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富士交通

【検証:近未来交通地図】 特別リポートNo.038
乗合事業「規制緩和」半年〜そろそろ1年

(1)〜追い込まれる路線バス事業者
(2)〜競業から協業へと向かう高速バス
(3)〜貸切バス事業者の胎動

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

日の丸自動車

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 規制緩和からまもなく半年、もはや公共交通の維持に独立採算制という十字架を背負わせ続けるのは如何なものであろうか。事例を御紹介しつつ数回に渡って皆様とともに考えてみたい

(1)〜追い込まれる路線バス事業者 (2002/06/16 23:33:07)

 「運転手がいない」…箱根登山鉄道ではバス部門の希望退職者募集を掛けたところ、賃金制度変更への反応が強かったのかその定員以上に自己都合退職者が出たことで、結果運転手の3割が減ってしまい所定ダイヤを縮減せざるを得なくなっているという(6/12朝日朝刊記事要旨)。
 4月中旬のダイヤ改正で小田原−箱根町、小田原−仙石原湖尻間路線の直通便を削減、途中の箱根湯本で電車や別のバスに乗り換える措置を取ったが、利用者からの反発が出ていることが箱根町議会でも取り上げられたことから、会社側は嘱託社員を総動員し、新規採用をも行ってダイヤ回復を目指すとしているが現状(6/16付改正)では100%元には戻らないという。

 神奈川県西部・静岡県伊豆地域を取り巻くバス事業者の動向は厳しさを増している。大規模事業者である神奈中・富士急は地域分社化を展開、東海自動車に至っては社員を一旦全員退職させ、5つの地域分社に低賃金での再就職を図るという荒療治に出たことで知られる。東海・箱根登山・伊豆箱根・富士急がせめぎあった沼津地区では今や全社が分社子会社となっているのが象徴的だ。
 会社経営が連結時代に入り、東海・箱根登山の親会社である小田急電鉄もグループ経営にシビアにならざるを得なくなっている。会社の象徴であり、かつて大東急傘下の影響が色濃く残る昭和30〜40年代には西武系伊豆箱根鉄道と覇を競った箱根地域も安定成長の時代は過ぎた。今や西武鉄道と組んだフリーきっぷで集客を図り、さらには東海自動車再編に次いで箱根登山鉄道の事業再編が小田急主導によって行われ、スーパー事業の売却など非交通部門事業の縮小を進めるほか、懸案のバス事業は沼津に次いで湘南地域を分社化、熱海地区を伊豆東海バスに営業譲渡、沼津地区は沼津東海バスと経営統合(東海自動車主導で再編)するなど減量化に取り組んでいる。「運転手不足」はそんな矢先に起こった。

 記事では『会社から事前に住民説明がなかったのは遺憾。事業者と話し合う』との山口箱根町長のコメントが掲載されているが、箱根登山のサイトでも十分な説明はない。増便により『道路渋滞やお客様の利用実態に基づいたダイヤとなっております』というが、原状回復がなされない中で生活路線に頼らざるを得ない地元利用者、あるいは利便性重視の観光客の信頼を取り戻せるかが焦点といえそうだ。

小湊バス 箱根登山鉄道 http://www.hakone-tozan.co.jp/
6/16付ダイヤ改正 http://www.hakone-tozan.co.jp/magazine/info0206-3.htm
東海自動車 http://www.izu-station.com/
小田急電鉄(グループ) http://www.odakyu-group.co.jp/

***
 千葉市内交通を担う小湊鉄道では、排ガス規制(自動車NOx法)対応回避のため、本来「特別地域」に当たる千葉市では登録できない塩田車庫所属経年車28台の籍だけを特別地域外の長南車庫に移し、実際は特別地域内でそのまま使っていたのが発覚、陸運支局から虚偽登録の改善指導を受けていたと報道された(4/27付毎日記事要旨)。
 小湊鉄道は『会社の運行範囲が木更津などにわたり広いので、長南町で登録した車両を千葉市で保管しても問題はないと思っていた』というが、陸運支局によるとバス・トラック等排ガス規制対象車両の虚偽登録が絶えないということで、10月から初登録後7年以上で基準未達成車両の運行規制をそれまでの18市町村から千葉県内全域に広げる由。

 アクアライン路線を梃子に一般路線者の取替えをも積極的に進める日東交通と比して、アクアラインバス自体に経年車がまま見受けられる小湊だけに、車両代替に苦心している様が伝わってくる。さらにバリアフリー法のもと補助があるとはいえメンテなど総合的に考えるとノンステ車等の導入は持ち出しが多くなる。今回の話も、我々にとっては環境保持のための重要施策であるわけだが、事業者側には10年に満たない間に使えなくなってしまうようでは設備投資計画上非常に頭の痛い話になる。
 一方で、環境対策という視点で云えば排ガス規制以外に有効策が見えない。東京都が主導となっている環境ロード・プライジングも千葉県では通過交通の増加を懸念して同調していないし、千葉市内では100円バスが実施されているが、TDMとは云わないにしてもそれに見合う公共交通誘導策が行われているかどうかは疑問だ。小湊がやったことは確かに過ちかもしれないが、その背景を探らないと本質論は見えてこない。

 先に日東との比較を出したが、地域分社がすんなり行き、かつそれぞれ稼ぎ頭の高速バス路線を確保できた日東に対し、房総半島北部の過疎路線と千葉・市原都市圏の通勤通学輸送というアンバランスな形態を分社化で断ち切れないままにきた小湊という図式も見て取れなくはない。ことアクアラインバスについても地盤の差が展開の差にも繋がっている感が否めないが、最近茂原−羽田空港線に勝浦−牛区間接続急行バスを走らせたり、五井−羽田空港線を東金まで延長したりと積極策が見えてきたのは救いになるだろうか…。

小湊鉄道 http://www1.odn.ne.jp/kominatotetsudou/main.html

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 乗合事業規制緩和を事業者・従業員は戦々恐々として迎えたといっていい。裏を返せば不採算路線切りも容易になったとはいえ、事実神奈川県西部での神奈中グループの動向(津久井地区からの撤退)は大きな波紋を投げかけており、事業者側にとってすぐ場に出せるカードではない。従業員も賃金面では首都圏の事業者ほどまだまだ恵まれていたが、大手の分社化施策を境に賃金カットが加速度的に進んでいて、仕業の見直しなど勤務時間の増加含め疲弊しはじめている。組織防衛と自らの飯の種の確保の狭間が新たな形で見えたのが今回の箱根登山の事例ではなかろうか。
 また首都圏の事業者にとっては環境対策やバリアフリーも実は重荷になっている端緒な例が小湊に現れてきた。千葉県下も房総地域や北総地域で過疎路線が拡大しており、規制強化は事業者側の負担を増やすだけの結果になりはしないかという気がしてならない。それが何を生むのか?我々利用者はただ単にコトの推移を見守らざるを得ないのだろうか…

(2)〜競業から協業へと向かう高速バス (2002/09/09 00:49:49)
−長崎でのバスのこと
 └(追記)長崎のバスについて、空港線以外での規制緩和の影響
長崎バスVS県営バス 空港線で住み分けは可能か?
 └消耗戦への懸念
  └今さらながら

 クリームスキーミング=いいとこどり…既存事業者にとって今回の規制緩和は、収益性の高い路線での新規参入を最も警戒すべき野放図的な印象が強い。バスがあればいいと云ってしまえば暴論かもしれないが、他事業と比して参入障壁が低く、こと最近は空港連絡や都市間輸送の分野で強みを発揮しているだけに、競業化は恐れるべき事態ともいえよう。

高知空港

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 高知空港に降り立つと2種類のカラーリングをしたバスが出迎えてくれる。白地にライトグリーンと赤の土佐電気鉄道(運行事業者は土佐電ドリームサービス)と、クリーム地に赤と黒のラインの入った高知駅前観光である。「駅前観光」を名乗るがJR高知駅前には入らず、市西方にある朝倉(高知大学前)まで運行する。
 JR高知駅前からの土佐電独占が崩れたのは2001年7月。タクシーと観光バスを運営する高知駅前観光の申請から1年を経ての認可は、土佐電ルートから外れる県庁前から朝倉までの停留所設置のみ許された限定的なものであった。すぐさま同社は県庁前以東の停留所設置とタクシーとのパック運賃(乗継割引)を申請、2002年2月に実施に移し、これにより土佐電とほとんど同じ形態の運行が実現することとなった。まさに規制緩和の先陣を切ったといえよう。
 当方も今夏訪問時に空港発数便の利用動向を見ていたが、地元であれば「朝倉」の名は知られていようが、いちげん的な観光者の場合、ホテルが集中するJR駅前へということで土佐電便の志向性が強く伺えた。早朝の対空港便は駅前観光便もそこそこの入れ込みを見せていたが、30分ヘッドは明らかに供給過多のように映ったが…。

高知新聞 http://www.kochinews.co.jp/0110/011018headline03.htm

 日本唯一の県営バス=長崎県交通局は、長崎市内と長崎空港との間の連絡バスを昭和50年の開港時より単独運行してきた。長崎市を中心に展開する長崎バス(長崎自動車)は当初より同区間への参入を画策してきたが、二度に渡って申請却下された。しかし規制緩和を受けて3度目の正直が実り、2002年5月から30往復運行開始に至る。片道800円、往復1,200円の運賃は従前片道1,200円だった県交通局には衝撃的とも云えた。交通局も1ルート44往復から2ルート55往復化され利便性に訴えて出ている。
 長崎空港は離島便含め年間280万人の利用を持つが、交通局運行の対市内便だけ見れば年々減少して50万人という状況、航空便がさして増えもしないのに倍の運行本数、半値近い運賃値下げとなれば共倒れも懸念される。実際報道によれば、交通局側では、競合後1カ月間で競合前より9%減、1日平均1300人弱、1便当たり12.7人と採算ラインの13.6人に満たない由。一方、長崎バスは一日平均約300人、1便当たり採算ラインの8人に対し約5人という。

長崎市−長崎空港高速バス路線 県営、長崎バスとも苦戦?(07/05長崎)http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kako/200207/05.html#03
長崎県交通局 http://www4.ocn.ne.jp/~keneibus/info1.htm
長崎バス http://www.nagasaki-bus.co.jp/kousoku/kukou.html

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 一方で既存事業者間の「変化」も顕著になりつつある。
 札幌と小樽を結ぶ札樽高速線は、長らくJR北海道バスと北海道中央バスの競合路線であったが、2001年12月から共同運行化が実現、札幌・小樽とも乗降場が統一され(小樽は中央バス乗り場から、札幌は円山経由便が駅前JRBターミナル発着で中央バス便が乗り入れ、北大経由便が中央バスターミナル発着(札幌駅経由)でJR便が乗り入れ、札樽道上バスストップにJR便も停車)、カードリーダーの共用化や共通回数券・カードも設定された。
 中央バスでは7月から新千歳空港連絡バスの北都交通との途中停留所統一化、共通回数券の設定も実施している。

北海道中央バス http://www.chuo-bus.co.jp/kikan/s-okyodo.html
http://www.chuo-bus.co.jp/whatsnew/020718.html

 明石海峡大橋開通後伸長を続ける明石鳴門ルートは、JR系と民営系に大別され競合関係にあったが、その中で大阪(梅田)−高松・丸亀線は西日本JRバス・JR四国グループ(高松エクスプレス大阪号)と阪急バス・四国高速バスグループ(さぬきエクスプレス)で運行されてきたが、2002年4月から共同運行化、運行ダイヤも見直され高松線がほぼ30分ヘッド化、OCAT経由の新設もなされた。ただし梅田の発着は従前のJR大阪駅/阪急三番街と分かれているほか、「みどりの窓口」ではJR便のみしか売られていない。
 実はこのルートでは南海バスと、関西汽船と加藤汽船が共同出資する「高松エクスプレス」社による「たかなん FOOTBUS」が8月に南海なんば高速BT−高松駅間8往復、3,800円(期間限定割引で3,600円)で新規参入が実現、JR-阪急系も増便と4,300円→4,000円(OCAT3,600円)の期間限定割引で対抗と新たな競争も生まれている…という背景があったのが真相、そしてこの他の明石鳴門ルートでの共同運行化の話は聞こえてきていない。

JR四国 http://www.jr-shikoku.co.jp/what's_new/html/press_release/press02-07-29-3.htm
高松エクスプレス http://www.footbus.co.jp/

***
 新規参入については、実際のところまださほど、というのが実情である。高速バス関連では仙台の貸切事業者である富士交通が仙台−福島・郡山線への参入届を行っているだが、いまだ運行開始には至っていない。

富士交通 http://www.fujikotsu.com/
仙台経済界 http://www.senkey.co.jp/topic/02_3-4_4.html

 また、既存事業者の中でも競合は発生している。長らくJR四国が一般道経由で独占してきた松山−高知線(なんごく号)は2001年12月に高知道〜松山道経由に経路変更され「なんごくエクスプレス」となったが、同時に伊予鉄・土佐電・高知県交通による「ホエールエクスプレス」も新設、両社は時間設定こそずれているものの共同運行関係にはない。 

伊予鉄道 http://www.iyotetsu.co.jp/bus/kousoku/index.html

 いずれにせよ、既存事業者間での動きは共同運行化を視野に入れた「協業」体制へという方向性であり、一方で新規参入との「競業」関係に頭を悩ませることになりそうである。
 利用者にとっては選択肢が増える「競業」は望ましいところであるが、一方で利便性を考えると必ずしも、という面もあろう。その中で共倒れになることだけは避けてもらいたいもの。適正化の中での「協業」の模索も要検討してもらいたいというのが本心ではなかろうか。

 長崎では県交通局や長崎バス含め県内5事業者共同で1月から共通ICカード「長崎スマートカード」を導入している(蛇足ながら空港バスではともに使用できない)。ともに生き残りを賭け必死なのだ。「オイシイ路線」への後発組の論理はまさにその通り、とも云えそうだが、その先に見える反動がとても気になってしまう…全くの個人的意見であるが、改めての公共交通としての意義を再確認の上、ソフトランディングを期待したいものである。

(参考文献) 月刊 近代交通(2002年6月号)

長崎でのバスのこと
 投稿者---ながさきくん氏(2002/09/13 00:49:46)

 こちらでははじめて書き込みします。
 別の掲示板で長崎空港のことについて書き込んでいた、ながさきくんです。

 長崎(特に市内周辺)でのバスの現状については、故郷だけに実情は知っています。観光名所は路面電車(どこまででも100円!)で行けますが、坂の街なので、居住者にとっては市内といえどバスが主要な交通手段です。
 まず、県営バスが日本唯一だったとは知りませんでした。まあ、特に長崎市内は電車・地下鉄が使えない(坂が多く平地は少ない上、中心部は数百年来の埋立地=地下は掘れない)ので、かなり大雑把に言えば都営地下鉄などの代わりみたいなものでしょうか。
 長崎での県内バス事業者の共通ICカードの導入については、東京の私鉄等の共通のカード見たいなもの、空港バスで使用できないのは長距離系の路線だからと考えることもできます(JR東日本のイオカードも、(距離の違いはともかく)似たような感じじゃなかったですか?)。これもかなり大雑把に言えばですが。
 ちなみに県営バスの、市街地を走る車の車体は明るい赤色なので、観光地っぽくて個人的には好きです。

 数字を伴わず、(かつての)利用者の直感でものを言うのはあまりよくないですが、長崎バスはおいしい路線のみ厳選してばんばんバスを走らせ、県営バスが不採算路線を一手に担っている感はあります。うーん、「公」の役割としては当然なんでしょうかねえ。

 さて、長崎市内と長崎空港を結ぶ路線は、赤字続きの県営バスの唯一のドル箱と言っていい路線だったと思います。長崎バスの参入はそこに突如競争が起きた感じですね。
 微妙に長崎市内の出発地等が違うので、完全に並走しているわけではないのですが、なにぶん2社の合計便数が多すぎる…。
 県営バスも長崎バスに運賃で追随しているので、牛丼屋の値下げばりのチキンレースといった感じでしょうか。

 ちなみに、私の長崎市の実家の家からは、県営バスのバス停までは徒歩1分、長崎バスのそれは20分ほどです。
 空港等長距離系のバスの停留所は県営バスしか使えるものが周辺にないですし。

 また、空港線以外でも規制緩和の影響は出ているようです。
 長崎新聞の最近の記事によれば、長崎バスが、規制緩和以前からの県営バスとの競合路線(場所を見る限り住宅地と長崎市内中心部を結ぶ路線じゃないかと思います)の運賃を値下げするようです。
 長崎におけるバスの値段は今までが高かった感じもしますが、県営バスはこれからどこで稼いでいくのか、不採算路線にしわ寄せが来ないかは確かに気になります。

長崎バス運賃値下げへ 県営と競合の7路線(08/28長崎)http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kako/200208/28.html#01

(追記)長崎のバスについて、空港線以外での規制緩和の影響
 投稿者---ながさきくん氏(2002/09/19 23:00:22)

 前述した空港線以外での長崎のバスのことについてです。
 長崎新聞のさらに最近の記事によれば、長崎バスの運賃値下げに対抗して県営バスが競合路線の運賃を値下げするようです。
 予想された動きですが、どのような影響がでるのかとても気になります。

県営バス8路線で来月から運賃値下げ(09/18長崎)http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kako/200209/18.html#03

長崎バスVS県営バス 空港線で住み分けは可能か?
 投稿者---ながさきくん氏(2002/11/05 05:46:07)

 こんにちは、ながさきくんです。
 PCが故障していたため久々の書き込みになりますが、私のようなものでも書き込めるような掲示板の環境を整備されている管理人さんの苦心の運営の跡がうかがえ、とても頭が下がる思いです。

 さて、今回は長崎市〜長崎(大村)空港のバスのことで、実体験を踏まえた書き込みをしたいと思います。
 先日東京から飛行機で長崎を訪れ、(東京に戻る際に)市内から空港へ向かうため、新規参入した長崎バスを初めて利用しました。
 ちなみに空港から実家に戻る際には、いつものように実家に近い停留所がある県営バスを利用しました。

 長崎バスを利用したのは、たまたま長崎での最後の日に中華街で食事をすることになっていて、その一帯が、長崎バスターミナル(長崎バスの出発地・かつ長崎バスの空港線では唯一の乗り場)に近いからです。
 長崎バスのこの長崎バスターミナルは、中華街や、思案橋(お酒を飲んだりする歓楽街)・南山手などの観光地には比較的近いといえます。

 一方、県営バスは長崎駅前の(県営バスの)バスターミナルが始発で、二種類のルートから、途中で何箇所か止まりつつ、空港との間を結んでいます。片方のルートは、途中から長崎バスと同じ道を通りますが、長崎バスはノンストップですので、空港以外では停車地が同一のところはありません。
 県営バスのバスターミナルの向かいにある長崎駅は、近時、駅ビルなどが整備され、人の流れが、思案橋などがある地域(長崎バスのターミナルが近い)から長崎駅前に変わりつつあるように思われます。他の都市のように駅前が中心地となりつつあるともいえるかもしれません。

 もっとも、東京など特に県外の都会からの観光客にとっては駅ビルが目的地ではないでしょうし、特に魅力はないかもしれません。むしろ中華街・南山手などに近い点で、観光するなら、長崎バスのほうが使い勝手がよさそうにも思えます。
 長崎バスは、自社のバスターミナルからのノンストップであることからも、狙いを観光客により特化し(空港までの途中の住民については県営バスと争わず)、長崎南部の長崎バスユーザーも拾う考えかと思えなくもないです。
 ちなみに長崎バスの空港線では、モニターに4ヶ国語(日英中韓)で、ちょっとした街の案内みたいなものが表示されていました。県営バスではなかったなー。県の観光ウェブサイトは4ヶ国語対応なのに…。

http://nais.e-nagasaki.com/select.html

 まとまりませんが、大雑把な言い方をすれば、観光客向けの長崎バスvs長崎出身者も含め幅広くの県営バスといったところでしょうか。
 飛行機利用者についての表現でいえば、長崎訪問者向けの長崎バスvs長崎から他都市に出かける人向けの県営バスとも言い得ます。

 ただ、唯一乗り場が競合する空港でのバス乗り場が、県営バスと長崎バスの違いがややわかりづらく、県営バスの乗務員(?たぶん)が停車中のバスの目の前の切符売り場で事実上の呼び込み(「どこどこ方面は何番です」と繰り返している)をしている状況で、(長崎市内でタクシーや路面電車などに乗り換える人なら)とりあえず県営バスに乗っちゃうようにも思えます。

 かつて「微妙に長崎市内の出発地等が違うので、完全に並走しているわけではないのですが、なにぶん2社の合計便数が多すぎる…。」と書きましたが、長崎バス・県営バスの違いがちょっと具体的に見えてきたでしょうか。
 およそ長崎市という意味では路線はかぶってますが、実際にはかぶってないので、工夫次第で共存もありえなくもないと思えます。

 ただ、いかんせん空港線全体の利用者の絶対数に比べて、バスの全体の本数が多すぎるのではないかと思われます。
 私が乗った木曜18時20分発の長崎バスは、私以外に一人、つまり客は二人…。すいている時間だったのかもしれませんが、新規参入前に数十回利用した県営バスでは、二桁は絶対いましたよ。少なくとも2人なんてことはなかったです。
 長崎バスが値段を下げすぎた(従来の県営バスの片道約1200円→現在の長崎バス800円・往復なら1200円で県営バスも追随)のでは…と個人的には思います。
 片道1000円、往復1500円位でもいいので、現在のバスの停車地の多様性が保たれてほしいと思います。

 最後になりましたが、県・市・公営・民間の「長崎」が入り乱れる上、土地勘がないとわかりづらい話になったと思います。申し訳ありません。

消耗戦への懸念
 投稿者---551planning(2002/11/25 00:43:47)

 スイマセン、かなりの遅レス御容赦…レポート有難うございます。分かりやすいですよ。

 ただ、いかんせん空港線全体の利用者の絶対数に比べて、バスの全体の本数が多すぎるのではないかと思われます。
 長崎バスが値段を下げすぎた(従来の県営バスの片道約1200円→現在の長崎バス800円・往復なら1200円で県営バスも追随)のでは…と個人的には思います。

 別投稿でも御紹介頂いていますが、一般路線でも両社値下げ攻勢を強めていることから、ダンピング競争の懸念があります。利用者側にとっては歓迎すべき一面は確かにありますが、優劣明確化後の反動が気になりますね。特に県営バスの立場は苦しいところでしょう。

***
 もとスレッドで事例に挙げた高知でも動きが見られています。土佐電が後発の駅前観光の路線への対抗運行を行っていた空港−朝倉線からの撤退を決めています。

高知新聞 http://www.kochinews.co.jp/0211/021121evening04.htm

 もともと土佐電は空港−はりまや橋−高知駅前で運行していたのが、駅前観光が空港−はりまや橋−県庁−朝倉(高知大学)路線で新規参入、土佐電が対抗路線設定していたものですが、この便を駅前路線に振り替えることとしたもの。従前の約20分ヘッドがより密になるわけですが、一方では駅前観光路線の定着によるものとも受け止められそうですが、果たして?

 たまたま同日の高知新聞記事では高速バスの増強が伝えられており、11月に京都線2往復(土佐電・高知県交通/京阪)、12月に大阪線(土佐電・県交通/阪急:4→6往復化、WJRB・JR-S:2往復)と神戸線(土佐電・県交通/神姫:2→4往復化)と対関西圏流動の大幅な充実化が図られます。
 特に新規参入のJR陣営が鉄道客とのバッティングに痛し痒しとしながらも「これ以上見過すことは出来ない」とコメントしていることからも、地方における高収益路線での綱引き激化が伺えるところです。また、「昼特急」増強の報も別投稿にて御報告頂いている様に、鉄道需要に対する侵食度合いも今後改めて検討する必要がありましょう。

***
 既存会社の協調、あるいは対抗という図式とは別の取り組みも見え始めています。項を改めて近日中に投稿する予定です。

今さらながら
 投稿者---まえだ氏(2003/09/19 21:33:29)

 今さらながら、書く必要があるかどうかは我ながら疑問ですが・・・。

 長崎空港のダブルトラック化は遺恨試合ですから、採算性とは別の次元の問題なんですよね。だいたい、ダブルトラック化と同時に運賃が実質半額になるというのは、まともな世界の話ではないです。

 という訳で、よその地域との比較という点では、あんまり参考になさらないように(笑)

(3)〜貸切バス事業者の胎動  (2002/12/18 22:46:24)
横浜上陸から2年半…あれ、東京「進出」?の電気バス
 └あのミニバス登場から30年…丸の内に無料循環バス誕生へ
  └[速報!] 「丸の内シャトル」運行開始へ [ただし未乗…]

 「半年」とつけてからはや半年…遅筆御容赦。
 これまでは主に乗合事業者の動向について見てきたが、さらに厳しい経営環境が続いている貸切事業者の中における「規制緩和的動向」を見てみることとしたい。

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 11/20付日経新聞記事によると、貸切バス専業大手の日の丸自動車興行が東京駅周辺の八重洲・日本橋地区と丸の内・有楽町地区での無料循環バスの運行を地元のまちづくり協議会に提案したという。それぞれ計2路線、バス各2台で10時〜20時に15分間隔運行を提案、ニュージーランド製の低床型ハイブリッドバスを使用する計画。地元が負担する運行経費は月に1,200万円で、将来的には銀座・汐留方面延長なども視野に入れたものとしており、日の丸自動車は東京での実績次第では地方都市中心市街地活性化モデルへの昇華も念頭にあるとのコト。協賛企業と警察協議次第では来年早々の運行開始を打ち出していると…。

 日の丸自動車と云えば、欧州製の印象的な外観の観光バス群、最近見掛ける事が多くなったワゴンタクシー、成田移転後チャイナエアラインの都心送迎バスも引き受けているが、なんといっても一番身近なのは、今回の提案のきっかけともなったお台場無料循環バス「ベイシャトル」運行ではないだろうか。2000年4月に運行開始、ネオプラン製のノンステップバスはやはり斬新に映るし、車内ではフジテレビ女子アナによるタウンスポットガイドが流されるなど企業スクラムを感じさせるものの必ずしも押し付け感までには至らないところも好印象の一因となっているのではと感じる。

 一方で日本橋・八重洲という地域も注目だ。対外的には高島屋・三越・大丸と百貨店の大店に代表される「老舗街」という印象の強い日本橋だが、実際は多くの名の通る企業がビルを構えるオフィス街という感覚が強い。それぞれの大店の回遊性のなさがそれをより強く印象付ける。新幹線開業に合わせて東京進出を果たした大丸はさておき、高島屋・三越は「おクルマでいらっしゃる」上得意あってこそという商売っ気が強く、地下鉄はさておきJR東京駅を介してまでの集客は全然…といった感じがありありといえたのではなかろうか。
 しかし時代は移ろい、一部R1でもある幹線の永代通りが「倒産通り」と揶揄され、街の中でも異色の存在であった東急日本橋店の「消滅」に至って、街は強い危機感を共有するようになった。中でも高島屋と三越の協調はその象徴といえるだろう。「日本橋祭り」として継続される流れの中で、期間内企画として両店間無料送迎バス運行があるのも、この街区の回遊性の希薄さの裏返しといえよう。
 八重洲では今年プレデンシャルタワーがオープン、さらには大丸の入る駅ビルのJR-E再開発計画がぶち上げられ、「都市再生」の号令の元成羽両空港と直結する都営浅草線の東京接着案が進み行く中ではあるものの、今年だけで見れば完全に「丸ビル」に食われてしまった感が強い。そんな両地区の回遊性の強化策は地域にとっていかにも飛びつきたくなる提案だろう。
 むしろなぜこうした動きが出てこなかったのだろうか…そういえば、と思い出される方もいるのではなかろうか。実は数年前、近いコンセプトのもと中央区が企画して車両を購入、都交通局が運行していた、「銀ブラバス」を。詳述はしないものの、ものの見事に企画倒れに終わってしまった理由として運行経路やダイヤ、200円という運賃に求める声も多いが、つまるところぶらぶら歩きのように使いたくてもね…という点に尽きたのであった。

ベイシャトル

 お台場でもゆりかもめや都バス路線など移動手段はなくはなかったが、こと回遊性という観点では「線」としての存在に終始していたがゆえのベイシャトルの成功と捉える必要があるのではと当方は感じている。「無料」ということが強調されがちであるが、MM21地区の100円バスの成功からも移動手段の性格をどう考えるかがポイントということを認識する必要があるのではなかろうか。
 その意味において、特に百貨店というショッピング完結性の高い八重洲日本橋地区での「ベイシャトル」的路線の成否はどのようになるであろうか…ここでは私見は控えておこう。

日の丸リムジングループ http://www.hinomaru.co.jp/index.html

デパート「商業都心」論 〜鉄道との関係に見るその戦略〜 file001.htm
特別2路線の去就に見る都バス施策の行方(銀ブラバス) 003.html

***
 11/25付交通新聞記事では、東京都交通局が杉並支所2路線の民間委託先として定観バス会社であるはとバスと調整中であるとされている。環7を走る長大路線としても知られる新宿駅西口―王子駅/−駒沢陸橋路線の運転・運行管理・車両整備業務全般の委託で、乗合免許を持ち(定観バスは乗合免許)ノウハウ豊富で委託までに円滑に進む競合性の無い会社ということで白羽の矢が当たったとのこと。

 運営の民間委託という流れは珍しいものではなく、京都では醍醐地区が京阪バスに、洛西地区が阪急バスにそれぞれ市交通局から運行面委託、すなわちドライバー提供が行われている。
 バスは経費の大部分を人件費が占めるといわれるほどの事業的性格を持つ。特に公営バスではそれが顕著で、最近まで“1千万プレーヤー”がざらに、なんてな状況であった。無論運転手の労働面での厳しさは理解するが、貨物運送業のそれと比べれば天国という声すらあるのも事実だ。
 民営レベルでは早くから経費節減が進められ、特に春闘の影響を受ける大手民鉄においては早くから経営分離(東急・阪急など)、地域分離(西鉄・京成など)、漸次移管(京王・京急など)といった対策が進められてきたが、公営バスでは特に地方においては公共交通維持保全の要請の下赤字の垂れ流しの末に放り出される…という事態を迎えている。ついにその流れが日本一のバス運営体でも現出したともいえるが、その受け入れ先がはとバスというのも興味深い。

 御存知はとバスは今日もその黄色い車体が東京中を駆け巡っているが、数年前まで経営危機にあったことは意外と知られていないかもしれない。最たる事例では自由乗降制の都内スポット循環バス「ぐるり東京号」を華々しくデビューさせたものの2年足らずで消えてしまった(1997〜1999)…など、貸切需要の低迷や運行路線の陳腐化で乗客の減少が止まっていない。しかし1998年以降、CSの徹底やコースの大幅な削減などの大胆な経営改善策によって昨年度決算で8年ぶりの復配を果たしている。
 しかしなんといっても観光バス会社は需要が水物。はとバスとてそれは変わりないだろう。ここに「安定収入」が加わるとなるとどうなるであろうか。そういえばはとバスは大井競馬輸送なども受けており、安定収入の何たるかを心得ている。
 純民営と思われがちなはとバスだが、実はその筆頭株主は40%弱を保有する東京都。経営改善を指揮した社長も元都交通局長だ。都営バスの民営化は以前より云われていたが、この「最たる受け皿」の登場は、今後どのような展開を生むのであろうか…。

はとバス http://www.hatobus.co.jp/
東京都 平成13年度財政援助団体等監査報告書 p361〜【PDF】 http://www.kansa.metro.tokyo.jp/PDF/p41010.PDF

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 この大不況下、貸切事業はまさしく茨の道だ。大口であった法人需要の激減に次いで、少子化等から修学旅行等の学校需要の目減りも深刻だ。さらに規制緩和を受けた小回りの効く小規模時事業者新規参入もあり、少ないパイの確保に価格競争に追い込まれている。
 その中で果敢にも乗合事業への進出によって新たな道を模索する積極的な企業の動向は否応なしに目立つ。既出の富士交通は念願の高速バス路線進出を果たした。日の丸自動車のビジネスモデルはお台場での成功ゆえ自信を持った提案と映る。目を転じれば大新東のように演劇バスという奇を衒った位置付けを、あるいは自治体からの運行受託による過疎バス(80条バス)進出という果敢さに注目させられる。
 はとバスの事例は棚ボタかもしれないが、今後公営バスの民営移管はより顕著になるだろう。その中での受け皿として手を挙げることで基盤を固めて更なる飛躍を遂げた日本中央バスなどの動きも大いに参考になるのではなかろうか。

富士交通 http://www.fujikotsu.com/
大新東 http://www.daishinto.co.jp/
日本中央バス http://www.msksite.net/nipponchuo/

 「戦国時代」と括ることは容易い。しかし、生き残った会社こそが次世代の自動車乗合貸切事業のリーダーとなっていくことは間違いなさそうである

横浜上陸から2年半…あれ、東京「進出」?の電気バス
 投稿者---551planning(2003/02/22 20:56:43)

 横浜市がニュージーランド・デザインライン社製「タービンEVバス」を東京電力経由で試験導入すると発表したのが2000年秋。プレス公開されたときのその丸っこい黄色いバスは強く印象に残り、その後どうなっていたかと気になっていたが…全く音沙汰なしであった。

横浜市 http://www.city.yokohama.jp/me/koutuu/kisha/20011211.html
東京電力 http://www.tepco.co.jp/corp-com/press/2000103001-j.html

 で、別個に【検証:】では既報である、日の丸自動車興業プロデュースによる都心部無料循環バス第2弾となる、丸の内・大手町/八重洲・日本橋巡回バスでは「NZ製低床型ハイブリッドバス」が導入されると先年報道されていたがその詳細が判明、2/6付讀賣夕刊記事には「日の丸デザイン」となったあの丸っこい車体が写真で掲載されていた…。

産経 http://www.sankei.co.jp/edit/kenban/tokyo/030218/kiji02.html

 で、横浜のほうの行方を追ってみると、いちおうまだいるらしいですが。

Blue line「電気バス試乗会」 http://blueline.pobox.ne.jp/bus/event/ev_bus/index.html

 横浜市では当初01年上期での実用試験を予定していたはずが、ナンバープレート取得等の手続きに戸惑った末に02年秋にナンバー取得、02年12月に一般試乗会と相成ったようで。今後は非営業のかたちでの公道試験をとの記述もあり、システム上の問題点でもあったのだろうか…。

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 この「タービンEVバス」、改めてシステムをおさらいしておくと、『車両に搭載したマイクロタービン式の発電機で発電した電力を蓄電池に蓄え、その電力を使用して電動モーターだけで走行する電気バス』(横浜市リリース)ということで、発電時にLPG・CNG・軽油などの燃料を使用するものの、駆動用にモーターとエンジンの両方を持ついわゆるハイブリッド車とは異なるもの。発電と駆動で燃焼方法が異なることから環境負荷が格段に少なくすむのがウリとなる。ちなみに昨今話題の燃料電池バスは水素を燃料としているがゆえに環境負荷がゼロに近いということになる。
 「タービン」と聞くとつい国鉄のガスタービン車を想起してしまうが(古い?当方も現物を見たことアリマセン)、こちらは如何に。最大のライバルとなる燃料電池バスもトヨタ・日野モデルが今年中に東京都で実用試験に供されるだけに、今後の動向も注目といえよう。

あのミニバス登場から30年…丸の内に無料循環バス誕生へ
 投稿者---551planning(2003/08/13 22:56:45)

 既に数度御紹介してきた、日の丸自動車興業プロデュースによる無料巡回バス『メトロリンク』構想第2弾というべき東京駅周辺地域への導入が具現化します。

電気バス、丸の内など都心を無料で巡回 日経(08/13) http://www.nikkei.co.jp/news/…

日の丸自動車興業 http://www.hinomaru.co.jp/marubus/bustop.html

 まず丸の内・有楽町地区で8/22から、八重洲・日本橋地区でもバス停等の調整後に運行開始予定との由。丸の内地区では車輌2台が投入され、8〜10時の朝ラッシュ時はビジネスユースで2路線を、10時〜20時は新丸ビル前からパレスホテルなどを巡る30分周回ルートを15分間隔運行予定。八重洲地区は中央通り等を巡るコースをやはり15分間隔での運行が予定されているようです。さらに将来的には2エリアの相互乗り入れや銀座・汐留ルートの運行も検討とされています。

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 それにしてもタイトルで書いたとおり、かの東京都交通局による「ミニバス」と今回の無料巡回バスのコンセプト等々は大きく違えど、やはりこの地域内のバスサービスが20年ぶりに帰ってくる(ミニバスは10年間運行され廃止に)という事に少なからずの感慨を覚えます。柔軟な運行形態はこの地域のビジネス街という顔と丸ビルをキーとしたファッション・観光スポットとしての性格を示すものでもありますが、そこに回遊性という意味での一抹の不安を抱くものではありますが、なにはともあれお台場「ベイシャトル」の実績を引っさげての登場ですから、目が離せません。

丸の内シャトル

[速報!]「丸の内シャトル」運行開始へ[ただし未乗…]
 投稿者---551planning(2003/08/22 12:24:02)

 今日8/22から運行開始となった「丸の内シャトル」を早速試乗に行ってきました…と云いたかったのですが、時間的都合でいまだ未乗です。なお運行開始セレモニーに立ち会ったのでとりあえず速報までに。

 平日朝10時までは2ルート各1台運行、以降20時まで1ルート2台運行となることから、できれば両方なんて思って向かった9時の丸の内。通勤時間帯の終わりかけということで外出スタイルのビジネスマン含め人通りが交錯する中を歩いてゆくと、東京駅前の行幸通り郵船ビル横に2台並んで停まっておりました。

 クルマ自体はは以前に横浜市交通局が1台レンタルしていますのでそのスタイリッシュな外見は知っていたのですが、なかなかビジネス街に似合っています。独特な前面もシャトルバスのシンボルとして図式化されCIに組み込まれていますが、同時に側面後方にある3本の矢印を組み合わせた図のほうは、放射線マークといいますか、バイオハザードマークといいますか、そんな連想をしてしまうのは当方だけでしょうか…?
 動く気配がないのを幸いに細部までカメラに収めた後、丸ビルをぐるっと廻ってみるとやはり、三菱重工ビルとの合間で運行開始セレモニーを行う様子、準備がなされていました。さらに回り込んだ三菱ビルの正面にはバス停の看板が。「22日は運行開始セレモニー実施のため11時以後の運行となります」という趣旨の注意書きがなされていました…当方は午後の用事のため11時がタイムリミット…。
 ちなみに、数箇所の停留所を見ましたが、いわゆる道路側には看板はありません(総て建物に沿って置かれていた)ので御注意の程。

丸の内シャトル

 そして10時よりセレモニーが開かれ、多数のギャラリーやプレスが見守る中、国土交通省や東京都、千代田区、警察、運行協議会(三菱地所社長や東京電力常務も)ならびに運行事業者、バス製造元のNZ・designline社の代表者らによってテープカットが行われ運行開始が祝されました。
 蛇足ながら、参列者の中にはNPO法人の「大丸有エリアマネジメント協会」の方も参加、「大丸が関わるってことは八重洲方面もそろそろかな…」などと思っていたら、大手町・丸の内・有楽町の頭文字をとって「大丸有」でしたか…。

大丸有エリアマネジメント協会 http://www.ligare.jp/

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 一昨日辺りから試験走行がされ、各種マスコミでも結構取り上げられていましたが、改めてそのルートを見るに、停留所が中途半端かな…という印象も受けました。一番の驚きは丸ビル前に停留所がないこと。直近で三菱ビル前停留所まで行かなければなりません。また、東京駅前には入らず、「ブランド通り」として知られるようになった「丸の内」を印象付ける道も通らないんですね…尤もここは歩いて楽しむ場所ではありますが。
 何はともあれまだ乗っていないのでなんともですが、観光はさておきビジネスユースも前提にしているところ、さてどうかな…とも思ってしまったのでした。

丸の内シャトルレポート by 2003.08.26  ../../topics/neotrans/log365.html

2004.10.23 Update

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