tw
top

  • photo:新宿→宇都宮
  • JRBK
  • JRBK
  • JRBK
  • JRBK
  • photo:宇都宮→羽田
  • 関東自動車
  • 関東自動車
  • 関東自動車
  • 関東自動車

トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート20

※当リポートは発表後の変化を反映させ再構成した Reconstruction スタイルです。

栃木の高速バス

進展する栃木の高速バス事情

【2001・夏・バスレポ2】

首都圏高速バスを軸に積極的に展開しているJRバス関東。2001年に入って新設されたのは、塩原温泉(もみじ号 01/10…会員バスの定期化)、新宿-名古屋(中央ライナー 03/20)、高遠・伊那里(南アルプス号 04/01)、常陸大宮(04/01)と江戸川台、宇都宮(07/11)と6路線(うち首都圏内4路線)になっている。常磐新線(つくばエクスプレス)の開業が見えてきたことで、ドル箱であるつくば線「後」を考える必要が今後次第に高まってくる分、また来年の規制緩和による新規参入への対応をも見越しての積極展開といえよう。

JRバス関東の展開により2路線が増えた栃木県内の高速バス事情が変わりつつある。ゲリラ的に開設した羽田路線は挫折したものの、新たに高速バス路線を仕掛ける東野交通の動向も気に掛かるが、 運行開始10年を越え順調な成田空港リムジンバスを手がける地元大手の関東自動車の次の手は何処になるのか…。
今回は新設された新宿~宇都宮線と、好調により増便なった羽田空港線を試乗、その動向を探ってみることとした。

■参考:栃木県を発着する高速バス路線(2001/07現在)

運行区間運行会社愛称運行本数運行開始
宇都宮~成田空港関東自動車・千葉交通マロニエ号10往復1989/12/22~
宇都宮・栃木~京都・大阪関東自動車・近鉄バスとちの木号夜行1往復1995/07/21~
太田・足利・佐野~成田空港関東自動車・千葉交通メープル号2往復1997/07~
桐生・足利・佐野~成田空港関東自動車・千葉交通サルビア号2往復1999/07~
塩原温泉・西那須野駅~新宿JRバス関東もみじ号4往復2000/04/28~
宇都宮・鹿沼~羽田空港関東自動車・東京空港交通マロニエ羽田号6往復2000/12/08~
茂木・益子・真岡~東京・浜松町東野交通1往復2001/03/16~
宇都宮・鹿沼~新宿関東自動車・JRバス関東マロニエ新宿号10往復2001/07/11~
 ≪かつてあった高速バス路線≫
鬼怒川温泉・日光~新宿東武鉄道・関東バス4往復1995/07/16~1998/02/28
黒磯・矢板・宇都宮~羽田空港東野交通羽田行1便2000/08/16~2000/12/31

マロニエ新宿号 新宿→柳田車庫

●21:45 JR新宿駅新南口ハイウエイバスのりば

07/13(金)、眠らない街・新宿の21時半はまだ宵の口といった感じ、何処も彼処も人で溢れている。その中で多少は人通りが少ないであろうというのが新南口。埼京線と中央本線優等列車ホームとしか結ばれていないためなのだが、甲州街道陸橋改修にあわせて一大交通ターミナルに変貌する計画となっており、5年10年後はここもまた人いきれに蒸すことになるのだろうか…。
新南口1Fがハイウエイバスのりば。チケット売り場から狭い通路を奥に入れば、その改修工事の資材置き場の一角となってしまった待合所、多くの人がじっとバスを待っていた。「待合所」といっても雨がしのげるというだけのスペースで、風も吹かない蒸し暑い場所…東京駅八重洲南口BTとさほど違わぬ「環境」にある。お世辞にも綺麗といえない中央道高速BTの待合所が天国のように見えてしまうほどだ。

昨今新宿発着の昼行便が急に増えたが、この時間となるとあとは宇都宮行き最終のみ。待ち人のラフな格好、荷物を見ると宇都宮行きもそこそこ人が乗るのかもしれないという「期待と不安」が過ぎる…。そんななか、福島・高遠・仙台・TDLからの便が続々と到着、各便10人以上の乗りを見せており、特にTDL便は2台続行!親子連れが目立った。蛇足ながらTDL便は今春ダイヤ改正が行われており、新宿発が午前中、TDLが午後とはっきり分かれてしまった…舞浜地区からの対新宿「お買い物利用」の穴路線と地元で密かな支持を受けていただけに、残念な改正ではあった。
と、「ニュードリーム大阪1号」が2台で入線、乗車開始の放送が流れると、待合所の人がどっと動いた。旺盛な需要に納得するも、宇都宮線は案外少ないのでは…?という気もしてきたのだった。

●22:30 新宿駅発

「ニュードリーム」が満席で発車、いったん落ち着いた待合所だったが、また次第に人が増えてきた。
発車10分前入線となっている新宿新南口BTだが、お目当ての宇都宮線はなかなか現れず…新南口周辺の道路事情のため、こうした遅れがまま発生しているようだ。結局バスが現れたのは5分前…しかも2台組には驚いた。早速乗り込むと『金曜だからね…2台出したんだけど』と気さくな運転手氏。そのあとの道中、話が弾むこととなった。
結局、乗車は…4人。『こんなもんですよ、上りも1ケタだからね。上りなんかは(渋滞で)3時間は見てなくちゃ。電車のほうが速くて安いんじゃ難しいかなぁ』(※中電で約2時間強 ¥1,890)

通常はすぐ首都高入りであるが※、最終便のみ東京駅経由となる。新宿御苑トンネルを抜け、四谷から半蔵門へ。新宿発車時に東京駅から来る「ニュードリーム堺号」が遅れる旨の放送がされていたが、四谷あたりで引っかかっていた…。実は新宿―東京間も高速バスが増え、新宿通りや靖国通り(上野→新宿)はちょっとした高速バス銀座に。だったら四谷や神保町あたりで客扱いしても面白いのでは?皇居の堀をぐるっと周り、東京駅へ…深夜の都会もタクシーが溢れてライトが眩しい。

※訂正
本文中、新宿発便はすぐ首都高入りする旨記載しておりますが、正しくは一般道を経由し鹿浜橋ランプから首都高川口線に入る(すなわち、上下両ルートともほぼ同じである)との御指摘を受けました(平岡様、有難うございます)。正しい経路は下記の通りです。

 新宿駅新南口→明治通り→R122(北本通り)→環七→鹿浜橋ランプ(新宿行き便のみ途中、王子駅・池袋三越前で降車扱い)

というわけで、結果的に当方のあやふやな認識から誤った情報を記載しておりました。御覧の皆様をはじめ、関係者各位にこの場を借りてお詫びし、訂正させて頂きます。

『すんなり入れるかなぁ…この時間が大変なんですよ』
繁忙期には運行台数が増える夜行便とつくば・鹿島線終車狙いの利用者増で八重洲南口は人車ともに大混雑!! 夜行便の発車が手狭なせいで進まずにベタ遅れ、さらには23:00の終車便に乗れなかったつくば便待ち客が200名以上に達しており、続行便を待っているという状況らしい。隣の都営バスのりばはすでにひっそりとしており、夜間帯だけでも開放できないものなのだろうか…なんとかのりばに割り込んだ我が宇都宮線、乗車は…1人だった。

●23:10 東京駅発

運転手氏から改めて放送が入り、東京駅を無事定刻発車。『鹿沼ICまで車内灯を暗くしますね』とは嬉しいサービス。貸切車を転用したようなスーパーハイデッカーで、座席も深く倒れ、気分は夜行バスの体。トイレもついており、くつろげることを考えればお値打ちではないかと思うが…。
扇大橋付近で大阪・USJ行「とちの木号」関東自動車便と離合。東北道浦和料金所を0時前に抜け、同時発車(のはず)の盛岡行き岩手県交通便に抜かれながらも、そこそこのスピードで東北道を北上して行く。ついうとうととして、気づけば鹿沼ICを降りていた。
車内灯が再び灯され、最終コースへ。乗車時に降車場所を確認しているので直行でJR宇都宮駅へ若干の早着、ここで出張帰り風の3人が下車。さらに宇都宮大学工学部正門前で1人が下車した。

『これで今日は終わりです。まだ楽なほうですよ…どうぞまたご利用下さい!』
運転手氏の声に押されて柳田車庫終点で下車。バスはほっとした表情の運転手氏の手さばきで軽やかに走り去って行った…。

JR宇都宮駅着 01:02 / 柳田車庫着 01:15●

柳田車庫

宇都宮市街の外れ、鬼怒川のそばにある柳田車庫。広大な敷地の半分がマロニエ号駐車場(210台駐車可)となっており、実際クルマで埋め尽くされていた。1日¥200、事前にJR宇都宮駅前の事務所で駐車券の購入が必要となっている。ダッシュボードに判り易く券を提示しておけばいい仕組みで、現地の管理はフリー。気軽さの反面、夜間の管理もなく安全面もある種自己責任というところ。
バスは広々とした敷地の中で塀の端に肩身狭そうに固められて休んでいた。市内コミュニティバス「みやバス」もお休み中。今夏より路線を増やしており、塗装も2種類となっていた。今後の活躍にも注目したい。

 

マロニエ羽田号 柳田車庫→羽田空港

関東自動車柳田車庫 02:45●

ひっそりと静まり返った柳田車庫。しかしこの時間からクルマが1台2台と現れ始めた。雨が凌げる野天の待合所があるが、羽虫が集まっており心地いい場所とはいえない。壁に貼られたトイレ情報も「常時使用可」との告知がある方向はバス整備場の一角らしく、ひっそりとした夜間にはちと辛そう。車庫の敷地を出ればコンビニがあるのでうまく絡められないものだろうか…と勝手なことを思ってみたりする。なお、昼間は周辺にドライブイン的な飲食店があるようだが夜間はコンビニのみ営業、失礼を承知で言えば「何もない」ところでございます…。

柳田車庫発 03:05 / JR宇都宮駅西口発 03:20●

しばしそれぞれのクルマ内でくつろいでいた人たちがバス停前に集まって10人ほどとなった。「お早う」と挨拶を交わしているグループも。3時過ぎにバスが到着し、最終的に14人が乗車して出発となった。なお、宇都宮発便に関しては前日までの予約が原則となっているが、当方も電話予約をしたものの宇都宮地区以外でのチケット発売はしていない由。運転手に伝えると『駅でポーターさんから買って下さい』と。その他の乗客はちゃんとチケットを用意しているところから飛び込み客は少なさそう…。
JR宇都宮駅西口で運賃をポーター氏に支払。『ポーター』とは駅前パーキングの管理者のことらしい。ここで柳田車庫駐車券をも受付となる由。その他2人が乗車、うち1人が飛び乗り客だった。そのあと東武宇都宮駅前で4名が乗車、結果20名の乗りとなった。

2時間半前に来た道を戻る行程。07/11の改正で増えた鹿沼IC手前の停留所は陸橋そばの中途半端な位置にあり、判り辛そう…かつての東野便ではIC入り口手前のGS付近で乗車させており、深夜帯の場合は差し支えないだろうからこちらのほうがいい気がする。なお、乗車無しだった。
「本日も関東バスを御利用頂きまして誠に有難うございます」…改めて車内に案内放送がなされ、03:41に鹿沼ICから東北道入り。蛇足だが、東京都中野・杉並区を拠点とする「関東バス株式会社」とは全くの別会社ですので念のため。

そろそろ空が白み始めるころ、東北道は対向車線はトラック便を中心にそこそこの交通量だが、上り車線は至って静か。時折先を急ぐ車が横を走り去って行く。何時しか利根川を渡り、1時間弱で浦和料金所へ。羽虫がぶつかって体液などで汚れたフロントガラスが興醒めだが、それだけ頑張って走ってくれているのだ…。
車内に朝の日差しが差し込み始めるころ、バスは首都高川口線を荒川沿いを南下、日中の渋滞ポイントである堀切~小菅間も難なく通過、若干交通量が増えつつある中央環状線も軽やかに進む。
葛西JCTから湾岸線へ。最終コースは早朝にも関わらずさすがの交通量であるが、滞るほどではなく、羽田空港も程ない距離だ。

結局空港着は所定より20分程早着。念のために渋滞分も織り込んでいるのだろうが、東野便とほぼ同じ時間経過、ともあれ予定時間より速くつくほうが乗客にとってはありがたかろう…仮眠を取った乗客らが楽しいフライトを思いつつ軽やかな足取りでバスを降りてゆく。折しも桐生からと思しきNCB便も到着、こちらも20人弱の乗りだった。
始発便の搭乗手続きは05:30から。出発ロビーには日本各地へと向かおうとしている利用者の姿が増え始めていた。

●05:21 羽田空港出発ロビー前着


今回の改正で1往復増えて6往復となった羽田空港線。特に宇都宮始発で3時台に1本、4時台に2本、5時台に1本となったことは需要の旺盛さを物語る。さらに成田空港行きが10往復というのも驚かされる。
一方新宿線は開業したばかりとはいえ、苦戦しそうだ。運転手氏の指摘通り、在来線でも掛かって2時間半の距離、在来線車両が新車投入でロングシート車両と居住性が低下するとはいえ、バスは快適でも時間が読めないとなると、東京からの下り便の利便性のアピールがまずはポイントとなろう。現在柳田車庫のみのP&Rも、鹿沼IC付近での実施による沿線勢圏の拡大策も必要ではないか。

東野真岡線

新宿線の動向如何では、栃木や佐野、あるいは真岡方面への路線拡充も考えられなくない。あるいは北関東道の進展も要因のひとつとなりうる話題といえる。実際東野交通が魅力的な路線を運行しているが、これまた1往復と及び腰なのかゲリラ戦術の一環なのか…東京側事業者との折り合いがつかず涙を呑んだとされる羽田線の轍を踏まないとしているのだろうか、それにしても今回も1社単独、(営業エリアの那須方面含め)JRバス関東と組めば手っ取り早い気もしなくはないが…。

新宿線でいえば、定時性が大きな問題となっているのだろうが、明るい話題とすれば首都高中央環状線(王子線)が数年内に開通見通しであり、川口線の渋滞緩和と池袋までの高速ルートの確保が実現することになる。現上り便は東領家ランプで降りて鹿浜橋経由で王子駅へと向かっているのだが、下道でかなりの時間を食っているという。裏を返せばこうした道路事情の改善を見越して新宿発着が増えているということがあるのだが、現実の利便性を云えば問題であり、ここは無理に池袋を経由せずとも上野経由とするのはどうか。在来線との差別化を図るとしても、現実には中電が池袋・新宿まで直通しているのだから重要なポイントとは言い切れないのではないだろうか。

***
常磐道高速バスネットワークが深化する茨城県、NCBを核として高速バス路線網が形成されつつある群馬県、そして今後の進展が注目される栃木県…他地域との交流において「東京」を拠り所とする北関東3県だが、今後は県・地域としての主体性が求められてくることになろう。栃木ではいち早く開設されていた対近畿圏夜行バスが群馬・茨城両県でも相次いで開設された。それぞれの交通体系のあり方をも相互研究してゆけば、新たな方向性が見えてくるやも知れない…高速バスはその大きな一助になりうる可能性を秘めているといえよう。

上に戻る▲


東野交通の浜松町~真岡・茂木線廃止

投稿者---こみゅー氏(2007/02/27 00:09:13)
http://dreamexpress.loops.jp/

ご無沙汰してます。
【検証:】の特別リポート「進展する栃木の高速バス事情」にて551氏が記していた、東野交通の浜松町~真岡・益子・茂木線が、平成19年3月末で廃止になる旨、2月10日付で掲示がありました。
(同社のサイトには書き込み時点でまだその旨の告知がありません)

この路線がどのように進展するか気にかけていたのですが、他のバスファンからもあまり注目されていなかったのか、平成16年に3時間後の便を1往復設定しただけで拍子抜けです。
東京側から見ればこの路線の発地帯である栃木県東部は益子焼やツインリンクもてぎ、真岡鐵道のSLもおか号といった観光需要も考えられますが、東京からの送り込みが考慮されず「栃木県東部からの東京の足」に成り下がってしまったことが大きな失速要因であることは確実で、これを加味したてこ入れがなされなかったことは残念としか言いようがありません。
浜松町到着後は江東区東雲にある同じ東武グループの東北急行バスの車庫に入っていますが、その東北急行バスや東京~いわき線を運行する東武バスセントラルにお願いしてでも、対になる「朝の東京発と夕方の茂木発」ができないものかと何度も考えました。 益子や茂木以外では、この路線が通る北関東自動車道の宇都宮上三川(うつのみや・かみのかわ)IC周辺で都市再生機構が開発している住宅地/商業地「インターパーク宇都宮南」もあり、所要時間は延びますがインターパークにも停留所と駐車場を新設してパーク&ライドに対応させ、宇都宮市南部や上三川町からの新規需要を開拓する作戦も取れたはずです。
※栃木側の最初の停留所で上三川IC入口がありますが、停留所の周りは畑が広がっている集落ですので念のため・・・

営業面では回数券や往復割引の設定がなく、旅行エージェントやインターネット予約にも未対応だったこと、中央高速バス新宿~甲府線(期間限定)や東京空港交通・小田急箱根高速バスのように「高速バス往復券+地下鉄一日乗車券のセット販売」ができれば少しは需要喚起につながったかもしれませんが、知名度が関東自動車に比べて相対的に低く、愛称がなかったことも惜しまれます。

東野絡みの高速バスではJRバス関東と共同運行しているもみじ号&那須リゾートエクスプレスの他に、栃木県北部からの空港リムジンが3系統設定されましたが、そのうちの一つ、平成12年秋の【検証:】特別レポート「北関東地域に見る羽田アクセスバスの新様態」で紹介されていた黒磯・宇都宮~羽田線は平成14年夏にマロニエ号羽田線の一員となったことで実を結びましたが、他の2系統は短命に終わっています。

まず黒磯・大田原・矢板からの成田空港リムジン「かざはな」が、千葉交通と共同で平成17年3月25日から平成18年10月末まで運行されていました。
ある程度高速バスや空港リムジンの実績を積み、その流れで成田空港リムジンを新設したとはいえ、沿線人口が少なかったこと、後述する福島空港リムジンとシェアがバッティングしていたこと、知名度の低さが災いしていたなど、マイナス要因が積み重なっていたのがしれません。ビジネスユースでは矢板のシャープ栃木工場付近に停留所を設置していたとはいえ、最新鋭の液晶テレビ工場がある亀山に比べると工場の”集客力”が乏しかったこともありますが・・・

もう一つは福島交通・JRバス関東西那須野支店と共同運行していた塩原温泉・那須温泉~福島空港リムジンです。
こちらは栃木県と国土交通省関東運輸局が福島空港の利用促進と栃木県北部の観光振興を狙って試験的に運行されたもので、土曜・休日を中心に設定されていました。
同時期に日光・鬼怒川温泉からの福島空港リムジンも東武バス日光&関東自動車+福島交通が宇都宮IC経由で運行していましたが、いずれも不振に終わり、平成16年11月29日から平成18年3月までの予定が平成17年11月29日で打ち切られています。
ただでさえ福島空港の存在意義が問われているとはいえ、そこに栃木県発着の福島空港リムジンを設定して需要を開拓するはずだったのにできず廃止された路線は宇都宮に続いて2例目です。
そのときも関東自動車か東野交通が運行に関与していたと記憶していますが、社会実験で補助金が交付されていたとはいえ、これについては鶏と卵のような状態です。

今回の浜松町~真岡・茂木線廃止で東野の高速バス路線の「選択と集中」はある程度固まったように思えますが、今後の展開と関東自動車の動向も気になるところです。

マロニエ新宿号は佐野新都市BT停車で新境地

投稿者---こみゅー氏(2007/02/27 01:35:59)
http://dreamexpress.loops.jp/

一方東野の浜松町~真岡・茂木線から4か月後に開設されたマロニエ新宿号ですが、こちらも苦戦が続く中、新たな道を模索しています。

平成16年7月に佐野プレミアムアウトレットが開業したことで、マロニエ新宿号の一部が東北道佐野藤岡ICから寄り道するかたちで佐野プレミアムアウトレット近隣の佐野新都市バスターミナルに停車しています。
その結果新宿~佐野間の利用が増えたことで、マロニエ新宿号の派生路線として平成17年10月にJRバス関東単独で東京駅~佐野新都市~JR足利駅間に足利わたらせ号を開設したものの、佐野以遠へ乗り通す乗客が少なかったため、平成19年1月の再編で佐野~足利間を廃止、マロニエ東京号に改称して東京圏~佐野間に重点を置くようになっています。

但しその間には平成18年2月に関東自動車がマロニエ新宿号から撤退したことでJR宇都宮駅~宇都宮大学~柳田車庫を廃止、鹿沼IC付近と宇都宮市砥上の停留所もJRバス独自の立地になる、佐野以北への便も一部が鹿沼発着になり、平成19年1月改定で東京・新宿~佐野間は25往復に対して鹿沼までは13往復に増えたものの、宇都宮までは10往復から8往復に減っています。
なお佐野新都市BTが整備されたことで、マロニエ号羽田線も立ち寄ることになり、桐生・足利・佐野からの成田空港リムジン「サルビア」(関東自動車&千葉交通)の佐野市内の停留所が佐野駅から変更されています。

余談ながら栃木県唯一の夜行高速バス「とちの木」に触れておくと、平成14年12月に小山・下館・真岡発着便が新設されましたが、小山以東の利用客が少なく平成18年3月で打ち切られ、宇都宮発着便に一本化されています。

上に戻る▲


その後の状況…(2010/04) ■

北関東ライナー開業実見録にあわせ、本リポートを改めて読み返すと、いろいろな意味で“10年ひとむかし”を実感します…。
当方の文の拙さなどには御目溢し戴くとして、栃木県関連の高速バスもまさしく紆余曲折を経ているなと。


夜行便については、「とちの木号」が2002年10月から真岡・下館・小山系統が設定されたものの2006年3月で休止、いっぽう日本中央バスがシルクライナーや仙台ライナーで足利・佐野を経由するようになりました。

昼行便は、なんといってもマロニエ新宿号の盛衰、でしょうか。2001年7月にJRバス関東と関東自動車共同運行により宇都宮・鹿沼~新宿間に10往復で運行開始したものの、利用が伸びなかったことから運賃値下げや全便東京駅経由化などの梃入れが続き、2004年7月からは、前年開業した佐野プレミアムアウトレットへのアクセスを狙い一部便で佐野経由化。これがそれまで対東京直行ルートを持たなかった佐野の潜在需要を喚起することとなり、2005年10月にはJRBK単独で「足利わたらせ号」を別系統設定しています。
しかし佐野POを中心とする一般道渋滞による遅延顕在化などもあり、宇都宮や足利からの需要は減少。2006年2月で関東自動車がマロニエ新宿号運行から撤退、2007年1月には佐野新都市バスターミナル開設にあわせ足利発着を終了し「マロニエ東京号」に改組、マロニエ新宿号は2009年9月には宇都宮駅発着を終了し、鹿沼バスターミナル発着に改められるとともに、新宿・東京~佐野間は実に32往復にまで成長しています。

成田・羽田の空港アクセス路線も順調で、マロニエ成田号は10往復のままながら昨年末で開業20周年を迎え、メープル号/サルビア号は各6往復にまで成長。マロニエ羽田号は7往復となり2006年からは佐野経由化、うち1往復は2002年7月より黒磯発着で東野交通が参入しています。
その東野が仕掛けた、真岡・益子・茂木線は2007年3月いっぱいで廃止。2005年3月には黒磯・西那須野・矢板~成田線「かざはな号」を千葉交通と新設も2006年11月に廃止と、なかなか巧く行っていない感じも…2010年3月に再編・愛称統一となった「那須塩原リゾートエクスプレス」が唯一順調、といったところでしょうか。
なお、2004年11月から関東運輸局や栃木県などの音頭で福島空港~那須塩原/日光・鬼怒川間に高速バスが実証実験運行されたものの、惨憺たる結果から、2006年3月までのところ、2005年11月で打ち切られた-という話もありました。


そもそも論にもなりますが、足銀破綻の余波を受ける形で関東自動車は2004年11月に産業再生機構による支援下となり、2006年5月にはジェイ・ウィル・パートナーズ傘下に移行-という流れもあったために、NCB伸張が目立つ群馬、TX開業による地殻変動の茨城と比べて動きが鈍く見えるところもあったような。

その意味で2011年度中の北関東自動車道全通を前に、2009年9月から宇都宮~水戸線が、2010年2月には宇都宮~前橋高崎線が開業。これまでの対東京中心系統からの変化として注目に値すると考えます。なお、水戸~日光鬼怒川線も開業したのですが、半年で廃止となっているのには、日光鬼怒川地域における高速バス路線設定の難しさを感じさせられます。

 

ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

上に戻る▲

ブログパーツ

Valid XHTML 1.0 Transitional

正当なCSSです!



copyright © 1998- Unlimited Liability Company 551planning All rights reserved.

テンプレートのpondt