。但し乗客の半数は県庁、中央で降車。蘇我下車客はいつもどおり0人。

はっきりいって横浜駅−館山の路線ができたら千葉線よりは確実に乗客は多いと思われますがやはり京急としては利用してもらいたい鉄道本体と京急久里浜駅−久里浜港のバスと資本関係にある東京湾フェリーの乗客が減るのではとの懸念から及び腰ではとかんぐりたくなります。

帰りは八重洲から21:20最終館山行きに乗りましたが自分以外の乗客は5人。富津市内の下車は0人。4人が岩井で下車し館山まで乗りとおしたのは何と1人でした。
それにしても最終の日東バスは飛ばしすぎで八重洲から京橋ランプまで10分かかったにも関わらず上総湊63分。高速岩井81分とかなりの早着でした。
最終便は21:20は不要なのでさざなみが終了した22:30に設定し運賃2倍の深夜バスにしてもらいたいものです。

Re:横浜−横須賀西部線
 投稿者---551planning(2007/05/05 03:01:00)

荻窪塚さん、ご無沙汰しております。
遅レス御容赦の程。

この勢いだと終日30分ヘッドでも採算ベースに乗りそうですね。
ただ、京急としては鉄道本体の運輸収入減少及び横須賀西部から中央へのローカルバスの乗客減少につながりかねないので難しいところだと思います。

そうですね、そのあたりもあって控えめな本数設定になっているのかと思いますが、個人的には1回きりの試乗ではあるものの、マイカー層からの転移も期待できると思われる分、価格面かなぁ…としていたのですが、開業半年を目前に来ましたね。

「横須賀西部地域〜横浜駅(YCAT)」線 割引運賃実施について! http://www.keikyu-bus.co.jp/keikyu-bus/topics/29920070421.html

横須賀市制100周年記念キャンペーンと銘打つ形でGWから9月末までの長期間に渡って割引運賃を実施。開業記念時にはあった片道割引(通常1200円→700円)の設定は無く、出欠大サービスであった往復割引も今回は現実的な価格(前回1000円→1800円)に。また、バス車内・営業所等で配付の割引券を準備し、乗車時提示で200円引きも実施、また1万円回数券も新設。このほか、市民病院ルートで通過していた南武入口・金子両停留所に追加停車となります。
「せめて片道1000円に」としていた意味では、だいぶ近づいてきたかなという気がします。ま、割引券等を作るよりは、素直にスパっと判断しても良かったのではとも思ってしまいますが…個人的にはまずGWで様子見の後、夏前に増便等を行うかどうかの判断がなされるものと思っていますが、渋滞等を勘案すると三崎方面ルートはまだ期待できませんかね。

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2007.12.25 Update

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