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羽田空港アクセスシリーズ

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大網線

〔羽田バスアクセス〕更に深化する対千葉圏路線…大網線開業!

2ヶ月ほど前に開業リポートをお送りした茂原線に続き、外房地域と羽田空港を結ぶ高速バスが開業した。東京空港交通と千葉中央バス共同運行による大網線である。途中土気・誉田・鎌取駅と大宮台を経由、千葉東金道路からアクアラインを回るルートだ。
パンフレットでもはっきりうたっている様に、対千葉市東南部地域をメインターゲットとしたこの路線。一見遠回りにも思えるルート取りは正しいか?運賃やダイヤ設定での茂原線との競合は?…検証すべくさっそく試乗してみよう。

羽田空港→大網駅 空港発3便

世間では3連休の中日ということもあってか、空港内も比較的ゆったりとした感じの穏やかな昼下がり。時折修学旅行の黒い大軍がバタバタと走って行くが…。毎度お邪魔のバス乗り場もTDL線や成田空港線で乗車が目立つほかはそこそこの客入りの様である。
7番乗り場は東空交ブース。昔は成田・箱崎TCAT方面への専用ブースでもあったが、現在は北関東4ルート(前橋・桐生・宇都宮・日立線)をはじめ、都内ホテル線や大宮線などをも抱え、共同運行会社の華やかなバスが彩る事が多くなった。今回は千葉中央バスが参戦、昨年来一気に対千葉圏路線の厚みが増し、「KANAC」塗装も見慣れたものだが、7番乗り場としては京成Gデビューでもある。
しかしながら、すでに各ブースの発着能力は限界に近づきつつあるといって良いかもしれない。この時間でも20分臨海副都心、25分成田、35分TCATと5~10分刻みでの発車となっており、入線前から各ブース横でバスがたむろしているのもざらでない。混雑に拍車をかけているのが付近駐停車禁止にも関わらず平気で待機する一般車。駐車場不足が一因としてもドライバー各人のモラル低下は最近はなはだしく感じられるが…。東ターミナル完成後のバス・一般車分離等改善策を是非検討して頂きたいものである。
開業直後とあって「大網方面」という係員のアナウンスも新鮮だ…ただし何となくマイナーな地名であるがゆえ、目立たない気もしなくはないが。5名ほどが列を作ってしばし、去年後半に納車されたばかりという新車がやってきた。三々五々乗車して総勢9名。開業当初の試乗組も散見されるとはいえ、なかなか順調の様である。

実は当方、開業当日の02/09に空港発19:55の6便にも乗車している(以降この青標記はこの当日便の模様)。その際は出発20分以上前から列が伸び、余程現地での事前告知が浸透していたのか出張帰りとおぼしき背広姿を中心に30名以上が乗り込む盛況であった。むしろ「本日開業!」といった案内が係員や運転士から聞かれず、はや定着したという感すら漂っていた…。

先述の一般車が煩い中、なんとか12:40定刻発車。今更ながら、千葉へ行くのに横浜方面への首都高ランプ入りは慣れないものである。10分弱でアクアラインへ…率直に言って、今まで何度も、いろいろな状況下でアクアラインを通っていた当方だが、今回ほど“混んだ”アクアははじめてだった。海ほたるPAの満車表示も、本線トンネル上まで伸びた“海ほたる渋滞”も久しぶりに見た感じがする。
で、アクアを抜ければ…と思っていると「館山道方面渋滞」の告知板情報。木更津南ICを先頭に9kmほど詰まっている由。南房総方面への花見客が押し寄せた格好とか…逃げ道を求めてアクア連絡道袖ヶ浦ICも、館山道木更津北IC、姉崎袖ヶ浦IC付近でも高速を降りる車でかなりの渋滞。満員の観光バスには疲れを隠せぬ人々が所在なげに外を見遣っていた。
こちらは木更津JCTから北上開始!と、横を12:30横浜発五井行き小湊便が抜き去って行った。こちらはコンスタント80km/h走行なので、結構飛ばしている様である。それぞれの高速道での「流れに乗る」ことも必要ではあるが、何分安全運行を心掛けたいという東空交ドライバー氏の姿勢は当然至極でありながら評価されてしかるべきであろう。

同乗した幼女の無邪気な花唄に耳を傾けつつ、クルマは台地を緩やかにうねりながら、平地を真っ直ぐ切り裂く様に館山道を順調に北上。「ここから京葉道路」の看板を見てしばし、蘇我ICからこちらの車線の交通量もぐんと増えた感じがする。京成千原線を跨ぐと、千葉東JCT直前で渋滞後尾に取りついた。こちらの実害はさほどでもなかったが、これこそこの路線がアクアライン経由になった、というよりもならざるを得なかった所以と言えようか。結局が京葉道千葉東~宮野木JCT間の慢性的渋滞傾向が定時性へのネックとなったのであろう。でなければわざわざ大型車で5000円を超えるアクアラインを経由する必要はないのであるから…。
千葉東金道路をしばし東進、大宮ICを降りてすぐ大宮台…だが降車無しのため通過、IC前の道路を右折、鎌取駅へ向かう。

本来はここを左折、千葉東金道路をくぐった先が大宮台停留所。ここで5名ほどが下車。バス折り返し場のようで、タクシーが1台ぽつんと客待ちしていた。スペース的に苦しいが、周囲を見てもP&Rの余地はありそう。周辺住宅地である事を考えれば、潜在需要は意外と…という気がした。

台地地形の上下にうねる道をしばし進み、千葉外房有料道の無料区間をしばし走って辺田十字路を右折するとまもなく大網街道。鎌取駅はジャスコがあり栄える南口ではなく、こぢんまりしたロータリーを持つ北口に到着した。ここで親子連れ4名が下車。狭いロータリーを切り回してもときた道を辺田十字路まで戻る事となる。

大網発朝2便、空港発夜2便は誉田駅経由。5分ほどの遅れで到着した鎌取駅で15名以上を降ろしたバスは大網街道をさらに東へと進む。前には千葉中央バスの千葉~誉田線が露払い、各所で降車待ちのつっかえ走行となり、道自体の細さもあって慎重な運転が続く。ひょんなコトから渋滞しそうな道、やはり下道経由は苦労が多そうである。
ホンダプリモ店が見えると誉田駅は近い(コレ事実!)。結局、千葉中央バスの付き合いで遅れは10分ほどに拡大した。誉田駅もロータリーは大変狭く、大網発便は苦労しそう…2往復に限られた理由も分からなくはないが、それでも初日にして5名ほどが降りていった。

辺田から千葉外房有料道路へと進んだバスは快調に走る。路肩の「高速道路ではありません」という看板がある以外は、立体交差の高規格な道路である。誉田料金所を抜け、誉田ICで降りると大網街道。スジ的に見ても大網街道経由と大差なさそうではあるが、わざわざ戻って有料道路経由としているのは夏季を中心とした観光渋滞対策?
内房線を跨ぐところでビューわかしお14号と思しき255系と離合、その直後大網13:30発の羽田空港行き千葉中央バスと行き交った…乗車ゼロを確認。後述するが比較的ダイヤをばらつかせたことが茂原線との兼ね合いを象徴している様にも見うけるのだが。
バスは大網街道を離れ土気市街へ。いかにも新興開発地といった整然とした街並みを進めば、土気駅の小洒落た建物が見えてきた…。ここで3名が下車。「あすみが丘南」行き2路線の千葉中央バスと同時発車。ここの路線バスは街と合わせたのか独自塗装となっている。駅前の東急ストアも家族連れが見受けられる…何故土気で東急ストア?思い出される方も多いはず、ここの近くにはかの「チバリーヒルズ」もある、東急不動産が開発した街なのであった。

初日試乗は土気で打ちきったので、この先は完全に初乗り。大網街道に戻って土気駅北口へ。ここにも小さいながらのロータリーがあり、だったら南に行かなくても…という気がする。道は外房の九十九里平野へ向け最後の峠越え、大型バスには難所ともいうべきか。そこはドライバー腕の見せ所、最後まで気は抜けない。
平地に降り、遠目に大網のシンボルともいうべき2棟の高層マンションが見えてくるとゴールは程無く。駅前の走路も狭いためにロータリーへも一苦労であったが、若干の早着で無事大網到着、当方含め2名が下車した。
バスはというと、その場がまだなれないのかどうか、そそくさとロータリーを離れて行った。近くの折り返し場で一服の後、16:00過ぎの便で羽田へ、さらに当方先日乗車の羽田20:00前発の便で大網へ来て滞泊の運用とか。人車共々、お疲れさまである。


茂原線の時にはアクアラインバスとして前々からウワサがあったのでさほどではなかったものの、「大網線開設」を耳にした当初大変驚いたものである。大網の駅勢圏と、ルートを千葉東金道路経由の東金方面であると考えて、本当に路線を敷く意義があるのかどうかを考えたためである。
そのあと鎌取経由という事を知って納得したのであるが、今度はアクアライン経由である点が引っかかった。いくら定時性とはいえ、距離も遠くなり通行料金も高いことを考えれば得策かどうか悩ましいと思ったためである。
さらに驚いたのが運賃。湾岸線を通るリムジン千葉線を考えての設定であれば妥当な線だが、アクアライン経由である事を思えば茂原線よりもかなり安く感じてしまう。裏を返せば、鎌取を中心に採算性は確保できるという見通しが明確についたのであろう。いずれにせよ、対千葉市東南部路線としては結構面白いということができよう。

さりとて迷いも見うけることができるのではないか。日中便の誉田通過は駅勢圏を考えてのこと、とはいえ外房有料道路を経由するのは時間短縮効果がさほど期待できないように思われる分、大網街道経由でもいい気がする…という事は誉田で客扱いしてもいいのでは?
結局大型車には隘路といえる大網街道を経由する事がかなり影響しているといえよう。リムジンバスであるがゆえ、乗降に時間が掛かるので路肩停車というわけに行かないのだろうが、土気駅ではわざわざ広いロータリーの南口まで行き、鎌取駅では栄えている南口には行かないという(もっともコレは南口は小湊鉄道バスのロータリーのせいかもしれないが)のも何となく気になる。

ダイヤ面だが、早朝3便もあるが主は空港帰り客狙いの路線設定という点が、早朝深夜主体の茂原線と似ている。7往復という事で茂原線ほど運行時間帯の中途半端さは目立たないが、やはり大網発午後便は苦戦が予想されそう…。このあたりは車両の運用効率とコストのぎりぎりの線なのだろうが、空港発1便、大網発最終は空気輸送でもいいとの割り切りなのだろう。であればなおさら湾岸線経由を検討し、コスト低減に努めるべきではないだろうか。今後の輸送状況の勘案次第だろうが、茂原線で成功している回数券設定も検討課題だろう。P&Bなど利用者に資する施策も待たれるところである。
千葉市域から新幹線「のぞみ1号」(06:00発)に間に合う限界は蘇我駅から京葉線であった。今回大網04:00発便が設定されたことで、対東京到達時間短縮が図られることになる。勿論今回は東京駅へ06:00に着く事は不可能であるが、品川新駅が完成すれば可能性は充分高まる。今後、羽田空港を主体としつつ、新幹線接続をも可能となる早朝(半夜行)便が設定される事は充分予想できるが、そういう使われ方をアピールすることも利用者定着へのポイントとなるのではないだろうか。


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