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「東京港を潜る電車」…TWRりんかい線の将来を占う

2001年3月31日、20世紀の「年度最終日」となったこの日、東京臨海高速鉄道(TWR)りんかい線東京テレポート―天王洲アイル間2.9kmが延伸開業した。東京港を海底トンネルで潜りぬけ、お台場地区と東京港南地区が鉄道で結ばれる事となった訳だが、「盲腸線」から「連絡鉄道」への脱皮により、基盤の脆弱であったTWRがどう変わって行くのか…来年の大崎全通を見据えつつ、「りんかい線」のあり方を考えてみたい。


05:30 新木場駅

東京・臨海地区の交通結節点・新木場駅。営団有楽町線(1988/06開業)・JR京葉線(1988/12)・りんかい線(1996/03)の3線が集まるほか、都営バスも数路線が発着し、フェリー埠頭への玄関口でもある。駅前には24時間営業の店が数軒ある他はオフィスや材木倉庫などがあるくらいで、早朝の人影は少ない。
TWRでは延伸開業に伴うダイヤ改正で「京葉線沿線からの対羽田アクセスに対応して」新木場発始発電車を30分ほど早めた。その京葉線電車は蘇我始発(04:50)で新木場着05:28、早められた始発は05:40。階段を降りるだけに、12分の接続時間は取りすぎともいえるが…。当方は直接新木場入りしたので乗換状況は分からなかったが、まず初日では羽田へ向おうかという利用者はまず見当たらなかったといえる。

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この日から東京モノレールとの連絡切符が発売となっており、早速購入。連絡割引はなく、¥680の感覚は微妙なところ。なお、TWRは現状ではパスネット対応となっているが、東京モノレールが非対応のため利便性では?がつく。両者ともJR東日本のSuica対応を表明しており、ならば現状でイオカードに対応してくれればとも思うのだが。
ホームには4連の70-000系車両が停まっている。出発時刻までに乗車したのは20名そこそこ。ほとんどが先頭車両でかぶりついていたようだ(ちなみに当方は最後尾で大人しくしておりました)。

05:40新木場発→05:42東雲発→05:44国際展示場発→05:46東京テレポート発→05:50天王洲アイル着

各駅でぽつぽつと乗降がある。「フジテレビ下車駅」の東京テレポートでは新木場行きを待つ人もホームに散見され、早朝というよりも深夜を引きずっているという感じか。ここからが新線区間…といっても、トンネル自体は旧国鉄の貨物線計画時に1970年代に着工され、ほぼ完成していたもののレールが敷かれないままに凍結されていたものを「復活」させたものである。お台場のホテル群の横にある公園のモニュメントのたもとがトンネルの非常用出入口となっている事を御存知の方もいらっしゃるかな?
海底トンネルで東京港を潜り終えると、本来の計画路線であった東京貨物ターミナル方面へのレールが分岐する。東京貨物ターミナル横にりんかい線車庫が建設された事でこちらにもレールが敷設済みとなっている。このあたりポイントが錯綜しており、分岐点から天王洲アイルへは右側通行の単線区間となっていた。
分岐後しばし走って天王洲アイルへ。結局大崎方面となる1番線は使用されておらず、2番線片面1線のみ使用。大崎方面はホーム端部にとってつけた囲いで覆われており、その先を伺うことはできなかった…。20名弱の乗客もホームを一様に見学後、三々五々改札口方面へ。後にはTWR関係者と思しき人々が始発電車を感慨深げに見つめていた。

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05:50 天王洲アイル駅

「JALビル前」の天王洲アイル駅。ホームは地下4階部と深くなっており、その分改札口(地下2階)周りなどの天井は高く取られ、照明なども凝っていて開放感を出そうとしていた。見学もそこそこに東京モノレールへの乗換を見るべく地上へ。改札口周りにはモノレール駅方面の明確な表示は見当たらず…周辺地図と出口の看板を見るところでは「スカイウォーク」経由とそうでないものがあり、躊躇することなく「スカイウォーク」経由を選択する。
エスカレーターを乗り継いで出た地上の目の前にはJALビルが聳え立っていた。こうみると、新駅に掲示されている「JALビル前」というよりも「JALビル直下」が妥当! で、スカイウォークを探せば、ビルをつなぐデッキを指しているらしい…直接デッキへは地下からエレベーターを利用したほうが便利である。
デッキから人気のないビル伝いにモノレール駅へ向おうとすると、モノレール駅の端に改札口らしき真新しい建物が見えるじゃないですか!再びデッキを降りて横断歩道を渡りつつ首都高羽田線を潜ると、本日新設のモノレール駅南口が。エスカレーターを上がれば羽田空港行きホームに直結する(浜松町行きホームには連絡せず)ということで、結局「スカイウォーク」経由では遠回りになることが判明する。このあたりの両社の連携にも向上を求めたいところというべきか。

蘇我04:50 → 05:28新木場05:40 → 05:50天王洲アイル05:59 → 06:16羽田空港

06:04発の羽田空港行きに乗車、座席が程好く埋まる程度の乗りで途中乗降もまばら、15分後には空港着。天王洲アイルの乗換時間は慣れれば5分見ておけばと考えると、始発に関しては05:50→05:59の乗換で羽田空港に06:16に着けることになるから、7時以降の出発便に有効ということができるかもしれない。
空港駅のTWR連絡運賃表の掲示はすでに大崎方面も用意されていて、紙で覆われていた。ちなみに、浜松町~東京駅経由で新木場まで¥680と同額、以遠に関してもTWR経由が若干高いかな、という運賃になる計算で、「もう回り道不要 海底トンネルで直結!」と謳うTWRの言葉に、まずは嘘はないと言えよう。

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06:30 羽田空港

朝の出発ラッシュを迎えつつある羽田空港。既に5分間隔になっているモノレール、京急からも電車の到着とともに足早に出発カウンターへ向う流れが続いていた。3階にダイレクトに到着するリムジンバスも多くの人を乗せている。
当リポートでも一昨年からの羽田空港連絡バスの充実ぶりをお送りしているが、中でも千葉方面のバラエティは目を見張るものがあろう。今回TWRが「暫定延伸」を決めた背景にも、千葉対羽田連絡を担わんとすることがあった。さらに大崎延伸・埼京線との直通が実現すれば、渋谷・新宿・池袋という副都心との対羽田連絡最短ルートということになる。

開業前日、03/30付朝日新聞夕刊では開業記念式典を報じる記事が掲載されており、その中でも千葉対羽田空港アクセスについて触れられていた。『TWRや東京都では延伸開業で千葉方面から羽田空港へ約20分の短縮になると期待をかけるが、2度の乗換を要するなど乗換の面倒は変わらず、せめて京葉線とTWRが直通運転をすれば…』とまとめられていたのは皆が思っている事とはいえ出色な構成では? 大崎延伸後、京葉線との直通運転化による「TWR線通過旅客の運賃収受」というネックに実現性は薄く、『JR千葉支社も「乗り入れの計画はない」と言いきる』と…。
朝日記事も触れていたが、新木場駅りんかい線ホームから千葉方面を見遣ると、登り勾配の先に京葉線が見える。勿論レールも繋がっていることから、直通運転はすぐにでも可能だ。TWRが真剣に羽田アクセスを考えるのならば、まずは大崎開業まで京葉線と直通するのも手かもしれない。
しかし、新木場駅の乗換は思ったほど悪くはない。JRとTWRが連絡切符を発売し、コンコース部改修により連絡改札を設ければ直通運転に近い利便性は確保できるのではなかろうか。むしろ、現状での天王洲アイル駅の乗換を見る限りでは、「羽田アクセスの利便性が向上した」と宣伝するのはどうかと思ってしまう…ルートでは「もう回り道不要」ながら、スカイウォークなど天王洲アイルでの乗換が廻り道なのだから。
もっとも、天王洲アイル駅周辺は整備中でもあり、かつては専用連絡通路を整備するという話もあったことから、今後の方向性は否定はできない。まずは大いに期待したいところではある。


03/28、国土交通省の首都圏第三空港調査検討会は、当面の航空需要対応を羽田再拡張で対処し、新空港建設を長期的課題とする旨の方向性を示す方針を打ち出した(03/29付読売新聞朝刊)。これにより、羽田空港アクセスの役割をも今後議論されるべき状況になると思われる。
国内空港としてはその立地条件からも比較的公共交通、特に鉄道の比重が高い羽田空港アクセス。東京モノレールvs京急の構図が注目を集めているが、両者ともに面的な需要確保が課題といえる。京急は品川・都営浅草線大門を軸とした他線連絡、東モノはSuica導入によるJRとの連絡が今後のポイントであろうが、いかんせん弱含みなところがある。

TWRはそもそもの貨物線計画から、また実際に車庫確保から東京貨物ターミナルまで線路が伸びている。5キロほど線路を伸ばせば羽田空港…そう、自ら空港アクセスを担う事も不可能ではない。更に京葉線・埼京線との相互直通ができれば広域アクセスが実現する。羽田空港が国家的戦略拠点と位置付けられれば、この線の建設も現実味を強く帯びるであろう。しかしその前にやはり既存線の活用を考えれば、天王洲アイル連絡東モノルートの強化こそが最重要課題と言えよう。

京葉線直通化に関してだが、埼京線との連絡が決定している現状では確かにTWR運賃の取りこぼしが考えられる分実現は難しいものがあるかもしれない。そこでTWRの上下分離によるりんかい線のJR(委託)化を考えたい。JR誕生直後の状況では現りんかい線の建設・運営はかなりの重荷になるであろうことからJR東日本は渋ったがためにTWRが産まれたわけであるが、ことここに至ってみれば、りんかい線のJR運営化による埼京~京葉連絡線、また将来の羽田方面、東海道貨物線旅客化などの対神奈川方面連絡線としても重要な路線となることは否定できなかろう。TWRは施設維持体として存続し、投下資金回収と羽田方面路線建設体としての活躍が期待される。

「東京湾を潜る鉄道」…臨海副都心活性化の旗手としての役割をも期待されるTWRの今後に注目して行きたい。

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東京臨海高速鉄道は、スイカが使えるように整備へ

投稿者---青野邑咲氏(2002/05/19 00:30:26)

本来なら情報のリンクを貼らないといけないのですが、どうしても見当たらないのでご理解の程宜しくお願いします。
05/17の産経新聞朝刊にて東京臨海高速鉄道は、今年12月に予定されている埼京線乗り入れまでに、スイカが使えるように整備するという記事が掲載されていました。それと現在使えるパスネットもそのまま使えることも書いていました。東京地区は、パスネットとイオカードの二種類のカードに分かれており、両方のカードが使えることは画期的なことではないでしょうか。記事には、どういう使い方が可能なのか詳しく書いていませんでしたが、精算機や券売機で一度に両方のカードが使えることやパスネットでJRの切符が買えるように柔軟に対応して欲しいですね。

技術的に多種のカードが、対応できるのならJRが乗り入れている営団千代田線と東西線にも導入して欲しいところです。それとも日本全国どこでも使えるカードを開発することが、究極のカードかもしれません。
東京臨海高速鉄道が、二種類のカードが使えるように判断したことが、今後のプリペイドカードのあり方にどう影響があたえるのか、見守ってゆきたいと思います。
では、これで。

至って当然の「英断」に拍手

投稿者---551planning(2002/05/19 01:10:41)

あ、先越されちゃった…。

当該記事は当方も確認しております。『JR系のICカードと民鉄系の磁気カードを両方使える全国初のケースとなる』と書かれています。
『1年半前の導入時に数億円をかけて自動改札機を改良したばかり』のためだそうですが、至って当然ですね。ただし先の埼玉高速や東急「せたまる」を思えば、まさしく英断です…って云うか、やっぱりおかしいような。

ちなみに実は前日の05/16付交通新聞でJR-E取締役営業部長がインタビューに答えており、Suica展開としては(東北地方などへの)更なるエリア拡大は考えていないものの、民鉄各社との共通化を積極的に進めてゆくとするところにTWRもしっかり触れられています。

東京臨海高速鉄道が、二種類のカードが使えるように判断したことが、今後のプリペイドカードのあり方にどう影響があたえるのか、見守ってゆきたいと思います。

むしろ-Eが現磁気イオカードの資産をどのようにしてゆくかが気になります。記念カードもSuica版ですでに発行されているところを見ると、今後はイオカードの収斂が図られてゆくのでしょうが、機器的に現状で対応可能である以上、パスネットとの親和性は容易に図れるはずでは?どうしてもSuicaならばイオを断ち切ることもできなくはないはず…時流はICカードにあり、-Eの企業としてのスタンスは理解するものの、利用者としてはやはりしっくりきません。

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りんかい線全線開通記念 「ペンギン狂想曲」

投稿者---551planning(2002/12/02 22:29:32)

2002/12/01、東京臨海高速鉄道(TWR)りんかい線天王洲アイル-大崎間が延伸開業、TWRは全線開通するとともにJR-E埼京線と相互直通運転を開始、埼玉・川越から東京湾岸に至る新しい動脈が完成した。さらにTWRは今夏の東京モノレールに次いで-EのICカードSuicaを導入、先に首都圏民鉄系磁気カードであるパスネットと並立する唯一の会社ともなった。
全国的には「走れ疾風は北へ」が注目を集めたこの日、在京の「御同輩」は結構りんかい線デーとなったのではなかろうか…。当方も御多分に漏れず?早朝から繰り出してきた次第で、ここに簡単に御報告させて頂くとしよう。

***
Suicaはこの11月で導入1周年を迎え、現在500万ホルダー超とすっかり定着した感もある。もっとも、1周年を前に立て続けに判明した運賃差引超過問題は気に掛かるところであるが。それでも当方、居住地・仕事場等日常的にJRを利用しないせいか、利用するときの「タッチ&ゴー」をたまらなく気に入っていたりする(だから最初の海外旅行は香港がイイと云われるワケか!)。銀と緑のスタンダードのSuicaイオカードは好きではないのだが、導入当初に記念カードとして出された「ペンギンカード」を何気に気に入っているせいかもしれない。CMでのなぎら健一のぬいぐるみとのギャップも妙で、つい導入当日にはさいたま新都心駅まで行ってしまっていたり…そのあとには新宿駅での導入記念式典も見に行ったからSuicaとは縁があるのかもしれない。

さて、そのペンギンカードはたしか10万枚ほど出たと記憶しているが、デポジットという存在含め、記念カードとしてはSuicaは向かないのではと思っていた。さらに云えば磁気イオカードのほうが死蔵可能性が高くなったとも云える。現に当日のさいたま新都心駅の「出店」も並んで磁気イオカードを売っていたし、最近の記念カードもいまだ磁気カードが主流だ。しかしながら、今夏の東京モノレール導入時には東モノ版ペンギンカード(1万枚)に加え、同時デビューとなった山手線E231'系とモノレールを絡めた-E版(1万枚)も発売された。そして「狂想曲」が繰り広げられたのは記憶に新しいところである…ちなみに当方の東モノペンギン捕獲記はこちらにて。

で、今回はそれに味をしめたのか、りんかい版ペンギンカードに加え、3社連合記念として-E版(1万5千枚)・東モノ版(1万枚)の新ペンギンカード、さらには「はやて」カードと同時に4種類が発売されることと相成った。さしものペンギンコレクター?としても、そんな商売に乗っかる気はなく、かといって…というわけで、りんかいペンギン捕獲へと向かった。

12/01早朝。開業順のせいか営団サインが主の新木場駅頭には、りんかい線全線開通を思わせるものは見当たらなかった。3Fのコンコースに向かうと、早くもみどりの窓口とりんかいカード券売機前にはそれぞれ10人ほどの御同輩が所在なげに佇んでいる。TWRラッチ内コンコースの「渋谷・新宿方面直通」のフレーズが誇らしげだ。
さて、当方はりんかいペンギンをと…「記念Suicaは7時より販売致します」!!と、無情な張り紙が。さしもの当方もさすがに2時間も待つつもりはない。そうこうしているうちに新習志野からの京葉線初電が到着。ざっと100人ほどがコンコースに現れた。さすがの開業パワー。両方に列が形成されはじめる。
ということで当方は東モノペンギンでTWRの改札を抜け、2Fホームへ。TWR初電は05:40発と京葉線受けとはいえちと遅い感じも。少なくとも売込みを図る羽田アクセスには使えない。と、05:25頃に70-000系6連が入線、室内灯は消えたままで、回送幕も変わる気配なく、05:30過ぎに折り返していった。隠れダイヤということか。

で、05:35頃初電が入線。「大崎」の文字は山手線でも馴れないだけに新鮮ではある。ざっと100人ほどが乗り込んで出発。当方はガラガラの最後尾に乗車した。沿線といっても東雲を過ぎれば地下鉄で、東京テレポート-天王洲アイル間の車庫線(東京貨物ターミナル・東海道貨物支線方面)分岐ぐらいが見世物か。と、新線区間1番列車となった大崎発初電と離合。先頭車はかなりの乗りのよう…。
ここから新線となる天王洲駅では「1番線の電車には御乗車になれません」の張り紙があちこちに…昨日までのを剥がし忘れとはいえ、あまりに段取りが悪いのでは?と、まさかそれが予兆だったとは…。
品川シーサイドは「品川に近い」との錯覚が出る可能性あり?歩くなら天王洲のほうが近い…。大井町は上下2段式ホーム。このあたりは台地の頂上あたりで地上まで遠そう…。などと考えているうちに大崎着。20分足らずの路線ではあるが、何よりもJRと結ばれたのは大きいだろう、と思う。
駅名板には「西大井」「横浜」「大井町(りんかい線)」と並ぶ不思議。ホーム大井町方では式典準備も進んでいた。それにしても大崎駅も様変わりだ。人工地盤→ショップ出展という構図は津田沼といい、当板常連の御方にはどう映るかな?などと思いつつ構内をうろうろ。ラッチ外には出店が出ており-E版Suicaが売られていたようだが、ダメもとで聞いたところりんかい版の発売はりんかい線管轄各駅のみとのこと。
ということで大井町へ移動。新木場方面ホームがB4、大崎方面ホームがB3、B2がコンコース階で、それぞれ長いESで結ばれる。案内板で構内図を示すのは営団でもやっている親切さだが、併せて地上レベルの地図が無いと実際の間隔としての位置把握できないのは営団のそれに劣る。さて、ESを乗り継いで上がったB2コンコースは天井も広々した空間、ということはやはり地上まで遠そう…。で、すでに窓口前に列が伸びている…ということでホームへ引返す。
ここで誰しもが考えるのが、『何処に行けば手っ取り早く手に入るか?』 天王洲アイルは枚数多そうだが東モノとの連荘狙いが多そうでパス、大穴の東雲は枚数少なそう…東京テレポートや国際展示場前は「大崎から組」が流れていそう、意外と品川シーサイドが狙い目では?と勝手に結論付けて降り立ってみたのだったが…。

当方が品川シーサイド駅に降りたのが06:20頃。天王洲アイル駅構内とほぼ同じ造りかと思いつつ改札前に延びた列に早速加わる。予想的中、まだざっと50人程、30mほどの列で、当方は自販機ならびのちょい先(と並んでいた人はお判りだろう!)に位置取る。さすがに折り畳み椅子持込の御仁には用意周到と思ったが、正解ピンポンと手放しで評すことになろうとはまさか思ってもみなかった…。
列の先頭には「7時より発売致します」と新木場と同じ張り紙がなされ、これまた新木場と同じく機械売りを敢行するとは最初から見て取れた。この方式は今春の東モノ浜松町と同じで、やり方としては上手くない。-E版ペンギンカードは東京駅みどりの窓口であっさり購入しており、最初から情報書込処理をしておけばいいのではと思っているうちに、電車がつくたびにバラバラとミニ駆けっこの音、見る見るうちに列が延びていった。
初老の駅員が出てきてまず当方のうしろ10mほどのところで列を折り返す修整、このときに確認したところ品川シーサイド駅では1000枚程度を売るとの由。「1人2枚のみ」との放送もなされており、じゃあ500人打ち止めだなと思っているうちに、件の列も改札前から反対方向へとどんどん延びる。今度は若い駅員が出てきて折り返し部分を延長、出口の階段部分をどんどん上っていった…こちらを見ながら一寸恨めしそうに階段へと向かう後続組…その後方ではまたミニかけっこが。
ここでは携帯(TU-KA)が入らないので全くの手持ち無沙汰だなぁなどと思っていたが、そういえばと手持のミニノート(VAIO-U)を取り出してみる。さすがに(Airじゃない)H"は入るなぁと見るサイトは2ch。やっぱりありましたよ。

当方が見たのが時間的に06:40前後から。なるほど、「国展」は意外と穴だった模様…。始発から売っていた東モノや-E関連の情報の中に「りんかい天王洲600枚」とのにわかに信じがたい情報も…ただ比例するようにこちらシーサイドの列が延びて行くところからは、なるほど大井町と天王洲の流れ組が集中したという図式が容易に思いつく。
そうこうしているうちに発売開始の07:00、何度か「1人2枚まで」の構内放送は入るものの列は券売機前までたどり着いたくらいしかの動きしかみせない。当方も自販機前にかなりいたので思わず飲み物を買ってしまった…。
一方で列は容赦なく延び、100mほどあろうコンコースを完全に延びきり、反対側の階段を上り始めた。それにしても圧倒的に男性とはいえ、うら若い女性も並んでいるしいかにも行列好きそうなオバちゃんもいる。と、ふと反対側の列を見ると男性が電話中…

うん、JRは所定確保。モノレールは○○が天王洲行ってるから聞いてみて。俺はシーサイドなんだけど列がえらって、△△に来てもらって並ぶの変わってもらおうかと。2枚限定だけど所定確保できそう

…おぉ、これが東モノ時に噂になった「バイヤー」さんってヤツかいなとなぜか関心してしまう。この後バイヤー氏のところに4人ほどが集まり「戦利品確認」も…。

で、なんとかかんとか当方の番に。ここでようやく事態を把握。機械売りなのは承知していたが、そういえばのパスネットも売っているということでこちらをも併せて買おうとすると1人当たりゆうに1分は超えるよ、ということなのだった。ここでの時間07:40。仮に500人買い終えるとするとその時間は…。
結局1時間半近く並んで再び改札へ。ラッチ前には行列の白い目の中記念乗車券の出店があるもののさっぱりの様子。そこでもないので改札口で台紙を頼むと出てきた、ということは結構台紙なしで帰った人が多かったのではなかろうか。
twr 丁度川越行TWR車が来たので大崎までお付き合い。この時間になると家族連れの試乗組も出ていたが10連では余裕の車内。さて改めて「3匹目」を見てみれば、かなりの不評を買った今春東モノ版よりもデキが悪い、というかチャチ。気泡だナンだという話も出ているが、そもそも台紙に入れ難くなかったっすか?個人的にはデザインは今回の3社中東モノ版に軍配を挙げるが、さて貴方は?

大崎でしばし、埼京線205系が「新木場」の文字も鮮やかに入線、構内掲示では「快速 新木場」となっているが、反対ホームには次発の新木場行が入線しており、いちげんさんには不親切では? そもそもりんかい線は大崎駅では4面すべてに入り、折り返しも固定されていないと悪いところが出ている。確かに恵比寿方引き上げ線の余地は無いし大井町方もさほどで地下に入るのでということではあろうが、であればの全列車直通を期待せずにはいられない。
205系で新木場へ向かって〆としよう。2両連結の6ドア車に落ち着くが、ドア上部のアクリル板が薄汚れているせいで、かつ中にささった停車駅一覧の地色が地味なせいか、取り替えたばかりであろうはずなのにいささか古めかしくすら感じるのも如何なものかとも…。TWR車掌は「本日全線開通で…この電車の前後にはヘッドマークがついています」と誇らしげに連呼していたが、車両自体もフジテレビのラッピングADトレイン。さらにこのあと見掛けた京葉線205系もららぽーとのラッピングカーと、JR各線で広告氾濫の予感…川崎市の見識を改めて思い知る。
さて、乗り継いだ新木場。08:20の時点でコンコースは大混雑。みどりの窓口には完売の張り紙が出ていたので、幾重に延びた列がTWRの機械売りというチョイスの失敗を如実に示すというものではなかろうか。

そうそう、このあと9時前に新浦安に立ち寄ったが、ふとみどりの窓口に寄ればはやても-E版ペンギンもいまだ生息中…行列など全くなく、オバちゃんが「ペンギンのやつあります?…「はやって」ってのも貰おうかしら」とあっさりと買われていったのであった。

 

結局りんかい線各駅はやはり少数だった東雲を除いて各駅大混乱だった由。ただ当初手売りにしていた国際展示場や東京テレポートなどはまだマシだったようだが、地上まで長蛇の列となった大井町、乗換客との収拾がつかなくなったらしい新木場とその狭間で穴と目されてしまった品川シーサイドではえらい目になったということか。大井町では整理券でタダ乗りさせて国際展示場に振ったとか、挙句には15時過ぎにふらっと大井町に行ったら程無く買えた、という例まで出る始末。
たしかにカードひとつでここまでするか、と我ながら呆れてしまうが、裏を返せばペンギンの浸透という企画の勝利でもあり、Suicaでも死蔵可能性が十分あり得る証左ともなったわけか。マナーというかモラルの問題は残るが、商売的にも今後要注目なのかもしれない…。

…あと、4羽目になるのは、何時、何処なのだろうか…。せた○くん?SR(あ、芝山じゃないほう)??

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りんかい線を機に思う―(湘南新宿ライン)西大井VS(京浜東北線)大井町VS(りんかい線)大井町

投稿者---ながさきくん氏(2002/12/06 04:30:07)

こんにちは。
長崎以外のことでのかきこみです。電車になじみが薄い地方出身なだけにおよそ鉄道には疎いし、たくさんの「大井」が出てきてわかりづらくて恐縮です。

私は(東京都品川区)大井(町)近辺と渋谷の間を移動することがあるのですが、西大井駅・大井町駅のどちら・どの路線を利用するかが、りんかい線の開通もあいまって悩ましい今日この頃なんです。

考えうるルートは5つあります。

  1. 渋谷~品川(乗り換え)~大井町(山手線・京浜東北線) 160円
  2. 渋谷~(大崎)~大井町(埼京線・りんかい線相互直通) 350円(キャンペーン中は330円)
  3. 渋谷~自由が丘(乗り換え)~大井町(東急東横線・大井町線) 210円
  4. 渋谷~品川(乗り換え)~西大井(山手線・横須賀線) 210円
  5. 渋谷~(大崎)~西大井(湘南新宿ライン) 210円

このうち、まず、3番目の東急線は、時間がかかるので取りません。
4番目の横須賀線を利用するルートは、本数・値段からみて京浜東北線を利用するはずなので取りません。

残る3つのルートが現実的な選択肢です。
で、私の選択基準は、本数や乗車時間・階段の上り下り…等より値段にやや重きがあるので、基本的には大井町・京浜東北線を利用する1番目のルートを使うのですが、値段で劣る残る2つのルートの、現在の値段の設定のことで、やや腑に落ちないことがありまして…。

(1)りんかい線について

東京モノレールはJRが買収したからか、スイカの利用促進からか、スイカ利用者は(2002/04/21~06/20の2ヶ月間限定で)60円の割引だったように記憶しているのですが、りんかい線ではそういうサービスはないのでしょうか?
JR東日本もいちおうりんかい線には出資してるようですが、モノレールについては京急という、羽田空港への競合路線があるためのむしろ例外的なサービスなんでしょうかねー。

(2)湘南新宿ラインについて

同じJRの利用なのに湘南新宿ラインの渋谷・西大井駅間は電車賃が210円で、山手線・京浜東北線の渋谷・大井町駅間は160円なんですが、この値段のことです。
ちなみに、JRを使って行ける他の駅までの料金は、たとえば新宿までなら、西大井でも大井町でも210円で同じなんです。
西大井を利用する湘南新宿ラインは、品川を経由しない=線路が直線的になっている(=おそらく大井町利用より線路の長さ(道のり)は短そう)ことを考えれば、西大井駅を利用したほうが電車賃が高いのは、素人的には変な感じがするのです。
一応補足すると、環状の山手線では大崎駅が一番南の駅で、大崎駅から品川駅へは、線路がいったん南に行って、そこからぐぐっとカーブして北上しています。

ひところニュースにもなったように運賃表示・料金計算が間違っている場合もあるので、このケースはどうなのかなあと。
私はおよそ電車の値段の設定の仕方がどのようなものかわからないのですが、とりあえず、素人的に、ほぼ同一の地域では線路の長さで比例するものとして仮に考えます。
すると、確かに湘南新宿ラインができる前の西大井駅利用の料金を、横須賀線・山手線の品川乗換の計算でやっていた当時のことを考えれば、料金が160円から210円になる線路の長さのボーダーラインが渋谷・大井町間利用と、渋谷・西大井間利用の間にあったと考えれば、従来はその値段になることもわかります。
新宿など、距離が増すにつれて、その差が気にならない程度になっていくと思われるので。

でも、湘南新宿ラインという、同じJRであっても乗り換えなしで渋谷方面にいける路線ができてからもそのまま(横須賀線品川乗換の)古い値段を引き継いでるとしたら、なんだかなーと思ってしまいます。
だって、湘南新宿ラインって、12月に大崎に止まるようになった以前は西大井の次が恵比寿・その次が渋谷なんですよ。かなり爽快なんだもん。値段しだいじゃ絶対こっちに乗りたいんです。
JRの運賃って、JRにとって儲かるほう(西大井・渋谷間なら、湘南新宿ラインより、横須賀線の品川経由の山手線の方)で計算しちゃうんでしょうか。なお、品川・大井町間(京浜東北線)は130円で、品川・西大井間(横須賀線)は150円です。

それとも、西大井利用と大井利用では、渋谷~大崎間は併走していることを考えるなら、料金の計算方法は、湘南新宿ラインの大崎・西大井の1駅間の方が、大崎・品川・大井町と2駅分ある上距離も長そうな山手線・京浜東北線より高めに設定してるとか。

(3)大崎・大井町、この1駅の差が…

それにしても、同じJRの大崎駅と大井町駅の間を、どうしてJRがつないでくれなかったんだろうと思います。そうすれば、大井町から渋谷まで一本かつ現在の160円の料金で行けたのに…大崎・大井・品川を結んだ三角形の内側は、JR大井工場とかJRの土地がいっぱいありそうなんだし。
山手線は大崎止まりが多いけど、埼京線も大崎駅始発じゃなきゃいけないのですかね。

りんかい線の大崎延伸は、当初は大井町を経由しない予定が、大井町を経由するようになったと、落選中の地元衆議院議員選挙候補者が(地方議員時代に自分がやったと?)チラシで書いていました。
どうせならJR埼京線を大井町まで引っ張って(りんかい線としては大井町止まり)、「山手線大井町駅」=擬似山手線拡張的な発想があったら、品川乗換えなしで大崎以西に行けたのに…埼京線と京浜東北線もつながるのに…と、山手線の大崎・品川間の急カーブに揺られるたび、空想は広がるばかりです。

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なんだか分量の割に中身の薄い書き込みになってしまいました。
詳しいことをご存知な方(特に「(2)湘南新宿ラインについて」)、何か教えていただけませんか??

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りんかい線全通後のお台場の変化

投稿者---スイートオレンジ(2004/06/15 16:00:00)

はじめまして、スイートオレンジと申します。

りんかい線の(少々古い?)リポートを拝読したのですが、実はりんかい線全通後に自分自身でも予想していなかった変化がお台場に起きています。あくまで自分の感覚だけなのですが、御参考になればと思っています。

私はお台場の街が好きで、2001年末ぐらいから月1-2回、2002年の秋には週1で遊びにいくようになり、今に至っています。その頃は、ビッグサイトで大きなイベントがあると、そこで配布されている紙袋を抱えた人達がアクアシティやヴィーナスフォートにまで流れ込む光景がよく見られました(私の目にはかなり異様な絵でしたが...)。

変化が起きたのは2003年(りんかい線全通後)。お台場に現れるイベント流れの人達の姿がめっきり減ってしまいました。自分では確認していないので憶測ですが、りんかい線でそのまま大崎や渋谷方面に流れていったのかも知れません(たしか日経でそういう記事があったような記憶がある)。平日の収入源だったイベント帰りの利用客が減ったのか、店仕舞いするところも昨年より増えているような感があります(数は数えてないので本当に多いのかどうかは分かりませんが)。

もちろん台場地区でも、(客層を考えると当然かも知れませんが)クリスマスイブやバレンタインなどは深夜までものすごい人出になります。どうすごいかというと、ほとんどの人が車で来てしまうのです。海や首都高湾岸線によって迂回路が限られているためか、アクアシティ-デックスの道路やお台場中央の交差点では車が全く進まなくなります。以前、遊びの帰りに東京テレポート駅から横浜行のバス(22:01、終バス)に乗ってみたら、13号地の入口にたどり着くまで40分以上かかりました(普段は10-15分程度)。

一方、最近お台場では住宅開発が進んでいる模様です。私が知っているところでは、THE TOWERS DAIBAがあります。完成予想図を見る限りでは、シーリア並みの高層マンションになりそうです。また、平成17年には商業ビルや病院など、目的地となりそうな施設の竣工が数多く予定されているそうです。

通勤先としての需要ではテレコムセンター周辺に大型データセンターがあるそうです。で、金曜日ともなると、そこで仕事を終えた人達が手近なヴィーナスフォートなどで食事(飲み会)をすることがあると聞きました(たいてい背広姿なので目立つ)。

もし住宅地や商業地としての需要が出てくるようであれば、りんかい線も単に羽田や大崎などの拠点間連絡だけでは済まなくなる可能性があります。台場地区で涌出し吸い込まれる乗客潮流が、例えばお台場を通過して羽田や横浜へ向かう潮流と共存できるのかという疑問が出てきます。お台場に進出した商業施設などにとっては、切実な問題なのではないでしょうか。

Re:りんかい線全通後のお台場の変化

投稿者---551planning(2004/06/15 19:45:19)

スイートオレンジ様初めまして。御投稿ありがとうございます。

まず御紹介のリポートは天王洲アイル完成時のものですね。当時における羽田アクセスとしての役割に注目したものですが、お説の通り域内需要がそれなりに固まればいいのではありますが、一方でイベント需要については主観にせよ興味深いと思います。なるほど、イベントが跳ねたあとでのお台場は意外と受け皿がないというか、何処も混んでいる印象がありますね…その意味でりんかい線は1本で渋谷・新宿・池袋、そこまで行かなくても大井町まで出られるのはいろいろな意味で魅力でしょう。
また住宅開発という意味では、江東区や港区湾岸地域での高層マンション流行の中で地区的に後発組ではあるものの、確かに副都心に1本というのが盲点的な気がします。今後の展開に注目でしょう。

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それにしてもTWRについてはトンといい話を聞かないのですが、やはり何よりもJR-Eのネットワークに組み込んでやることが一番なのでは?と思いますね。東モノとはワケが違うにせよ、-Eにとってはお台場を手に入れることは羽田以上に意義があるのではと単純に思ったりするのですが。

取り急ぎ感想までに。


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