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羽田空港アクセスシリーズ

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羽田空港アクセスバス

〔羽田アクセスバス〕川越・蘇我・二俣川…新路線ファーストインプレッション

首都圏を越えるネットワークに成長した羽田空港アクセスバス。最近は首都圏内の主要地にはあらかた設定された感もあり、2003年新設は4路線(1路線廃止)、04年は3路線(1路線)と、以前と比べれば伸張振りも落ち着いてきていました。
しかしこの7月、3路線新設、2路線で延長・停留所追加という久々ホットな話題が(1路線で減便・1社撤退ということもありましたが)。1ヶ月内での3路線新設開業は実に2002年以来となります。早速新設3路線について試乗してきましたのでファーストインプレッションをば。

「最後の大物」川越線

川越線
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07/01に新設開業のトップを切ったのは川越線。埼玉県内5路線目は以前より路線開設が期待されていた地でもありましたが、05/18には坂戸・川越-成田空港線(千葉交通・川越観光自動車)が開業、また07/16には熊谷線(東空交・国際十王交通)が坂戸駅経由となるなど同地域からの空港アクセスは一気に充実が図られたことになります。
事業者には、大宮や所沢でコンビを組む東空交&西武に加え、イーグルバスが新規参入。特定輸送に端を発し貸切バス、「小江戸巡回バス」(1995.03~)、そして一般路線バス(2003.09~)と順調にステップアップしてきた同社がついに高速バス進出。ということでこのクルマを目当てに夕刻の羽田空港へと向かいました。

乗車日は夕刻から小雨模様。15分前に乗り場に到着も、すでに乗車待ちの列が伸びていました。しばし待つと白い車体を鈍く光らせてお目当てのイーグル車が入線。早速乗り込むみますが、トイレつきの11列車ながらシートピッチに余裕を感じます。通路途中にも2箇所ほどモニターがついているのが新鮮…ただ利用時は使われていませんでしたが。
2TBでは18名、1TBでも9人が乗車して運行開始直後としてはなかなかの乗りかと。車内放送が入りますが、日英中韓の4ヶ国語放送は羽田空港連絡バスでは初めての体験かな…たしか成田リムジンでもなかったのでは? 首都高湾岸線から都心環状線内回りを経て5号池袋線へ。と、飯田橋付近から滞り始めちと嫌な雰囲気に。そのまま高島平の手前までしばらくノロノロ状態が続いたもののその後は淡々と進んで…おっと、こちらもウトウトしてしまいました。

気づけば川越IC手前。R16をしばし進み、脇田新町の交差点をそのまま直進。西武新宿線の踏切待ちで終点目前の「小江戸」号を見送ると、まずは川越駅南口へ。10分ほどの早着でしたので首都高渋滞が織り込まれたダイヤだと判ります。ロータリー内には一般車の違法駐車がバス停前まで溢れており何とか停める形になったのは困ったものですが、ここで大半の乗客が下車。川越線その後最終コースをゆるゆると進んで本川越駅前に到着。残る数人が下車した後、心なしかホッとしたような雰囲気を出しながら“白鷹”は走り去ってゆきました。

***
川越は数年前に確か近畿日本ツーリストと東京空港交通が組んで期間限定的に会員制バスをやっていた?(空港乗場にあるリムジン係員用の用品ボックスにチラシが貼ってあったのをちらと見た記憶がある)かと思うのですが、それにしても「遅れてきた最後の大物」という印象を強く持っています。ただそれにしては行3/発4便と慎重な立ち上がりです。所沢線の伸張を見ればこちらも早晩急成長するのではと思っているのですが、果たして買いかぶりすぎなのかどうか…。

「急がば回れ」蘇我線

蘇我線
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07/20には羽田空港と千葉市内とを結ぶ新路線・蘇我線が開業。これで実に4路線目となります。老舗の幕張・千葉路線を筆頭に、東南部に大網線(2001/02~)、西北部に稲毛・四街道線(2003/11~)が相次いで開業。その意味では個人的に意外な路線開設でもありました。
この路線のミソは、やはりアクアライン経由であるというところでしょうか。千葉線が急行系統を含め幕張経由となり、東関道~首都高湾岸線という経路を含めて時間が掛かるイメージがありますが、こちらだとほぼ時間が読める分使い易い感じが生まれようかと…ただこれについても個人的にはいささか遠回りになるのではないか?という気がしたのですが。そんな引っ掛かりを覚えつつ羽田空港へ。

房総方面で揃えられた12番乗り場に向かうと、程なくして小湊車が入線。小湊にとってもこれで4路線目ですか。たまたま時間が空いたためながら、平日夕刻の到着ラッシュ前のせいか2TBで当方含め2名の乗車、1TBではスカ。ちと寂しいままに浮島からアクアラインへと向かいます。
久し振りのアクアですが夏霞の見慣れた光景。それにしても羽田系統で6路線が経由するなど本当に高速バス街道として無くてはならないルートになりました。おっ、首都高では使わないETCを金田ではしっかり使うんですね。その後アクア連絡道から館山道へ。丘陵から平地へと移り変わる車窓は房総半島の大きさを実感させてくれる気がします。

市原ICを過ぎると車が格段に増え、松ヶ丘ICへ。出口すぐの交差点、さらにその先の交差点を左折したのですが、双方の信号制御が異なっている様子、さらに夕刻ということでか車の多さもあって滞りがち。思わぬ時間をとられた感じがしましたが、その後は高速バスには細めの道をゆるゆると走って蘇我駅東口へ。蘇我線淡々と走ってきた印象がありましたが10分ほどの早着に。やはり確実性のあるルートだと改めて感じました。狭い駅前ロータリーを器用に周り込んで降車扱い後、バスはすぐに走り去って行きました。

***
ルートそのものは大網線で推察されていましたが、定時運行がほぼ確保できるのは経路高速料金の高さとも吊り合うということなのでしょう。ただし周辺では大網線が外房線各駅を押さえて順調な推移、五井線も東金延伸というサプライズを伴いながら当初から運行本数が倍増しているあたり、その中間点に3匹目の泥鰌が潜んでいるかはちと疑問視されるのですが、そこで千葉市中心部の需要を伺う…ということになるのかどうか。個人的にはいっそ千葉みなと辺りまで延長してもとは思うものの、そうなると運賃が微妙となる(千葉1330円、蘇我1500円)ので、その意味でも難しさを感じるのですが…。

「社運を賭けて」二俣川線

07/20開業のもう1路線は二俣川線。保土ヶ谷BP至近ながら「そういえば無かったな」という感じのニッチ感の強い路線です。同路線と横浜-河口湖線で高速バス進出を果たしたのが相鉄自動車。もともとタクシー事業者だったのが相鉄グループの事業再編に伴い貸切バス事業の移管を受け、更に今回路線参入と相成りました。
相鉄では夜行バスを手掛けていますが、2004年には早期解決となったものの大手民鉄ではかなり久し振りとなるストライキが打たれたように事業再編問題で労使が拗れており、バス事業分社化も手詰まりとなっている様子(現在綾瀬営業所のみ相鉄バスに分離)。そうした事情もあっての新規参入とも云えそうです。
ただ今回は新車を導入し“HIGHWAY CRUISER”なるブランド名まで用意、新設時から22往復と強気です。まさに社運を賭けてと云っていい気合の入りようを楽しみにして二俣川駅を降りました。

二俣川線
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「二俣川」と云えば、神奈川県民には御馴染みだったりしましょう…県運転免許試験場最寄駅のためですが、駅改札口からは試験場行き循環バスと羽田空港行きバスが併記された案内が床に貼られており、それを辿ってスムーズに駅北口バスターミナルへ。試験場行の後方に空港行き乗り場が設置され、専用券売機も置かれています…二俣川発は先着順で予約なしですが、御丁寧に?時間指定制の発券となっていますね。係員も所在なげに佇んでいますがそれもそのはず、昼間遅くとあって試験場方面も近隣住民が列を作る程度、空港行きは結局当方含め2名での発車となりました。
イーグルよりも眩しい白地の新車が到着、グリーンラインも決まっており、薄暗いターミナルも華やぐ感じがします。運転席上部には大きなモニターがついており、羽田空港行きと表示されています。何時の間に着いたのか、丁度入れ替わりに到着した同型車が回送で横をすり抜けていったのですが、そちらのモニターにも「回送」としっかり表示されていたのは御愛嬌。でもこのモニター、空港での降車についてしっかりターミナル別の赤青デザインを使った掲示など判りやすく巧みに使われていることをその後の道中実感。これは他社でも是非取り入れて欲しいと思いましたね。

さて出発後すぐに保土ヶ谷BPへ…いきなり大渋滞の様相に戸惑いましたがそれなりに流れており、首都高狩場線に入ればスムーズ。そういえば本牧JCT全通、羽田2TBオープン後にこちらからアプローチするのは当方初めてで新鮮でした。若干早着にて湾岸環八ランプを降り、1TBでは降車なし、2TBで立体駐車場をくるんと周って出発階に上って到着となりました。

二俣川線

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湘南台線行20/発21便、日吉線20往復、そして二俣川線22往復…慎重な埼玉路線と比して比較的大判振る舞いの神奈川県路線。近距離ゆえにバスをフル回転させて利を取るというものですが、需要の底堅さの裏打ちとも云うことができましょう。
その意味で今回の二俣川線は鉄道とのガチンコ勝負が見物かと。鉄道だと平均1時間弱で最小乗換1回・660円に対してバスは平均50分・900円。港南台線(港南台1000円・戸塚1100円)や日吉線(1000円)と比べるとなるほど考えられた運賃とも思うのですが、その代わり現時点で回数券等の設定が無し。事業者としてもこのあたり様子見という感じかもしれませんが、二俣川の駅勢圏を考えるにどうしても本線大和方面やいずみ野線方面が考えられる分、果たしてそれらが二俣川で乗り換えるかというのが微妙な感じがするのですが…。

■羽田空港連絡バス、今後の展開を占う

以上新規3路線を独断と偏見で眺めたわけですが、それぞれなかなか練られたルートであると感じるとともに、もはやそうそう収益性の高い目的地はそう無いのでは?とも当方は感じました。その意味では、先述の通り7月は2路線で延長・停留所追加、1路線で減便・1社撤退という動きもあったことからも、今後は既存路線の見直しがより積極化するのではと考えます(首都圏外からの長距離路線の可能性は否定しないが、その場合はもはや乗合タクシー形態のほうが素直な気がする)。
今後の大きな展開としては滑走路新設の再拡張と国際線ターミナル移転本設化、「神奈川口構想」の進展までそう目立ったものは無いのかなと。道路整備も空港関連での大幅な変動はなく、一方の鉄道では来年度にもIC共通カードが実現する方向で東京モノレール・京急がどのような対応を見せるのかが焦点になりますが、連絡バスに対して大きなインパクトまでにはならないのかなと考えます。

個人的には空港乗場の飽和状態が気がかりなところです。方面別化など、大幅修正のチャンスであった2TBオープンでも実質変動が無かったことから当面このままかとも思いますが、好調路線の増便次第ではピーク時の発着能力が限界近くになろうかと。また時刻指定制となったことで乗場係員配置も目立って増えましたが、そのサービスレベル向上も課題のひとつなのではと感じます。
というわけで今後微調整が続くことになるのではと思っているのですが、もちろん丹念に拾ってゆくつもりですので、皆様も是非各種情報提供(むしろ乗車記等を期待!)を宜しくお願い致します!

 

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