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“富士桜”の挑戦と挫折

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※当リポートは発表後の変化を反映させ再構成した Reconstruction スタイルです。

フルキャストスタジアム宮城

フルキャストスタジアム宮城 アクセス実見記

「東北楽天ゴールデンイーグルス」の活躍?は皆様御承知の通り…かと思いますが、実に半世紀振りのプロ野球新規参入、しかも空白地帯であった東北・仙台に本拠地を構えるとあって注目されたひとつに球場アクセスがありました。
本拠地は宮城野原公園総合運動場の一角にある県営宮城球場。突貫工事で整備され、「フルキャストスタジアム宮城」に生まれ変わっていますが、JR仙台駅からは東方に1.5km強といった地点で、駅東口から真っ直ぐ伸びる宮城野大通りで直結されています。この通りは仙石線地下化を軸とした東口再開発の折に誕生し、ちょいと前には「仙台ITアベニュー」なる名称もよく聞かれた場所です。よって仙台駅から歩いても緩やかな下り坂とあいまって30分掛からない距離でもあり、さして便が悪いとは言えません。更には球場から500mほど北側には仙石線宮城野原駅もあり、こちらがメインであとは…と思っておりましたが、そこはやはり地方球場。自家用車対策がまず念頭にということでか、国土交通省東北運輸局は公共交通誘導策の検討として素早い動きを見せていたのでした。

宮城球場アクセス図
より大きな地図で 宮城球場アクセス図 を表示
【2004】
09/16ライブドア、プロ野球参入加盟申請で仙台を本拠地とすることを発表
09/22楽天が仙台を本拠地とすることを発表 09/24加盟申請
11/02プロ野球オーナー会議で楽天の参入が正式決定
11/04東北運輸局、プロ野球観客輸送コーディネーション・グループを設置
供給輸送力や運賃・料金等について調査検討、関係自治体・公共交通事業者との調整実施
12/01東北運輸局、インターネット上で宮城球場アクセスアンケート実施

【2005】
01/28宮城県庁で関係者が一同に会し第1回「プロ野球交通対策関係団体連絡会議」開催
  • 球場へのアクセスはJR仙石線など公共交通機関の利用や仙台駅までの徒歩を中心に想定
  • 球場隣の駐車場(約650台分)は、シーズン中に限り楽天側に管理運営委託
    駐車券は観戦チケットと同時に前売り
  • 観戦チケットに公共交通機関の利用を呼び掛ける文言を盛り込む
  • 仙台開幕戦や人気球団とのカードは外野芝生席を除きすべて指定席で前売り発売予定
  • 試合日に球場から半径1km圏内にある29カ所の信号を交通管制センターで集中管理
02/14第2回連絡会議
02/28アクセスアンケート終了、回答474件
03/04第3回連絡会議、アクセス概要を固める
03/17東北運輸局、アクセス概要を発表
  • ナイトゲーム終了後JR仙石線での臨時列車運行(デイゲーム時はなし)
  • 仙台駅東口・定禅寺通市役所前-球場間のシャトルバス運行
  • 仙台発着高速バス路線の延伸
04/01ホーム開幕戦(対西武)
  • 開幕3連戦の入場者数は計4万5052人(ナイトゲームの地元初戦は1万7236人)
  • 最も利用者が多かった公共交通はJR仙石線宮城野原駅は3日間の乗降客が約2万1000人
  • 初戦ではあおば通-小鶴新田駅間に上下20本の臨時列車運行
    宮城野原駅では試合終了後の混雑で2度にわたり入場制限したが、混乱はほとんどなし
  • 2コースのシャトルバスは3日間に208便、計9720人が利用(県庁・仙台市役所コースは530人)
  • タクシーはナイトゲーム終了後乗り場に行列 車両不足で一時は乗車待ちの客が約100人、苦情も
  • 駐車場は予約制、観客用に489台分を用意 3日の476台が最多、初日は352台にとどまる
04/26第4回連絡会議、仙台開幕戦などの状況を受け体制の見直し等を確認
  • タクシー対応の警備員増員(空車タクシーの誘導、乗車位置徹底のため)
  • シャトルバス予備車増車・運行開始時間前倒し(往路は現在より約30分、復路は試合が7・8回終了時から)
  • 看板周辺の照明設置、駐輪場の拡充検討(歩行者・自転車等対応)
 

概要を見て気づくのが、昨夏に民事再生法を申請した富士交通がちゃっかり?しっかりと地位を得ているということ。高速バス路線の延伸に加え、シャトルバスにも名を連ねています。
改めてアクセス概要をまとめると下記のようになります(うち青字は事後修正)

  • 鉄道
    JR仙石線でナイトゲーム時のみ21~22時頃まで、あおば通-小鶴新田駅間で臨時列車を含め5~10分間隔で運行
    デイゲーム時は通常運行 → 快速列車宮城野原駅臨停
    その他路線については臨時列車運行などの対応なし
  • シャトルバス
    【仙台駅東口-球場】(仙台市交通局・富士交通) 片道大人100円 5~10分間隔運行
      球場行:試合開始2時間前~開始直前まで
      球場発:概ね試合終了後から → 7回終了時点より
    【定禅寺通市役所前-球場】(仙台市交通局・富士交通・宮城交通) 片道大人200円 30分間隔4便運行
      球場行:試合開始2時間前から
      球場発:概ね試合終了後
  • 高速バス
    球場行 注記なしはJRバス東北運行
     【会津若松発】 Day1/Night1  【いわき発】 N1  【郡山発】 D3(うち富士2)/N1
     【福島発】 D6(うち土休日のみ富士3)/N6(うち2便(富士1)平日のみ)
     【古川発】 D4/N2  【江刺発】 D1/N1  【盛岡発】 D2(うち1便土休日のみ)
    球場発 富士交通運行
     【郡山行】D2(15:05・17:10)/N1(20:05)
     【福島行】D2(15:50・16:40 土休日のみ)/N1(20:00 平日のみ)
  • 駐車場
      前売制 普通車のみ1日1500円(試合開始3時間前~試合終了1時間後)
 

さて、前置きが長くなりましたが、先日実際に野球観戦してきましたのでそのときの報告まで。
その日はデイゲーム、前日にローソンチケットで内野自由席を確保していたので、牛タン定食で腹ごなしをしてから比較的まったりと球場へ。まずはあおば通駅から仙石線に乗車します。パターン化されていませんが日中は概ね10~15分間隔での運行、うち1本が快速、各停2本が東塩釜・多賀城段落ちというダイヤで、丁度1本前が出た直後にホームに降りたこともありますが、あおば通駅はのんびりムード。車内で所在無げにしていると徐々に乗客がやってきてさらっと席が埋まって発車です。
と、直ぐに到着の仙台駅ホームはかなりの混みよう!車内はあっという間に満杯状態に。イーグルスのレプリカユニフォーム姿のこどもたちも見受けられます。さては球場大入りかな?などと思っていると、次の榴ヶ岡駅で結構降車。桜の名所で知られており、丁度満開とあって花見客が多かったようで…。フルキャストスタジアム宮城

車内のざわめきも落ち着かないままに最寄の宮城野原駅に到着。駅壁面には満面の笑みを浮かべた田尾監督がズラッと並んでお出迎えです。を、当方普段利用している飯田橋駅よりも急かなと思えるカーブにあるホーム、車内も結構傾いていますよ。ここで車内の大多数が降りましたが、対向列車も到着とあって幅員の広くないホームは大混雑!コンコースへは階段・ES・EVが1つずつですがなかなか捌けません。まぁまったり気分なのでしばらくホームで待機していましたが。
ESを上がるとこれもさして広くないコンコース、4基の自動改札機もフル回転中でした。まぁいきなり決まってしまった側からすれば悩ましい話ではありましょう…と、目に付いたのが帰りのきっぷを買う人が目に付いたこと。そういえば3月末から楽天イーグルス応援Suicaイオカードが2万枚の限定発売がなされているのですが1ヶ月経ってもまだ捌き切っていない様子…当方も正直Suicaカード蒐集からは手を引いていますので購入しませんでしたが、Suicaがあんまり定着していないのか、遠方からの観戦客が多かったのか。
最寄の階段を上がるとド派手な出入口デザインになってました。人波に押されてつい撮りそびれました…というかちょいと気が引けるくらいとでも言いましょうか。で、人波に乗りつつ陸上競技場を横目に南進して球場へ。を、道路向かいにはJRバス東北の営業所があるんですね。なるほど回送分で高速バス延伸したのかと納得ですが、ならば始発便をやってもいいのでは?とも思ったのですが、その時は…。

陸上競技場を掠めると真正面にフルキャストスタジアム宮城が現れました。当方以前の宮城球場こそ訪れていませんが、なかなか「新品感」が漂っています。周辺にコンビニ等が少ないこともあり、ローソンが出店を出しているほか球場外周にいろいろな屋台が出ていました。というのも外野裏には売店はおろかトイレすらないため、各入場口でのチケットチェックが厳しい代わりに再入場がフリーということで、試合に飽きたら?それらを巡るのもなかなか面白かったですね…極めつけは既に話題になっていましたが温泉直送の「足湯」!大盛況でしたね…当方は浸していませんが。フルキャストスタジアム宮城
さてスタンドに入ると、快晴のもと心地良い風が吹く春爛漫!やっぱりオープンスペースは良いなぁ、なんてなことを云っておりました。ちなみにホームは3塁側ということで1塁側を選んだのですが、かなりのイーグルスファン…というか「とりあえずグッズ片手に」といった野球観戦は初めて然とした地元観戦客が多く、外野自由席以外はほのぼのムードでもありました…実際試合直後からその1塁外野自由席の応援スタイルに瞠目する方々続出だった光景がかなり面白かったのですが。

試合は楽天が一方的にやられる展開、更には西側となる1塁側は日が陰ってしまい、併せてお寒い展開に…ということでまさかの飽きる?状態となって外に出ました。と、1塁側外野後方が駐車場と高速バス乗降場&貸切バス待機所となっておりまして(ちなみにその後方、ああ、と思われる方もいらっしゃいましょうが、球場丸見え?と思われるマンションがあります)、早速バス停拝見。駐車場のほうは舗装されていましたがバス乗降場は砂利のまま。さらにその一角に警備スタッフ等休憩所があるということで、出入口には係員が立ってますので観戦の方は御注意の程…尤もバス停をわざわざ見に行くのも当方くらいでしょうが。
2種類のポールが立っており片方は特段の記載なしということで降車専用のもの、もうひとつが「富士グリーン」からして判ります。長居する場所でもないのですぐ戻りましたが、時刻表を見ればタイミングを丁度逃してしまい、球場をぐるっと1周したのちに見れば、クルマが乗客待ちしていました。時間的に郡山行でしたが、試合途中ながらちらほら乗車があった様子…まぁあの展開では、とは思いましたが。

豚汁などで暖を採ったものの、ますますお寒くなる状況に7回前後からスタンドを出る流れが散見されるようになり、当方も8回表で出ることとしました。球場正面から西進すると宮城野大通りの端部に出ます。横断歩道を渡ると丁度富士交通の年季の入った観光タイプ車と、宮城交通の紅白の路線タイプ車が待機中。ちなみに仙台駅東口行と定禅寺通市役所前行の乗り場は道路で向かい合っています。
運良く?富士交通車に乗り込み、ほぼ埋まったところで発車です。宮城野大通りを真っ直ぐ進む途中ではイーグルスカラーのベロタクシーも見かけました。結構歩いている人も多いですね。10分足らずで駅東口バスロータリーに到着、乗客を下ろすと再び球場方面に足早に立ち去ってゆきました…。 試合終了直後に宮城野大通りを球場方面にクルマを走らせると、駅方面へ向かう観客の人波ができあがっていました。行き交うシャトルバスも路線タイプ車で多くの立客という状況でした。


この日の入場者数は15,710人。帰りの仙石線がどうなったか見られなかったのはちょいと惜しいことをしましたが、いい感じで分散しているものとは感じられた次第です。フルキャストスタジアム宮城
個人的に注目の高速バスですが、こちらも到着の様子が見られなかったものの、やはり球場発便のダイヤは中途半端さが否めません。まずナイトゲーム時は確実に途中帰宅となること、デイゲーム時も終了時間によっては特に次便では遅すぎる感じがします。周辺は待機スペースもなく、売店も試合終了前には営業終了してしまうでしょうから、結論としては球場発便は不要かなぁ…とも。
シャトルバスですが、帰路は乗場まで少々歩かされる上、系統で分かれていることや横断歩道を渡らなければならないことを考えると、だだっ広い高速バス乗降場のほうがいいのでは?と。ピストン輸送であるため経路が延びる難はありましょうが、現状では数台が路駐待機となっていることと比べると臨機応変な対応が可能なのでは?とも思いましたが。

ともあれ、球場改修工事もとりあえず第1段階を終えたところということで一部に鉄筋むき出しの作りかけのところもありましたし、「ボールパーク」として楽しめるところになってくれることを期待しつつ、一方で宮城野原公園の東方にあるJR貨物宮城野貨物駅の移転を含めた検討が現在なされており、さらに宮城野大通りの延伸を含め公園の再編(陸上競技場の移転等)も模索される中、財界からは「ドーム球場を」との声も挙がっているとか…ま、なによりもまずは球団の基盤固めが肝要かとは思いますが。

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  • 試合概要(資料期間中)
  • 注)終了時間は試合時間からの単純計算のため、途中中断等により実際は遅かった可能性もあり。
  • 対西武
  • 04/01(金) 18:10-21:56
           ○ 17,236人
  • 04/02(土) 13:01-16:39
           ○ 13,384人
  • 04/03(日) 13:00-16:21
           ● 14,432人
  • 対福岡ソフトバンク
  • 04/11(月) 18:00-20:52
           ● 10,597人
  • 04/12(火) 18:00-21:48
           ●  9,345人
  • 04/13(水) 18:00-21:14
           ○  9,204人
  • 試合概要(資料期間以降)
  • ※当方観戦試合
  • 対千葉ロッテ
  • 04/22(金) 18:00-20:56
           ●  8,889人
  • 04/23(土) 13:00-16:21
           ● 14,168人
  • 04/24(日) 13:01-16:02
           ● 15,710人※
  • 対オリックス
  • 04/25(月) 18:01-21:24
           ●  9,747人
  •       (/26・/27は山形開催)
  • 対西武
  • 04/29(金) 13:00-16:15
           ○ 15,841人
  • 04/30(土) 13:00-16:59
           ● 16,557人
  • 05/01(日) 13:00-16:32
           ● 16,772人
  • 対讀賣
  • 05/06(金) 18:00-21:38
           ● 18,613人
  • 05/07(土) 18:01-21:13
           ● 19,280人
  • 05/08(日) 18:00-20:44
           ○ 19,449人
  • 対横浜
  • 05/10(火) 18:00-21:11
           ●  9,864人
  • 05/11(水) 18:00-21:11
           ●  9,739人

補足と指摘

投稿者---551planning(2005/05/12 13:46:16)

東北運輸局から4/27付で球場アクセスの利用状況がリリースされていました。なお、サイトにアップされたのはGW明けのようですね。
4月上旬の2回戦6試合の状況が合算値で掲載されていますが、補足がてら見てみましょう。

資料期間では、昼2・夜4試合、有料入場者数は平均12,366人、やはり開幕戦が多いですね。全体ではさすが讀賣戦ということになりますが、阪神戦含め実質2万人が最高、平均1万2千人位といったところでしょうかね。讀賣戦後のアクセス等の混乱も伝わっておらず、総じて分散化によって無難にこなしているということでしょうか。

球場からの帰宅利用状況と3月発表の確保輸送力を転記すると下記の通りです。

帰宅手段確保輸送力平均人員最大実績備考
徒歩等6,804人9,337人
マイカー402台(804人)476台
宮城野原駅10,000人強2,500人3,500人
シャトルバス2,000人弱1,140人1,691人(うち市役所前方面 平均89人/最大126人)
高速・貸切バス114人231人(うち高速バス 平均4人 確保輸送力160人(デイゲーム時))
タクシー500人1,004人2,355人

有料入場者数平均と合計が合致していますが、宮城野原駅とマイカーが目測等と思われるため、恐らく徒歩分が過剰になっている可能性もありますがまぁ誤差の範囲でしょうか。それぞれ確保輸送力とバラつきがでていますがこれは致し方ないでしょう。

それにしても先ず目がいってしまうのが高速バス平均4人…『事前周知不足』ともされていますが、デイゲームでも結果試合終了後では福島便1便のみがヒットか、さらにナイトゲームでは中盤戦の最初あたりという20時頃設定ではカラだったとも?(そもそも確保輸送力にはカウントされていなかったりしますし) 確かにそれぞれ富士交通運行の最終便なのですが、それにしてもやりようはあると思うのですが。一方で貸切バスは1試合3~4台見当とは思うにある意味健闘かと。ただ資料で『待機場の利用は僅少』とあることや確保スペースのだだっ広さから考えると大誤算?なのかも知れません。
タクシーは「仙台問題」として広く知られてしまっていますが、ただでさえ絶対数が多すぎる以上、“大所”も狙えそうなシチュエーションでの流しタクシーの流入は致し方なさそう…といって締め出すわけにもいかず、難しいところでしょう。
シャトルバスは市役所前方面は4便ということでほぼ着席できる感じでしょうか。誘導はスムーズだったようですが宮城野大通りと交差する運動場周回道路の渋滞が影響とのこと。流しタクシーが一因となっていますが、シャトルバスの路駐や徒歩客・シャトルバス利用者の横断歩道利用混雑も想像できるところ、やはりシャトルバスの始発を貸切バス待機場に移す策が有効かなと感じます。

***
あと、本編ですっかり記載忘れしていたこととして、シャトルバスに富士交通が入ったことによる問題を指摘しておきます。
まずシャトルバス案内ページで注記されている通り、利用に際して敬老乗車証・ふれあい乗車証利用が富士便のみ却下されるのは、実際利用数が寡少と思われる分返って中途半端かと。基本をバスカード不可等現金のみとしているのであれば、金額からしてもむしろそれに併せてしまった方が良かったのでは?と思います。そもそもこうした規定からして運賃プール再配分等はしていなさそうですし。
使用車種についても、実見の限りで富士が概ね観光車(1台路線車チックなのを見掛けたものの撮り損ねた!)、市営・宮交が2扉路線車を使用しており、富士車での利用集中時の対応=立席乗車で詰め込むのかがつい気になりました。無論高速走行等なく乗車時間もさしたるものではないのでやったとして問題はないのですが、利用者としては使い勝手は悪かろうし、仮に運賃的に上記であれば詰め込みが効かない分儲けが…と。事前想定の確保輸送力では平均70人/1台とされているのですが、これもどう出したか微妙な気がします。
まぁそもそも当初指摘したように、富士がしっかり一定の地位を得た経緯が不明なのでよく判らん、となってしまうのですが。

その後の状況…(2010/09) ■

多難な初年度をなんとか終えた東北楽天ゴールデンイーグルス。その後4年に渡る野村克也監督体制の下、あまたのボヤキを生み出しつつ一歩一歩成長し、2009年には球団創設以来初となるAクラス入り、2位となりクライマックスシリーズを本拠地で開催し突破! 北海道日本ハムとの日本シリーズを賭けた札幌決戦に破れ、任期満了という名の事実上解任?を以って野村監督が名誉監督となり、2010年は広島の闘将・ブラウン監督体制で奮闘中ですが、現時点で定位置?の最下位に甘んじている状況です。

なお、当リポートタイトルでは当時のままとした宮城球場のネーミングライツですが、まず人材派遣会社・フルキャストが3年契約で取得。「フルキャストスタジアム宮城(フルスタ)」は語感も悪くなく定着し、契約延長も示唆されていたのですが、契約最終年となる2007年夏、同社が度重なる違法派遣問題で事業停止命令を受けたことにより同年限りで契約解除に。2008年からは地元にも工場を有する日本製紙が3年契約で取得、「日本製紙クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)」と決定したものの直後の2008年初頭に同社を含む製紙業界の古紙配合率偽装問題が発覚し、最終的に社名を除いた「クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)」が現名称となっています。

さて、肝心?のアクセスですが、まずJR仙石線の快速臨停・臨時列車運行はそのまま継続、臨時列車の区間延長要望もあるとか。
民事再生途上でのシャトルバス参入を訝しんでいた富士交通ですが、【検証:】でも別途取り上げているように、結局2005年秋には高速バス路線運行を停止。2006年1月には帝産観光バス仙台と合併し「帝産富士交通」となり、2006年もシャトルバス運行に参加したものの同年限りで撤退、2008年末を持って事業廃止となっています。
結果、仙台駅東口系統は仙台市交通局と宮城交通が、定禅寺通市役所前(東京エレクトローンホール宮城前)系統は仙台市交通局が運行。富士交通撤退により球場始発の高速バスこそなくなりましたが、至近に車庫を持つJRバス東北による高速バス路線延長も継続されています。

なお当方はこの後2度観戦、市役所前から1回と仙台駅東口往復でシャトルバスを利用、あと球場から仙台駅まで歩いてもいます。結構歩く人が多い印象、下記にもやり取りが出てきますが、仙台の場合は歩道もゆったりとられており、道筋の店もイーグルス関連の装飾などで雰囲気の醸成に努めている様子。2009年7月には一部区間で自転車通行レーンがクリムゾンレッドに塗装整備され、「イーグルロード」と命名されたそうで。

 

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野球場などイベントの時の輸送の問題(福岡ドームと西鉄バスの状況)

投稿者---たぬき氏(2005/06/09 10:12:58)

福岡ドームは鉄道の不便な場所にあると思います。
地下鉄唐人町駅から徒歩約15分、試合時は臨時バスも走ります。しかし臨時バスは混雑が激しく、危険な状態です。
福岡のバスは安全運転の発想に乏しく、急ブレーキが多く、カーブでも速度をあまり落としません。臨時バスで座れることも少なく、手すりにがっちりしがみついていないと転びそうになります。しかもぎゅうぎゅうで苦しくなります。
ドーム前の乗り場で行列していますが、尋常な長さではありません。しかも「座るため」と行列を崩したり、急ぐ人が無理な状態でもあるにかかわらず乗り込みます。
ドーム→博多駅のバスは、十数台で一気に走り、博多駅から回送で戻ります。そのため、1回逃すと1時間くらい全くバスのない状態になります。

イベント時の輸送は鉄道が優れていると思います。阪神電気鉄道の甲子園、西武鉄道の西武球場前などは、相当な乗客を見越したダイヤ・車両を準備していると思います。ちなみに1万人輸送すると仮定すると、電車何編成分か、バスが何台必要か、想像でわかると思います。

福岡ドームへモノレールを建設する話がありました(新聞に載っていたのははっきりしていますが、詳しくは分かりません)。地下鉄唐人町~ドーム~シーサイドももちというルートです。しかし立ち消えしました。バス中心主義で福岡が成り立たない証拠だと思います。
バスはオールマイティーのように言う人がいますが、決してそうではない。むしろ欠点が多いのに、不向きな場所でもバスで全てまかなおうとする発想になるのは危険です。
少なくとも西鉄には「バスの限界」を気づいて欲しいものです。

Re:野球場などイベントの時の輸送の問題

投稿者---551planning(2005/06/10 18:03:20)

●福岡ドームアクセス

ホークスタウンには数度行ったことはありますが、いずれもオフシーズンだったためよく判りません。
地下鉄駅からの徒歩を考えると不便ではありますが、シーサイドももち地区の主要アクセスとしては路線バスがそこそこの本数が動いていたかと思い、確かに博多や天神からは遠いものの不便であった、という印象は少ないですね。その意味ではキャナルシティのほうが徒歩アクセス主体(クルマだと渋滞に引っ掛かりがち)ということで不便な印象があったような。
それはさておき、ドームが出来てからもう10年以上経つというのに、たぬき様の印象からするとあの西鉄が…とも思ってしまいます。まぁ混雑・旅客集中はなんともではあるのですが、短期決戦的な輸送形態はどうも…確かに限られた中での最良の選択かとは思いますが。ひょっとしてタクシーとの共存策?
あと乱暴運転云々については微妙なところ…ただし、2001年の事故頻発も記憶に新しいところ、会社としても色々な取組みを行ってはいるようで…。

軌道系整備を考えるとして、さてどうでしょうか…2000年に西新-ももち間のモノレール構想が地元協議会で出されたそうですが、今ならLRTで!となるのでしょうか。ただ建設費度外視で単純に考えれば地下鉄分岐延伸(西新からももち地区を掠めてホークスタウンへ反転、それか唐人町から浜辺へか)がベストでしょうし、そこまでは…ということなのでしょう。

●球場アクセスは…

野球で見ると、福岡のほか広島と千葉マリンが軌道系に恵まれていないということになりましょうか。双方とも観戦経験がありますが、広島はやはり広電で広島駅方面が試合終了直後かなり混み合いましたがこれは路面電車ゆえのスペックの問題であり、さりとて頻発していることや、繁華街の傍、バスセンターやアストラムライン駅も近いとあって分散が図れている印象です。千葉は海浜幕張駅や幕張本郷駅方面へのバスが福岡同様かなり混み合いますが、むしろ連節バスの威力を感じたり…尤も、さっさと諦めて駅まで歩く人がかなりとも思われます。まぁ、双方とも福岡と比して平均観客絶対数が、という声もありそうですが。
サッカーはどうなんでしょうか。2002年のW杯時はいろいろとあったわけですが、その後で云えば国立・横浜・埼玉あたりも、軌道系に恵まれているんだかそうでないんだか(=競技場までそこそこな距離で徒歩アクセスが必要)という印象がありますが。あとは格闘技やコンサートといった場合はどうでしょうね…皆様の御報告に期待!

●短期集中型輸送と「バスの限界」

ともあれ、大量輸送機関である軌道系がイベント輸送に優れていることは云うまでもないでしょうが、時と場合によると感じますね。個人的にはかなり昔の鉄道ファン誌の国電特集で、横浜スタジアムオープン時の根岸線輸送の記事が掲載されており、臨時ダイヤ組みの微妙さ、難しさといったようなことが描かれていたのが印象に残っていますが、例えば現状、そうしたダイヤ構成がされているのか気になるところ。甲子園や所沢といった立地条件では未だ残っているでしょうが、例えば後楽園駅引上線を巧みに使った丸ノ内線の臨発なんてあるのかな…そういや中央緩行線の運行確保能力向上とかで市ヶ谷電留線整備なんてな話があったかなかったかと覚えているのですがどうなったのかな?…閑話休題。
要は一極集中なのか、分散が図れるのかで条件は変わります。確かにバスはオールマイティではないでしょう。しかし、軌道系にはない柔軟性を持っています。あの甲子園だって新しい取り組みをしているわけですし(まぁこれは西大阪線延伸を見越してのものかもしれませんが)。タクシーも手段として考慮しなければならないことは宮城の例でもありますし、自家用車アクセスをどのように捉えるかは大きなポイントでもありましょう。

その意味で福岡の場合、九州全県からの泊り掛け観戦形態なども結構あるようですし、まずは全体の流れがどうなっているのかが見えると方向性もと思います。丁度博多駅周辺や天神地区でのまちづくりのあり方が活発に議論されているようですし、その中で福岡ドームがどのように捉えられているかが注目でしょう(すいません、さらっとだけでは調べ切れませんでした)。で、個人的には見ず知らずでは恐縮ながら、結局バスを巧く使うのがベターかと感じますが…。

マリンスタジアム&幕張メッセでは

投稿者---bluewing氏(2005/06/10 22:42:46)

一点だけ、、。

●球場アクセスは…
千葉は海浜幕張駅や幕張本郷駅方面へのバスが福岡同様かなり混み合いますが、むしろ連節バスの威力を感じたり…尤も、さっさと諦めて駅まで歩く人がかなりとも思われます。

これ、幕張メッセでも同様なんですが大半が海浜幕張駅まで歩いているのが現状です(大半が京葉線で東京方面に向かうので、、、)。
ロッテのゲームの時は海浜幕張~スタジアム直行便もあるんですがこれもあまり利用されていません。
で、連接バスはあくまでラッシュ時対応用なので、実は車庫でお昼寝してる車両も多いんです。
モーターショウみたいな規模にならない限り通常タイプでも積み残しはめったにありません。

Re:野球場などイベントの時の輸送の問題

投稿者---たぬき氏(2005/06/10 21:39:08)

ありがとうございます。
ドーム周辺の交通は、1つの道にバスが大量、駐車していた車、タクシーが同時に走るので渋滞が激しいのがまず問題だといえます。
ちなみに行事のない日は、少し離れたところの路線バスを使うことになります。

広島は、最寄の原爆ドーム前から2系統、紙屋町から1系統、アストラムラインも徒歩すぐ、八丁堀までなら商店街があり、交通の便はそれなりに大丈夫と思います。連接車が相当使用されている面も、鍵になります。
しかし、アストラムラインと山陽本線の交点に駅を設けていないのが不便に感じます。広島電鉄が反対したのでしょうか。
千葉には連接バスが走っていますが、運転免許はけん引二種でしょうか。

***
門司港・下関の「海峡花火大会」の交通状況もお話したく思います。

  • 門司港:門司港駅周辺。駅前広場が帰りの客で動けなくなる。行列最後部から約1.5時間で電車まで。電車は小倉行きの臨時を約10分間隔で運行。駅前広場はやや広いが駅へ入りにくい。
  • 下関:駅方面は唐戸からバス。長府からのバスと山の方からのバスが合流するところであり、本数は多い。しかし唐戸で満員になり、他のバス停では乗れない。下関駅は比較的ゆとりがあるが、山陰本線・九州方面・山陽本線どれも増発している。
    門司・下関共に警備員の規制がきちんと行なわれ、自動改札はフリー。

要は一極集中なのか、分散が図れるのかで条件は変わります。確かにバスはオールマイティではないでしょう。

***
その認識が西鉄に限らずバス会社いずれにもあるのかは疑問です。
博多駅~天神100円バスにしても、基本的には殆んどの系統が通り、地下鉄とのすみわけでなく「奪う」発想で、地下鉄が運賃2倍という状態で、一種の地下鉄つぶしではないかと思えます。本来地下鉄の分野を値段だけでつぶし、ルート設定も一極集中、結果多すぎるバス、地下鉄が値下げしない限りは競争にもならないが地下鉄が対処できない・・・という状況と思います。

その意味で福岡の場合、九州全県からの泊り掛け観戦形態なども結構あるようですし、まずは全体の流れがどうなっているのかが見えると方向性もと思います。丁度博多駅周辺や天神地区でのまちづくりのあり方が活発に議論されているようですし、その中で福岡ドームがどのように捉えられているかが注目でしょう(すいません、さらっとだけでは調べ切れませんでした)。で、個人的には見ず知らずでは恐縮ながら、結局バスを巧く使うのがベターかと感じますが…。

ドームからのバスは天神ゆき、博多駅ゆきですから、この2箇所の問題です。西新、姪浜、筑肥線方面は唐人町から地下鉄しか方法がありません。
改善するとしては、地下鉄七隈線を橋本-姪浜-ももち-ドーム-築港-呉服町-祇園-キャナル・中洲南・春吉-天神南と環状線化することも構想としてあっても良いのではないかと思います。

地下鉄に限らず、西鉄は鉄道-バスの接続を考えないとしかいえません。駅前広場に全バスが入るのも珍しいくらいです。乗り継ぎ前提の構造で乗り継ぎやすいのは大橋、久留米、黒崎くらいです。全バスが駅前に入ることを珍しく思うというのはいかがでしょうか。

Re:野球場などイベントの時の輸送の問題

投稿者---かもめ氏(2005/06/19 21:02:28)

御無沙汰しております。
私も各地の交通機関の体験と野球観戦を兼ねた遠征は大好きであり、今シーズンはひいきチームが好調であることもあって久し振りに投稿させていただくことにしました。

1.スタジアムから最寄駅へのアクセスについて

私が最も疑問に感じだのが福岡ドームです。軌道系交通機関を使うとすると皆様の御指摘の通り福岡市営地下鉄唐人町駅から徒歩ということになるのですが、これが遠いばかりでなく道が暗いのです。特にナイトゲームの後は正直言ってかなりの危険を感じます。

ここで私の提案なのですが、早急なアクセス整備が現実として難しいのであればむしろ逆に駅から球場への道を非日常ゾーンへのゲートウエイとしてわくわくしながら歩けるようにするというのはいかがでしょうか?
具体的には関内駅や宮城野原駅でやっているような選手や監督のペインティングを球場の入口まで続けて沿道に喫茶店やグッズショップなどを誘致するのです。

もちろん肖像権の問題や住民感情の問題(球場のそばに住んでいるからと言ってそこを本拠地とする球団のファンであるという保証はどこにもない)などもありましょうし、福岡ドームもそうであるように住宅地のなかにある場合にはそれ以上の問題も発生しましょう。それであっても何とか少しでも道が華やかになればどんなに素敵かと思わずにはいられません。

2.最寄駅から自宅まで

これも検討の余地があります。二つの例を挙げたいと思います。
まずは千葉マリンスタジアム。御指摘の通り (1)徒歩か100円バスで海浜幕張駅へ (2)バスで幕張本郷駅へ、の二通りの方法が考えられるのですが、先ず(1)のケースだと駅へは近いもののそこから乗るべき京葉線が本数が少なく多くの場合で待ちぼうけを食らわされます。総武線沿線から来る人は南船橋,西船橋の2箇所での乗り換えを強いられることが多くこの点でも不満が聞かれます。(2)のケースもナイトゲーム終了後は津田沼折り返しが発生している時間帯になるのでロスが生じます。結果として「(水道橋まで一本の)東京ドームのほうが近いよ」という声が出るほどの現状となっています。

次に福岡ドーム。福岡市街地までのアクセスについては皆様御指摘の通りなのですがその先にも一考の余地があるように思います。
福岡ドームを本拠地とするホークスは近年かなりの人気があり、九州各地からファンが押し寄せてきます。がために各々の時間で来れる行きはまだしもナイトゲームの帰り、特に夜行高速バスやドリームにちりん、有明(かつてのドリームつばめ)はかなりの混雑になります。なんとか対処をと思わずにはいられません。

3.そうはいっても

だからといって私は交通機関を一方的に批判するつもりは毛頭ありません。

  • 観客輸送は全体の輸送需要から考えると「ごく一部」のものであること
  • スポーツ界で出てくる観客動員などの数字は正確なものとは言いがたく、それに則って輸送計画を策定するのはそもそも無理があること
  • スポーツの試合もアーティストのツアーも各種イベントもそれぞれ高い需要によって満たされている場所はごく僅かであり、それ以外は一時的に人気があったとしても多分にバブル的なものであること

以上の理由によって交通機関に過剰な投資を求めるのは無理があると考えるからです。

決して結論が出ているわけではない文章であり、失礼に当ったとすれば申し訳ありません。

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野球場・大規模施設の交通のありかた

投稿者---たぬき氏(2005/06/23 19:46:29)

早急なアクセス整備が現実として難しいのであればむしろ逆に駅から球場への道を非日常ゾーンへのゲートウエイとしてわくわくしながら歩けるようにするというのはいかがでしょうか?

地下鉄唐人町駅からドームまでの途中は住宅地プラス「福岡市立こども病院」があります。騒音問題がかなり重要なことになります。人工島へ移転の構想もありますが、何も決まっていません。

福岡ドームを本拠地とするホークスは近年かなりの人気があり、九州各地からファンが押し寄せてきます。がために各々の時間で来れる行きはまだしもナイトゲームの帰り、特に夜行高速バスやドリームにちりん、有明(かつてのドリームつばめ)はかなりの混雑になります。なんとか対処をと思わずにはいられません。

北九州のほか、長崎や熊本の観客をどうするのか、立地の時に何も考えなかったところでしょう。帰りを気にしすぎなければならないのはイベントの価値が半減です。不安で途中で出場する人はかなりいます。
ドームの後は花火とか、飲み屋へ誘導しているようですが、全員が参加できるわけではありません。段々マイカー中心の発想になってきているようですが、アルコールと交通弱者の問題もあり、渋滞の問題は慢性化しているだけです。
道路混雑の中に大量のバスをいれると、結局は渋滞がひどいだけ、しかし利用者が逃げにくい、なおかつ時間的に不安で、いつ乗れるかいつつくか不明のバスを改善できないというのは公になりません。
あと、博多駅からの列車は少ないし、増発も増結もなく、深夜で本数の少ない普通と座れない特急しかないのです。家までの交通の問題なんて何も考えなくて終わっています。

観客輸送は全体の輸送需要から考えると「ごく一部」のものであること

「ごく一部」でも苦痛でいいのでしょうか?球場の観客動員は定員や他の試合から「ある程度」予想できませんか?バブル的でも誘導のための警備員が動員されるのはなぜですか?
バスは座るのと立つのが安全性に極端な差になります。そのため座りたい人がわざと行列を乱し座ろうとする。
都市高をぎゅうぎゅう詰のバスが大量に走っています。手は痛いし転びそうになるし、事故がいつ起こってもおかしくない状況です。

千葉の様子、また札幌ドームと地下鉄福住駅の状況を知りたいです。バスの乗車時間も知りたいし、立席の危険性もどう処理しているのか。

札幌ドームの場合

投稿者---白樺熊男氏(2005/08/14 13:25:56)

たぬきさんこんにちは

札幌ドームですが、多くの人は福住駅を利用します。
東豊線の車両は4両編成ですが、臨時バスのおかげでそれほど混乱が起こっていないようです。

札幌のドームの観客輸送は地下鉄だけではありません。臨時バスも走ります。
札幌ドームからは「平岸駅」「真駒内駅」「南郷18丁目駅」「JR白石駅」の4箇所に臨時バスを走らせています。
福岡ドームでは西鉄バスがすべての臨時バスを走らせているようですが、札幌ドームでは3社(JR北海道バス、北海道中央バス、じょうてつバス)が走っています。

札幌ドームでは福岡ドームのようにぎゅうぎゅうになる前に出発します。車内はそれほど圧迫感を感じません。しかも後ろに次のバスが待機していて、前のバスが発車したすぐ後に、次のバスが待機場所から乗り場にやってきます。
たとえバスを逃しても、そんなに待つ必要はありません。そのため急ぐ人は立つことを苦にしないので、立つことを覚悟し、急がない人は座っています。北海道のバスはそんなに急ブレーキをかけたことは私が経験している限りでは見かけたことはありませんね。

札幌ドームの臨時バスは福岡と違って、郊外の駅に行きます。郊外なのでそれほど臨時バスによる渋滞が発生しているとは思いません。

北海道の人口は福岡県の人口よりも一割多いくらいです。しかも札幌圏の人口は北海道の人口の4割ぐらいがすんでおり、札幌圏以外の北海道民は少ないです。札幌圏以外から札幌ドームに来る人は少ないと思います。
JR北海道もそれほど観客輸送に力を入れていない。

Re:野球場・大規模施設の交通のありかた

投稿者---かもめ氏(2005/06/26 20:58:14)

気になったので1つだけレスさせていただきます。

「ごく一部」でも苦痛でいいのでしょうか?

もしかしたら極論になってしまうのかもしれませんが、通勤通学客にはそれ以上の苦痛を味あわせている状況で野球場・大規模施設にだけ快適を提供しろというのであれば理解は得られないでしょう。

球場の観客動員は定員や他の試合から「ある程度」予想できませんか?

予想できないと思います。定員や観客動員として出される数字がとてもとても正確とは言いがたいのは少しでもスポーツ界に興味を持っている人なら誰でも知っておられることでしょう。更に言えばそれを実証する手段もなければ自治体や官庁も監督責任をまるで果たしていない、「誘致」や「振興」にばかり目がくらんでしまっている、そんな現状です。
例えば会社などでよその部署からいい加減な数字を示されて、「これに則って誰もが納得できる計画を策定せよ」といわれたら貴殿はどのように思われますか?

もしもお気持ちを害されたとしたら大変申し訳ないのですが、自分なりに正論と思われることを書かせていただきました。

Re:野球場・大規模施設の交通のありかた

投稿者---あかみ氏(2005/06/27 00:32:25)

もしかしたら極論になってしまうのかもしれませんが、通勤通学客にはそれ以上の苦痛を味あわせている状況で野球場・大規模施設にだけ快適を提供しろというのであれば理解は得られないでしょう。

多くのケースでは、大規模施設への快適性を用意することによって、通勤通学客への快適性向上にもなるでしょう。
その意味で、大規模施設や野球場への快適性を用意することは理にかなっています。さらに言えば、大規模施設等への来客は乗客になる可能性があり、それを無視することも理解は得られないでしょう。
つまり、対応をとるべく努力はしなければならない、ということです。実際に対応が取れない可能性があることも踏まえながら。

福岡ドームに限定すれば唐人町駅へのアクセス改善(=歩道等の改善)が一番の答えだと思いますが、やはりこればかりはケースバイケースで考えないことにはどうにもなりませんね。福岡の現状では路線バスアクセスも無用とは言いませんが、よりによって都市高速を通して天神まで運び込むことはないかと。駅に余裕のあるところへ運ぶことを考えると、姪浜へ運んでしまうなどの手もあるでしょうし。……って道あったよな?

超大規模イベントの例として取り上げますが、コミケへのアクセスはこの何年かで劇的に改善され、常識的な時間帯での一般参加なら往復ともに着席することもわずかな工夫で現実のものとなりました。
これは明らかにインフラの拡張による工夫ですが、大量の人数をいかにうまく流すかという問いは日本の鉄道では昔から問い続けられてきた問題であり、たとえば駅構造の複雑化、通路の長大化なども大量の客を「捌く」ための必然性から生まれたものです。
こういったノウハウを、野球場や大規模施設の交通のありかたに導入することは不可能ではないでしょう。

定員や観客動員として出される数字がとてもとても正確とは言いがたいのは少しでもスポーツ界に興味を持っている人なら誰でも知っておられることでしょう。更に言えばそれを実証する手段もなければ自治体や官庁も監督責任をまるで果たしていない、「誘致」や「振興」にばかり目がくらんでしまっている、そんな現状です。

だけど、現実を見れば、たとえば公称入場者数5万人とされていれば、それなりの規模のイベントが開催されているのは明らかで、5万人には満たないにしても、少なくともゼロではないわけです。さらに言えば、おそらくは一個列車で運べる人数でもないでしょう。
だから、それに対応する計画は必要であり、数字を信じれば(最適ではない可能性は高いものの)作ることはできるはずです。さらに言えば、企業の社会的責任としては(さらに、得られる可能性のある利益の喪失を防ぐ意味では)現地調査を敢行してでも、最適な答えを求めようとしなければなりません。

企業としての考え方から見れば、自分で仕事を探して上からの指示が無くても仕事を行うことは当然として、それがすなわち上から言われたタスクを無視して良いということにはなりません。

以上の理由から、論旨には理由がないと思われます。

ただ、以上の理由から、交通機関が過大な投資を行うべきとは思いません。
施設やイベントに対応するための輸送力増強は大規模施設や、大規模イベントを行うことによって利益を得ている人から主に投資してもらい、運輸会社はあくまで、波動輸送から得られる利益から妥当と思われる範囲内だけで投資を行うのが全体としては正当でしょう。

#りんかい線国際展示場駅のホームはやたらに狭いですが、駅構造は巨大です。これも、投資対効果と、効果が得られる人は誰か?という問題あたりから考えられる話でしょう。

昨日、ドームに行きました。

投稿者---たぬき氏(2005/06/27 14:44:56)

昨日、所用で(野球観戦ではないですが)ドームに行き、ちょうど試合終了時の観客の動きを観察出来ました。

福岡の現状では路線バスアクセスも無用とは言いませんが、よりによって都市高速を通して天神まで運び込むことはないかと。駅に余裕のあるところへ運ぶことを考えると、姪浜へ運んでしまうなどの手もあるでしょうし。……って道あったよな?

バスの乗り継ぎターミナルは、藤崎駅にあります。裏はバス待機場になっていて、道も天神方面に比べ混雑しないです。また、西新のバス車庫も地下鉄に近く、転用できそうです。
副都心の西新には一切配慮しないのが西鉄バスです。地下鉄に乗り継いで筑肥線方面の客などは無視ですね。

超大規模イベントの例として取り上げますが、コミケへのアクセスはこの何年かで劇的に改善され、常識的な時間帯での一般参加なら往復ともに着席することもわずかな工夫で現実のものとなりました。
これは明らかにインフラの拡張による工夫ですが、大量の人数をいかにうまく流すかという問いは日本の鉄道では昔から問い続けられてきた問題であり、たとえば駅構造の複雑化、通路の長大化なども大量の客を「捌く」ための必然性から生まれたものです。
こういったノウハウを、野球場や大規模施設の交通のありかたに導入することは不可能ではないでしょう。

私が言いたいのは、まさしくこのことです。
ただ、地下鉄唐人町駅がドーム計画前に出来ていることで駅としては狭いです。
唐人町駅は、券売機が5台、ドームの行事用に臨時の券売機が6台あります。昔は平和台球場の頃の赤坂・カード導入前の唐人町ともに臨時窓口を作って対応していました。
自動改札に慣れない人が多く、遠くからの子供の多くはきっぷを取り忘れて後ろがつかえるトラブルが多いです。デーゲームであることもあって、混雑はしているが危険はないという状態でした。

一方バス乗り場は長蛇の列。数百メートルは行列しています。
北九州方面のバスは、立体駐車場の裏で、存在が目立ちません。係員の誘導でやっと気づく感じです。
また、ドームはホークス勝利の時の屋根の開放を行うなどしており、それで観客が一気に動くことを避けてはいるのですが、その分、臨時バスに並ばなければならない、バスが終わってしまうかも知れないという不安も、セレモニーを見たい人の悩みの種になってしまいます。実際、臨時高速バスに間に合わなかった人がいて、苦情が出ていました。

実際に、球団・球場側、西鉄、市もかみ合っていない、しかし金にならない事は悪く言われるだけ、観客という当事者の不満があっても評論家が「出来るわけがない」といえば逆らえない状況です。
物事は当事者が一番である事をどういう風に説明しますか?他人事で済んでいる人ばかりですね。

***
確かに、波動輸送だけのために鉄道を造るのは難しいでしょう。しかし湾岸部には需要のある施設や住宅も多いです。シーサイドももち・マリナタウンあたりは新興住宅地ですが、交通整備という点を一切クリアしていないです。マイカー前提です。
施設の紹介で「○○駅から徒歩×分」という表現は、施設利用者は特に気にします。キャナルシティも本来交通の不便なところですが、「中洲川端駅から徒歩」と書くことで川端通商店街の復興という副産物も出ました。

北九州・下関 海峡花火大会

投稿者---たぬき氏(2005/08/14 10:58:08)

海峡花火大会に行きました。
レポートと呼べるほどではありませんが、交通状況を体験した者として。

小倉では往復券が発売されていました。印刷された往復券でした。小倉←→門司港・下関と印刷された常備券です。
常備券を使用するため、一番右の自動改札は止めてあり、駅員がスタンプの改札です。
16時頃でしたが、7/8番ホームは入場制限がかかり、2番線に誘導されると、小倉←→門司港の臨時列車でした。415系ロングシート車で4両編成です。

門司港駅は自動改札ですが、右側に臨時出口を設け、そちらに誘導していました。

門司港←→下関・唐戸に「関門汽船」があり(¥390)、船の上から花火を見る人が年々増えているので10分間隔に増発です。

下関に船で渡って、花火を見た後は、唐戸からサンデン交通バスで下関駅へ。唐戸→下関駅は通常の長府方面からと東駅方面からのバスの他、臨時バスを出しています。唐戸でかなり乗客を乗せたバスが次の西南部(有料観覧席最寄り)で超満員になりました。歩道には人があふれており、バス停もひどい混雑です。バスが頻繁運行ですが、唐戸で乗らないとどのバスにも乗車できない可能性があると感じました。数年前、西南部から乗車しようとしたときは、どんどんバスが通過してしまい、結局30分かけて駅まで歩く羽目になりました。浴衣を着て下駄を履いて歩くのはつらかろう・・・と思いながら歩道を見ていました。

今回は少し早めに切り上げたこと、唐戸でバスに乗れたことで、下関駅には早めに着きました。
下関駅は入場制限を行っており、九州方面・山陽本線・山陰本線いずれも増発増結していました。ホームが危険な状態らしく、誘導も混乱していました。自動改札は開放してありました。

数年前、門司港から乗ったときは、駅前広場がぎっしりで、動けない状況でした。門司港の場合は一方向ですから、小倉の接続の問題が一番です。自動改札は開放してありました。

***
安全に確実に乗客を誘導するために鉄道の各部門、警察がどのように動くかは、観客の人数、集中する時間を熟知しておかねばなりません。今まで事故はおこっていませんが、数年前朝霧駅での事故は管理責任が問われております。「予想できないから」では事故につながる、観客全員をきちんと輸送するためには「いい加減」では許されません。「儲からないから事故が起こっても知らない」では主催者も警察も鉄道もバスも大問題になるはずです。きちんと輸送すること、安全に誘導することは大きな責任です。誘致がどうの、振興がどうのの問題は利用者を安全にさばくことの問題ですか?

今は当事者より評論家の方が発言が有利、当事者が苦労しても評論家が文句を言えばおしまいでしょう。

話がそれましたが、海峡花火大会で事故が起こらないのは主催者の努力か、警備や駅・バスの係員ががんばっているのか、それとも単に結果オーライで済んでいるのか?

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こういう路線もあります

投稿者---たぬき氏(2005/09/05 09:39:48)

1.観客輸送は全体の輸送需要から考えると「ごく一部」のものであること
2.スポーツ界で出てくる観客動員などの数字は正確なものとは言いがたく、それに則って輸送計画を策定するのはそもそも無理があること
3.スポーツの試合もアーティストのツアーも各種イベントもそれぞれ高い需要によって満たされている場所はごく僅かであり、それ以外は一時的に人気があったとしても多分にバブル的なものであること

以上の理由によって交通機関に過剰な投資を求めるのは無理があると考えるからです。

西武鉄道豊島線、西武球場前付近、京王電鉄競馬場線、京王電鉄動物園線は、終点の施設のためだけにあるような路線です。また、豊島線や動物園線は並行して別の鉄道があります。
過剰な投資が無意味なら、このような路線の必要性も疑問です。「昔からあったから」では理由になりません。「乗客が多いから」も理由になりません。2,3の理由を基にすると、上記の路線はお荷物路線ということになるでしょう。
建設費は確かにかかるでしょうが、バス輸送に無理があって、そのための鉄道要望です。上記の路線のような理由と同じ存在意義です。

「昔からあった」は理由になる

投稿者---3京新聞氏(2005/09/06 15:54:29)

過剰な投資が無意味なら、このような路線の必要性も疑問です。「昔からあったから」では理由になりません。

まず、京王線関連について。競馬場線は1955年、動物園線は1960年に建設された路線です。この頃の京王沿線はまだまだ発展途上で、用地買収も当時の物価を加味しても今よりずっと掛かっていない筈です。しかも、減価償却もほぼ終わっているでしょう。全線地上で通常はワンマン化しているので運営費用は必要最小限で済みます。競馬場線はCMやドラマの撮影に貸して有効活用もしています。これらは沿線のイメージ向上策として存続させている意味合いも強いです。
また、動物園線は中央大学などの通学路線として機能してますし、動物公園の客も一度に吐き出されるものではなく、ある程度予想が付きます。

次に西武ですが、これは西武鉄道グループの施設へのアクセス路線です。沿線に娯楽施設を作り、その輸送で設けるという典型的な阪急モデルです。狭山線は球場輸送には対応していますが、西武球場前駅に6線分を確保しているものの、全線単線で必要最小限ですし、あそこには西武以外の公共交通ではアクセスしようがないような場所です。
豊島線は開業がかなり古いので減価償却はあまり掛かってないでしょうし、都心へも近いので直通列車がかなり多く通勤線化しています。直通列車が多いので特別に対策を立てる必要もありません。

また、豊島線や動物園線は並行して別の鉄道があります。

これは、あくまでも偶々通っているに過ぎません。西武豊島線だと大江戸線ですが、あれは光が丘から都心方面へ結ぶのに通っているだけで、池袋からですと乗換もあり使えません。京王動物園線は多摩地区を南北に結ぶ多摩モノレールが並行していますが、これも多摩動物公園は通過点の一つに過ぎず、新宿からですと高幡不動での乗換が非常に不便なので、もっと使えません。

建設費は確かにかかるでしょうが、バス輸送に無理があって、そのための鉄道要望です。上記の路線のような理由と同じ存在意義です。

建設費が掛かるというのは極めて重要な問題です。仮に福岡ドーム駅を作るとしても、イベント対応なので駅構内・ホーム・発着線をかなり広く多く取る必要があり、唐人町までの間を単線としても全線地下なので建設費は莫大で、両方向に直通させるにしても、そうでないにしても唐人町駅の大改良が必要です。
しかし、オフシーズンなどはどうしようもなく空きますから、採算が取れないでしょう。そうすると財政の厳しい福岡市の他の予算・サービスを削ってでも税金を投入し、あるいは運賃を値上げするという事態になりかねません。福岡ドームの観客輸送のためだけに、それだけのことが許されるかということです。福岡市は鉄道事業のみを営んでいる訳ではないのですから・・・。
ですから、私はあの付近の都市計画を練り直し、唐人町までのアクセス歩道の整備と京王飛田給駅のように唐人町駅を拡張させるのが適当だと思います。


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