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【検証:近未来交通地図】 特別リポートNo.055
高岡・富山現地会“ホタルイカオフ”備忘録
(2004/05/08)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

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富山港線のLRT化がついに動き出す
 投稿者---TAKA氏(2004/05/20 22:14:51)
─怒涛の動きの中で
─「手切れ金」の評価
 └13億9000万円が「手切れ金」では勿体無い

 皆さんこんばんはTAKAです。
 今度検証のオフ会が高岡(万葉線)と富山で開かれますが、私もオフ会に参加するので色々と調べていたところ、今まで話はこの掲示板でも出ていました「富山港線のLRT化」がついに現実化してきたようです(誰か書くかな?と思っていましたが誰も書かないので・・・オフ会を前に書き込みました)。

開業にむけて出発進行!富山ライトレールhttp://www3.city.toyama.toyama.jp/topics/20040507.html
「富山ライトレール」が発足 社長に森富山市長就任 役員体制決める(04/18富山)http://www.toyama.hokkoku.co.jp/…

 ついに4月17日「富山ライトレール」が設立され、会社ができた事で富山港線のLRT化も前進の一歩を踏み出したみたいです。
 基本的には昨年11月に出た「富山港線路面電車化検討委員会」の中間取りまとめが新会社によるLRT化の基本になっている形です。

富山市 新幹線・富山駅周辺整備課
http://www.city.toyama.toyama.jp/cgi-bin/odb-get.exe…

 これからはこの基本計画を元にどのように進んでいくかということが問題かと思います。今後控えている問題も色々有ると思います。

 私が考えたところでもこんな問題が山積していると感じます。
 まあ正直言って今回のオフ会に絶好の見学対象ができた形です。地域が主導し金も口も出して存続しLRT化を目指す高岡万葉線と、自治体が主導権を握りLRT化を進めようとする富山ライトレール、ある意味で対照的な関係にあるといえます。
 じっくり腰をすえて見れるかはわかりませんが、今回のオフ会の私のテーマの一つとして万葉線・富山港線・地鉄富山市内線ワンセットで見学して期待と思います。オフ会後時間を見計らって、現状についてできたら書き込みをしたいと思います。

怒涛の動きの中で
 投稿者---551planning(2004/05/21 10:47:23)

 22・23日に、高岡・富山両市街をメインとした【検証:】富山県交通環境確認会が開催されます。ナビゲーターのTom様の御尽力のもと、現時点で関東・関西から7名が参加予定となっております。参加者からのリポート・感想を皆様お楽しみに…。

#なお、当方は帰り道に岐阜に立ち寄り、24日には浜松で開催されているTRANSED2004(第10回 高齢者・障害者のモビリティと交通に関する国際会議)の地域交通セミナーに参加するとともに、展示会出展のLRT立体模型とやらも見てくる予定です。

***
 さて、メインテーマの1つになろう富山港線LRT化ですが、【検証:】でもその動きに注目しておりました。

JR西日本、吉備線、富山港線を分社化のうえLRT化へ(2003/02/26) ../../topics/neotrans/log354.html

近未来鉄軌道転換可能性地図(個別データ編)../../update/conversion/002.html

 北陸新幹線延伸に伴う分社化については以前に内々に打診されていたとはいえ、LRT化という方向性によるものが、報道後1年余で会社設立まで至ったのですから、その怒涛の動きに改めて驚かされます。

 今後のJR西日本の関与(無視するのか?金を出すのか?富山港線を幾らで(有償でor無償で)新会社に渡すのか?等々)

 流れを追う限り無視どころか積極的な関与の方向性が伺えます。施設譲渡については有償にしても限りなく抑えられる方向のようですし(この点についてはまさしく「万葉線スキーム」が活きてきますね)、新会社への出資こそしていませんが、県の有力企業を取りまとめたところの背景にはJR-Wがバックにいるから…ということも少なからずあろうと思います。

 地域が主導し金も口も出して存続しLRT化を目指す高岡万葉線と、自治体が主導権を握りLRT化を進めようとする富山ライトレール、ある意味で対照的な関係にあるといえます。

 この点少々気になるところも。
 実は森富山市長を団長に、フランス・ドイツ・スイスを巡る富山市欧州LRT視察団が19日まで派遣されていて、富山新聞では随行員リポートが記事になっています。

富山市の路面電車視察団、フランスへ出発 先進地の交通システム学ぶ(05/12富山)http://www.toyama.hokkoku.co.jp/…
富山市LRT視察団、斬新な車両を体感 フランス・ストラスブールで乗車(05/13富山)http://www.toyama.hokkoku.co.jp/…
路面電車、将来的に「富山市型」の車両開発へ 欧州視察団の森富山市長が意向(05/18富山)http://www.toyama.hokkoku.co.jp/…

 最後の記事では、当面必要の7台(編成)については時間的制約などから国内車体製造3メーカーへの発注になるものとしているところ、市長は『国内メーカーが現段階で持つ技術を基に発注することになる。(車内に段差がある)部分低床車両にならざるを得ない』ものの、かのストラスブールの車両を見たことなどを踏まえて『(支援)基金が充実すれば、海外メーカー選択も視野に富山独自の車両を購入することも考えたい』としているそうで…。
 LRTを取り巻くここ数年の流れを把握している方々からすれば、“ん!”というような発言であり記事であるということになりましょうが(少なくとも厳密に捉えない限りにおいては完全低床車はあるわけで)、さらに個人的には、地域住民が主体となって勉強して築き上げてきたスタイルがまさにお隣の高岡にあることからして、企業と行政の思惑が一致して進んできたプロジェクトゆえの「認識の相違」が垣間見られたと受け止めました。勿論富山市においても地域住民主体の動きは見られますし(ちなみに5/29にはシンポジウムも開催予定)、また突き詰めて考えた時に住民主体こそが善という気はないのですが、岡山や高岡の例を直接、間接に見聞きした限りにおいては、双方の連携があってこそ「身の丈の合った」展開につながるのでは?と受け止めました。
 ただ、岡山はどうか?いくら笛を高らかに吹いても行政がより乗って来なければ…という現実もあったりするがゆえに難しいのですが。

「手切れ金」の評価
 投稿者---551planning(2004/06/03 12:22:22)

 6/1富山市長の定例会見で、JR-W富山港線路面電車化に関して市・運営会社の富山ライトレール・JR-Wの3社協定成立についての報告がなされています。欧州報告もあったようです。

富山市 市長定例記者会見 http://www3.city.toyama.toyama.jp/interview/040601.html#04

富山市に10億円を寄付 JR西日本、富山港線の路面電車化推進に協力(06/02富山) http://www.toyama.hokkoku.co.jp/…
富山港線の路面電車化 富山市など3者、基本協定を締結(06/02毎日) http://headlines.yahoo.co.jp/…
路面電車化にJR西日本が10億円支援(06/02朝日) http://mytown.asahi.com/toyama/…

 5/26付で結ばれた協定は、2006年度当初の転換に向け3社が連携して事業を推進することが明記、転換後の技術的支援協力も盛り込まれているようです。さらにJR-Wと富山市との間で鉄道資産の簿過譲渡(約3億9000万円)とその同額+10億円のまちづくり協力金寄付を行うことも発表されました。富山記事にあるように、施設の実質無償譲渡については以前に内諾されていたようですが、朝日記事でも3セクへの経営参画をしなかった-Wに対して市議会からも更なる連携要望が出されていたとあるように、-Wの関与についてより踏み込んで明確化を図ったものと云えます。
 気がかりなのは寄付金10億円の使途ですが、実行時期も明確化されていないということで現時点では白紙、ただし経営安定化の下支えとしては十分だと市長がしていることから、基金の原資になるものと思われます。

 しかし「10億円」の根拠はというと、富山記事にあるように昨年の可部線可部−三段峡間廃止時に沿線自治体に対する地域振興協力名目での拠出に倣ったものとされており、その意味では「手切れ金」とも解されるわけですが、片や46.2キロ、こちらは7キロ弱ということで、単純比較はできないにせよ富山の手厚さは突出して見えます。
 -Wにしてこれを“先例”としてゆくのかどうか、また市長の欧州報告からも「行政の役割」で勉強になったという意が伝わってくるところと特に運行経費の問題で「下支えになる」としたこの10億円の価値を照らし合わせると、これらから本プロジェクトについての評価も後々見えてくることになるのではないか…と思わずにはいられなかったのでした。

13億9000万円が「手切れ金」では勿体無い
 投稿者---TAKA氏(2004/06/04 10:06:01)

 管理人様こんにちはTAKA@ロマンスカーで小田原移動中です。
 私がフォローしなければいけない内容、探してフォローしていただき有り難うございます。

☆10億円寄付金でも良かったのですが、私は一部出資を入れても良かったのでは?と感じます。499,900千円の富山ライトレールの資本金の内、連結決算対象にならない程度の出資(1億円未満)をして、人も転籍(or出向)させて、直接責任は及ぼさなくても関与だけはするようにすべきだったのでは?と感じます。
 私は無償譲渡+1億円未満程度の出資+基金5億円=約10億円で良かったのではないかと感じます。JR-Wが富山港線単体で幾ら赤字を出していたか次第ですが、可部線の例以上に過保護であると思います。それならば本体経営の影響の無い範囲での出資等の発言権を残せる形で協力をすべきだったでしょう。
 将来的にはJR-Wにしてもこの様な形でローカル線を切り離していくと社内で余剰人員の問題が出てくるはずです。余剰人員では有りますが鉄道についてはノウハウを持った人で、切り離し→三セク化の道をローカル線に歩ませるのなら、可部線のように廃線ならいざ知らず、富山港線のように残る場合には、「出資→人的側面で協力」は行うが、経営責任は出資の範囲でと言うのがJR-Wにとりプラスであるとは思います。如何な物なのでしょうか?
 「手切れ金」は良いのですが、「手切れ金」は出すだけです。成るべくなら1円でも回収出来た方が良いです。その可能性を捨てる必要は無いと思います。

 -Wにしてこれを“先例”としてゆくのかどうか、また市長の欧州報告からも「行政の役割」で勉強になったという意が伝わってくるところと特に運行経費の問題で「下支えになる」としたこの10億円の価値を照らし合わせると、これらから本プロジェクトについての評価も後々見えてくることになるのではないか…と思わずにはいられなかったのでした。

☆少なくとも富山港線の次には吉備線が控えています。吉備線もLRT化で動くでしょう(RACDAがいらっしゃるので)。そういう意味では先例となりえる事例でしょう。未だ可能性があるので廃線は惜しいが、年間数千万の赤字が出ると言うようなJR-Wの”都市近郊放置プレイ路線”の対応の前例として富山港線の形がスキームにはなるでしょう。
 可部線・富山港線が国鉄時代の“赤字ローカル線”処分以来残っているJRの“存在意義の無い”赤字ローカル線問題に一つのスキームを作り出したと言えるでしょう。
 又自治体にとっても、今赤字だからと言ってすぐ廃線届→撤退をする民間企業者が多いのに対し、廃線問題を突きつけられた自治体は撤退民間企業に”将来の赤字の垂れ流しが無くなるのだから手切れ金位出せ。JR-Wは出してるではないか”と迫ることも出来るでしょう。出すか出さないかはその企業の意向で出さなければならない物では無いことは当然ですが・・・。
 少なくとも今後の都市近郊赤字ローカル線の活性化という意味では一つのスキームが出来たと思います。次に控える吉備線がどうなるか?なんせ岡山ですから、富山みたいに行政主体だけで進むわけが無いでしょう。只”LRT化=電化”と言う費用増額の項目も有りますのでそれを含めてどのように対応するかは面白いと思います。只JR-Wが手厚い“転換手切れ金”をくれることと、最低限の支援はしてくれることは明らかになりましたから・・・

気掛かりな「アイトラム運休」
 投稿者---551planning(2004/10/06 12:16:06)
─Re:気掛かりな「アイトラム運休」

 高岡の街を彩る赤い車体が、見られなくなっている…。
 今年1月にデビュー、万葉線のホープとして活躍しているはずのMLRV1000“アイトラム”が全面運休に追い込まれて1ヶ月が過ぎようとしている。復帰にはずが一転長期運休の様相、原因不明とされる異常事態、一体何が起こっているのか…。

運転再開日に脱輪 8月脱線の高岡『万葉線』乗客ら無事 運行当面は停止(10/01北陸中日) http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/…

 問題の始まりは8/7に運転開始した2号車。翌8/8に中新湊−東新湊間のカーブで脱線事故を起こし、運休へ。さらに1/21以後特段の問題なく運行されていた1号車が9/8の始業時点検の際にブレーキ異常ランプが点灯し、原因がはっきりしなかったためそのまま運休となってしまった。
 その後の確認の結果、1号車がブレーキの油圧系統の部品交換となった一方、2号車については車体の問題なのか軌道の問題なのか明確に特定できず、また1号車で車輪のフランジの過度な磨耗が確認されたこともあり、双方の複合的な要因であると判断、問題箇所への脱線防止ガードの取り付けと試運転による確認で対応することとなった。
 そして10/1の新湊での曳山まつりに間に合わせるカタチで9/30復帰にこぎつけたのだが、まず出庫した2号車が間もなく本丸会館前の列車交換分岐器付近で前回と同じ車輪が再び脱線、午後から出庫予定だった1号車の運休を決めるとともに本線をふさぐ形で停車したために同所付近の前後で折返運転を行っていたものの、その後国土交通省北陸信越運輸局が併用軌道区間のレール等の詳細調査・安全確保までの運転停止を指示、高岡駅前−六渡寺間を運休してバス代行で対応の上、何とか翌日始発から在来車での運行再開にこぎつけたのだった。

高岡駅前

***
 短期間の2度の重大事象に、運輸局では原因の徹底究明を求めているようだが、同型車が熊本・岡山、そして富山でも導入されることから、今後のためにもここは時間を掛けて確認作業をすべきだろう。特に「舶来品」であることから、通常管理以上の問題時には製造元の新潟トランシスの担当者待ちになってしまうことも大きなネックであることも踏まえ、可能な限りの実践的マニュアル化をつくりあげてしまうくらいの心意気であって欲しいと思う。
 ただ1号車が8ヶ月間順調に運行されていたことから見ても、初期故障云々ではなく車両と軌道の相性の問題と思われるだけに、そうなると1号車だけでも…という話になりかねないが、9/30の復帰を早いとまでは見ないものの、ここは自重を求めたい。また、他のLRV運行地と比して軌道関係は格段に悪い状態にあると云える事から、これを原因とすることは容易いが、現状徐々に手を入れているところ、頑張っているなと思わせる一方で一気に全線での工事云々となるとそうはいかないということも想像に難くない…安全のお墨付きを得られるに至るまでの対処は困難を極めそうだ。

 万葉線会社は10/9に予定していた「万葉線電車まつり」を中止した。物品即売や車両撮影、豆電車“ミニアイトラム”の運転等が予定されていたが、やはり状況を勘案すると中止せざるを得なかろう。ただここからも見て取れるのは、アイトラムがもはや万葉線そのものの行方を占う存在になっているということである。確かに当方自身新車投入ということで彼の地を再訪したし、ネットで検索すればそうした輪が大きいことが伺える。まさしく冒頭に記した「ホープ」に掛かる期待は相当なものである。
 ただ、そうした状況は10年、20年先を見据えたときに好ましいかどうかはやはり考える必要があると思う。軌道の問題も然り、まちづくりの観点からも、新車を入れましたというのは端緒に過ぎないし、新車を入れたがゆえに線路をどのように維持して活性化してゆくのかを考える必要が多分にあるものと考える。今年岐阜・日立で繰り返されている「残す残さない」の先にあるものが、今の高岡にあるというのは過言だろうか(余談になるが、その点で三岐北勢線は高速化事業という新たなステップに踏み出している…あえてその是非は置いておくが)。

 その意味で市民活動で先進的と評され、当方自身そう感じているRACDA高岡や万葉線ネットの活動が、あくまでもネット上だけではあるものの停滞気味に見えるのは気掛かりな点である(もちろん当方自身彼の地を頻繁に訪れているわけではないので活動の実態をつぶさに実感しているわけではないことを断っておく)。虎の子アイトラムが停まってしまった今、逆に広く全国に発信し訴えるチャンスにあると思うのだが…。

万葉線株式会社 http://www1.coralnet.or.jp/manyosen/
RACDA高岡(ractama-club) http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Ayame/1282/
万葉線ネット http://www.manyosen.net/

 ともあれ、ふたたび元気な姿で街を彩る姿が見られることを期待したい。

Re:気掛かりな「アイトラム運休」
 投稿者---Mistral氏(2004/10/08 23:31:35) http://eurotram.web.infoseek.co.jp/

 管理人様ご無沙汰しております。

 実は運休日の翌日高岡に行って事故現場も見てきました。当日高岡で日仏景観会議があり、テーマが公共交通と街作りで、ゲストもフランスのLRTにも関わりのあるアーバンデザイナーだったので、万葉線としてはこの日のイベントにあわせて満を持してAI-Tramを運行再開した矢先の出来事でした。

日仏景観会議の概要はこちら http://www.takaoka-nc.ac.jp/nichifutsu/

 ノンステップのLRVは、かなりの精密機器です。万葉線の旧型のボギー車は、ガタガタの線路でも走れるように車両のあちらこちらに余裕がありますが、厳密な設計をしているノンステップ車にはそんな余裕はありません。

 現場のポイントですが、Ai-Tramは単線区間の交換地点のうち、ポイントでカーブして入線するホームに入っていました。駅を発車してポイントで合流する地点で、線路に合流せずにポイントのトングに乗り上げて脱輪してしまいました。このポイントは、地元の人に聞いたら、スプリングポイントになっていたようです。つまり、ポイントはつねに方向が固定されており、ポイントの合流側からは車輪でトングレールを押して走っている訳です。私の推測ですが、今回のAI-TRAMは車輪でトングレールを押すことができず、そのまま線路を乗り上げて直進してしまったのではないかと思います。

画像:AI-Tram事故現場の模様

 スプリングポイントというのがミソな気がします。車体の軽いLRVではスプリングポイントが動かなかったかもしれません。何よりも大事なのが、ドイツにはスプリングポイントはないということです。ドイツの路面電車の多くは終点駅はループになっており、運転台も片方にしかありません。ヨーロッパでは、路面電車のポイントもいちいち切り替えています。AI-Tramの元になったGT形電車は、オリジナルモデルはすべて片運転台形のモデルです。AI-Tramの台車は、スプリングポイントを通過することは考慮せずに設計されていてもおかしくありません。

 軌道系システムというのは、線路と車両で一体で設計しなければならないということをつくづく痛感します。日本最悪の線路状況を持つ万葉線の場合は、同じ予算があるなら線路の方を先に新しくするべきだったのかも知れません。一部に、富山港線のLRT化に危惧がという声がありますが、富山港線の場合は、軌道設備改良を伴うでしょうから、GT形電車が走れるように改築するはずです。ゲージだけ同じでも、路面電車とLRTは違うことを図らずも証明したのかもしれません。

 AI-Tramが欠陥商品だという声がありますが、万葉線の軌道の方がよっぽど欠陥商品です。富山市内線も乗ったのですが、本当に軌道状態が悪い。本当に先進国の路面電車なのか疑いたくなります。日本のLRTブームは車両ばかり見ていて、今回の事故でまさに足をすくわれたのでしょう。

まさしく正念場だが…
 投稿者---551planning(2005/03/03 01:18:49)

師走の試運転開始以来久しく耳にしていなかったアイトラムの話ですが、なんともな事態になった、とでも云いましょうか…。

万葉線が新車両導入断念 新年度計画分 安全性を優先(03/02中日)http://www.chunichi.co.jp/…
万葉線新型車両の導入見送り(03/02KNB)http://www2.knb.ne.jp/news/…

 万葉線では2004年度から3年計画で2編成ずつ計6編成のLRV導入が予定されていましたが、05年度分についてはこれを見送ることとしたそうで。脱線原因については車輪の内幅が旧型より若干広かったことが主因とされ(加えてポイント部分の磨耗等)、試験自体は2月時点で順調に推移しているとのことでしたが、3月末にとも云われていた営業復帰のアナウンスは依然されていない中でのこの発表は、安全優先策は当然として波紋を投げかけるものと思われます。

 日本のLRTブームは車両ばかり見ていて、今回の事故でまさに足をすくわれたのでしょう。

 一方で現実として、新車導入により04年度上半期決算では増収となったともされていることから、背に腹は…というところはどうしてもあろうかと。事実、軌道について全く手をつけていなかったということでもありませんし、事故箇所については優先で改修作業が行われたようです。
 しかしながら、『新車両が入らないと、乗客は増えないだろう』と社の見解が記事中にありますが、増収については一過性のものということができ、それを持続させる方策は?というと車両更新だけではというのはやはりありましょう。その意味でことここに至ったことが、改めて存廃そのものの是非を問われる正念場になろうかと思います。特に高岡の場合は市民運動がクローズアップされていたこともあり、今後の展開が注目されましょう。

無事之名車?
 投稿者---551planning(2005/03/13 23:22:03)

 満を持しての発車です。

万葉線新型車両が運転再開(03/13KNB)http://www2.knb.ne.jp/news/…
アイトラムの営業運転再開について[万葉線] http://www1.coralnet.or.jp/manyosen/17.3.17ai-

 情報は入っていましたが、動いている姿を確認してからと思っておりました。KNBサイトでは動画ニュースもあり、雪がちらつく中を慎重に走る姿が確認できました…てっきり大雪かと思っていたので道路にほとんど積雪がなかったのが意外でしたが、まずは初日を無事に終えた様子はなによりです。半月ほどは「重役出勤」ならぬ午後からの運転ですが、今月末からは終日運転に移行する計画。なにはともあれ、当面は便りのないのが…と願いたいところでしょうか。ただそれにしても車輪間隔の調整と軌道の手入れで解決してしまうようでは改めてなんともはやな気分にもなるわけですが。

2005.04.11 Update

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