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“富士桜”の挑戦と挫折

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【検証:】過去ログ特撰-“富士桜”の挑戦と挫折

富士桜

“富士桜”の散り際から

既報の通り、富士交通・桜交通の仙台-福島・郡山線が、10/12で運行終了しました。2002年9月の富士交通新規参入から丸3年、既存社との値下げ競争から公取委を巻き込んだ対立に発展、しかし昨年8月に富士交通が民事再生法申請、その後はジリ貧に…という様々な問題点を提供した道程でありました。なお桜交通は運行再開意向で、09/28付けで東北運輸局から仙台営業所の開設許可を受け、名取市内に準備中ともされていますが、同社サイトでは未だ続報は出ていません。その辺りがどうなるのかの確認を含め、最終日に餞別乗車して参りました…。

郡山→仙台(桜交通便)

東北本線の始発列車から乗り継いで郡山駅に辿り着いたのは9時過ぎ。駅前から迷わずタクシーに乗車、向かったのは郡山中央工業団地の一角にある、桜交通郡山営業所。小振りな事務所の横手、社員のクルマが並ぶ奥には、同社単独で参入も半年足らずで撤退を余儀なくされた郡山-会津若松線のバスポールがいくつも並んでいました。事務所前の仙台行きバスポールには運行休止のお知らせが。「当面の間運休」と記載されてはいますが…。
間を置かず、日大前始発のパンダ顔をした三菱エアロ車が到着、1人先客あり。を、乗車時に運転手氏より紙を渡されましたが、運行休止のお知らせかと思えば、「高速バス交通センサス」の質問用紙でした…鉄道版では体験あるも、高速バスでは初めてです。
さて、クルマは中程に洗面スペースのあるスーパーハイデッカーですが、残念ながら?4列座席、ただしミュージックサービス機器がついていたことから元夜行車というところでしょうか…正直云って、かなりな年季を感じます。と、出入り口上に「S674-90402」というプレートが。もしかして元JRバス車ということになりましょうか。 富士桜
郡山駅前までの途中降車はなく、駅前のバスターミナルを横目に左折すれば、桜交通案内所前に到着です。以前訪問時と同じ女声アナウンスで仙台行高速バス入線が伝えられると、ここでは2名が乗車。オバちゃんが2Fの案内所から降りてきて支払いとなるのも従前と同じ。ただ、当方の前に乗車の方が2枚回数券を所望、『今日で一旦運行終わっちゃうんですよね~、あ、今日戻るの?だったら…あら、もう切らしているわ』とこんな感じ。運転手氏手持ち分があったので事なきを得ましたが、最終日を印象付ける光景でありました。

結局当方含め乗車4人とは寂しい、やはりな…と感じつつ出発。虎丸・はまつ前も素通りでしたが、ザ・モール郡山前で4人が、さらに桑野三丁目で3名が乗車。ちなみに既存社仙台行停留所のある第六中学校前では7人ほどが待ちわびた感じ、恨めしげ?に見送られました。インター手前のコパル前停留所では乗車なく、結局11人で仙台に向かうことに。個人的にはまぁまぁ乗っているかな、とも感じたのですが、採算ラインが30人弱のところ、20人も乗っていないという話からすると、やはり運賃とのバランスが取れなかったということでしょう。
と、運転手氏が車内放送。途中の吾妻PAで休憩を…とアナウンスしているうちに、マイクの調子が微妙に。コンコンとやっているうちについにはまったく音を拾わない状態に。仕方なく地声で言い切っていましたが、年季が入っているとはいえ、日頃のメンテはどうなっているのかと思ってしまいます…あれ、以前乗車時はどうだったかというと、なるほど、ガイド氏が添乗していたんですっけ。

年季の割には?ETCゲートを潜っていざ東北道へ。スムーズに流れていることもあって、走行車線を快調に進んでゆきます。車内はすっかり静まり、走行音が若干響く感じでしょうか。椅子も路面状況を拾いやすいというか…福島盆地に入り、吾妻PAに到着。5分間休憩となります。
白石盆地も難なく抜けるとまもなく仙台市内へ。仙台宮城ICから出ると、西部道路がなにやらアヤシゲな様子…仙台にしトンネル内で事故処理中、1車線規制でかなりのノロノロ状態になっていました。しかも事故現場がほぼ中間部とあって、かなり排気ガスが滞留している感じに。何とか抜ければあとは快調、仙台市内へと踊り出ました。 広瀬通一番町では3人、上杉通仙台駅前では5人が降車。東口へ向かう人がいたのは意外と言えば意外でした。

富士交通 新旧車庫巡り

当方は上杉通仙台駅前で降車、そのまま市営地下鉄で南の終点・富沢へ。駅前からタクシーに乗り、運転手氏に仙台東ICまでと告げると、『お客さん、仙台西のこと?』と聞かれます。こっちはちゃんと調べていたつもりなんですが、確かに同駅からだと見当違いな場所でもあるだけに、東部道路のほうなんですが…うーん、“ナントカの目”のあたり…と伝えると、『あぁ、六町の目ね』。とりあえず通じてホッとします。気さくな方で、個人タクシーながら仲間に無線で問い合わせても『東インターなんてあったっけ?』とのこと、しっかりついていたカーナビをグリグリと動かしてみると…ちゃんと仙台東インタと書かれており、『へぇ~、そうなんだ』と。通称では六町(の目)ランプと呼ばれているのだとか。
ところで、見当違いな場所からわざわざタクシー移動としたのは訳がありまして、富沢駅からクルマですぐのところには、富士交通の本社営業所が、仙台東インター付近には同社と合併し帝産富士交通となる元帝産観光バス仙台の営業所があるということで、一気にこれを結んで見てやろう…ということから。富沢のほうは春にちょろっと立ち寄ったことがある一方、東インターのほうは行った事もなければ、アクセスは仙台駅からバスで20分ほど揺られるところ、となると時間短縮も兼ねてタクシーをチョイスせざるを得なかったわけです。

で、まずもって驚いたというか、気が抜けてしまったのは、富沢の富士交通本社営業所が、建物は既に跡形なく、手狭感のあった車庫用地含め重機で整地中という光景を目の当たりにしてしまったため。なるほど一本化を図るわけだとは納得できるものの、つい半年ほど前に尋ねた場所だっただけにびっくりした次第で。なお運転手氏は富士交通の帝産バスとの合併や営業所取り壊しについては知っていたものの、 富士桜 路線が今日で廃止とは知らなかったとのこと。『バスの運転手も大変だよねぇ…でも俺らもさぁ~』と、このあとは大阪と並んで社会問題化している仙台のタクシー事業をざっくばらんに伺ったのでした。

さて、R4BPを北上した後右折してしばらく行くと、眼前に仙台東部道路の効果が見えてくれば仙台東IC入口。高架脇に帝産富士交通の事務所・車庫がありました。簡易建築な事務所は2階建て、入口や壁面に記された「帝産富士交通」の文字が真新しいですね。富沢旧敷地と比べかなり広く、犬のマークのオレンジラインでお馴染み帝産車とグリーンラインの富士車が半々くらいの比率でずらりと並んでいましたが、昼時ながらクルマの出入りは特段なく、移動の時間もあるためすぐの退散となりました。

仙台→福島(富士交通便)

仙台市営バスで仙台駅へと戻り、まずは駅西口周辺をウォッチ。広瀬通宮交高速バスのりばでは13:20発郡山行福島交通便が入線中、10人ほどの乗り。10mほど先の富士交通のりばポールには「運行路線の廃止について」という貼紙が-『これまで3年間のご利用を感謝申し上げますと共に、今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします』とも記されていました。
ところで、ダンピング合戦ツールとなった回数券についてはこの日までに福島駅東口・仙台広瀬の両バスセンターまたは運転手に直接申し出て払い戻すようにとしています。いささか性急と思うとともに、以前の実見時には両バスセンターとも知らないなと…仙台広瀬バスセンターはのりばの後ろ、仙台林産ビルの1Fに入っていました。一応ビル内には入ったが、いかにも事務所ビル、バスセンター入口はすりガラスとなっていて内部を伺えず、特段用事があるわけでもなかったのでさすがに中に入る勇気はなく…。
07/20にロータリー整備が完成した仙台駅東口に移動、当方前回訪問は4月でその際にはまだ途上だったが、高速バスのりばが3面整備されたほか、ペデ下部に高速バス案内所も設置。JRバス東北関連の路線が東口発着となり、案内所でのチケット販売もありますが、同時に移ってきた富士交通および日本中央バス関連の発売はない様子…それにしても異端児同士が共用するバスポールはなんだかセンチメンタルでもあります。

富士桜 15:05発の福島行富士交通便に乗車。東口での乗車は当方のみも、広瀬通仙台駅前で女性1人が、広瀬通一番町では男女3人が乗車、いずれも用務然で現金客、来たバスに乗ったという印象でした。
仙台西トンネルはスムーズ、東北道も順調です…とここで記憶が途絶え、復活したのは福島飯坂IC。途中降車はなく、丁度数人が乗った仙台行き桜交通便と離合直後の到着となった福島駅東口で全員が降車。バス停は駅前バスプール横の道路上で、1ブロック手前向かいの自転車駐輪場前に仙台行バス停と、駐輪場の一角にプレハブ小屋を押し込んだカタチで「高速バスセンター」がありました。案内所には明日以降の回数券払い戻しは仙台駅前での対応の旨も書かれており、ココは本日限りで店仕舞いする様子…にしては廃止告知を含め、手書きのポップな案内がベタベタ貼り出されており、悲愴感は感じられないのがせめてもの救い?


端的に言って、あっけらかんとした最終日のように思えてしまい…べつにお涙頂戴とか要らないのは当然なんですが、既存事業者との激しいバトルを繰り広げてきた経過を思い返すにつけ、個人的には感傷に浸っていたのではありますが。
というか、最終日までそれなりな需要があったことからしても、「休止」としている桜交通がどのような展開を見せてくるのか気になるところ…ただ、単独での維持はなかなか難しいのではと睨みます。

いっぽう、既存事業者としても今後の対応に苦慮することにもなるかと。微妙に異なる停留所の利便性や、運行本数全体の約1/3がなくなることにより時間帯によっては積み残し発生の懸念もあながち否定はできないかと。なんといっても価格競争の揺り戻しが懸念されるところです。その意味では、さんざ引っ掻き回されて…という同情の念すら覚えてしまったりもします。

***
さて、今回の“結果”は果たして、今後どのような“展開”を見せることになるでしょうか…残念ながら、今のところは見えてこない、というのが当方の率直な感想です。


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